注目のアプリにスポットを当てる「APP SPOT」。
今回紹介するのは、ロケハンのメモや現場図面、写真、台本などを1冊のノートにまとめて管理できるiPad・iPhone向けアプリ「ShootBinder」だ。
ShootBinderは、現役の照明技師が、自身のロケハンや撮影現場での経験を基に開発したアプリである。開発者によると、これまでは手書きノートアプリに写真を1枚ずつ貼り付けたり、現場図面を手描きした後にIllustratorなどの別ソフトで描き直したりしていたという。
また、スタッフとの情報共有では、台本や撮影資料はPDF、ロケハン写真はグループLINEのアルバムなど、情報の保管場所が分散していた。写真だけでは撮影した位置や方向が分かりにくく、現場図面と照らし合わせる作業にも手間がかかっていたという。
こうした課題を解決するために開発されたのがShootBinderだ。ノートアプリのような手書き機能に加え、撮影機材や建物のスタンプを使った作図、写真やメモと図面の関連付け、撮影資料の並列表示などに対応する。開発者自身も実際のロケハンや撮影現場で使用しながら改良を進めている。
特徴となるのは、図面やPDF資料の任意の位置に配置できる「Pin」機能だ。例えば、現場図面上の撮影位置にPinを設置し、そこから撮影した写真やメモを関連付けられる。さらにPin同士をリンクすることで、図面上の撮影位置から該当するショットリストや台本のシーンへ移動することも可能だ。
iPad版では、図面とショットリストなど2つの資料を並べて表示できるほか、Apple Pencilによる手書きにも対応。照明機材の消費電力の合計を確認する機能や、現場図面に太陽の通り道を表示する機能など、撮影現場向けのツールも備えている。
アプリは無料でダウンロードでき、1案件まで利用可能。2案件目以降の作成や案件の共有には、買い切り型の「ShootBinder Pro」が必要となる。Pro版は2026年12月31日まで発売記念価格の税込1,500円で提供され、通常価格は税込2,980円。日本語と英語に対応する。
| アプリ名 | ShootBinder |
| 開発者 | Yuya Kawai(App Store登録名) |
| 価格 | 無料(1案件まで)/ShootBinder Pro:税込1,500円(2026年12月31日までの発売記念価格、通常価格は税込2,980円、買い切り) |
| プラットフォーム | iPad/iPhone |
| 対応OS | iPadOS 17.0以降/iOS 17.0以降 |
| 対応言語 | 日本語/英語 |
| 入手先 | App Store |
| 製品サイト | https://shootbinder.lightingandgadgets.com/ |
利用シーン
- ロケハン:現場図面をその場で作成し、撮影位置ごとに写真やメモを整理。太陽の位置や照明機材の配置も確認できる
- 撮影準備・本番:台本、香盤表、ショットリスト、現場図面をまとめて管理。iPadでは複数の資料を並べて確認できる
- スタッフ間の情報共有:案件を閲覧専用で共有し、各スタッフが自分専用のメモを追加可能。PDFとして書き出し、アプリを使用していないスタッフへ渡すこともできる
主な特長
- 現場図面をiPadで作成:建物や撮影機材のスタンプ、直線・図形・寸法線などの作図ツールを使い、ロケハン中に現場図面や照明のセッティング図を作成できる
- Pinで写真とメモを関連付け:図面やショットリストなどのPDFにPinを配置し、写真やメモを関連付けられる。撮影した位置と関連資料の対応関係を確認しやすい
- 写真ボックスによる整理:撮影・取り込みした写真をグループごとに管理し、ドラッグ操作でPinやスタンプ、現場図面に配置できる
- Pin同士のリンク:図面上のPinからショットリストのPinへ移動するなど、異なる資料間を関連付けられる。iPadではリンク先の資料を2分割表示することも可能
- PDF資料への書き込みと並列表示:台本、香盤表、ショットリストなどをPDFのまま取り込み、iPadではApple Pencilによる手書きや2分割表示に対応。資料の改訂時には旧版と新版を並べて確認できる
- 撮影プランの切り替え:共通する設備配置を残したまま、カメラや人物、照明機材などの配置を撮影プランごとに切り替えられる。ショットリストのPinと撮影プランの関連付けにも対応
- 照明機材の消費電力計算:図面上のライトをコンセントや分電盤に接続し、登録した消費電力の合計値を表示できる。数値は撮影計画の目安であり、電源の安全性を保証するものではない
- 太陽の通り道の表示:撮影場所と日付を設定することで、現場図面に太陽の軌道と時刻を表示。窓から日光が差し込む時間帯の目安を確認できる
- 閲覧専用共有と個人メモ:Pro版では案件をスタッフへ閲覧専用で共有できる。受け取ったスタッフは無料で資料を開き、自分にだけ表示されるメモを書き込める。共有元の資料は変更されず、同時共同編集には対応していない
- iCloud同期とオフライン利用:同じApple IDを使用するiPadとiPhone間で案件を同期可能。端末に保存済みの資料は、通信環境がない場所でも閲覧・編集できる。同期や共有にはiCloudの空き容量が必要となる
- 日本語・英語に対応:アプリの表示言語は日本語と英語に対応する
なお、Apple Pencilによる手書き編集と2分割表示はiPad版の機能となる。iPhone版では、資料の閲覧、写真の撮影・整理、スタンプや図形、テキストの編集などが可能だ。