PRONEWS AWARD 2025 レンズ部門におけるノミネート製品を俯瞰すると、2025年はレンズの価値軸そのものが大きく揺れ動いた一年だったことが見えてくる。高解像度化や大口径化といった従来の競争軸に加え、オートフォーカス化、軽量化、価格帯の再定義、さらには描写の「味」への再評価など、複数の潮流が同時進行した年であった。
本稿では、各ノミネート製品をこれらの価値軸のいずれかを代表する存在として位置づけ、その意義を読み解いていく。
まず、2025年を象徴するトレンドとして挙げないわけにはいかないのが、「アナモフィックレンズのオートフォーカス(AF)化」だ。その筆頭として選出したのが、SIRUI「40mm & 20mm T1.8 S35 1.33x」アナモルフィックレンズである。これまでマニュアルフォーカスが常識だったアナモフィックの世界に、S35/APS-C対応かつAF駆動という新たなスタンダードを持ち込んだ意義は大きい。T1.8という明るさを確保しながら、40mmモデルで約614gという軽量コンパクトな筐体に収めた技術力には素直に驚かされた。マウントは、E、MFT、Z、Xマウント対応で、ワンマンオペレーションの現場を深く理解した設計であり、「アナモフィックはMFが常識」という固定観念を覆し、この分野における価値観の転換を強く印象づけた一台である。
シネマレンズにおけるAF化という潮流は、シグマ「AF Cine Line」によって、さらに明確な輪郭を与えられた。「28-45mm T2 FF」および2026年春発売の「28-105mm T3 FF」は、硬派なマニュアル操作が主流だった同社シネラインに、リニアモーターHLAによる本格的なAFを導入した点が大きな特徴だ。
写真用レンズで培った光学性能を土台としつつ、クリックレス絞りやギアはシネマスタンダードの0.8Mピッチなど、筐体は完全にプロフェッショナルなシネマ仕様へと刷新されている。
写真用AF技術と本格シネマ筐体を両立させることで、AFシネレンズを「妥協の選択」ではなく、現実的な制作ツールとして再定義する可能性を示した。
一方で、シグマがハイエンド市場に向けて投入した「Aizu Prime Line」は、その仕様を見ただけでも強い意志を感じさせるシリーズだ。
φ46.3mmという広大なイメージサークルと全焦点距離でのT1.3統一、さらに現代のVFXワークフローを強く意識した設計である。ZEISS eXtended Dataへの対応を含め、光学性能だけでなくシステムとしての完成度も高く、日本発のシネマレンズがハイエンド領域において十分に競争力を持ち得ることを具体的に示した。
今年はまた、「性能」一辺倒ではなく、「味」を積極的に取り込む動きも際立っていた。Tokina「Vista-C」シリーズは、現代的なT1.5の明るさと解像力を維持しながら、あえて周辺解像度を落とし、赤や青のフレアが出やすいヴィンテージ的な特性を注入してきた。計算された「崩し」による有機的なルックは、高解像度時代におけるクリエイターの渇望に応えるものであり、高性能・高解像度一辺倒の流れに対して、「意図的な崩し」という価値を、明確な意志をもって提示した一本である。
同様に、Leitz「HEKTOR」シリーズも印象深い。往年の名玉へのオマージュを込めつつ、交換可能なミラーレスマウントを採用するという大胆な戦略は、同社の覚悟を感じさせるものだった。
Leitz Cine製のレンズが、ミラーレス世代のユーザーにとって現実的な選択肢として手の届く位置に近づいたことを、強く印象づける出来事であった。
効率や自動化が進む市場において、描写と操作性を最優先に据えるという価値観を改めて可視化した存在と言える。
コストパフォーマンスと機能のバランスという観点では、DZOFILM「Vespid 2」が放ったインパクトも大きい。1本あたり20万円以下というエントリークラスの価格帯でありながら、Cookeの「/i Technology」によるメタデータサポートを実装し、全域T1.9で統一してきた仕様は極めて野心的だ。エントリー価格帯であっても妥協なき機能統合が可能であることを明確に示し、シネレンズ市場における従来の前提に再考を促した存在である。
価格帯による序列そのものに疑問を投げかけた点も、本シリーズの重要な意義と言える。
特殊撮影の分野では、LAOWAの新型プローブズームレンズ「15-35mm T12」および「15-24mm T8」の進化が光った。従来は画角調整のたびにカメラごと移動する必要があったプローブレンズにズーム機構を搭載したことで、撮影効率は飛躍的に向上している。
モジュール式による形状変更の柔軟性も含め、プローブレンズを「特殊機材」から、現場で使われる実用的な撮影ツールへと位置づけ直した一本である。
マクロ撮影や特殊撮影を限られた用途から解放し、より日常的な表現手法へと引き寄せた点で、市場の使われ方そのものに影響を与えた。
こうしたレンズ観の変化は、シネマレンズの世界にとどまらず、スチルと動画を横断するハイブリッドな領域にも確実に波及している。
スチルと動画の垣根を越えるハイブリッド領域において、ニコンの「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II」は、完成された存在と見なされてきた標準ズームというカテゴリーに、改めて問いを投げかけた一本である。
インナーズーム化と大幅な軽量化を同時に実現した本レンズは、単なる改良型にとどまらず、ジンバル運用やワンマンオペレーションを前提とした現代的な撮影スタイルに対する、明確な回答を示している。特に注目すべきは、ズーム操作による重心変化を排した設計思想だ。これはスペック上の進化ではなく、撮影現場での判断や段取りそのものを簡略化する実用的な価値をもたらす。
標準ズームという“完成形”と思われていた領域において、運用面から再定義を行った点で、本レンズは2025年のレンズ価値軸の変化を象徴する存在の一つと言える。
キヤノンの「RF45mm F1.2 STM」は、価格帯の再定義と軽量化を同時に成立させた価値軸を明確に示した一本だ。
F1.2という極端な大口径を掲げながら、400gを切る軽量ボディと現実的な価格帯を両立させた本レンズは、「大口径=特別な機材」という前提を大きく揺さぶっている。
従来、F1.2クラスのレンズは、描写と引き換えに重量や取り回しを受け入れる存在だった。しかし本レンズは、動画撮影や日常的な運用を視野に入れたSTM駆動と軽量設計によって、大口径表現を“特別な選択”から“日常的な選択肢”へと引き寄せた。
表現力と現実性の両立という観点で、ミラーレス時代のレンズ設計思想の転換を明確に示した存在である。
さらに、APS-C用標準ズームレンズシグマ「ART 17-40mm F1.8 DC」は、かつての名玉「ART 18–35mm F1.8 DC HSM」を現代的な軽量ボディと最新マウントで蘇らせ、動画制作者に新たな選択肢を提示した。
ZEISS「Otus ML」シリーズは、効率化やAF化とは距離を取り、描写の純度と撮影者の意思を最優先するという価値軸を担った存在だ。AF化や効率化が急速に進む市場環境の中で、本シリーズは「撮るという行為」そのものへの覚悟を、真正面から問いかけてきた。
究極的な光学性能と引き換えに、操作の自動化を一切排した設計は、決して万人向けではない。しかしだからこそ、表現に対して主体的であろうとするクリエイターにとって、本シリーズは代替不可能な存在となる。
過去の名作を単に再現するのではなく、ミラーレス時代においてもなお“撮影者の意思”を最優先に据えるという選択肢が成立することを示した点で、Otus MLは2025年のレンズ群の中でも、異質かつ象徴的な存在であった。
総じて、今年のノミネート製品は、単なるスペック競争を超え、撮影スタイルや表現の幅を具体的に拡張する力を備えたものばかりであった。それぞれのメーカーが提示した「次世代のレンズ像」に、心からの敬意を表したい。
本年度のノミネート製品は以下の通りである。
ここからは、数あるノミネート製品の中でも、2025年の映像制作ワークフローに最も直接的な影響を与えた一本として、ゴールド賞に選出した理由を述べる。評価の軸としたのは、レンズの思想や方向性ではなく、実際の現場における判断と運用をどれだけ更新したかという一点である。
PRONEWS AWARD 2025 レンズ部門ゴールドは、シグマAPS-Cミラーレス用ズームレンズ「ART 17-40mm F1.8 DC」を選出した。写真用ズームレンズでありながら、動画撮影の現場において事実上の“標準レンズ”として機能した点を高く評価した。
本レンズは、かつて多くの映像制作者に支持された「ART 18–35mm F1.8 DC HSM」の思想を継承しつつ、焦点距離の拡張と大幅な軽量化、さらにミラーレス専用設計へと進化を遂げている。これにより、一眼レフカメラマウント時代から移行をためらっていた制作者に対し、運用面での明確なメリットを提示した。レンズ交換の頻度、ジンバル運用時のバランス調整、ワンマンオペレーションにおける負担といった、日常的な制作判断の前提を確実に書き換えた点は見逃せない。
また、F1.8通しというスペックがもたらす表現力を、特別な機材や高価なシネレンズに頼らず実現できる点も重要だ。描写性能、取り回し、価格のバランスが極めて現実的であり、同社公式ストアで148,500円(税込)という価格設定も含め、多くの現場に「選ばれる理由」を持ったレンズであった。
2025年において、実用性と影響力の両面で最も多くの制作現場を動かした一本であり、ゴールド賞に選出するにふさわしいと判断した。
シルバー賞では、撮影現場を即座に変える実用性や合理性とは異なる次元で、映像制作における価値観そのものを問い直したレンズを選出した。効率化やAF化、軽量化といった進化軸が加速する中で、本賞は「描写とは何か」「撮るという行為に、どこまで撮影者の意思を残すのか」といった根源的な問いを、現代の制作環境において提示した存在を評価する枠である。
PRONEWS AWARD 2025 レンズ部門シルバーは、Leitz Cineのミラーレス用シネレンズシリーズ「Cine HEKTOR」を選出した。本シリーズは、合理性や効率性を最優先とする現在の潮流とは距離を取り、描写の個性や撮影者の意思介在を重視するという、明確な思想を製品として提示している。
特筆すべきは、その思想を単なる理念にとどめず、ミラーレス対応と交換可能マウントという具体的な設計に落とし込み、現代の制作環境において“選択可能な現実解”として成立させた点だ。Cine HEKTORは、広く使われるためのレンズではない。しかし、映像制作が何を大切にすべきかを改めて考えさせる力を持った存在として、2025年のレンズ観に確かな揺さぶりを与えた。その点を高く評価し、シルバー賞に選出した。
CS742Hは、1組のコンソール(USBキーボード・マウスおよびHDMIディスプレイ)で、2台のPCを切り替えながら操作できる、4K60p対応の2ポートUSB HDMIデュアルディスプレイKVMPスイッチだ。ホットキー、プッシュボタン、マウスホイール、リモートポートセレクターによる直感的な切り替え操作に対応し、作業の流れを止めることなく、スムーズなPC切り替えを実現する。
周辺機器の接続性にも優れ、2ポートUSB 2.0ハブを内蔵。Webカメラ、ストレージ、ペンタブレットなどのUSBデバイスを2台のシステム間で共有でき、追加のドッキングステーションは不要だ。
さらに、ATEN独自のVideo DynaSyncテクノロジーを搭載。ディスプレイ切り替え時に最適な解像度を自動設定し、KVM切り替え時も安定した画面表示を維持することで、ウィンドウ配置や作業環境の乱れを抑える。
CS742Hは、同時表示と高精度な操作が求められるコンテンツ制作やポストプロダクション、ソフトウェア/システム開発などのエンジニアリング用途に最適という。また、Windows、Mac、Linuxに対応するマルチプラットフォーム設計により、さまざまな業務環境へスムーズに導入できる。
HDMIケーブル×4、USB 2.0 A to Bケーブル×2、電源アダプター、リモートポートセレクターを同梱。配線から使用開始まで最短3分。導入の手間をかけず、すぐに快適な作業環境を構築できる。
最新機能を入手するためにPro Tools永続ライセンスをアップグレードする必要がある場合は、こちらのオプションを参照する。Pro Toolsを初めて使用する場合は、こちらから詳細を確認し、無料の30日間トライアルをダウンロードできる。
今回のアップデートでは、Audio Vividによる没入型オーディオへの対応やBounce Factory Liteの統合、さらにAIを活用した新たな制作ツール群の導入など、多数の機能強化が行われている。
Pro Tools 2025.12は、Audio Vividイマーシブ・ミキシングおよびデリバリーの導入、新しい統合SoundFlowパネルを介してミックス、ステム、その他すべての成果物をバウンスできる「Bounce Factory Lite」の搭載、そして3つの新しいARAプラグインへの対応を実現した。また、年間サブスクリプション加入者および有効な永続ライセンス所有者向けに、無料のInner Circleプラグインとサウンドのコレクションも提供される。
Pro Tools 2025.12は、世界初のAI搭載オーディオコーデック規格であるAudio Vividをサポートする。Audio Vividは、サウンドオブジェクトを3次元空間に正確に配置および移動させるための強力かつ効率的なツールをクリエイターに提供する。UHD World Association(UWA)によってリリースされたAudio Vividは、バイノーラルからマルチスピーカー構成まで、再生環境に関わらず一貫性のある没入型聴覚体験を提供するエンドツーエンドのソリューションだ。
Pro Tools StudioおよびUltimateの顧客には、セッション内で直接Audio VividコンテンツをミックスおよびレンダリングできるAudio Vivid Production Suiteが提供される。Pro Toolsは単一のセッション内で複数のイマーシブミックスをサポートするため、既存のイマーシブセッションからAudio Vividミックスを素早く開始し、複数のフォーマットでミックスと編集を継続できる。アレンジの変更はすべてのミックスに自動的に反映される。
Andrew SchepsによるBounce Factoryは、ミックス、ステム、その他すべての成果物をバウンスするための業界標準であり、SoundFlowによってPro Toolsに完全に統合された。Bounce Factoryはプロフェッショナルが数千ものプロジェクトを提供するのを支援してきたが、Bounce Factory Liteにより、すべてのPro ToolsユーザーがPro Toolsの編集ウィンドウから直接、この不可欠なツールにアクセスできるようになった。
Inner Circleは、年間Pro Toolsサブスクリプション加入者および有効な永続アップグレードプランを持つ顧客向けの特典プログラムであり、無料のプラグイン、サウンドなどを提供する。Pro Tools 2025.12には、Audio Brewers、Axart Labs、Safari Pedals、Wave Alchemyからの4つの新しいInner Circle特典が含まれており、オーディオの処理、Ambisonicコンテンツのデコード、MIDIによる制作のための新しい方法を顧客に提供する。
「ab Decoder HOA Express」は、Ambisonicsのデコードを迅速かつ容易にし、ユーザーがAmbisonics信号をステレオ、5.1、さらには7.1.2ベッドに、設定なしで変換できるようにする。全プロセスは自動化されており、即座に信頼性の高い結果を提供するように設計されている。なお、「ab Decoder HOA Express」はAmbisonicsサポートが必要なため、Pro Tools StudioおよびUltimateの顧客のみ利用可能だ。
AutoBeat Liteは、AI搭載の12トラック生成MIDIビートエンジンであり、Pro Toolsに即座にリズミカルなインスピレーションをもたらし、さまざまな現代ジャンルの新鮮なパターンを提供する。直感的な音楽コントロール、詳細なステップ編集、リアルタイムMIDIパターントリガーを活用して、グルーヴを素早く形作り、アイデアを正確に洗練させることができる。ドラッグ&ドロップでのMIDIエクスポートとセッションへのスムーズな統合により、AutoBeatは最初のスケッチから最終的なアレンジまで、ビート作成を効率化する。
Time Machineは、ボタンをクリックするだけで50年代、60年代、70年代、80年代の象徴的なトーンを再現する4つのユニークなサウンド「フィルター」にアクセスできるプラグインだ。各時代は、フィルタリング、サチュレーション、コンプレッションの調整された組み合わせと、各時代の録音されたLo-Fiノイズサンプルで作られている。
限定のAvid Select拡張機能がバンドルされたTriaz Playerで、即座にリズミカルなインスピレーションを発見してほしい。8,000以上のプレミアムサンプル、375の厳選されたプリセット、完全なミキシングおよびマスタリングツールスイートを備えたTriaz Playerを使用すると、ドラムトラックを簡単に構築、形成、および仕上げることができる。
