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株式会社アマナは2026年10月14日、企業のマーケティング・クリエイティブ担当者400人を対象とした「AI×クリエイティブに関する調査」の結果を発表した。有効回答数は354人。調査では、AIツールを利用する20代の77.3%が「選ぶことに苦手意識がある」と回答し、50代の43.2%を34.1ポイント上回った。

また、AI導入後の業務については、「プロンプト作成」「アウトプットの修正」「評価」「最終判断」の各工程で、7割以上が「負担が大きい」または「どちらともいえない」と回答した。

調査結果からは、AIによる制作効率の向上とともに、生成されたアウトプットを評価し、目的に合ったものを選択する工程が課題となっていることがうかがえる。

調査の背景

生成AIの普及により、企業のマーケティングやクリエイティブ制作の現場でもAI活用が進んでいる。今回の調査では、AIツールを利用する担当者の86.4%が、制作スピードの向上やコスト削減などの効果を挙げた。

一方、AIによって短時間で多様なアウトプットを生成できるようになったことで、「どれを選ぶか」「何を修正するか」「自社らしい表現かどうかをどう判断するか」といった、人が担う工程にも新たな課題が生まれている。

アマナは、こうした状況を背景に、AI時代に企業が求める人材像やスキル、クリエイティブ制作における人の役割の変化を明らかにするため、今回の調査を実施した。

調査結果サマリー

  • AIを利用する20代の77.3%が「選ぶことに苦手意識がある」と回答。50代の43.2%を34.1ポイント上回った
  • プロンプト作成、アウトプットの修正、評価、最終判断の各工程で、7割以上が「負担が大きい」または「どちらともいえない」と回答
  • AI出力の評価・判断について、79.1%が「何らかの壁がある」と回答
  • AI時代に重要になるスキルとして、81.6%が「言語化能力」「編集力」「感性」のいずれかを挙げた
  • 必要な人材が不足したままAI活用を進める場合のリスクでは、ブランドの均質化や表現の没個性化などに関する回答が計72.6%を占めた

調査結果

1.AIを使う20代の77.3%が「選ぶことに苦手意識」

AIツール利用者を年代別に比較したところ、20代の77.3%が「選ぶことに苦手意識がある」と回答した。一方、50代では43.2%となり、その差は34.1ポイントに達した。

また、AIを週4日以上利用する20代では、86.3%が「選ぶことに苦手意識がある」、89.0%が「AI出力の評価・判断に何らかの壁がある」と回答した。

AIの利用頻度が高い20代でも、アウトプットの選択や評価に課題を感じている状況がうかがえる。

年代別に見るAI利用者の選ぶことへの苦手意識

2.AIで制作効率が向上する一方、人が担う工程には負担も

AI導入後の各工程について負担感を調査した結果、「負担が大きい」または「どちらともいえない」と回答した割合は、以下のとおりとなった。

  • プロンプト作成(AIへの指示・言語化):74.0%
  • アウトプットの修正(改善指示):74.9%
  • 評価(アウトプットの良し悪しの判断):73.7%
  • 最終判断(公開・採用の可否の決定):73.2%

いずれの工程でも7割以上が、負担を感じる、あるいは負担の有無を明確に判断できない状況にあることが示された。

AIによってコンテンツの生成を効率化できても、適切な指示を与え、出力結果を評価し、必要な修正を判断する工程には、依然として人の関与が求められている。

AI導入後の工程別の負担感を示す調査結果

3.79.1%がAI出力の評価・判断に「何らかの壁」

AIが生成したアウトプットを評価・判断する際に、「何らかの壁がある」と回答した人は79.1%に達した。

評価や判断が難しい理由として最も多かったのは、「良し悪しを判断する基準が社内で統一されていない」の29.9%。次いで、「選んだ理由や修正指示を人に説明する自信がない」が28.3%、「ブランドらしさを判断する基準が自分の中にない」が21.8%となった。

これらの結果からは、AIの出力品質だけでなく、生成されたコンテンツを評価するための社内基準や、判断理由を説明する能力も課題となっていることがうかがえる。

AI出力の評価・判断が難しい理由を示す調査結果

4.AI時代に重要になるスキルは「言語化・編集・感性」

AI時代に「より重要になるスキル」として、「言語化能力」「編集力」「感性」のいずれかを挙げた人は81.6%に達した。

一方、「今後不要になるスキル」として挙げられたのは、「情報収集やレポート作成」が38.4%、「ツール操作などのオペレーション」が37.0%、「決まったフォーマットへの処理・整形」が34.7%だった。

こうした回答からは、定型的な作業を行う能力だけでなく、AIに自社の意図を正確に伝え、生成されたアウトプットを評価し、ブランドや目的に沿って編集する能力が重視されていることがうかがえる。

AI時代に重要になるスキルと不要になるスキルの調査結果

5.AI活用で懸念されるブランド表現の均質化

AI活用に必要な人材が不足したまま導入を進める場合のリスクについて尋ねたところ、ブランド表現の均質化や独自性の低下に関する3項目の回答が、合計72.6%を占めた。

内訳は、「それっぽい」だけの低品質なコンテンツが量産され、ブランド価値が損なわれることが27.1%、競合他社と似通った没個性的なクリエイティブになることが24.3%、ブランドの文脈に合わない不適切なアウトプットが広がることが21.2%だった。

一方、「炎上や権利侵害など、致命的なミスが起きる」は18.1%となった。

AIを活用する際には、著作権や炎上といったリスクへの対応に加え、企業やブランド独自の表現をどのように維持するかも課題となっている。

人材が不足したままAI活用を進める場合のリスクを示す調査結果

AI時代のクリエイティブに求められる判断力

今回の調査では、AIの活用によって制作の効率化が進む一方、生成されたアウトプットを評価し、自社の目的やブランドに合った表現を選ぶ工程に課題を感じる回答者が多いことが明らかになった。

AIを操作できることに加え、「何を生成するか」「どのアウトプットを採用するか」「どこを修正するか」「公開してよいか」といった判断も、クリエイティブ制作における重要な役割となっている。

その判断を支えるためには、企業が自社のブランドや強みを言語化し、クリエイティブの評価基準を共有することが求められる。

大量のコンテンツを生成できる環境が整う中で、企業の目的に合った表現を見極める力が、これまで以上に重要になっていると考えられる。

詳細レポートの内容

アマナは今回の調査について、AI時代に求められる人材像やスキルをまとめた詳細レポート「AI時代に求められるスキルと人材」を公開している。

同レポートでは、以下の6つのテーマを取り上げている。

  • 自社の「ブランド基準」で判断できる人材が必要
  • AI時代に求められる人材が不足している
  • AIのアウトプットが判断できていない
  • ボトルネックは「プロンプト」と「評価基準」
  • AIに伝える「言語化するスキル」が不足
  • 人材育成・採用に課題あり。他社との差別化が困難

詳細レポートは、アマナの専用ページから申し込み、ダウンロードできる。

調査概要

  • 調査名:AI×クリエイティブに関する調査
  • 調査対象:企業のマーケティング・クリエイティブ担当者(宣伝・広告・ブランド・事業企画)
  • 調査対象者数:400人(発表資料冒頭の記載)
  • 有効回答数:354人
  • 役職構成:経営者・役員17.5%/部長以上27.3%/マネージャー23.5%/一般職31.8%
  • 企業規模:100人未満35.0%/100~499人20.0%/500~999人13.3%/1,000人以上31.8%
  • 職種:マーケター92.3%/クリエイター7.8%
  • 調査実施:株式会社ネオマーケティング