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株式会社ヤマハミュージックジャパンは、Steinberg Media Technologies GmbH(以下、スタインバーグ)が開発した音楽制作用デジタル・オーディオ・ワークステーション(DAW)ソフトウェア「Cubase 16」のダウンロード販売を2026年11月5日に開始した。

プロフェッショナル向けの「Cubase Pro 16」、中位グレードの「Cubase Artist 16」、エントリーグレードの「Cubase Elements 16」の3種類をラインアップする。販売形態はダウンロード版のみで、価格はオープンプライス。スタインバーグ オンラインショップなどから購入できる。

主なラインアップは以下の通り。

  • スタインバーグソフトウェア「Cubase Pro 16」
    • CUBASE PRO 通常版
    • CUBASE PRO アカデミック版
    • CUBASE PRO クロスグレード版
  • スタインバーグソフトウェア「Cubase Artist 16」
    • CUBASE ART 通常版
    • CUBASE ART アカデミック版
  • スタインバーグソフトウェア「Cubase Elements 16」
    • CUBASE EL 通常版
    • CUBASE EL アカデミック版

Cubase 16では、最大8レイヤーの音源をまとめて演奏・制御できる「インストゥルメントスタック」を新搭載。既存のステム分離機能も改良され、ボーカル、ドラム、ベース、ピアノ、ギター、その他の6要素に分離できるようになった。

さらに、MIDI編集機能の拡充や設定画面の統合、ドラム・ボーカル向けエフェクトの追加、テンポ検出機能の刷新など、音楽制作のワークフロー全般を強化。ヤマハが開発した歌声合成エンジン「Omnivocal NX」を採用する「Omnivocal Basic」にも対応する。

各グレードは用途や制作規模に応じた機能構成となっており、搭載機能や利用できるプラグインはグレードによって異なる。

「Cubase 16」の主な新機能

複数の音源を重ねて演奏・制御できる「インストゥルメントスタック」

VSTインストゥルメント、サンプラートラック、ドラムトラックなど、複数の音源を最大8レイヤーでまとめ、1本のトラックから演奏・制御できる「インストゥルメントスタック」を新搭載した。

各レイヤーでは、キーの範囲やベロシティー、トランスポーズなどを個別に設定可能。複雑なMIDIルーティングを構築することなく、複数の音源を重ねたサウンドを作成できる。また、作成したスタックはプリセットとして保存し、ほかのプロジェクトでも利用できる。

同機能はCubase Pro 16およびCubase Artist 16で利用できる。

Cubase 16のインストゥルメントスタック画面
「インストゥルメントスタック」画面

パート別のトラック分解機能「ステム分離」を強化

完成済みのミックス音源を楽器やパート別のオーディオトラックに分解する「ステム分離」機能を強化した。

Cubase 15ではボーカル、ドラム、ベース、その他の4要素に対応していたが、Cubase 16では新たにピアノとギターを追加し、6要素への分離が可能になった。

分離アルゴリズムも改良され、音源分離の品質が向上。分離した各パートは独立したオーディオトラックとして扱えるため、リミックスや再編集、ミキシングなどに活用できる。

Cubase 16のステム分離機能

キーエディターに新機能と編集ツールを追加

MIDIノートを編集する「キーエディター」に、コードを構成する各音の発音タイミングをずらす「ストラム」機能を追加した。

低音側または高音側からノートの発音タイミングを調整でき、ギターのストローク演奏のような自然なニュアンスを表現できる。

また、新たな編集ツールにより、複数のMIDIノートのタイミングや長さをまとめて伸縮することが可能になった。プロジェクト全体のテンポを変更することなく、アッチェレランドやリタルダンドといった速度変化を表現できる。