付属のAAXプラグインは、macOSおよびWindowsの両方でセッションへのオーディオまたはMIDIのドラッグ&ドロップエクスポートをサポートする。このエディションには、Wave Alchemyの評価の高い拡張カタログから厳選された180のシグネチャープリセットであるAvid Selectも含まれており、モダンエレクトロニック、ポップ、実験的なドラムトーンの多彩なパレットを提供する。
AvidはPro ToolsのARAエコシステムを拡張し、音楽およびオーディオポストプロダクション向けの3つの新しいパートナーとのより緊密で高速かつ柔軟な統合を提供する。なお、これらのプラグインはPro Toolsには含まれていないが、ARA経由でタイムラインに直接アクセスできるようにすることで、オーディオのラウンドトリップ(書き出して読み込む作業)の必要性をなくし、Pro Toolsでの使用を高速化する。
VoiceWunderは、Pro Toolsにシームレスに統合し、プロフェッショナルな音声制作に革命をもたらす、超リアルな音声合成(TTS/STS)用のARA2プラグインだ。最先端のAI技術と専門的なオーディオエンジニアリングを組み合わせ、リアルに聞こえるだけでなく、リスナーを感動させる音声を作成する。超低遅延レンダリング、74言語のサポート、ワンクリックでノイズ除去を行うWUNDER BUTTONにより、VoiceWunderは最大の効率と品質を提供する。
VOISは、高忠実度の「ボイスフィルター」として機能する革新的なオーディオツールであり、楽器をリアルな声に、またはボーカルを楽器に即座に変換する。Pro ToolsでのARAサポートにより、ピッチ、タイミング、感情など、元のパフォーマンスの独自のニュアンスを維持しながら、サウンドのキャラクターを完全に再形成する。
Voviousは、最新の処理アルゴリズムに基づいた自然な響きのボーカルチューニングプラグインだ。ノートの色は正しいピッチからのずれを示す。
ARA(Audio Random Access)により、VoviousはPro Toolsにシームレスに統合され、オーディオ信号を即座に受信し、さらなるアレンジの変更に適応する。複数のトラックを編集する場合、VoviousはPro Toolsが提供するトラックカラーを使用するため、どのノートがどのトラックに属しているかを常に把握できる。
総務省では、良質で魅力ある放送コンテンツの製作・流通を促進する等の観点から、「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」を策定・改訂するなど、所要の措置を講ずるとともに、関連する取組を推進している。
同取組の一環として、令和7年度前期に引き続き、放送事業者と番組製作会社の間などにおける放送コンテンツの製作取引に携わる関係者に対し、「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」講習会及び無料法律相談会を後期においても開催するものだ。
放送コンテンツの製作取引に関する法令解釈について、取適法、独禁法等の観点から、事業者が遵守しなければいけないポイント等について担当弁護士が説明する講習会を開催する。
併せて、毎回、講習会の前後30分に、弁護士による個別の無料法律相談会を開催する。個別に関係法令の解釈について確認したい方や製作取引について具体的な悩み・問題について相談に乗る。1件あたりの相談時間は最大30分。なお、相談内容に関する秘密は厳守する。
| 日程:基礎編 | 「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン、関連法令(取適法、独禁法、フリーランス法、著作権法等)の基礎」 令和8年1月16日(金)、同年1月29日(木) |
| 日程:事例編 | 「発注内容等の明示、価格交渉・価格転嫁、著作権の帰属、取引内容の変更・やり直し」 令和8年2月10日(火)、同年2月27日(金) |
| 開催方法 | オンライン形式(Zoom) |
| 申込方法 | 専用フォームより必要事項を入力・選択の上、申し込む。 |
| ホットライン | 弁護士への放送コンテンツの製作取引に関する無料法律相談は、講習会以外に「放送コンテンツ製作取引・法律相談ホットライン」ウェブサイト内からも申し込み可能。 受付期間:令和7年4月9日(水)~令和8年3月19日(木) ※上記「相談フォーム」より必要事項を入力・選択することで申し込みが可能となる。 |
これらのファームウェアアップデートは、各カメラの主要な領域における性能を大きく向上させ、写真・動画撮影の両面で、より高精度かつ高速で直感的な撮影体験を可能にする。ライカSLシステム向けのファームウェア 4.0.0 は「ライカSL3」および「ライカSL3-S」の性能を大幅に高め、数多くの重要なメリットをもたらすとしている。
ハイブリッドオートフォーカスはさらに高速に反応し、人や動物の認識精度も大きく向上している。システム全体の動作速度が最適化され、「ライカSL3」では新たにマルチショットモードが追加された。これにより、最大2億4,000万画素の撮影が可能になる。加えて、「ライカSL3」および「ライカSL3-S」がAdobe Frame.ioに直接接続できるようになり、プロフェッショナルなワークフローがシームレスにつながる。
また、「ライカQ3」シリーズのカメラもファームウェア 4.0.0による大きな恩恵を受けている。「ライカSL3」の高く評価されているインターフェースに着想を得て、ユーザーインターフェースが全面的に刷新された。新しいユーザーインターフェースは、再デザインされたアイコン、最適化された構造、より高速なナビゲーション、そして向上したタッチ操作性を備えている。
さらに、オートフォーカスや設定可能なLeica Looksと組み合わせることで、これまで以上にパーソナルで直感的な撮影体験が実現するとしている。
]]>Viltrox AF 35mm F1.2 LAB は、フラッグシップモデルをも凌駕する超高解像力を追求し、画質を革命的に飛躍させる新時代を切り開く。高画素撮影にも対応できるよう、細部まで妥協のない光学設計を採用。かつてない高精細な描写力で、より高い解像度を求めるすべての方のニーズを満たすという。
Viltrox のレンズラインアップの中でも頂点に君臨する「LAB シリーズ」。その中でも Viltrox AF 35mm F1.2 LAB Z は、ブランドの象徴とも言える製品だとであり、同クラスのどのレンズと比較しても、堂々と勝負できる圧倒的な実力を誇るとしている。
LABシリーズはViltroxブランドの最高級ラインであり、高画質・高規格が特徴だ。市場にある他の製品と比べても、LABシリーズのレンズ仕様はPROシリーズを上回る、より高いレベルの存在である。今回のViltrox AF 35mm F1.2の登場により、ViltroxのLABシリーズは、プロフェッショナルフォトグラファーや映像クリエイターにとって、さらなる創造の可能性を広げる存在として注目されている。
EDレンズ5枚、高屈折率レンズ3枚非球面レンズ2枚を含む10群15枚の構成により、焦点範囲全体にわたって中心から端まで鮮明さを確保し開放絞りでも細かい質感の描写を可能にすることで、切り取った画像でも細部まで画質を保持しユーザーの撮影の幅を広げる。
Viltroxが独自開発したHyper VCM モーターを搭載し、従来のSTMモーターと比較して150% 高速なフォーカス速度とより正確な絞り精度を実現することで、撮影機会を的確に捉える。
大口径絞りF1.2と11 枚羽根の絞りにより、よりきれいな柔らかく美しい円形のボケで、低光量の暗所の撮影でも優れた品質が得られる。最短撮影距離 0.34m、最大倍率 0.17 倍で無限遠からクローズアップまで、鮮明で優れた画を提供する。
レンズ側面には2つの切り替えレバー、2つのカスタムFnボタン、2つのリング、ディスプレイが搭載され、ユーザーの撮影スタイルに応じた細かい調整が可能。レンズボディはレンズ最前面を含め、防塵防滴仕様になっており、幅広い撮影環境で使用可能だ。
Bluetoothでアプリと接続し、Fnボタンの設定や起動時レンズディスプレイに表示する画像・テキストも設定できる。
| 対応マウント | ニコンZマウント |
| 焦点距離 | 35mm |
| フォーカスモード | AF(オートフォーカス) |
| フォーカス機構 | インナーフォーカス |
| レンズ構成 | 10群15枚(EDレンズ5枚、高屈折率レンズ3枚、非球面レンズ2枚) |
| 絞り羽根 | 11枚 |
| 対応撮像画面サイズ | フルサイズ |
| 絞り範囲 | F1.2-F16 |
| 最短撮影距離 | 0.34m |
| フィルター径 | Φ77mm |
| サイズ | Φ89.2mm×123.5mm(マウント部除く) |
| 付属品 | レンズキャップ、リアキャップ、フ-ド、収納袋 |
| 質量 | 約970g |
| メーカー保証 | 1年間(自然故障が対象) |
※合焦速度や精度などは、カメラ本体のAF性能に依存する。
また、すべての撮影機能や対応機材が使用できることを保証するものではない。
ソニー「FX2」は、徹底したハイブリッド志向を特徴とするモデルである。動画機でありながらメカシャッターと可動式EVFを搭載し、静止画撮影にも配慮した設計がなされている。希望小売価格:税込416,900円という価格設定は、ドキュメンタリーなど写真と動画の両立を求められる現場の実情を的確に捉えたものと言えるだろう。
スチル撮影を主とするカメラマンが動画領域へ踏み出す際の現実的な選択肢となる一方で、「FX3a」の投入とあわせ、この価格帯におけるソニーの製品ラインアップの厚みを強く印象づけた。設計思想と価格戦略を高い次元で両立させた本機は、エントリークラスのシネマカメラ市場における再編を象徴する存在であった。
対するキヤノン「EOS C50」は、CINEMA EOSのエントリーモデルという位置付けながら、上位機譲りの撮影思想を随所に受け継いだモデルである。
中でも注目すべきは、ついに実装された7Kオープンゲート収録だ。センサー全域を読み出すことで、編集時の再フレーミング自由度を大きく高め、縦型動画を含む多様な出力要件に柔軟に対応できる点は、現代的な制作環境において大きな強みとなる。
また、小型軽量な筐体により、ジンバル運用やサブカメラ用途にも適しており、「EOS C80」や「EOS C400」といった上位機との併用を前提としたシステム構築にも無理がない。価格帯を踏まえたとき、撮影からポストプロダクションまでを見据えた実運用バランスの良さが際立つ一台と言えるだろう。
上位機の思想を無理なくエントリークラスに落とし込み、実制作に即した基準を提示した点で、本機は2025年のシネマカメラ市場を象徴する存在であった。
そして大きな話題を集めたのが、ニコン「ZR」である。IBC 2025に合わせた発表は、映像制作者の間で大きな関心を呼んだ。Z6III相当のセンサーや最新のAF性能をベースに、内部RAW収録や32bitフロート録音への対応など、これまで上位機に限られていた機能を取り込んだ構成で、公式ストア価格299,200円(税込)を実現。この価格帯における設計の方向性を示している。
一方で、完成度や運用実績については今後の検証を待つ段階にある。しかし、現時点での完成形を示すのではなく、「今後のシネマカメラはどう進化していくのか」という視点を市場に提示した点において、本機は2025年のシネマカメラ市場を象徴する存在であった。
パナソニック「LUMIX S1II」シリーズは、新採用の部分積層型CMOSセンサーと最新エンジンにより、「動画と静止画のハイブリッド」として極めて高いバランスを実現したモデルだ。特筆すべきは、センサー全域を使った6K30P(3:2)と5.1K60P(3:2)動画記録である。これは編集時の自由度を重視する制作において、大きなアドバンテージとなる。また、ダイナミックレンジブーストON時に15ストップを確保できる点も、映像表現の幅を支える重要な要素だ。その突出した性能を通じて、編集の自由度を求めるクリエイターのニーズに明確に応えた一台と言える。
ボックスカメラの分野では、Blackmagic Design「PYXIS 12K」が存在感を放っていた。同社の上位機種「URSA Mini Pro 12K」と同等の12Kセンサーを搭載しつつ、税込832,800円という極めて戦略的な価格設定を実現した点が最大の評価点である。
オープンゲート的運用を可能とする広い読み出し機構により、制作現場で要求される多様な解像度・アスペクト比への柔軟な対応が可能となり、高解像度シネマ制作の入り口を大きく広げた製品として注目に値する。従来ハイエンド機でしか実現困難だった12Kワークフローを、コスト効率と運用性の両面で現実的な次元へ押し上げた意義は、2025年のシネマカメラ市場における明確な価値となった。
また、ついに発売した富士フイルム「GFX ETERNA 55」も忘れてはならない。中判センサーというフォーマット自体の魅力に加え、映画業界に貢献してきたフィルムメーカーとしての知見がシネマ市場でどう活かされるのか、今後の展開に期待が高まる。放送用ドキュメンタリーや特定のシネマティックな現場において、独自の地位を確立する可能性を感じさせる。本機は中判センサーならではの質感表現を武器に、既存のフルフレーム競争とは異なる価値軸を提示した象徴的な存在であった。
ハイエンド領域では、ARRI「ALEXA 35 Xtreme」が注目に値する。ARRIの主力ラインの伝統を継承しつつ、高フレームレート撮影領域での性能拡張を実現したモデルとして評価に値する。最大660fpsのハイスピード撮影といった高フレームレート性能は、モーション表現の幅を劇的に拡大し、広告・MV・アクション映像制作における創造力の拡張を可能にした。
さらに高画質・低データレートの新コーデック「ARRICORE」によってデータ効率を高めながらもARRIならではの高画質・高忠実度の表現力を維持している点は、プロ向けシネマカメラとしての完成度の高さを改めて証明した。本機は成熟したプラットフォームを基盤に表現領域を拡張し、ハイエンドシネマ制作の進化を象徴する存在であった。
さらにRED「V-RAPTOR XE」も注目の新製品だ。RED「V-RAPTOR XE」は、DSMC3プラットフォームにおけるバランスの良いスペックと運用性の刷新を象徴するモデルとして選出された。8K VVグローバルシャッターセンサーの搭載は、光学的な動態表現やポストワークでのリフレーミング自由度を高め、撮影・編集の両局面で高い柔軟性を提供する。軽量なボディ構造によりジンバルや空撮、移動撮影など多様な現場への適用範囲が広がったことは、REDのフラッグシップ機が持つ高性能をより現場の実務へ落とし込んだ成果といえる。
加えてCanon RFおよびNikon Zマウント対応により、レンズ資産の活用という面でも汎用性が拡大し、2025年のプロダクション現場における選択肢の幅を大きく広げた存在として高評価に値する。本機はフラッグシップ性能を現場へと再定義し、機動力と高性能の両立を象徴する存在であった。
特殊撮影分野で話題のソニー「VENICEエクステンションシステムMini」は、シネマカメラ新製品ではなくカメラヘッドを大幅に軽量・コンパクト化したVENICE 2用カメラヘッド延長システムだが、VENICE 2の8Kセンサーを内蔵しつつ、従来比70%もの小型化に成功した技術力が光る。標準Eマウントならリンゴほどのサイズで、見た目は強化されたアクションカメラのようだ。現場視点で改良された着脱式ケーブルにより、狭小空間へのリギング自由度が格段に向上している。本機はVENICEの画質を極限まで現場に近づけ、特殊撮影領域における自由度の拡張を象徴する存在であった。
少々異色の存在として、PIXBOOM「Spark」も興味深い製品だった。従来は高価な専用機に依存してきたハイスピード撮影のワークフローを、より現実的でアクセスしやすい選択肢へと引き寄せた点が評価できる。最大4K 1,000fps、2K 1,800fpsの性能により、微細な動きや時間操作表現を、低コストかつ柔軟な運用で実現した。S35グローバルシャッターセンサーは歪みやローリングシャッターの影響を抑え、高速撮影時の画質の純度を高めている。
さらに、最大2.4TBの内蔵SSDを標準装備し、長時間・高フレームレート収録にも対応。ハイスピード撮影特有の運用やポスト処理の負担を軽減し、制作現場での実用性を高めた。Sparkは、演出上の重要性に対して導入障壁が高かったハイスピード撮影に、現実的な解を示した存在と言える。
総じて2025年は、エントリーからハイエンド、そして特殊機材に至るまで、各社がユーザーのニーズを精緻に分析し、驚きのある製品を投入してきた一年であったと言えるだろう。
以上がカメラ部門のノミネート製品となる。
■PRONEWS AWARD 2025 シネマカメラ部門 ファイナリスト
以上の製品はいずれも、2025年のシネマカメラ市場において明確な個性と役割を持ち、制作現場に新たな選択肢を提示した存在である。 本部門では、こうした多様な価値を前提とした上で、最終的な評価を行った。

