Blackmagic Designは、USB4対応のキャプチャー・再生機器「UltraStudio Express HD」を発表した。同製品は、USB4またはThunderbolt 4接続に対応したMac、Windows、Linuxコンピューターで使用できるコンパクトなキャプチャー・再生ソリューションだ。世界各地のBlackmagic Design販売店で販売中で、価格は税込98,980円から。
最大1080p60のSD/HDビデオフォーマットに対応する3G-SDI入出力に加え、アナログビデオ・オーディオ入力やHDMIモニタリング出力を搭載。旧型の放送用テープデッキからの映像アーカイブや、DaVinci Resolveなどを使用した映像編集・モニタリングを想定している。
また、フィル&キーの同時出力に対応したデュアルリンク3G-SDI出力を備え、放送用グラフィックスの出力にも利用できる。
USB4接続によるキャプチャー・再生とバスパワー駆動
UltraStudio Express HDは、高速なUSB4インターフェースを採用し、ビデオのキャプチャー・再生と電源供給を1本のUSBケーブルで行える。
対応するノートパソコンから給電できるため、別途電源を用意せずに使用可能。撮影現場や出張先など、機材をコンパクトにまとめたい環境での映像制作にも対応する。
USB4の広い帯域幅により、4:2:2や4:4:4などの色差サンプリング方式や、10-bitなどの高いビット深度を使用する映像データを扱える。なお、本機の映像入出力は最大1080p60のSD/HDフォーマットに対応する。
また、Blackmagic DesignのDeckLink APIを採用しており、対応する映像制作ソフトウェアと組み合わせてキャプチャー・再生機能を利用できる。
10-bit映像と多様なファイルフォーマットに対応
UltraStudio Express HDは、10-bit非圧縮映像のキャプチャー・再生に対応する。
10-bitでは、各色チャンネルについて8-bitの4倍となる1,024段階の階調を表現可能。カラーコレクションやVFX合成など、階調情報が重要となる作業に適している。
また、使用するソフトウェアに応じて、Apple ProResやDNxHDなどの一般的なビデオフォーマットを利用できる。特定のファイルフォーマットに限定されず、制作環境に合わせたワークフローを構築できる点が特徴だ。
編集・配信・VFXソフトウェアとの連携
UltraStudio Express HDは、DaVinci Resolveをはじめ、Final Cut Pro、Avid Media Composer、Adobe Premiere Proなどの映像編集ソフトウェアとの連携を想定している。
ライブ配信では、OBS Studioなどの対応ソフトウェアを使用可能。旧型の放送用テープデッキからの映像取り込みには、付属の「Blackmagic Media Express」などを利用できる。
また、DaVinci Resolveに統合されたFusionや、独立したVFXソフトウェアのFusion Studio、Adobe After Effects、Photoshopなどを使用するポストプロダクションにも対応する。
FusionはDaVinci Resolveの無償版にも搭載されており、ノードベースの合成機能を利用できる。一方、Fusion Studioは独立した有償ソフトウェアで、2Dおよび3D環境での合成や多数のエフェクトに対応する。
Blackmagic Media Expressでは映像のキャプチャー・再生が可能で、取り込んだファイルはFusion、After Effects、Photoshopなどのソフトウェアで使用できる。これにより、キャプチャーから編集、VFX合成までのワークフローを構築できる。
3G-SDI、HDMI、アナログ入出力による幅広い機器との接続
UltraStudio Express HDは、3G-SDI入出力、テレビやプロジェクターでのモニタリング用HDMI出力、アナログコンポーネント/コンポジットビデオ入力、バランスアナログオーディオ入力を備える。
SDビデオでは525i59.94および625i50、HDビデオでは720p、1080i、最大1080p60までの1080pフォーマットに対応する。
また、3G-SDIではLevel AとLevel Bの切り替えが可能。フィル&キーの同時出力を行うデュアルリンク3G-SDI出力も備え、放送用グラフィックスなどの制作に利用できる。
さらに、放送システムとの同期再生を可能にするビデオリファレンス入力や、RS-422による放送用デッキのリモートコントロールにも対応する。
これにより、従来の放送用デッキやスイッチャー、モニターなどを、最新のコンピューターを使用した制作環境に組み込むことができるという。
Teranex Mini Smart Panelによるフロントパネル操作
別売の「Teranex Mini Smart Panel」を装着することで、UltraStudio Express HDのフロントパネルからの操作やLCDによる映像確認が可能となる。
同パネルはプッシュボタンによる操作に加え、高輝度カラーディスプレイを搭載。映像のプレビューやオーディオメーター、タイムコード、フォーマット情報などを確認できる。
屋外や外部モニターを設置しにくい撮影現場のほか、複数の機器をラックに組み込んだ環境での状態確認にも役立つという。
開発者向けSDKを提供
UltraStudio Express HDは、Mac、Windows、Linux向けの開発者用SDKにも対応する。
Blackmagic Designが無償提供する「Desktop Video SDK」を利用することで、同製品を組み込んだ独自のキャプチャー・再生システムを開発できる。
SDKには、ハードウェアを詳細に制御するための低レベルのインターフェースと、一般的な機能を扱いやすくする高レベルのインターフェースが用意されている。
これにより、自社で使用するシステムや、他の放送局などに提供する独自のソリューションを開発できる。
また、製品を自社システムに組み込むメーカー向けに、Blackmagic DesignのOEM部門による開発支援も提供する。開発者サポートのエンジニアからコードに関する助言などを受けられるほか、大量導入を検討する場合には、同社に直接問い合わせることで購入条件を相談できる。少量の購入については、世界各地の販売店を利用可能だ。
Blackmagic Design CEO、グラント・ペティ氏のコメント
Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティ氏は、次のようにコメントしている。
ペティ氏:「現行モデルのUltraStudio HD Miniが、お客様にとっていかに重要な製品であったかを理解しているので、あらゆる放送用の接続に対応した新しいUSB4モデルを発表できることを嬉しく思います。」
「つまり、お手持ちのデッキやスイッチャー、モニターを引き続き使用でき、それらを最新のコンピューター、あるいは将来的に導入予定のコンピューターに接続できるのです。この製品は、ラップトップのバッテリーを使用するので、どこでも作業可能です!」
UltraStudio Express HDの主な機能
- 放送品質の10-bitビデオキャプチャー・再生に対応
- USB4またはThunderbolt 4接続に対応したMac、Windows、Linuxコンピューターで使用可能
- 3G-SDI、アナログコンポーネント/コンポジットビデオ入力、アナログオーディオ入力を搭載
- 最大1080p60までの一般的なSD/HDビデオフォーマットに対応
- 非圧縮・圧縮の10-bit 4:2:2 YUV/RGB品質に対応
- テレビやプロジェクターでのモニタリング用HDMI出力を搭載
- フィル&キーの同時出力に対応したデュアルリンク3G-SDI出力を搭載
- 放送用デッキのアーカイブに使用するRS-422デッキコントロールおよびリファレンス入力に対応
- 別売のTeranex Mini Smart Panelによる映像プレビュー、オーディオメーター、タイムコード表示に対応
- DaVinci Resolveなどの主要な映像制作ソフトウェアと互換
- Mac、Windows、Linux向けの開発者用SDKを無償提供