ソニーは2026年10月29日、CineAltaカメラ「VENICE 2」を65mmフォーマットへ拡張するカメラエクステンションシステム「RIALTO 65」(リアルト ロクゴー)を発表した。2027年前半に発売予定で、市場推定価格は税込14,850,000円前後。型番は「CBK-6510XS」。
RIALTO 65は、横53.75mm、縦35.83mm(対角約64.60mm、アスペクト比1.5:1)の65mmイメージセンサーを搭載するカメラエクステンションシステムだ。市場で販売されているシネマカメラのイメージセンサーとして業界最大クラスとなる。なお、業界最大クラスの表記は2026年10月の発表時点におけるソニー調べによるもの。
35mmフルサイズセンサーの約2.2倍となる撮像面積を生かし、人物の存在感や被写体と背景の距離感、空間の奥行きを豊かに描写できるという。広い画角の中でも主役を自然に際立たせ、作品への没入感を高める映像表現を目指している。
本機は、カメラヘッドを「VENICE 2」本体から分離して使用する「エクステンションモード」と、本体に直接装着する「スタジオモード」の2種類に対応。65mmフォーマットによる撮影と、撮影現場に応じた柔軟なカメラ配置を両立する。
記録機能は「VENICE 2」本体側が担い、16bit X-OCNによる内部記録や既存のAXSメモリーカードを引き続き使用できる。CineAltaで培われたカラーサイエンスや制作ワークフローを活用しながら、65mmフォーマットによる映像制作を可能にするシステムだ。
RIALTO 65 | Camera Field Test
RIALTO 65 | LOCAL PEOPLE by Łukasz Żal, PSC
「RIALTO 65」の主な特長
65mmセンサーによる9.6Kオープンゲート撮影
RIALTO 65は、外形寸法約115×154×63mm(幅×高さ×奥行き)、質量約1.5kgの小型・軽量なカメラヘッドに65mmセンサーを搭載する。
センサーの撮像面積は35mmフルサイズの約2.2倍。センサー全域を使用する9.6K 1.5:1のオープンゲート読み出しに対応し、65mmフォーマットの広い撮像エリアを生かした自由度の高いフレーミングが可能だ。
また、9.6K 2.20:1(対角約59.04mm)の読み出しモードにも対応する。撮像範囲を切り替えることで、使用可能なレンズの選択肢を広げられる。作品のアスペクト比やレンズのイメージサークルに応じて撮影モードを選択できる点が特徴だ。
今後は「VENICE 2」本体のソフトウェアアップデートにより、読み出しモードが順次追加される予定となっている。
ベースISOはISO 2500とISO 10000の2種類から選択可能。ISO 2500では15+ストップのラチチュードを実現する。明暗差の大きいシーンや幅広い照明条件において、ハイライトからシャドウまで豊かな階調を保持し、シネマトグラファーの意図に沿った画づくりを可能にするという。
※「65mmフォーマット」および「65mmセンサー」は、映画用65mmフィルムフォーマットに由来する呼称であり、センサーの実寸が65mmであることを示すものではない。
エクステンションモードとスタジオモードによる柔軟な撮影
RIALTO 65は、撮影環境や機材構成に応じて2種類の運用方法を選択できる。
エクステンションモードでは、カメラヘッドを「VENICE 2」本体から分離し、専用ケーブルで接続する。小型・軽量なカメラヘッドを生かして被写体に近づけたり、狭い空間や高い位置に設置したりできるため、従来の大型65mmカメラシステムでは制約を受けやすかったアングルからの撮影にも対応する。
一方、スタジオモードでは、カメラヘッドを「VENICE 2」本体に直接装着し、一体型の65mmシネマカメラシステムとして運用できる。
エクステンションモードでは、標準付属の4.5mケーブルに加え、別売の12mケーブルも使用可能。ケーブルはカメラヘッド側と本体側の両端から取り外せる設計となっており、撮影機材への組み込みや設営時の取り回しにも配慮している。
さらに、カメラのチルト・ロール情報をメタデータとして記録できる。撮影時のカメラの傾きをポストプロダクション工程で参照することで、VFXや映像編集などの作業効率向上につながる。
CineAltaで培われた画づくりと「VENICE 2」のワークフローを継承
RIALTO 65を組み合わせた「VENICE 2」システムでは、CineAltaで培われたカラーサイエンスを継承する。
自然な色再現や滑らかな肌の階調に加え、S-Log3による階調表現とS-Gamut3による広色域を生かした画づくりに対応し、シネマトグラファーの意図に沿った映像表現を可能にする。
65mmセンサーから読み出した高解像度の映像は、ソニー独自の16bit RAWフォーマット「X-OCN」で「VENICE 2」本体に内部記録できる。高解像度の撮影においても、画質とデータ運用の効率を両立する設計だ。
記録を含む主要な機能は「VENICE 2」本体が担うため、既存のAXSメモリーカードを使用可能。これまでの「VENICE 2」の操作環境や周辺機器、ポストプロダクションのワークフローを生かしながら、65mmフォーマットによる撮影環境を構築できる。
レンズマウントの選択肢とアナモフィック撮影への対応
RIALTO 65は、使用するレンズに応じて他社製のレンズマウントアダプターを装着する構造を採用する。65mmフォーマット用レンズを含む多様なレンズの利用を想定しており、作品の表現意図に応じてレンズ構成を選択できる。
ただし、使用できるレンズはマウントアダプターとの適合性やイメージサークルなどの条件によって異なるため、組み合わせごとに確認が必要となる。
カメラとの通信に対応したレンズとレンズマウントアダプターを使用した場合は、焦点距離、フォーカス位置、絞り値などのレンズ情報をメタデータとして記録可能。記録した情報は、ポストプロダクションやバーチャルプロダクションなどの制作工程で活用できる。
アナモフィックレンズの使用時には、複数のスクイーズ倍率に対応するデスクイーズ表示や「Zoom to Fit」機能を利用できる。撮影現場で使用するレンズに応じた画角や構図を確認でき、アナモフィック撮影におけるモニタリングの自由度を高めている。
NDフィルターには、電子接点を備えたドロップイン方式を採用。11種類のNDフィルターが同梱され、装着したフィルターの濃度情報を「VENICE 2」本体が自動認識する。なお、電子接点はフィルターの濃度情報を認識するためのものであり、ND濃度を電子的に連続可変する方式とは異なる。
別売アクセサリー
- NDフィルターキット「CBK-NDK6510」:RIALTO 65に同梱されるものと同等の11種類のドロップインNDフィルターを1組にしたキット。特定の濃度のフィルターを単体で購入することはできない。2027年前半発売予定で、市場推定価格は税込1,320,000円前後。
- 12mケーブル「CBK-12C6510」:標準付属の4.5mケーブルと交換して使用する延長用ケーブル。カメラヘッドと「VENICE 2」本体の距離を広げられるため、狭い場所や高所への設置など、幅広い撮影環境に対応する。2027年前半発売予定で、市場推定価格は税込1,485,000円前後。
※記載した仕様は2026年10月29日の発表時点の情報であり、発売までに変更される可能性がある。