PRONEWS AWARD 2025 シネマカメラ部門 ゴールド賞に選定したのは、キヤノン「EOS C50」である。ノミネート製品はいずれも明確な個性と価値を備えており、最後まで判断は容易ではなかった。その中で、実制作の現場において最も安定して成果を出せる完成度を示した点が、最終的な決め手となった。
EOS C50は、7Kオープンゲート収録をはじめとする撮影機能を、小型軽量な筐体に無理なくまとめ上げ、ジンバル運用からメインカメラ用途まで幅広く対応する汎用性を備えている。先進性や尖った個性を打ち出した製品が並ぶ中で、本機は価格帯・性能・運用性のバランスを高い次元で成立させ、実運用における確実性が際立っていた。「現場での実効性」と「制作フロー全体への影響力」という本部門の評価基準を最も安定して満たした一台として、編集部としてゴールド賞に選定した。

一方で、完成度や汎用性という観点ではゴールド賞に一歩及ばないものの、独自の価値軸や将来性において強い印象を残した製品も存在する。
PRONEWS AWARD 2025 シネマカメラ部門 シルバー賞には、富士フイルム「GFX ETERNA 55」を選出した。
中判フォーマット特有のレンズ選択やシステム成熟度には今後の拡充が求められる部分もある。しかし、それを踏まえてもなお、中判ならではの描写力とトーン表現がもたらす映像価値は明確で、フルフレーム競争とは異なる次元の選択肢を示した点を高く評価した。
完成度や汎用性という観点ではゴールド賞に一歩譲るものの、表現そのものに新たな基準を持ち込んだ点は特筆に値する。効率よりも映像美を重視する現場において、代替の効かない価値を提示した挑戦として、シルバー賞にふさわしい一台である。
七工匠 7Artisans Floral Bloomシリーズは、画面中央部をシャープに保ちながら、周辺部が放射状に流れる独自の描写(バーストボケ)を特徴とする開放T値2.9のシネマレンズだ。フォーカス位置やT値に応じてボケの表情が変化し、回想・加速・ホラー・幻覚表現など、物語性を強調したいシーンで印象的な映像効果を取り入れることが可能だ。
レンズの鏡筒には目を引くパープルカラーを採用。撮影者の想像力と演出で表現の幅が広がるクリエイティブなレンズだ。
Floral Bloomシリーズは、背景の光やハイライトが放射状に伸びることで、視線を中心へ導く印象的な描写を生み出す。霞みや光跡、歪みを伴うような画づくりが可能で、日常シーンのなかにも非日常的な緊張感や速度感を演出できる。効果は撮影時に確認できるため、編集工程に依存せず、現場で直感的に撮影が可能だ。映像作品はもちろん、世界観のあるポートレート撮影などの静止画でも豊かな表現を提供する。
フラッシュバック、タイムワープ、恐怖演出、超自然現象の表現など、登場人物の内面や緊張感を視覚的に強調したいシーンと相性の良い描写が得られる。MV、短編、広告映像などで、短いカットでも強い印象を残したい場面で活躍する。
被写体距離(フォーカス位置)およびT値の設定により、ボケの形状や流れ方、放射状の広がりが変化する。開放付近では効果が強調され、絞り込むことで描写は穏やかになる。シーンの意図に合わせて、同一レンズでも表現の度合いを調整できる。
シネマレンズで一般的なギア規格0.8MODに対応しており、多くのフォーカスリング用アクセサリーと組み合わせて、撮影環境に応じた幅広い運用が可能だ。金属製のレンズ鏡筒は軽量でありながら耐久性に優れ、コンパクトなサイズでジンバルに搭載しても取り回しがしやすく、様々な現場で活躍する。マウントアダプターを併用することで、ミラーレス機でも使用できる。
マウントアダプターとのセットも同時発売する。マウントアダプターを併用することで、E/Z/RF/Lマウントのミラーレス機でも使用できる。
| 対応マウント | PLマウント |
| 対応撮像画面サイズ | 35mmフルサイズ |
| 焦点距離 | 37mm |
| レンズ構成 | 5群6枚(EDレンズ1枚、高屈折レンズ3枚) |
| フォーカス | MF(マニュアルフォーカス) |
| 絞り | T2.9-T22 |
| 絞り羽根 | 9枚 |
| 最短撮影距離 | 0.35m |
| ピントリング回転角 | 300° |
| フィルター径 | 72mm |
| フロント径 | 76mm |
| サイズ | 約Φ80×45mm(マウント部除く) |
| 質量 | 約345g |
| 付属品 | 前後キャップ |
| 対応マウント | PLマウント |
| 対応撮像画面サイズ | 35mmフルサイズ |
| 焦点距離 | 57mm |
| レンズ構成 | 5群6枚(EDレンズ1枚、高屈折レンズ3枚) |
| フォーカス | MF(マニュアルフォーカス) |
| 絞り | T2.9-T22 |
| 絞り羽根 | 10枚 |
| 最短撮影距離 | 0.5m |
| ピントリング回転角 | 300° |
| フィルター径 | 72mm |
| フロント径 | 76mm |
| サイズ | 約Φ80×45mm(マウント部除く) |
| 質量 | 約370g |
| 付属品 | 前後キャップ |
レッドカーペットの模様、舞台裏コンテンツ、ガバナーズ・ボールへのアクセスなどを含むアカデミー賞授賞式は、YouTubeを通じて世界中の20億人以上の視聴者に無料でライブ配信されるほか、米国ではYouTube TV加入者も視聴可能となる。YouTubeは、クローズドキャプションや多言語音声トラックなどの機能を通じて、アカデミー賞をアカデミーの拡大するグローバル視聴者に届ける支援を行うとしている。
同提携により、映画ファンはアカデミー主催のその他のイベントやプログラムにも、オスカー公式YouTubeチャンネル限定で世界中からアクセスできるようになる。対象となるのは、ガバナーズ・アワード、アカデミー賞ノミネート発表、ノミネート者昼食会、学生アカデミー賞、科学技術賞、アカデミー会員や映画製作者へのインタビュー、映画教育プログラム、ポッドキャストなど。
さらに、この包括的パートナーシップを通じて、Google Arts & Cultureイニシアチブはアカデミー博物館の選定展示・プログラムへのデジタルアクセス提供を支援し、アカデミーコレクション(世界最大の映画関連コレクションで5,200万点以上を所蔵)のデジタル化を推進する。これは映画ファンにとって真のハブとなり、世界中からアクセスできるようになるという。
アカデミーCEOのビル・クレイマー氏とアカデミー会長のリネット・ハウエル・テイラー氏は、次のようにコメントしている。
アカデミー賞および年間を通じたアカデミーのプログラムの新たな拠点として、YouTubeと多面的なグローバルパートナーシップを結ぶことを大変嬉しく思います。
アカデミーは国際的な組織であり、この提携によりアカデミーの活動を可能な限り世界中の幅広い視聴者に届けることが可能となります。これはアカデミー会員と映画コミュニティにとって有益なことです。この協業により、YouTubeの広大なリーチを活用し、アカデミー賞をはじめとするアカデミーのプログラムに革新的な関与の機会を創出しつつ、我々の伝統を尊重します。これによって、映画を称え、次世代の映画製作者を鼓舞し、映画史へのアクセスを前例のないグローバル規模で提供することが可能となります。
YouTubeのCEO、ニール・モーハン氏は、次のようにコメントしている。
モーハン氏:アカデミー賞は、優れたストーリーテリングと芸術性を称える、私たちの重要な文化機関の一つです。
アカデミーと提携し、この芸術とエンターテインメントの祭典を世界中の視聴者に届けることで、アカデミー賞の由緒ある伝統を守りつつ、新たな創造性と映画愛好家の世代を育むことでしょう。
アカデミー賞の国内パートナーシップは、2028年の第100回アカデミー賞までディズニーABCとの契約が継続される。同様に、国際パートナーシップもディズニー傘下のブエナビスタ・インターナショナルとの契約が継続される。
]]>更新内容は以下の通り。
本アップデートでは、会議やイベント、パネルディスカッションなど、複数マイクを使用する収録環境に適した高度なオートミキサー機能が追加される。
――会社設立の背景とAntigravity社のミッションや未来のビジョンを教えてください。
Michael氏:
ドローン業界は、いま壁にぶつかっています。スペックは年々向上する一方、ユーザー体験は変わっていません。多くのドローンがより高く、より長く飛べるようになりましたが、一般ユーザーが実際に感じている課題には対応できていないのです。情熱的なエンジニアと飛行愛好家たちがAntigravityに集まり、伝統を打ち破り、飛行方法を再定義することを望んでいます。この自由な飛行に対する願望が、われわれのチームのイノベーションにインスピレーションを引き起こし、A1を開発するきっかけとなりました。Antigravityが最終的に実現したいビジョンは、ドローンのオペレーションを少数者の特権から、誰もが簡単に体験できる新しい方法へと変えることにより、飛行の可能性を再定義することです。
――社名の由来を教えてください。
Michael氏:
Antigravity(アンチグラビティ)は直訳すると「反重力」の意味で、平凡の対極にある無限の可能性を意味します。360°全景ドローン自体が伝統を打ち破って業界を変える象徴です。
製品は反重力状態で空を舞う飛行体験を提供します。「反逆」というブランド精神の共通認識を確立した先に、この名称は必然的に生まれました。
――会社の業務体系について、教えてください。
Michael氏:
AntigravityはInsta360と第三者との共同開発によって誕生した新ドローンブランドです。当社は専門的な研究開発、マーケティング、サービスチームなどを擁しており、同時にInsta360も多方面からAntigravityをサポートしています。
――今後の数年間で、Antigravityはどのようなポジション・役割を果たすと考えていますか?
Michael氏:
360°全景ドローンは全く新しい市場カテゴリーを切り開きました。従来のドローンと360°全景ドローンの関係は、電気自動車と従来の自動車の関係に例えることができます。これは、人間の直感に最も合致したコンシューマー向けドローンです。パノラマレンズとコントローラーの体感操作により、手が方向を示し、視線が焦点となるため、複雑なカメラワークは不要です。ゴーグルと組み合わせることで、鳥が空を飛ぶように空間全体、世界全体を感じ取ることができます。従来のドローンは「撮影愛好家のツール」に過ぎませんでしたが、全景ドローンはより多くの人々にドローンを身近なものにします。撮影のためだけでなく、飛行そのものの楽しさや、空から風景を探索する喜びのためにも魅力的です。これは多くの人々の旅行スタイルを変える製品になるでしょう。ドローン業界の発展における新たな方向性とトレンドに違いありません。
――グローバル展開という観点で、日本市場、アジア市場、欧米市場のそれぞれに対してどのようなアプローチを想定していますか?
Michael氏:
Antigravityの理念はオープンで協力を重視しています。この8月から世界中のユーザーと共に製品体験を磨き上げてきました。今後も各地域の市場特性に基づき、現地の販売代理店やマーケティングパートナーと連携し、360°全景ドローンのさらなる可能性を共に探求していきます。同時に、主要市場にオフィスを設立し、現地雇用を促進するとともに、地域文化を主軸とした市場戦略を展開していきたいと考えています。
――社内の製品開発チーム・技術チームの体制やカルチャーを教えてください。どんな専門スキルや価値観が大切にされていますか?
Newey氏:
当社の研究開発チームは、能力と経験の蓄積があると共に、活力とモチベーションを備えたチームです。問題に対して「有責無界」であり、問題解決の能力と責任感を持つことが重要視されています。
*「有責無界(ゆうせきむかい)」とは、中国の主にIT企業などで、組織文化や人材育成の理念として用いられる行動規範であり、責任の主体を明確にしつつ、部署や地位などの従来の組織の境界をなくし、共同で問題を解決するという意味。

