ARRIは、デジタル映像にアナログフィルムの質感や雰囲気を再現するためのライセンス制OpenFXプラグイン「Film Lab 1.5」のリリースを発表した。バージョン1.5では、ユーザーが利用できるクリエイティブなオプションやパラメータが拡充されるとともに、処理速度の向上やカラーマネジメントワークフローとの連携が強化されている。

映画製作者やポストプロダクションの専門家たちの進化するニーズに応えて開発されたFilm Lab 1.5は、映画業界へのARRIの継続的な取り組みと、撮影からポストプロダクションにいたるまで、独自の映画的なストーリーテリングを支援するという姿勢を強調するものだという。

最も重要な新機能の一つは、フィルムフォーマットの選択だ。これまでFilm Labのアナログ調の見た目は35mmフィルムに基づいていたが、ユーザーは8mm、16mm、35mm、65mmの中から出発点として選択できるようになった。「粒子サイズ」と「ディテールの表現」という2つの新しいパラメータにより、これらの選択をさらに微調整できるようになった。「粒子サイズ」は粒子の大きさを調整し、「ディテールの表現」は知覚されるシャープネスを変更する。どちらも0.75から1.5までの範囲で設定可能であり、各フォーマットに特有の美学の中間的なルックを作成するのに役立つという。

また、Film Lab 1.5では「アナモフィック比率」コントロールも導入された。1.25倍から2.0倍までの8つのアナモフィック圧縮比率を用意しており、ユーザーはさまざまなアナモフィックレンズで撮影された映像に合わせて、フィルムグレインやハレーションの輝きの水平方向の伸びを微調整できる。新たに追加された「ハレーションの広がり」コントロールにより、ハイライトや高コントラストなエッジ周辺の輝きの半径や特性がさらに調整可能になった。

Film Labユーザーからの「より強いアナログ調の表現」を求める要望に応え、ARRIは既存の2つのコントロールの最大値を2倍に引き上げた。「グレイン強度」と「ハレーション強度」は、それぞれ0.0から2.0の範囲で調整可能となり、プロジェクトのニーズに応じてより際立った効果を実現できるようになった。既存の「ネガフィルム種」、「プリントプロセス」、「ゲートウィーブ」の各コントロールも引き続き利用可能であり、慣れ親しんだFilm Labのワークフローを維持しつつ、クリエイティブな表現の幅を広げている。

パフォーマンスの向上により、Film Lab 1.5は最大4倍高速化された。Apple Silicon搭載のMacBook Proシステムを含む、より多くのデバイスで超高速なレンダリングとスムーズなリアルタイム4K再生が可能になり、ユーザーはルックを構築する際に、よりレスポンスの良いフィードバックを得られるようになった。

また、今回のアップデートでは、カラーマネジメント対応のポストプロダクションへの対応も拡充された。新たに追加されたACES 2.0、ACEScc、ACEScctの入出力オプションにより、DaVinci ResolveやBaselightなどのアプリケーションでのワークフローに対応する。Baselightでは、OpenFX 1.5によるカラーマネジメントの統合により、Film Labがタイムラインのカラースペースに自動的に追従し、正しい入力変換の受け取りが可能となった。これにより、プラグイン内でそのカラースペースを手動で選択する必要がなくなった。

ARRI Film Lab 1.5は、RE:Vision Effectsより、新規の場合は購入、既存のライセンス所有者は無償アップグレードのいずれかの形で、現在入手可能。