株式会社ピクス(以下:P.I.C.S.)は、株式会社クエストリー(以下:Questry)と、P.I.C.S.が手がける「プリンセスぞのふ」パイロットフィルムに関する投資および共同事業契約を締結した。
同件はQuestryにとってパイロットフィルム投資の第1号案件となる。同提携を通じて、両社は同作の長編化、シリーズ展開等を視野に入れたIP開発を共同で推進し、作品価値の最大化を目指すとしている。
提携の背景
P.I.C.S.は「世界に楽しい驚きを」をステートメントに掲げ、2000年の創業以来、ジャンルを問わず様々な映像・グラフィックの制作を手掛けてきた。近年では、オリジナル作品をプロデュースするブランド「P.I.C.S. ST」を立ち上げ、アニメ「オッドタクシー」やドラマ「シナントロープ」など、唯一無二のオリジナリティを持った作品を生み出している。
Questryは、「日本のコンテンツを金融の力で世界一に」をミッションに掲げ、日本のエンタメコンテンツに新たな資金を呼び込むための金融事業を推進。日本のエンタメを世界的な「アセットクラス」へと昇華させ、多様な投資家が参加できる仕組みを築くことを目指しているという。
今回の提携では両社の強みを活かし、グローバル展開を見据えたIP開発を共同推進する。その足がかりとして「プリンセスぞのふ」パイロットフィルムの開発をスタートした。パイロットフィルムは、将来的な長編化やシリーズ化へとつなげる重要な起点となる存在だ。
国際市場を前提としたIPビジネスを展開するためには、初期段階からグローバルな事業構想と資本設計を行うことが不可欠となりつつある。P.I.C.S.とQuestryはこの課題意識を共有し、パイロットフィルムを将来的なIP資産として設計するためのファイナンス枠組みについて議論を重ねてきた。本件は、その議論を具体的な形として実行に移す最初の取り組みである。
同提携の内容
同提携において両社は以下を共同で推進する。
- パイロットフィルムを起点とした長編化・シリーズ化の企画開発
- IPとしての中長期的な事業設計および収益モデルの構築
- グローバル展開を視野に入れたファイナンス設計およびパートナーリング
Questryは、金融設計および投資スキーム構築の専門性を活かし、IPの成長段階に応じた資本戦略を担う。P.I.C.S.は、クリエイティブ制作およびコンテンツ開発の中核として同プロジェクトを推進する。
「プリンセスぞのふ」について
「プリンセスぞのふ」は、日本ならではの日常を海外から来た姫の視点で再発見させることで、国内には共感を、海外には驚きを生み出し、日本の庶民文化をグローバル市場に翻訳し育成していくIPプロジェクトだ。
作品概要
世界最強の日常に、異国の姫がカルチャーショック!日本の庶民文化を舞台に、異国の姫が大袈裟に感動しながら大騒ぎする、グローバル発信型コメディアニメ。
STORY
誰も怒らず、静かで平和な「凪の国」で育った姫・ぞのふ。破天荒すぎて人間修行に出され、たどり着いたのは日本。コンビニの品揃えに目を輝かせ、カップラーメンの旨さに感涙し、満員電車の洗礼を受ける。日本人にとっては当たり前の日常が、ぞのふにとってはすべて大事件。そのたびに"ぞのめき"が起こり、彼女の周りに風が吹く。日本の日常を、外から来た姫の視点でひっくり返す、カルチャーショック・コメディ。
STAFF
- 企画原作・キャラクターデザイン・監督:YKBX
- 脚本・シリーズ構成:坂本ミズホ
- 音楽:Ryosuke "Dr.R " Sakai
- 制作:P.I.C.S.
現在パイロットフィルム制作中。
今後の展望
両社は、同プロジェクトを通じて、パイロットフィルム段階から事業設計と資本戦略を組み込むIP開発の大り方を実証していくという。今後、世界市場での長編化・シリーズ化を見据え、国内外のパートナー候補との協議を本格的に進めていく。
また、同取り組みで得られる知見が、日本から世界へ挑戦するプロデューサーや制作会社にとって、新たな資金調達および事業構築の選択肢となることを目指すとしている。
代表コメント
P.I.C.S. 代表取締役 平賀大介氏は、次のようにコメントしている。
平賀氏:私たちが目指しているのは、作ることに専念できる「現場」と、その挑戦を支え続ける「お金の仕組み」を両立させることです。今回、金融のプロであるQuestryさんとご一緒する意味は資金調達だけではありません。パイロットフィルムを将来の大切な資産として捉え、開発段階から世界を見据えた事業プランを共に描けることにあります。作り手がクリエイティブの主導権を持ちながら、じっくりと作品を育て、中長期的な収益に繋げていく。当たり前のようで難しい挑戦を形にすることが、私たち制作会社にとっても、共に歩むクリエイターにとっても、未来へ続く新しい選択肢になると考えています。
Questry CEO 伊部智信氏は、次のようにコメントしている。
伊部氏:P.I.C.S.さんから初めて「プリンセスぞのふ」の企画を伺った時、直感的に「これは日本にとどまらず、世界で戦うべきものだ」と強く感じました。P.I.C.S.さんのこの新しい挑戦に対して、私たちがファイナンス面にとどまらず、IP価値を最大化するという観点から伴走させていただけることを、心から嬉しく思っています。そして、この挑戦が、これから世界を目指す多くの若き日本のクリエイターの道を切り拓くものになると、信じてやみません。
対談記事を公開
同提携の背景や課題意識、日本発オリジナルIPが世界市場で戦うために必要な事業設計について、両社関係者による対談記事が公開されている。同対談では、制作会社が直面してきた構造的課題や、初期段階から資本戦略を組み込む意義について詳しく語っている。