――「Antigravity A1」を開発した最も大きな動機と、実現したかったビジョンは何でしょうか?「世界初のオールインワン8K 360°ドローン」というコンセプトは、どのような課題を解決するために生まれたのでしょうか?
Newey氏:
Antigravityの誕生のインスピレーションは、弊社内のドローン愛好家、クリエイター、エンジニアたちの実際のニーズから来ています。彼らは、コンシューマー向けドローンがすでに成熟し、ここ数年もパラメーターはアップグレードされてはいるものの、実際の多くのシーンでユーザーの問題が解決されていないことに気づきました。それらはすべて、シンプルで本能的な人類が自由に空を飛びたいという原始的な願望につながります。この希求が、チームに飛行の意味を考え直させ、飛行方法を再定義する製品を作り出し、天空の探索と映像の物語を本当に手に入れられるところまで持っていきました。
「世界初の8K 360°全景ドローン」というコンセプトが生まれたのは、主にドローンに関する不安を解決したかったからです。操作面の困難や撮影の構図と編集の難しさ、飛行中は完全に没入することができないなどの問題です。「360°」の利点は主に2つあります。体験面では、ユーザーは鳥のように飛行中に自由に周囲を見回すことができます。制作面では、360°カメラが一度に全角度を撮影できるため、ユーザーは飛行中に正確な構図を考える必要がなく、撮影後に自由に視点を調整でき、複数のアングルやアスペクト比の選択が可能な後編集を実現します。これは創作プロセスを大幅に簡素化し、撮影効率と創作の自由度を向上させます。8Kは創作の品質を守るためです。

――市場に存在する他の360°カメラやFPVドローンと比較して、「AntiGravity A1」の最大の競争優位性はどこにあるとお考えですか?
Newey氏:
A1は伝統的なFPVドローンではありません。主な違いは視線の自由度、操作体験、ターゲットユーザー、機能特性にあります。
A1は視線と飛行方向を完全に分離することができ、右に飛んでいる時に左を見たり、上昇しながら下を見たりできます。まるで自分が空中にいるかのように自由に見回すことができるので、それは車を運転するときに自由に周囲を見回せるのと同じです。しかし、FPVドローンの視野は通常、飛行経路とジンバルの視点内に限定されており、他の方向を見るには、飛行経路とジンバルの角度を調整する必要があり、視点は飛行方向に制限されます。「操作体験」の面から見て、A1はフリーモーションを採用しており、どこで飛ぶかを指し示すことで、すぐに飛行を開始して、その方法を学ぶことができます。
ターゲットユーザーと製品の特性も違います。A1は、新しい体験を試みるすべてのユーザー向けに制作されており、初心者でもすぐに始めることができます。より多くの人が飛行の楽しさとパノラマ撮影体験を簡単に楽しめるように設計されているのです。そもそも、FPVドローンのターゲットユーザーは、「没入感のある高速の飛行体験」を求める人、「ダイナミックな映像撮影」をしたいクリエイター、「レースやアクロバティックな飛行」に挑戦したいホビー層、そして「ドローンの操縦技術そのもの」を楽しみたいガチ勢(パイロット)など、主に「体験」と「技術」に重点を置く層です。FPVドローンは、極限のスポーツの撮影(自転車、スケートボード、サーフィンなど)や競技飛行、クロスファイターレースなどによく使われ、動きとスピード感を強調し、観客に臨場感あふれる一人称視点の飛行体験をもたらします。
一方、A1は旅行、アウトドア、日常記録などのシーンに適しており、ユーザーに新しい方法で世界を感じさせます。
総じて言えば、A1は全く新しいカテゴリーに含まれるもので、FPVドローンの没入感ある飛行体験、伝統的な空撮ドローンの撮影体験、そして全景ドローンの「まずは飛ばして、構図はあとから決める」という利点を兼ね備えているのです。
――8K 360°カメラの採用の中で、ステッチや「A1におけるInvisible Drone技術(ドローン本体やプロペラの消去)」について、特に工夫した点や、Insta360との連携について詳しくお聞かせください。
Newey氏:
ドローン本体やプロペラ消去の技術は、Insta360のアルゴリズムチーム、Antigravityの構造・組み込みシステム開発・ソフトウェアチームが共同で協力して完成したものです。
「A1におけるInvisible Drone」技術(ドローン本体やプロペラの消去)は、実はInsta360のXシリーズの「見えない自撮り棒」技術と同じ源流にあり、Arashi Visionのアルゴリズムチームが初期の段階にそのノウハウを提供しました。
次にA1の構造についてですが、通常のパノラマカメラでは、魚眼レンズと本体の位置関係は固定されています。しかし、A1はより複雑です。
(1)雲台は防振ボールを介して機体と柔軟に接続されています。
(2)ブレードは飛行中に揺れます。
(3)異なる地域(熱帯、高原、夏季、冬季)においては、上記の2点に差異があります。
このため、魚眼レンズと機体の位置関係は、飛行姿勢、地点、気候の違いによって動的に変化します。Antigravityの構造エンジニアは、多数の実証実験を実施し、見えない自撮り棒アルゴリズムをベースに、この部分の適応を行いました。
同時に、A1の設計チームとゴーグル設計チームは共同で開発を行う必要がありました。例えば、リアルタイムプレビュー時やゴーグルで素材を再生する際には、先に言及した動的なアルゴリズムに適合する必要があるからです。
――249gという軽量化の達成にあたって、設計・素材・バッテリーなどで特に工夫したポイントを教えてください。
Newey氏:
まず、構造設計とプロセスの最適化が挙げられます。本体の50以上の構造部品をそれぞれ重量分析し、個別に軽量化案を評価、検証しました。積層設計の改善と放熱構造の最適化により、熱持続時間が前世代比で約2倍向上する一方、放熱構造の金属部品を約8g軽量化しました。オーディオ関連構造を簡素化し、金型部品を5点削減し、コスト削減を達成すると同時に約3gの軽量化を実現。バッテリー設計を最適化し、バッテリーケースを薄型化するとともに金属ロック機構を廃止し、3g以上の軽量化を達成しました。
次に、最小限の実行可能システム設計については、「全景ドローンの最小システム」を中核コンセプトとし、クアッドコプター、ステルス処理が必要な2つのパノラマレンズ、バッテリー、メインボードの基本構成を確定し、冗長設計を回避。魚眼レンズ保護のため自動着陸装置を採用し、複雑な回転・昇降機構を代替します。レンズの安全性を確保しつつ構造の複雑さと重量を低減しました。
また、249gの軽量で折りたたみ可能なデザインを採用し、フラグシップ性能を手のひらサイズに凝縮し、携帯性を向上させると同時に軽量化の要求を満たしました。
バッテリーの最適化については、標準バッテリーを設計することにより、ドローンの使用時の重量を249g以内に維持し、欧州のC0カテゴリー(登録不要要件)に適合させました。また、バッテリーケースを薄型化し、金属製のロックを廃止することで、バッテリーケースの設計を最適化して、さらなる軽量化を実現しました。

――A1の耐風性について、考慮した点はどこでしょうか?
Newey氏:
A1は10.7m/sの風に対する耐久性を備えており、「疾風」(風速8.0~10.8m/s未満)の条件下でも安定した飛行が可能です。例えば、海岸における中強度の風の環境下でも、撮影した映像は安定かつ滑らかです。FlowState手ブレ補正により、風の強い状況でも滑らかで安定した映像を実現しますから、ほとんどのユーザーの撮影ニーズに対応することができます。
――「Vision Goggles(Visionゴーグル)」と「Gripコントローラー」によるヘッドセット・ファーストの直感的な操作体験は、従来のドローンの操作と比べてどのような点が革新的ですか?「Point-to-Fly(指差し飛行)」や「FreeMotion Mode」は、初心者パイロットの習熟度をどのように変えるものと期待していますか?
Newey氏:
従来のドローンやFPVドローンとは異なり、全景ドローンのA1は「見るロジック」を覆します。従来はドローンの飛行方向しか見ることができませんでしたが、A1では前方に飛びながらも、鳥のように他の方向も見ることができます。グリップコントローラーとFreeMotion Modeにより、誰でも1分以内に飛行を習得することができます。グリップコントローラーを活用し、任意の方向を指してトリガーを引けば、ドローンがそこに向かって飛びます。人間の本能に合った動作により、習得が必要な操作桿の指令を代用する訳です。実際に「指し示したところに飛ぶ」ことで、ユーザーは自然にコントロール感を身につけ飛行の自信を得ることができます。一切の学習コストがありません。ユーザーの意識を「どうやって飛ぶか」から「どこへ探索に向かうか」にシフトさせ、完全に「今」に没頭させることで、景色を見たり好奇心を満たすことに集中させます。

