Blackmagic Designの発表によると、リモートポストプロダクションハウスのSecret Weapon Postが、グレッグ・アラキ監督の最新プロジェクトである「I Want Your Sex(原題)」と4Kレストア版「Mysterious Skin(原題)」のポストプロダクションにおいて、DaVinci Resolve StudioポストプロダクションソフトウェアやBlackmagic CloudおよびBlackmagic Cloud Storeネットワークストレージ・ソリューションを使用したという。両プロジェクトでリモートポストプロダクションワークフローが導入されたため、制作スタッフは場所を問わずリアルタイムで共同作業でき、コスト削減と創作活動にも役立った。
アラキ監督は30年以上にわたって注目を集めるインディーズ映画を制作しており、2026年には新作2本が劇場公開される。「I Want Your Sex」は、オリヴィア・ワイルド、クーパー・ホフマン、チャーリーXCXらが出演し、今年初めにサンダンス映画祭でプレミア上映され、現在は劇場公開中。「Mysterious Skin」は、ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演の映画で、2004年に初上映され、今回4Kレストアされたことで、新たな世代の映画ファンに向けて再び劇場公開されることとなった。
アラキ監督は「I Want Your Sex」について、次のようにコメントしている。
アラキ監督:自分の映画が700以上のスクリーンで公開されるのは今回が初めてです。それを自宅で、自分のスケジュールで編集できたことは驚きです。しかも、ポストプロダクションチームの全員が、ポストプロダクションスタジオにリモートアクセスする必要なく、それぞれ好きな場所から共同作業を行えました。
監督兼エディターとして、DaVinci Resolveで映画を編集したのは初めてでした。DaVinciのコラボレーションツールを使用したことで、他のプラットフォームを行き来する場合よりも自由度が増し、チームとしての機動力が大幅に向上しました。さらに大きいのは、予算を本来使うべき映像そのものに充てられたことです。
「Mysterious Skin」を4Kにレストアした際は、制作チームのメンバーたちに加え、Resillion Media Content ServicesともDaVinci Resolveでリモートで作業しました。他の方法であればコストが高く時間のかかる調整も、DaVinci Resolveのツールですばやく行えました。

創業者兼CEOのグレッグ・オリバー氏が率いるSecret Weapon Postのチームは、各プロジェクトのリモートポストプロダクションワークフローを構築し、全工程を通じてアラキ監督や他の制作スタッフと緊密に連携した。
ワークフロー責任者のキャンディス・"マーズ"・ウィリアムソン氏は、次のようにコメントしている。
ウィリアムソン氏:「Mysterious Skin」では、Resillionと円滑に連携し、カラーグレーディングと最終納品用ファイルを制作しました。Resillionの施設にCloud Storeを設置し、共同作業用のDaVinci Resolveプロジェクトで、高解像度のオリジナルフィルムスキャンを扱いました。その後、Blackmagic Proxy Generatorでプロキシを生成しました。
グレッグ監督の作業拠点にもCloud Storeがあり、Blackmagic Cloudを介して、すべてのプロキシと容量が小さいファイルが監督側のCloud Storeに同期されるように設定しました。そこからは、彼が思い通りに映像のサイズを変更したり、再編集したりできるようになりました。映画の初公開当時には使用できなかった新しいVFXも追加できました。
それと同時進行で、Resillionのカラリストであるボッシ・ベイカーが、オリジナルのスキャンファイルに対してグレーディングの調整を行っていました。グレッグ監督はプロキシを使用していたにも関わらず、それらの変更を自分の環境でリアルタイムに確認できました。
「I Want Your Sex」のプロデューサーであり、Secret Weaponのポストプロダクション責任者であるボー・ジェノ氏は次のようにコメントしている。
