DJIは、公称容量2016Wh、最大2000Wの連続出力に対応したポータブル電源「DJI Power Auro 2000 Elite」を発売した。希望小売価格は税込147,400円。
同製品は、DJIの2kWhクラスで最もコンパクトな設計を採用。最大600Wの車載充電モジュールとMPPTソーラー充電モジュール、最大140W出力の巻き取り式USB-Cケーブル、2基のSDCポートを本体に統合している。アウトドアや映像制作、家庭用バックアップ電源などを想定しており、今後発売予定の専用拡張バッテリーを最大5台接続することで、総容量を約12kWhまで拡張できる。
DJIの2kWhクラスで最もコンパクトな設計
DJI Power Auro 2000 Eliteは、リン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリーを搭載する。DJI Power 2000と比較して体積を24%、重量を14%削減し、約19kgの本体に2016Whの容量を収めた。
接続端子を本体の一面に集約し、縦置き・横置きのいずれでも配線しやすい構成とした。自宅での保管や車載時など、限られたスペースでの設置にも配慮している。
AC出力は最大2000Wの連続純正弦波出力に対応し、撮影機材や家電製品、電動工具などに給電できる。一部の抵抗負荷機器では、定格消費電力が約2200Wの製品にも対応する。ただし、実際に使用できる機器は起動電力や動作条件によって異なる。
また、日常的に利用される100~400W程度の低負荷領域で電力変換効率を高め、消費電力の小さい機器を長時間使用する場合の効率にも配慮した。キャンプや屋外でのコンテンツ制作、家庭用バックアップ電源など、さまざまな用途を想定している。
車載充電とソーラー充電に対応するオールインワン設計
DJI Power Auro 2000 Eliteは、車載充電用とソーラー充電用のモジュールを本体に内蔵。対応するケーブルを使用することで、車のバッテリーやソーラーパネルから充電できる。主な充電方法と組み合わせは以下の通り。
- 家庭用AC電源:日本向けの100V仕様では最大1440WのAC入力に対応。DJIによると、急速充電モードでは約105分で満充電が可能。
- 車載充電:別売りのDJI Power 車内バッテリー充電ケーブルを使用し、車のバッテリーから充電可能。12V車では最大400W、24V・48V車では最大600Wに対応し、条件が整えば最短約4時間で満充電できる。
- ソーラー充電:別売りのDJI Power MC4ソーラー充電ケーブルを使用し、内蔵MPPTモジュールを介して充電。SDCポート1基あたり最大600W、2基合計で最大1200Wの入力に対応し、十分な日射条件では約2.7時間で満充電できる。
- オフグリッドでのデュアル入力充電:ソーラー充電と車載充電を組み合わせ、各最大600W、合計最大1200Wの入力に対応。
- インテリジェントハイブリッド充電:家庭用AC電源とソーラーまたは車載入力を組み合わせて充電可能。利用できる入力電力は、電源環境や接続条件によって異なる。
車載充電では、車のバッテリーに直接接続する方法に加え、対応するケーブルを使用して車内電源ソケットから充電する方法も用意されている。車の移動中にバッテリーを充電し、現地ではソーラーパネルを利用するなど、電源環境に応じた運用が可能となる。
なお、最大入力電力や充電時間は、車両の電源電圧、発電能力、ソーラーパネルの出力、周囲の温度などによって変動する。また、車載充電やソーラー充電に必要な接続ケーブルは別売りとなる。
本体には長さ約0.8mの巻き取り式USB-Cケーブルも内蔵。USB PD 3.1に対応するスマートフォンやタブレット、ノートパソコンへ最大140Wで給電できる。ケーブルは使用時に引き出し、収納時には本体に収められる構造となっている。
また、ケーブル部分は交換可能なモジュール構造を採用。破損した場合でも本体全体を交換することなく、該当モジュールを交換できる。
2基のSDCポートは、本体への充電だけでなく、対応するDJIドローンのバッテリー急速充電や、各種アダプターケーブルを介した外部機器への給電にも利用できる。
LFPバッテリーと多重保護機構を採用
DJI Power Auro 2000 Eliteは、針刺し試験、衝撃試験、落下試験などを実施したLFPセルを採用。DJIの試験条件では、4000回の充放電サイクル後も初期容量の80%以上を維持する。
筐体は最大1トンの静的荷重に耐える構造で、UL 94 5VBの難燃性等級に対応する。バッテリーだけでなく、本体の構造や電子回路にも複数の保護機構を設けている。
バッテリーマネジメントシステム(BMS)には、13個の温度センサーと40個のヒューズを組み込み、温度や電力供給の状態を監視。異常を検知した場合には、自動的に動作を停止する保護機能を備える。
さらに、主要な電子部品には超薄型のサブナノ保護コーティングを施し、湿気や塩水噴霧、腐食による影響を低減する設計を採用した。保護膜を薄くすることで、部品の放熱性にも配慮している。動作環境温度は-10~45℃で、標高最大5000mでの動作に対応する。
ただし、湿気や塩水噴霧への耐性は、防水性能を保証するものではない。屋外で使用する際には、降雨や水の浸入を避ける必要がある。
DJI Homeアプリからは、バッテリー残量や入出力の状態を確認できるほか、充電モードの切り替えや入力電力の調整などを行える。Wi-Fi経由で接続することで、ファームウェアの更新にも対応する。
また、UPS(無停電電源装置)モードでは、停電時に最短0.01秒以内でバッテリー給電へ切り替える。パソコンや周辺機器などのバックアップ電源として利用できるが、接続機器の仕様によっては電源の切り替え時に動作が停止する可能性があるため、無停止動作を保証するものではない。
低負荷での放電時には、動作音を30dB以下に抑える設計を採用。騒音を抑えたい室内や夜間の利用にも配慮している。実際の動作音は出力負荷や周囲の温度などによって異なる。
DJIドローンの急速充電や業務用機器への給電にも対応
DJI Power Auro 2000 Eliteは、対応するDJI Power SDC急速充電ケーブルを組み合わせることで、DJI Mavic 4 ProやDJI Air 3シリーズなどのインテリジェントフライトバッテリーを充電できる。
最大240WのSDC急速充電に対応し、DJIによると、Air 3シリーズのバッテリーは約30分で10%から95%まで充電可能。現場で複数のバッテリーを交換しながら撮影する際にも活用できる。なお、充電時間は使用するバッテリーや周囲の温度などによって異なる。
また、DJI Matrice 4シリーズのバッテリーは、対応する急速充電ケーブルを利用することで、約35分で10%から95%まで充電できる。
業務用途では、別売りの「DJI Power SDC – PoE電源ケーブル」を使用することで、DJI O4グラウンドステーションへの給電にも対応。商用電源を確保しにくい遠隔地でのドローン運用などを想定した構成だ。
車載充電やソーラー充電を本体に内蔵し、ドローン用バッテリーの急速充電にも対応することで、屋外での映像制作や業務用ドローンの運用に必要な電源構成を集約できる。家庭用バックアップから移動先での電力確保まで、用途に応じて充電・給電方法を選べるポータブル電源となっている。