――A1の本体やVisionゴーグル、Gripコントローラーのデザインは、どのような哲学に基づいて設計されていますか? 機能性と操作性・デザインのバランスについてお聞かせください。
Newey氏:
A1本体、Visionゴーグル、Gripコントローラーの設計の中核の理念はすべて「ユーザー体験」です。あなたのご指摘の通り、機能、操作、デザインにおいては多くのトレードオフがあります。例えば、あるモジュールを追加すると、重量が249gを超える可能性があり、重量を制限すればバッテリー容量が足りなくなるなどです。ここ数年、私たちは多くのトレードオフが必要な瞬間に直面し、核心となる機能に焦点を当てる術を理解するようになりました。
Visionゴーグルは確かに特別です。従来のドローンでは、ユーザーはリモコンの小さな画面を見なければならず、視野がとても狭かった訳です。しかし、Visionゴーグルを使うと、ユーザーは現場にいるように感じ、受動的な存在から能動的な探索者に変わります。A1のゴーグルでは、ドローンが前方にしか進めない場合でも、ユーザーは360°を自由に見まわすことができます。飛行体験がもっと直感的で自然な体験になります。われわれの多くの同僚は飛行するときに「本当に自分が鳥になったような気がする」と言っています。
この効果を達成するために、R&Dチームは多大な努力を傾けました。例えば、業界をリードするパンケーキ光学構造とデュアル1インチMicro - OLED(2560×2560)ディスプレイを採用し、200インチの(仮想の)巨大スクリーンをフライトゴーグルに組み込むことで、HDR10+の衝撃的な視覚効果を実現することを可能にしました。この組み合わせは、広い視野を提供するだけでなく、画面の鮮明度と没入感を著しく向上させます。同時に、ユーザーの装着感も重視し、分割式バッテリー設計を採用しています。本体重量はわずか340gで、競合製品よりも大幅に軽量です。一部の競合製品のゴーグルは内蔵バッテリーを搭載しており、重量が500g近くあり、長時間の装着によりユーザーに不快感を与える可能性があります。
開発の際、チームはVR酔いという技術的な難関に直面しました。ユーザーがゴーグルを装着すると、ドローンの映像伝送に40〜150ミリ秒の遅延があるため、酔いを引き起こす可能性があったのです。この問題を解決するため、開発チームは業界をリードする革新的なRTW(Remote TimeWarp)フレーム挿入技術を搭載しました。AIアルゴリズムを使って、ユーザーの頭部動作を事前に予測し、画面フレームをスマートに補完することで、画面の流れをスムーズにします。また、低遅延映像伝送と組み合わせることで、酔いやバランス感覚の喪失を大幅に減らします。さらに、Visionゴーグルは、イマーシブモードやComfort viewモード(VR酔いを低減する)など2種類の視聴モードを提供しています。ユーザーは自身の適応度に合わせて、最も快適な視聴方法を選べます。
A1ではさらにVisionゴーグルに革新的なディスプレイを搭載しました。ドローンが撮影した映像を表面にリアルタイム表示でき、皆でドローンを飛ばす際に周囲の人が退屈してしまう問題を解決します。誰もが飛行の視点と楽しさを直感的に体感できるのです。A1と未接続時にはサブスクリーンにプリセットのアニメーション効果を表示することで、楽しさと独創性を高めます。


――レンズ保護、格納式着陸装置などについても、説明していただけますか?
Newey氏:
A1は交換可能なレンズを搭載しており、パノラマレンズが衝突により傷が付いた場合、レンズを自分で交換することができ、面倒な修理を待つ必要はありません。飛行後、カメラレンズとビジュアルシステムのセンサーが汚損されていないかを確認し、必要に応じて、公式のガイドに従ってレンズまたはセンサーを清掃し、湿布やアルコール含有のクリーナーを使用しないようにして、液体の浸入によりショートするのを防いでください。収納式の着陸装置は起動時に自動的に展開するため、展開するスペースを予め確保する必要があります。起動中は手動操作を行わないでください。構造が損傷する恐れがあります。
――「Sky Path」や「Deep Track」といったAI機能は、映像制作のワークフローを、どのように効率化しますか?
Newey氏:
スカイパスではドローン操作という元々孤独な作業を、意味のある共有体験へと変えます。飛行経路を構築し、A1が自律的にナビゲートできるようにします。 Visionゴーグルを友人や家族に渡して、飛行のスリルを体験させてあげることが可能です。 一人の情熱を、皆で分かち合う喜びに変えます。友人や家族は、パイロットがドローンを飛ばしている間、待っている必要はありません。今や彼らも体験に参加できるのです。また、正確な飛行ルートを計画・保存し、ドローンが事前に設定された地点間をスムーズに移動できるため、高度なコンテンツ制作に最適です。
Deep Track(深度追跡)は、対象を選択することにより、A1が自動的に追跡して撮影する技術です。パノラマ撮影を採用しているため、撮影中に主体がずれても、後で欠損なく構図を調整することができ、主体が常に画面の中心に位置することを保証し、主体の位置変化による再撮影を減らし、撮影効率を向上させます。
――このように多くの技術が集中する中で、どのようにUX(ユーザー体験)を最優先に据えて、設計・仕様決定をしましたか?
Newey氏:
技術が複雑に絡み合う環境において、ユーザー体験を最優先に置くことは、本質的にユーザー中心のデザイン哲学を貫くことになります。仕様はユーザー体験の数値的表現に過ぎず、様々な技術もより優れた体験を実現するためのツールに過ぎないと考えます。デザインプロセスにおいてユーザー体験は目標であると同時に私たちの基準であり、実際にそれはあらゆる工程に貫かれています。そうして初めて、真にユーザーにとっての価値を創造する製品を最終的に提供できるものと考えています。
――最も技術的に困難だった点、または予期せぬ課題は何でしたか?
Newey氏:
ドローンのような非常に複雑な電子製品では、ほとんどすべての部分が技術的な難しさになっています。その中でも、画像伝送、バッテリー、飛行制御、障害物回避などの項目は、ドローンにとって特に重要です。これらの項目は飛行の安全と深く関係しており、性能や信頼性の要求水準は非常に高いものです。各部分を改良して、最終的にA1を完成させたことこそ、最大の挑戦だったと言えるでしょう。
――機体重量を249g未満に抑えた背景には、世界的な規制(EU C0クラスなど)への対応があると思いますが、その上で設計時に最も重視した安全対策は何でしょうか?障害物回避、ペイロード検知、帰還機能などの安全機能をどのように設計して、盛り込みましたか?
Newey氏:
多くの国や地域では、250g未満のドローンには、より緩やかな飛行要件が適用されるため、重量を249gに抑えることを選択しました。安全対策はドローン設計の最優先事項であり、障害物回避、帰還機能、飛行制御はいずれも重要な要素です。しかし、これは最も困難な課題でした。従来の249gドローンよりもレンズを1つ追加していることを考慮すると尚更です。軽量化設計は複雑なシステムエンジニアリングであり、性能を一切損なわずに249gを実現するために、エンジニア陣は多大な努力を払いました。
――A1をより多くのユーザーに普及させる上で、現在の技術的または市場的な課題は何ですか。特に、製品化にあたって、日本も含めた世界各国で異なるドローン法規制、安全基準、重量クラス、認証空域アクセス、ライセンス・飛行制限といった外部環境の変化をどう見ていますか?
Newey氏:
当社はドローンの規制への対応を非常に重視しており、専門チームが各国のドローン関連法規を研究し、法規に基づいて設計の制約を策定して製品開発を指導しています。各国の法規の違いに対しては、当社はドローンが所在する地域に応じて現地の国・地域の法規要件に適合させます。同時に、当社には飛行安全データベースがあり、その中の飛行禁止・制限区域に基づいてドローンの飛行を制約しています。また、各地の無人機を規制する行政部門の業務に積極的に協力し、最新の政策情報を把握します。各国の法規は絶えず更新・発展しており、最新の法規要件をいち早く満たす必要があり、作業量は非常に大きく、率直に言ってこれは当社にとって挑戦となっています。
――サステナビリティ・素材調達、リペアやメンテナンス体制など、製品のライフサイクル全体では、どのように社会的責任を捉えていますか?
Michael氏:
A1はレンズの交換が可能な新構造を採用しています。ユーザー自身でレンズを交換することができ、これにより修理の往復による余分な炭素排出と資源の浪費を大幅に削減しています。さらに、当社は積極的にCSR(企業の社会的責任)プロジェクトを進めており、全景ドローンの技術を平和利用に向けることを企業発展の根幹としています。具体的には、A1には過荷重を検知して誤用を防ぐペイロード検知システムを搭載し、戦争用途の改造に利用されることを避け、飛行を楽しさと創造性の源として維持することに努めています。
――主なターゲットユーザーはプロの映像クリエイターでしょうか、それとも一般のドローン愛好家、アクションスポーツのアスリートなどでしょうか?
Michael氏:
Antigravity A1は、新しい体験をしたいすべてのユーザーのために作られました。映像クリエイターやアウトドア冒険家、従来のドローンに飽きたテクノロジー愛好家など、新しい方法で世界を探索したり、飛行体験をしたり、撮影時に美しい瞬間を逃さないことを望む人には、A1が最適です。
――現在、異なる3つのバンドル(Standard、Explorer、Infinity)が用意されている理由と、それぞれのパイロット層への推奨ポイントをお聞かせください。
Michael氏:
3つのSKU(ストック・キーピング・ユニット/在庫管理の最小単位)の違いは、主にバッテリーと一部のアクセサリーにあります。ユーザーは自身のバッテリー持続時間に対する要求に応じて選択できます。
――「こういうシーンには特にA1が強い、逆に注意が必要だ」という具体例はありますか?ユーザーに向けた"ベストプラクティス"があればぜひ教えてください。
Newey氏:
飛行条件を満たす場合、A1は旅行やアウトドアなどのシーンに最適です。ユーザーはA1を使って新しい方法で世界を楽しみ、美しい瞬間を記録できます。例えば、旅行中にA1でパノラマ撮影をすると、後で様々なカメラワーク効果を自由に編集できて、360°を一度に楽しめますから、あらゆるプラットフォームでの共有ニーズを満たすことができます。ただし、暗い場所や細い枝の間を高速で通過するなどの複雑な環境では、安全を考慮して慎重に飛行してください。
――「Antigravity Care」のような周辺サービスの位置づけについてもお聞かせください。
Michael氏:
ドローンにとって、ユーザーに安心を提供するためにもアフターサービスは極めて重要です。弊社は「Antigravity Care」として、落下や衝突、水濡れなどの事故の解決策を提供し、製品の偶発的な損傷をカバーするための交換サービスを用意しています。Antigravity Careを利用して製品を交換に出す際は、発送・返送にかかる送料を当社が全額負担します。
――他社製品との差別化を維持・強化していくために、今後どのような技術的ロードマップや戦略がありますか?
Newey氏:
より具体的な技術路線や戦略については公開できませんが、「イノベーション」というキーワードが当社の長期的な差別化における優位性となるでしょう。また、ファームウェアを更新して、A1ユーザーの使い心地を常に良くしていきます。引き続き期待していただけると嬉しいです。
――A1は海外の一部では日本より先行して発売されましたが、ユーザーからのフィードバックや市場の反応をどのように捉えていますか?それは次期製品の開発にどのように影響するでしょうか?
Michael氏:
われわれはユーザーからのフィードバックや市場反応を非常に重視しており、様々なチャネルを通じて情報を収集します。それはユーザーがオンラインおよびオフラインで自発的に当社に連絡することや、KOL(Key Opinion Leader/専門知識や経験に基づき強い影響力を持つ者)の動画下のコメント、オフラインイベントにおけるメディア・パートナーとの交流なども含まれ、これらすべてが当社の意見収集の情報源となります。当社は意見を集約し、次世代製品を前進させるための参考基盤として活用します。
――従来型リモコンモードの追加なども、具体的に検討されていますか?
Newey氏:
実はリモコンモードに関する計画はすでに準備中で、まもなく皆さんに披露できる予定です。
――今後、映像制作会社、メディア企業、監視用途などB to B向けの展開も視野に入れていますか?その際の課題は何でしょう?
Michael氏:
現段階でのAntigravityの目標は、ユーザーに対する洞察と技術革新を通じて、コンシューマー向けドローンにおけるユーザーのペインを解消し続け、より快適で安全で没入感のあるドローンの飛行体験の創出に専念することです。また、染瀬さんが言及した映画制作会社やメディア企業なども、すでにA1をコンテンツ制作の重要なツールとして利用しています。例えば、アメリカのプロ野球のメジャーリーグベースボールでも、A1を撮影に利用しています。世界のメディア環境の変化と転換に伴い、ショートビデオのアプリに投稿したり、クールでクリエイティブなショットの撮影や没入型VRニュースや非定型のビジュアル表現まで、A1はすべてのメディア向けに活用できるものと考えています。To Bの挑戦は、企業顧客と一般ユーザーのニーズの重点がしばしば異なりますが、これも私たちが自身の向上を続けるための原動力の一つとなるでしょう。