ジェノ氏:「I Want Your Sex」でも、同じワークフローを用いて、Iris Digital Postのシェイリー・ブルークスと共同作業を行いました。私たちは6か月にわたって緊密に連携しながらワークフローを構築し、すべての問題点が解消されていることを確認しました。制作が始まった後は、シェイリーがマスタードライブを管理し、デイリーを処理してアップロードしました。プロキシは、エディターでもあるグレッグ監督と、アシスタントエディターのビクター・パーラがダウンロードできるように設定されました。
オリバー氏:私自身、監督兼プロデューサーとして、チームが従来のポストプロダクションスタジオにリモートアクセスして作業する際、どれほど多くの費用が無駄になるかを身をもって知っています。
これらのプロジェクトのプロデューサーであるボーから最初に話を持ちかけられ、グレッグ監督が新しいことに挑戦したがっていると聞いた時、DaVinci Resolveを含むBlackmagic Design製品がどのように役立つか、すぐに分かりました。ボーのために費用を試算し、グレッグ監督とアシスタントエディターにデモを行い、習得の過程ではマーズがサポートすることを説明しました。こうして、プロジェクトが動き出したのです。
ジェノ氏は、コラボレーションがこのワークフローの中核を成していた一方で、DaVinci Resolve StudioとBlackmagic Cloudを使用してポストプロダクションをリモートで行うという決断には、コスト削減も大きく影響していたとコメントしている。
ジェノ氏:使用が簡単で、かつ時間と費用を抑えることが狙いでした。DaVinci Resolveのおかげで制作過程が能率化され、両方の目的を達成できました。
全員が同じファイルで作業を行ったので、複数のことを同時に行えました。例えば、カラーコレクションは編集中に行いました。シェイリーとIris Digitalも編集の進行に合わせて作業を進めることができました。VFX用の素材の抽出や作業も簡素化され、はるかに簡単になりました。また、最終ミックスの直前まで編集に変更を加えることができました。

ウィリアムソン氏も同様の見解を示している。
ウィリアムソン氏:このワークフローの最大の魅力は、制作時間を節約でき、それがコスト削減につながることです。ラウンドトリップやコンフォームに時間を割く必要がないので、誰にとっても嬉しい点です。また、複数のスタッフが同じプロジェクトで、場合によっては同じタイムラインで同時に作業できます。
これらのコスト削減で浮いた資金は、同プロジェクトの他の面に充てられた。ウィリアムソン氏がその例を挙げる。
ウィリアムソン氏:「Mysterious Skin」では、グレッグ監督はVFXをアップデートすることに意気込んでいました。初公開当時には費用がかかるため実現できなかったさまざまな要素を追加し、作品をさらに良くすることができました。
ジェノ氏:DaVinci Resolveについて知り、実際に試してみたところ、迷う余地はありませんでした。編集プロセスに革命が起きましたね。
RAWのカメラ映像を別のメディア形式に変換し、それをもう一度変換する作業に費用をかける必要がなくなりました。この新しいプロキシベースのワークフローにより、中間工程のオフライン編集とオンライン編集が不要になりました。プロキシを使用することで、両者が一体化しました。これにより、経費と時間を節約できます。従来のやり方に戻ることなど、もう想像もできませんね。
オリバー氏:業界がフィルム撮影からデジタル撮影に移行したのと同じ理由で、私たちはDaVinci ResolveとBlackmagic Cloudを基盤にポストプロダクション会社を立ち上げました。コストを削減できます。DaVinci Resolveでは、従来の編集プラットフォームで何世代にもわたって行われてきたのと全く同じことが可能です。唯一の違いは、DaVinci Resolveではそれをより効率的に、より低コストで、かつ他のツールにはないコラボレーション機能付きで行える点です。
ばかげた価格のストレージシステムは不要です。メディアを送受信したり、サイズの大きなプロジェクトファイルをEメールで送ったりする必要もありません。予算を大切に使いたいのであれば、DaVinci Resolveを視野に入れるのは当たり前でしょう。
人は変化を恐れるものですが、その変化によって仕事がどれほど楽になるかが分かれば、すぐに新しいやり方を習得できます。新しいエディターがこのワークフローに加わるたびに、彼らがそれを受け入れる姿を、私たちは繰り返し見ています。変化を受け入れることが良い結果につながるのは、グレッグ監督がDaVinci Resolveで複数のプロジェクトに取り組んでいることを見れば明らかです。彼は何十年も映画制作に携わっていますが、予算を本来使うべき映像そのものに充てられるのであれば、多少の変化は厭いません。