ストラム機能はCubase Pro 16で利用できる。

Cubase 16のストラム機能
「ストラム」機能
Cubase 16の新しいMIDI編集ツール
新しいMIDI編集ツール

設定画面を統合・刷新

環境設定、キーボードショートカット、プロジェクト設定、オーディオコネクションなどを、検索機能を備えた一つの設定画面に統合した。

従来のように複数のメニューやダイアログを切り替える必要がなく、目的の設定項目にアクセスしやすくなった。

新しい設定画面は非モーダル方式を採用しており、プロジェクトの作業を継続しながら設定を変更できる。オーディオ環境のセットアップも分かりやすくなり、制作作業の効率化につながる。

Cubase 16の統合された設定画面
統合・刷新された設定画面

新エフェクト「DrumChain」「VocalTouch」を搭載

ドラム向けマルチエフェクトプロセッサー「DrumChain」と、ボーカル向けエフェクト「VocalTouch」を新たに搭載した。

DrumChainは、コンプレッサー、サチュレーション、トランジェント処理、EQ、ルームなどの機能を統合したプロセッサーだ。複雑なエフェクトチェーンを構築することなく、ドラムの音圧や明瞭度、低域の質感などを調整できる。42種類のプリセットを収録する。

VocalTouchは、ボーカルのダイナミクスやEQ、リバーブ、ディレイなどをまとめて調整できるエフェクトだ。15種類のボーカルスタイルに対応する30種類のプリセットを備え、直感的な操作でボーカルサウンドを整えられる。

Cubase 16のドラム向けエフェクトDrumChain
DrumChain
Cubase 16のボーカル向けエフェクトVocalTouch
VocalTouch

HALion Sonic向け新音源ライブラリー「Module FM」

HALion Sonic向けの新しい音源ライブラリー「Module FM」を追加した。

HALionのFM音源エンジンを活用し、200種類以上のプリセットを収録。シンセリード、キーボード、ベース、テクスチャーなど、現代的な音楽制作で利用しやすいサウンドを用意する。

Cubase 16のHALion Sonic向け音源ライブラリーModule FM
Module FM

AI歌声合成プラグイン「Omnivocal Basic」に対応

Cubase 16では、ヤマハが開発した歌声合成エンジン「Omnivocal NX」を採用する「Omnivocal Basic」を利用できる。

CubaseのキーエディターでMIDIノートと歌詞を入力し、その情報をもとに歌声を生成できる。歌手による録音を行わずに、メロディーの確認や仮歌、コーラスの制作などに活用できる。

Omnivocal Basicには2種類のボイスバンクが用意され、Cubase 16の全グレードで利用可能。Steinberg Download Assistantからダウンロードできる。

また、キーエディターには各MIDIノートへの歌詞入力・編集機能を追加。入力した歌詞はOmnivocalによる歌声合成のほか、楽譜への反映にも利用できる。

別売の「Omnivocal Pro」では、10種類のボイスバンクに加え、複数の歌声を重ねるボーカルスタック機能などを利用できる。ライセンスはスタインバーグ オンラインショップで購入可能だ。

テンポ検出のワークフローを刷新

オーディオ素材のテンポを解析する機能を改良し、検出精度と操作性を向上させた。

新しい検出アルゴリズムにより、クリック音に合わせずに録音された演奏などのテンポも解析しやすくなった。検出したテンポ情報をプロジェクトのテンポトラックへ反映でき、読み込んだ楽曲や録音素材とプロジェクトのテンポを合わせる作業を効率化する。

その他の新機能

  • 新たに5種類のサンプルパックを追加
  • オーディオ素材の大幅な時間伸縮やピッチ変更を可能にする「Spectral AudioWarp」
  • 対応する音楽制作ソフトウェアや機器間でテンポなどを同期できる「Ableton Link」に対応
  • オーディオ処理の先読み機能「ASIO-Guard」を強化し、負荷の高いプロジェクトでの再生安定性を改善

対象ユーザー向け無償アップデート

スタインバーグでは、2026年10月8日以降に対象となる旧バージョンのCubaseを購入・アクティベートしたユーザーに対し、Cubase 16への無償アップデートを案内している。対象製品や適用条件などの詳細は、スタインバーグ公式サイトで確認できる。