――日本のユーザーに向けて、Antigravity A1を選ぶ際にぜひ知っておいてほしいポイントをひとことで語るとしたら、いかがでしょうか?
Michael氏:
世界初の360° 8Kカメラを搭載したドローンで、臨場感あふれる直感的なドローン飛行を体験してください。まずは飛行し、フレーミングは後で決める。それは、すべての瞬間をキャプチャします。
――もしこれからドローン・空撮を始めたいという個人やクリエイターにアドバイスをするとしたら、どんな言葉をかけますか?
Michael氏:
ぜひ「飛行」がもたらす喜びを満喫してください。空撮によってあなたの創作にもたらされる驚きが得られることを願っています。A1は、そのためのパートナーとして、「体験」と「創作」の両面をサポートします。
――今後、Antigravity社の製品やサービスを通じて「こんなことができるようになります」など、ユーザーにとってワクワクするような未来のビジョンを教えてください。
Michael氏:
私たちは、引き続き良質な製品を磨き上げることで、より多くの人が「飛行」を愛し、生活の記録とシェアを愛するようになることを願っています。
――最後に、ユーザーコミュニティに何を期待しているか、メッセージをお願いします。
Michael氏:
最後に、私が深く印象に残った事例をご紹介したいと思います。あるパートナーが、A1のリリース前に家族と一緒に自宅近くの丘でテストフライトを行いました。彼は自分が飛行し終えた後、これまで一度も無人機を操縦したことのない弟にも飛行方法を教えたところ、弟は「超かっこいいね!」と言って、とても興奮していたそうです。
彼の母親もそばにいて、 Visionゴーグルのユニークな外部ディスプレイを通じて飛行の様子を見ながら、何十年も暮らしてきた町の別の一面を見ることができたそうです。最後に、彼は私たちに対して、この体験は「とてもハッピーだった」と語りました。
このフィードバックを得て、私の頭の中にもそのシーンが浮かぶと同時に、幸せを感じることができました。私たちは常に、テクノロジーを通じて人々がより良く生活を記録し、共有できるように支援することを目指しており、それは世代間のギャップを埋めたり、時空を超えた素敵な思い出を作り出すことができます。もし私が最も見たいものを尋ねられたら、おそらくこのような無数の幸せな瞬間だと答えるでしょう。日本のユーザーの皆さんと一緒に、A1を使って多くの素敵な思い出を創造し、記録し、共有できることを楽しみにしています。
――この度は貴重なインタビューの機会を、ありがとうございました。

「Antigravity A1は空飛ぶカメラか、それとも自身の翼か」。インタビューを終えて抱いたのは、そんな感想だ。Antigravity A1が追求したのは、単なるスペックではない。直感的な操作と360°の視界により、操縦のストレスから解放され、誰もが「鳥の視点」を本能的に楽しめる未来である。技術の粋を集めながら、CEOや開発者から語られるビジョンは驚くほど人間中心だ。空を飛ぶ喜びが、一部の専門家や愛好家だけのものでなくなる日は、もうすぐそこまで来ているのかも知れない。
Antigravity A1は、Antigravity公式ストア、Eコマースプラットフォーム(アマゾン、楽天)、家電量販店(ヨドバシカメラ、ビックカメラ、ヤマダデンキ、 ジョーシン、 ケーズデンキ)、写真機材専門店、小売店チャネル(コストコ)などで発売される予定。
日本において指定期間(2025年12月18日20時~2026年1月3日24時)中に、オンラインストア及び店舗で対象バンドルを購入されたユーザーには、対象購入ごとに、25,000円相当の1年間の「Antigravity Care」サブスクリプションが無料で付与される。
*日本国内では、100g以上のドローン(無人航空機)の場合、国土交通省に機体登録する必要がある。また、特定飛行に該当する際には、飛行許可・承認などが必要になる。
このアップデートでは、Blackmagic URSA Broadcast G2、Blackmagic PYXIS 6Kおよび12Kモデルで最大10分のプリロールのサポートを追加した。
録画ボタンを押す前に最長10分間の収録が可能になった。プリロール機能では、カメラがメディアに継続的に収録するため、予期しないことが起きても撮り逃すことはない。
プリロールの長さは5秒から10分で選択でき、キャッシュメディアは収録する各ファイルの始めに追加される。つまり、重要な瞬間がすべて捉えられるため、ドキュメンタリーやニュース、ライブイベントなど、予測ができなかったり、状況が急速に変化する環境での撮影に最適だ。
必要な情報のみを保存することで、ストレージの使用量も節約できる。その理由は、常に収録を行っていても、録画ボタンを押す前のセクションのみが保存されるからだ。
また、Blackmagic URSA Broadcast G2、Blackmagic PYXIS 6K、Blackmagic PYXIS 12Kに4チャンネルのオーディオ収録のサポートも追加された。これにより、追加で2つのオーディオチャンネルを収録できるようになったため、出演者、環境音、スクラッチトラック用にそれぞれ個別のマイクが必要なインタビューやライブイベント、ドキュメンタリーに最適で、すべてがビデオファイルに完璧に同期される。
さらに、Blackmagic URSA Broadcast G2およびBlackmagic PYXISに新しいCamera Control REST APIコマンドも追加された。Blackmagic Cloudの機能性と、Blackmagic URSA Broadcast G2におけるB4レンズとの互換性も改善されている。
]]>今回のアップデートでは、WindowsおよびLinux環境において、日本語、中国語、韓国語の入力方式でエフェクトを検索できる機能が追加された。これにより、エフェクトの検索・適用を、好みの言語およびキーボードレイアウトですばやく実行できる。
また、Fusionオーバーレイの変形に対する挙動も改良され、シェイプを移動、ズーム、回転した後に、表示されるイメージとオーバーレイが正しく揃う。さらに、マスク付きのマルチマージノードが、マスクと個別のレイヤーに複数の変形が適用されている場合でも正しくレンダリングされるようになったため、一貫した合成結果が得られる。
DaVinci Resolve Studioでステレオスコピック3Dビデオを扱う際は、モニタリング出力に左右のストリームがより確実に表示されるようになったため、より正確なステレオ3Dクリップのモニタリングが可能だ。また、HDR10メタデータのエンベッドが改善されたため、出力カラースペースおよびガンマが正しく設定されていれば、HDR10クリップを正確なメタデータ付きで書き出せる。
]]>Tokinaシネマレンズ「VISTA-C」は、定番人気のオリジナル「VISTA」シリーズをベースに、新しい光学エレメントとコーティングにより独自の視覚表現を可能にしたレンズだ。VISTA-Cの「C」は、クラシック(Classic)を意味している。
18mm、25mm、35mm、40mm、50mm、65mm、85mm、105mm、135mmの9本をラインアップしている(距離表示はフィート=ftとメートル=mを選択可能)。いずれのレンズもPLマウントのみ、T1.5の明るい開放値となっている。
微細なフィールドの歪み、柔らかいエッジ、心地よいボケ、自然な周辺の落ち込み、美しい赤と青のフレアなど、モダンクラシックな表現を提供する。
先行のVISTAシリーズと同様46.7mmの大きなイメージサークルを持ち、VistaVisionフォーマットを含むほとんどのシネマカメラのセンサーに対応。35mm、40mm、50mm、65mm、85mm、105mm、135mmは、Alexa65 Open Gateを含むさらに大きなフォーマットで使用できるイルミネーションサークルを備えている。
既存の「VISTA」および「VISTA-P」シリーズと組み合わせたり、「VISTA-C」を単独で使用したりすることで、新しく個性的な映像へと表現の幅が広がるとしている。
| 焦点距離 | 18mm | 25mm | 35mm | 40mm | 50mm | 65mm | 85mm | 105mm | 135mm |
| マウント | PL | ||||||||
| アイリス | T1.5 | ||||||||
| 距離表示 | ft(フィート)/ m(メートル) | ||||||||
| レンズ構成 | 14群17枚 | 15群16枚 | 13群14枚 | 14群15枚 | 10群13枚 | 13群14枚 | 13群14枚 | 13群16枚 | 14群16枚 |
| イメージサークル | φ46.7mm | ||||||||
| 最短撮影距離 | 0.45m | 0.35m | 0.41m | 0.45m | 0.48m | 0.69m | 0.95m | 1.15m | 1.40m |
| 最大マクロ倍率 | 1:14.37 | 1:7.80 | 1:7.81 | 1:7.99 | 1:7.01 | 1:8.59 | 1:9.92 | 1:9.88 | 1:9.92 |
| 絞り羽根数 | 9枚 | ||||||||
| フィルター径 | - | 112mm | |||||||
| 全長 | 182mm | 155mm | 145mm | 160mm | 145mm | 161mm | 145mm | 161mm | 187mm |
| フロント径 | φ114mm | ||||||||
| 重量 | 2.68kg | 2.19kg | 1.95kg | 2.24kg | 2.11kg | 2.29kg | 2.15kg | 2.56kg | 2.99kg |
今年のモチーフは、2025年の映画界を席巻した映画『国宝』にインスパイアされたものだ。歌舞伎という伝統芸能の深淵を描き、芸に命を燃やす者たちの凄絶な美しさをスクリーンに焼き付けたあの傑作である。だが、なぜ「最新技術」を競うアワードに、古来の「伝統」を選んだのか。そこには、制作チームがこの一枚に込めた、ある“裏ストーリー”が存在する。

このビジュアル制作にあたり、アートディレクターが最初に掲げたコンセプトは「Update the Tradition(伝統の更新)」だった。
映画『国宝』の中で、主人公たちが血の滲むような修練の果てに「型」を習得し、やがてそれを突き破って独自の美に到達するように、映像技術の世界もまた、過去の積み重ねの上に成り立っている。今年のノミネート製品たちも、先代モデルという偉大な「型」を継承しつつ、それを破壊的なイノベーションで超えてきた“傾奇者(かぶきもの)”ばかりだ。
舞台上の「藤の花」は、単なる装飾ではない。 藤の蔦は複雑に絡み合いながら、上へ上へと伸びていく。それは、ハードウェアとソフトウェア、AIと人間の感性が複雑に融合し始めた現代の映像制作ワークフローそのものの隠喩だ。一本でも欠ければ成立しない、美しくも過酷なエコシステムがそこにある。

