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シャープは、5~10km離れた場所から伝送された映像をAIが解析し記録する「長距離映像モニタリング技術」を開発した。同技術は、同社が国立大学法人京都大学 原田博司研究室(以下:京都大学)、学校法人早稲田大学 渡辺裕研究室(以下:早稲田大学)、大分朝日放送株式会社と共同で、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)より受託した「日米豪国際連携を通じた超カバレッジBeyond 5G無線通信・映像符号化標準化技術の研究開発」の一環として開発したものだ。

VHF帯による4K伝送と事前学習不要のAI解析

同技術は、京都大学が開発した超短波(VHF帯)を用いた無線伝送方式により4K映像を長距離伝送できる「長距離映像伝送技術」と、事前学習なしで対象物の行動認識をリアルタイムで行う同社の「動的映像モニタリング技術」で構成されており、従来技術に比べ、AIの映像解析に必要となる準備期間を短縮できる。将来的には、災害現場や避難所などの遠隔地からのモニタリング、危険感知など幅広い用途での利用が見込まれる。

国内外の実証実験での有用性を確認

同社は、本技術の有用性を確認すべく、昨年3月から本年1月にかけ、国内外で実証実験を実施した。国内では、動物園や水族館で飼育されている動物の行動把握や航行中の船舶からの映像伝送、国外では、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)とともに、遠隔地からの放牧牛のモニタリング実証実験を通じ、さまざまな分野に展開できることを示した。

Beyond 5Gを見据えた国際標準化への取り組み

現在、同社では、開発した「長距離映像モニタリング技術」で使用している無線通信ならびに映像圧縮技術をさらに発展させるため、国際標準として策定される次世代通信規格「Beyond 5G」ならびに次世代動画圧縮規格「Beyond VVC」での採用に向けて、無線通信や映像圧縮の国際標準化会合での提案を進めている。そして、今回実証した動物や船舶のみならず、交通インフラや災害対策など、多分野へ適用できるよう、長距離無線通信およびAI技術を通じたDX支援に取り組んでいくとしている。