そして、ここだけの制作秘話を明かそう。 実はこの絢爛な歌舞伎舞台のビジュアル、一見すると最新のレンダリングエンジンによる3DCGに見えるかもしれない。しかし実は、「実写」の書き割り(背景画)と、最新のライティング機材を組み合わせて撮影されている——という設定で語らせてほしい。
すべてをデジタルで生成できる時代に、あえて職人が筆で描いた「書き割り」を背景に置く。そこに、今年発売された最新のLEDライトや、色再現性に優れたシネマカメラを向ける。 「伝統的なアナログの美術」を「最新のデジタル技術」で撮る。
この被写体と機材の関係性が生むクラフトの世界こそが、映画『国宝』が描いた世界観への、PRONEWS流のアンサーなのだ。
デジタルの極致は、一周回ってフィジカル(肉体性)の感動に回帰する。その哲学が、この一枚の画像には込められている。
舞台袖には、すでに今年の主役たち——カメラ、レンズ、スイッチャー、ソフトウェア——が控えている。 彼らは皆、開発者という名の「黒衣(くろご)」たちが、数年の歳月をかけて磨き上げた結晶だ。その姿は、厳しい稽古に耐え抜き、檜舞台に立つ役者そのものと言えるだろう。
さあ、拍子木の音が鳴り響く。 今年もまた、後世に語り継がれるべき「国宝」級の機材たちが、この花道を歩き始める。 PRONEWS AWARD 2025、いよいよ開幕。
]]>また、業界をリードするパートナーモデルであるTopaz Astraの追加により、Firefly Boardsに新しい動画アップスケーリング機能を追加。さらに、生成的なストーリーテリングのためのアドビの新しいクリエイティブアセンブリスペースであり、顧客から素晴らしい初期フィードバックを得ている「Firefly video editor」のフルベータ版を開始する。
そして、クリエイティブな探求を継続できるよう、Firefly Pro、Firefly Premium、7,000クレジット、または50,000クレジットプランを利用するすべての人を対象に、Fireflyの動画モデルおよびすべての画像モデル(Fireflyおよびパートナーモデルの両方)での無制限生成の提供を2026年1月15日まで拡大する。
つまり、Fireflyの商用利用可能な画像・動画モデルや、新しいGoogle Nano Banana Proなどを含む拡大し続けるパートナーモデルのラインナップを使って、自由に制作を続けられるという。
例えば、コーヒーショップのクリップを生成してほぼ完璧だったのに、テーブルの上に不要なカップがある、といった場合、これまではクリップ全体を再生成しなければならず、その過程で良かった部分を失ったり、再現しようとして時間を無駄にしたりしていた。
動画用の新しい「Prompt to Edit(プロンプトによる編集)」コントロールを使用すれば、良い部分を残したまま、悪い部分だけを手術のように取り除くことができる。Fireflyで動画を生成した後、RunwayのAlephモデルを使用したテキスト編集によって、以下のような特定の指示を使用して精密な修正を行えるようになった。
Fireflyは、既存のクリップに直接それらの変更を加える。次のランダムな生成結果に左右されることはない。さらに、効果音や音楽トラックを追加して洗練させたり、Firefly video editorやPremiereデスクトップ内でさらに編集したりすることもできる。これらはすべて、アイデアから実行までクリエイターに完全なコントロールを与えるように構築されているという。
Fireflyはまた、シーン内でのカメラの動きについても、より多くのコントロールを提供する。Firefly Video Modelを使用すると、開始フレームの画像とともに、再現したいカメラの動きを示す参照動画をアップロードできるようになった。必要な場所に正確に固定された、望み通りのシネマティックなカメラワークが得られる。
Prompt to Editとカメラモーションリファレンスを合わせることで、試行錯誤の時間を何時間も節約し、「一度きりの素晴らしいテイク」を維持し、すべてのショットに自分のクリエイティブスタイルを適用するためのより多くの方法を提供する。
生成AIは、単にコンテンツを生成するだけでなく、ワークフロー全体で適応可能、統合可能、かつ実行可能なツールであることも重要だ。Firefly Boardsで利用可能になったTopaz Astraを使用すると、映像を1080pや4Kに引き上げることができる。低解像度のクリップを強化してYouTubeフィード用に十分な鮮明さにしたり、古かったり低品質な映像を復元して鮮明さとディテールを向上させたりすることができる。
アーカイブされたブランド素材を扱う場合でも、個人的なクリップを扱う場合でも、新しい編集やフォーマットで重要な瞬間に第二の命を吹き込むことができる。Boardsで動画をアップスケールしている間、同時に他のタスクを行ったり、さらに多くの動画をBoardsでアップスケール待ち行列に入れたりすることができ、クリエイティブなフローを維持できる。
また、業界をリードするイメージングモデルにおいても、さらなる選択肢を提供し続けている。Black Forest Labsの最新画像モデルであるFLUX.2にもアクセスできるようになった。これは、フォトリアルな詳細を持つ画像を生成・編集し、高度なテキストレンダリングを提供し、最大4つの参照画像をサポートする。FLUX.2は、FireflyのText to Imageモジュール、Prompt to Edit、Firefly Boards、さらにPhotoshopデスクトップ版の生成塗りつぶしで利用可能であり、2026年1月にはAdobe Expressでも利用可能になる。
Firefly video editorでクリエイティブなビジョンをまとめることができるようになった。これはブラウザベースのビデオエディタであり、Fireflyによる生成物が完成したストーリーになる場所だ。Firefly video editorは現在、パブリックベータ版として広く利用可能だ。
Firefly video editorを使えば、ブラウザ上で完全な動画を作成できる。生成されたクリップ、音楽トラック、ビジュアルを独自の映像素材と組み合わせ、軽量なマルチトラックタイムラインで形にすることができる。
作業方法は以下の通り選択できる。
完了したら、縦型のソーシャル投稿から、従来の方法で編集された作品と並べても遜色のないワイドスクリーンの編集まで、ストーリーが必要とするフォーマットでエクスポートできる。
アプリケーション説明およびアプリケーションの変更内容は以下の通り。
Version 1.2.1は以下の内容を盛り込んでいる。
〈動作確認済みカラーチャート〉
「Green Lights」は、バーチャル空間で自動車走行シーンを自由に撮影できる新しい映像制作サービスだ。天候や時間帯に左右されない撮影環境、ドローン撮影や地上1cmの撮影など現実では困難なカメラワークや、複数テイクによる多様な映像展開を実現。さらに安全管理や法令対応の負担をなくし、コスト効率化に加え、環境負荷低減にも貢献する次世代の映像制作サービスだという。
従来のロケ撮影では、公道使用に伴い安全管理や法令対応が必要だが「Green Lights」はすべてバーチャル空間で撮影するため、関連法規も遵守できる。また公道を使用しないため、機密情報を扱うプロジェクトでも情報漏洩のリスクが少なく、交通事故の心配もないとしている。
複数のデジタルロケーションから撮影場所を選べるため、実写撮影で必要なロケ地の選定・確保や移動・宿泊、天候待ち、予備日確保、セット建て込みなどのコストと時間を大幅に削減。また撮影後の廃材削減にもつながるなど、プロジェクト全体の効率化を図ることで環境負荷低減にも大きく貢献するという。
現在放映中の日産自動車新型LEAF TVCM「もっと、いっちゃいますか」篇において、開発中の「Green Lights」が試験的に活用された。従来の実写撮影での物理的制約から解放された、自由でダイナミックなカメラワークによる映像演出となっている。
「Green Lights」は「青信号」以外にも、「制限解除」「自由に動ける」「許可、承認済み」などの意味も持ち合わせた、「自由を与えられた状態」を象徴する言葉だという。全てバーチャル空間で行う撮影により、クリエイティブ発想に制限をかけず、いつでも青信号で止まる事なく自由に安全に撮影ができる。
※ 文中に記載されている会社名、商品名は各社の商標または、登録商標
※ 同情報は発表日現在の情報。検索日と異なる可能性があるため、あらかじめご了承のこと
本イベントは、システムインテグレーター、レンタル会社、技術者が一堂に会し、ライブイベントやステージ用途に向けた実用的かつ信頼性の高いAVソリューションを探る場となる。24年以上の実績を持つYES TECHは、印象に残るステージ体験を創出するために設計された、唯一無二の製品を披露する。
イベントの大きな見どころの一つが、業界初となる「創造的形状LEDディスプレイの完全ラインアップ」を標準化生産によって実現したMG Creative-Extendedシリーズだ。MG11からMG19までをカバーする本シリーズには、三角形パネル、扇形ユニット、ラウンドコーナー、三面キューブなど、さまざまなクリエイティブ形状が含まれる。これらは9種類の異なるタイプとして標準化された生産工程で製造されている。ピクセルピッチは2.6~5.9mmに対応し、屋内外の両方で使用可能だ。
ブロックを組み立てるように、これらのモジュールパネルを組み合わせることで、文字やシンボル、樹木、さらには建築物や城のような構造物まで構築できる。このシステムを通じてYES TECHは、限られたスペースであっても、大胆で没入感のあるステージコンセプトを実現できることを示す。

さらに、レンタル用途で広く使用されているMG9パネルも展示される。MG9は信頼性と柔軟性を兼ね備えたソリューションを提供し、LEDダンスフロア用途では最大4.6トンの耐荷重を実現するほか、天吊り設置には軽量かつ高耐久なポリマーナノ素材を採用している。Creative-Extendedシリーズと完全互換で、強度と汎用性の両立を可能にしている。

株式会社光和の内覧会「2026 最新映像機器内覧会」ではMGパネルが可能にする創造的な造形やステージ設営の容易さなど、その他にも多くの展示を用意しているという。
]]>2025年も残りわずかとなり、映像業界にとっても1年を総括する時期を迎えた。この1年は、数多くの新製品やサービスが登場しただけでなく、それらが実際の制作現場に浸透し、ワークフローや表現の在り方そのものを変えていく様子が強く印象に残った年でもあった。PRONEWSでは、NAB、Cine GEAR、IBC、Inter BEEといった国内外の主要展示会をはじめ、日々の取材や検証を通じて、そうした変化の現場を追い続けてきた。
本特集では、2025年の映像業界を俯瞰しながら、とりわけ存在感を放った製品やサービスを分野ごとに取り上げ、この1年を象徴する技術的潮流を整理する。同時に、それらが示す次なる制作環境や、2026年以降への示唆についても考察していく。
その取り組みの中核となるのが、「PRONEWS AWARD」である。本アワードは、映像業界において高い価値を示した製品やサービスを称えることを目的とした表彰企画だ。新規性やスペックの高さのみならず、実際の制作現場でどのように使われ、どのような変化をもたらしたのかという視点を重視している点に特徴がある。
対象となるのは、2025年1月1日から12月31日までに発売された製品やサービスで、撮影、制作、編集、配信、管理、運用といった各工程において、表現の拡張やワークフローの刷新、効率化、品質向上に寄与したと評価できるものだ。PRONEWS編集部では、継続的な取材で得た知見や現場の声を踏まえ、「現場を本当に変えたかどうか」という観点から審査・選考を行っている。
PRONEWS AWARDは、2009年にスタートし、今年で16回目を迎える。初代の大賞に選ばれたのは、キヤノン「EOS 5D Mark II」であった。映像制作の歴史を振り返っても、これほど長期にわたり継続してきたアワードは稀であり、業界の変遷を記録してきた存在でもある。
2025年のPRONEWS AWARDは、以下の部門に分けて発表を行う。
各部門ごとにファイナリストを選出し、その中からゴールド賞、シルバー賞を決定する。さらに12月31日には、部門の枠を超えてその年を象徴する1製品に贈られる「GRAND PRIX」を発表する予定だ。

参考として、2024年のGRAND PRIXはキヤノン「EOS C400」が受賞した。各部門の結果を追いながら、PRONEWS AWARDを通じて、この1年の映像業界がどのような進化を遂げてきたのかを改めて感じ取ってもらえれば幸いである。
放送・メディア・エンターテインメント業界をリードする世界最大のイベントとして、NAB Showでは業界を形作る変革的なトレンドに焦点を当てる。一例として、AIとメディア資産保護、ストリーミング、スポーツ分野のイノベーション、クリエイター経済、クラウドベースのワークフローなどがあげられる。世界中のイノベーターと業界リーダーを結集するNAB Showは、最先端技術を探求し、放送・コンテンツ制作・配信の次なる章を定義する比類なきプラットフォームを提供するという。
NABグローバルコネクションズ&イベント担当エグゼクティブバイスプレジデントのカレン・チャプカ氏は次のようにコメントしている。
チャプカ氏:NAB Showは、世界のメディアコミュニティが一堂に会し、次なる未来を形作る場です。
AI、クラウド、新たなコンテンツモデルにおける革新は、業界の働き方を再定義しつつあり、2026年はその変革を反映するでしょう。拡大したクリエイターラボやスポーツサミットから、AIパビリオンやスタートアップパビリオンまで、参加者にビジネスを前進させる技術とアイデアの最前線をご覧いただきます。
2026年NAB Showでは、新企画として拡大版4日間のスポーツサミット"The Future of Sports Rights and Fan Engagement"を開催。会場西ホールのスポーツシアターにて実施され、初めて全参加者が参加可能となる。同サミットでは、ファンエンゲージメントを強化するツールや技術、スポーツ権利やメディア企業を自ら設立するアスリートなどに関する議論が展開される。
同プログラムでは、制作、権利、配信、投資、政策を検証するとともに、チーム、放送局、技術パートナーがファンエンゲージメントを再構築し、ライブスポーツ体験を革新する方法に焦点を当てるとしている。
The Anklerとの提携により開催されるこの3日間のプログラムでは、業界を代表するトップのディールメーカー、経営幹部、クリエイティブリーダーが一堂に会し、メディア・エンターテインメント業界のビジネスを再構築する力について率直な議論を交わす。プログラムでは、プラットフォームを横断したコンテンツの資金調達、制作、流通、収益化の方法を見直す、経済的・戦略的・構造的な変化を検証する。
2026年より新たに開始される同プログラムは、すべての参加者に公開され、西ホールの展示会場で開催される。これにより、投資、業界再編、権利、人材、技術、そして進化するグローバルメディア市場の経済動向に関するハイレベルな議論へ、これまでにない形でアクセスが可能となる。
新設されたセントラルホールで大幅に拡張されたスペースを構え、クリエイターラボは実践的な学びと次世代ストーリーテリングツールを求めるクリエイター、スタジオ、放送局、ブランドにとって最高の場となるという。
大規模改修が完了したラスベガス・コンベンションセンターは、2026年より来場者に、よりモダンで、接続性に優れた直感的なキャンパス体験を提供する。
キャンパス全体で、照明の改善、現代的な仕上げ、視界の明瞭化などのアップグレードが行われ、展示会全体を通じて明るく快適な環境を実現するとしている。
注目すべき出展企業は、AWS、Blackmagic Design、Google、Microsoft、ソニーなど、主要な技術革新企業が名を連ねている。これらの企業の参加により、メディアとエンターテインメントの未来を推進するソリューションを展示する、ダイナミックなグローバルブランドのラインナップがさらに充実するとしている。
参加者と出展者、スポンサーはこちらで詳細をご確認のこと。NAB Show公式宿泊予約枠の申込締切は2026年3月16日。メディア向けリソースおよび認定プレス登録もNAB Showウェブサイトで利用可能。
2026年3月リリース予定のNAB Showモバイルアプリは、来場者の事前計画、会場内移動、現地での有意義な交流を支援する新機能を搭載。ユーザーは個人用スケジュールを作成・管理し、必見の出展者をブックマークできるほか、個人の興味に基づいてセッション・出展者・交流先の推奨情報を取得可能だ。
同アプリには、強化されたネットワーキングツールも導入されており、参加者は会場内でQRコードを介して安全に連絡先情報を交換したり、他の参加者と1対1でつながることもできる。これらの機能により、会場内での検索が効率化され、キャンパス内の移動がスムーズになり、ショー開催前や開催中も、参加者が適切な人々や機会とつながりやすくなるという。
現在、放送事業者やコンテンツ所有者は、より多くのコンテンツを、より短時間で、より多くのプラットフォーム向けに提供するという高まるプレッシャーに直面している。未加工映像の量が増え続け、手作業によるショットログ作成やアーカイブ調査には限界がある中、従来のワークフローはもはや持続可能ではなくなっているという。
こうした共通の課題に対応するため、Viz One 8.1はaiconixの主権型AIプラットフォーム「DeepVA」と統合され、メディア管理の重要な工程を自動化することで、時間のかかる手作業中心のプロセスから、スピードと正確性を備えたメディア管理へとチームを移行させる。
この統合により、Viz One 8.1に搭載されたAIによる視覚認識機能を使って、ユーザーは数秒で適切なコンテンツを見つけ出すことができる。映像素材内の人物、物体、シーンを自動的に識別・タグ付けし、学習可能なカスタムモデルを含めて、アーカイブやワークフローに視覚的理解を付加する。

AIによる自動メタデータ生成により、手作業でのログ作成は不要となる。代わりに、チームはAIが生成したメタデータを確認し、未知の対象に対してカスタムモデルを学習させ、必要に応じて品質確認を行うことができる。その信頼性は非常に高く、ログ作成の正確性は最大50%向上、ログ作成ワークフローは10倍高速化、検索および発見は5倍迅速になるとしている。時間効率の向上により、最適なクリップ、シーン、テーマを見つけ出す可能性が大きく広がり、コンテンツの再利用、コンプライアンス対応、さらには収益化の可能性も拡大する。
aiconixのCMOであるエスター・アロヨ氏は次のようにコメントしている。
コンテンツ制作者には、画一的なAIではなく、それぞれのニーズに適したAIが必要です。DeepVAは、カスタムモデルの学習と構造化された機械可読メタデータの生成を可能にすることで、Viz Oneのユーザーがワークフローを最適化し、より関連性が高く、地域に即したコンテンツを視聴者に届けられるようにします。
リサーチやクリップ発見が高速化されることで、ボトルネックが減少し、ニュース、スポーツ、エンターテインメントといった分野で、あらゆるプラットフォームに向けて制作を行う放送事業者やコンテンツ制作者に、より高い創造的柔軟性がもたらされる。
Viz One 8.1は、オンプレミス、ハイブリッド、クラウド環境にシームレスに拡張できるよう設計された、コンテナ化アーキテクチャを基盤としている。DeepVAのAIサービスは、各Viz One環境内に安全に導入されるため、機密データをインフラ外へ持ち出すことなく、強力なAIワークフローを実現できる。
VizrtとDeepVAは、メディア分野におけるAIの実践的なアプローチを切り拓いているという。それは、不要な複雑さを排し、真に価値を生む領域に自動化を導入することである。Viz One 8.1は、手作業によるタグ付けに費やしていた時間を大幅に削減し、最も関連性の高いアセットを即座に表示し、コンテンツ制作者がより良いストーリーを、より迅速に伝えることを可能にする、実効性のあるAIを提供するとしている。
VizrtのMAM部門責任者であるヨッヘン・ベルクドルツ氏は次のようにコメントしている。
Viz One 8.1は、効率化を加速させるという当社の長期ビジョンにおける次のステップです。Viz Oneの実績ある信頼性とインテリジェントな自動化を組み合わせることで、お客様が今日よりスマートに業務を行い、将来に向けてより強固なメディア運用体制を構築できるよう支援します。
Media Stormの創設者であるティム・パン氏が初めてBlackmagic Designに出会ったのは、2014年にオリジナルのPocket Cinema Cameraを購入した時であった。このカメラはパン氏にとって初めてのプロ仕様のカメラであり、そのスーパー16センサーの画質とカラーサイエンスに驚嘆したという。そこから、Pocket Cinema Cameraシリーズ、URSA Miniシリーズ、そして最新のURSA CineおよびPYXISモデルが、次々とMedia Stormの製品群に加わった。
パン氏は次のようにコメントしている。
パン氏:近年、私たちはURSA Mini Pro 12Kを、三星堆遺跡の遺物の撮影、望遠鏡による星空の撮影、文昌宇宙センターでのロケット打ち上げの撮影などに多用してきました。
12K解像度により、映像を深くズームして、ユニークな視点を作り出すことができます。このクリエイティブな柔軟性こそが、私たちが常に追求してきたものであり、Blackmagic Designの最大の強みの一つだと思います。
Media Stormのチームは、URSA Cine 17K 65のリリース以来、その到着を心待ちにしていたという。
パン氏:驚異的な17K解像度と65mmセンサーの組み合わせにより、比類のないレベルのディテールとシネマライクな深みを実現できます。
私たちは、少し、いや、もしかしたら相当異なる番組にもそれを使うつもりです。
65mmフォーマットは、強い没入感と視覚的なインパクトが求められるシーンに最適で、観客をストーリーに引き込みます。
パン氏はまた、フルフレームPYXIS 6KのボディデザインがMedia Stormの撮影監督たちに強い印象を残したと指摘した。
パン氏:縦方向の撮影時には、内蔵スクリーンをトップモニターとして活用できます。また、多数のマウントポイントが付いているので、様々なアクセサリを簡単に取り付けられます。従来の方法とは異なるクリエイティブな撮影や、ライブプロダクションでの適用に最適ですね。

2020年にライブ配信に参入して以来、Media Stormはライブコマースから大規模なイベントや屋外プロダクションへと事業を拡大してきた。ライブワークフローは、HDから最大60pのUHDへと進化し、現在ではマルチカムセットアップ、モーショングラフィックス、スローモーション再生、マルチチャンネルオーディオ、プロ仕様のサウンドミキシングにも対応している。
この進化の過程で、Media Stormは、ATEM Mini、ATEM Mini ISO、ATEM Television Studio 4K Pro、ATEM Constellation 8Kなどの様々なBlackmagic Designのライブプロダクションスイッチャーを組み込み、さらにATEM 2 M/E Advanced Panel 20、ATEM Camera Control Panel、HyperDeck Studio 4K Pro放送デッキ、Videohub 40x40 12Gルーターも導入した。さらに、DeckLink 8K Pro、DeckLink Quad 2、UltraStudio 4K Miniキャプチャー・再生デバイス、そしてビデオ入出力用のコンバーターも幅広く使用している。
Media Stormのライブプロダクション用の新しいビルでは、スタジオ全体のレイアウトが標準的な放送エンジニアリングの慣例に従っており、独立したスタジオ、コントロールルーム、機材室が設けられ、空間同士の干渉を最小限に抑えるように設計されている。この構造とアクセスコントロール管理との組み合わせにより、ライブプロダクションの安全性と信頼性が大幅に向上した。初期の建設段階では、設計チームは建物全体に複数のオーディオ、ビデオ、およびネットワーク接続ポイントを事前に設置し、すべてのケーブルを機材室に集中させた。このセットアップにより、撮影の携帯に関わらず、高速かつ柔軟な信号ルーティングが可能になり、大量のケーブルを繰り返し敷設する必要がなくなった。
パン氏:Blackmagic ATEMスイッチャーは、SDIエンベデッド信号を通じてパワフルなカメラコントロールを実現でき、アイリス、カラー、その他のリモート調整をカメラで直接実行できます。
ATEM ConstellationシリーズにVISCA over IPサポートが追加されたことで、RS-232/422ケーブルを使わずにネットワーク経由でIP対応のPTZ カメラをコントロールできるようになりました。
Media Stormはまた、Blackmagic 2110 IP Mini BiDirect 12G SFPコンバーターをST 2110 IP ゲートウェイとして利用している。
パン氏:ST 2110を使用すると、既存のネットワーク・インフラストラクチャーを介して低遅延で高品質の4K UHD信号を簡単に送信できます。
コンバーターのNMOSサポートにより、サードパーティのNMOS管理プラットフォームを使用して、すべてのST 2110 IPデバイスをコントロールおよびルーティングできるので、ST 2110 IP対応の他のオーディオやビデオソースとのシームレスな相互運用性が実現します。
典型的な使用例のひとつは、ST 2110 IPコンバータを使用してSDIから16チャンネルのオーディオをST 2110-30ストリームにデエンベッドし、サウンドエンジニアがDante互換のコンソールで直接マルチチャンネルオーディオをミックスできるようにすることです。これは、従来のマルチチャンネルオーディオのデエンベッド・ソリューションよりもはるかに便利です。

ライブプロダクションチームは、DaVinci Resolve Studio、DaVinci Resolve Replay Editor、HyperDeckレコーダー、Blackmagic Cloud Dock 2 ネットワーク ストレージソリューションを使用して、ライブ配信中のスローモーションリプレイとハイライトの迅速な編集を可能にした。
パン氏:各カメラの映像はHyperDeck経由でCloud Dock 2に個別に収録されます。
リプレイオペレーターは、DaVinci Resolveのカットページを使用して、クリップをすばやく確認し、ベストな瞬間を見つけて、再生用にタイムラインに挿入します。リプレイ機能は、スティンガートランジションと、ビデオのキャプチャー・再生デバイスからのキー&フィルの同時出力をサポートしており、ライブ放送へのスムーズな統合を実現します。Replay Editorキーボードにより、コントロールがさらに合理化され、効率が劇的に向上します。
Media Stormの3つの主要チャンネルである、Media Storm、One in a Billion、STORMCREWのポストプロダクションは、すべてDaVinci Resolve Studioで処理されている。
パン氏:DaVinci Resolveのコラボレーティブ・ワークフローは、比類のない効率性を提供してくれます。
3つのチャンネルを通じて、通常、毎月15本以上のエピソードを制作しています。エディター、カラリスト、サウンドエンジニアたちは、同じプロジェクトで同時に作業できます。エディターがAロールを終えると、カラリストはグレーディングを開始でき、ミキサーは編集中でもオーディオ調整を開始できます。これにより、1エピソードあたり2週間以内で納品できますが、これはDaVinci Resolveなしでは不可能です。
「STORMCREW」のバラエティ番組では、100近くのカメラアングルを扱うこともあります。3人のエディターが異なるセクションで同時に作業しており、共有マーカーを使用して、最も面白い瞬間や最も興味深い瞬間にタグを付け、全員が見られるようにします。各エディターが別々のタイムラインでセグメントを編集し、それらを結合して最終的な組み立てと確認を行います。DaVinci AI Neural Engineにより、最大9つの4Kトラックをスムーズに再生でき、複雑な編集もシームレスに行えます。
パン氏:私たちはよく海外の製品発表イベントに頻繁に参加しています。
視聴者は当日の放送を期待していますが、渡航スケジュールやビザの制約により、必ずしも現場でポストプロダクションを行えるとは限りません。Blackmagic Cloudを使用すると、iPhoneやPYXISカメラで撮影した映像を海外から直接アップロードできるので、中国にいるポストチームはプロキシをダウンロードしてすぐに編集を開始できます。クラウドは、カメラのオリジナルの前にプロキシファイルを最初にアップロードするため、エディターたちは数分以内に作業を開始できます。
例えば、昨年の主要な技術イベントでは、プレゼンテーションが北京時間の午前3時頃に終了したのですが、午前6時までに最初のビデオを公開していました。このようなことが可能になるとは以前は想像もできませんでしたね。カードの転送やドライブの配達を待つ必要はもうありません。驚くほど効率が向上しました。

アップデート内容は以下の通り。
BMS-1616は、4K60p 4:4:4、HDR、Deep Color(最大36ビット)のHDMI信号に対応した16入力16出力のフルマトリクススイッチャーだ。システム規模や用途に応じて必要なボードモジュールを選択可能で、入出力ボードは4K HDMI、IMG.LINK Rev2、HDBaseTの組み換えができるほか、音声はアナログ信号とDanteオーディオに対応するなど、システム構築の自由度が大幅に向上している。これまで定評のある「高機能・高信頼性」と、「求めやすい価格」を両立させた製品だという。
BMS-1616の対応モジュールは以下の通り(順次発売予定を含む)。
機能面では、フロントパネルにカラー液晶ディスプレイを採用し、クロスポイント設定や動作状況、各種操作メニューをわかりやすく表示する。本体のみでの映像音声の任意時間オートシーケンシャル機能や、入力信号を検出して自動でクロスポイントを切り替える機能を搭載している。
また、プロジェクターの電源など、外部機器を制御するためのコマンドを最大16個まで登録可能だ。登録したコマンドはBMS-1616本体のLANや、HDBaseT出力モジュール(BMO-HB4)を経由してのRS-232CまたはLAN、IMG.Link Rev2出力モジュール(BMO-IL4)を経由してのRS-232Cから送出できる。
さらに、本機の操作履歴や信号の変化、途切れなどを全て自動的に内部ログとして記録保存するため、トラブル時などにログ情報を取り出して調査確認が可能だ。製品は出荷後3年間の無償保証(アダプターや消耗品、一部製品を除く)となっている。
]]>Wacom MovinkPadシリーズは、どこでも思いついたときに描けるポータブルなオールインワンタイプのクリエイティブパッドだ。2025年7月に発売された「Wacom MovinkPad 11」と、同年10月発売の「Wacom MovinkPad Pro 14」の2モデルをラインアップし、ワコムのペンテクノロジーとAndroid環境を融合した。PC不要で完結する描画体験を提供している。
今回のアップデートでは、「Wacom Canvas」で描いたスケッチを直接「ibisPaint X」で開いたり、「Wacom Shelf」上で「ibisPaint」のプロジェクトファイルを閲覧したりできるようになった。「Wacom Shelf」は、「ibisPaint」のネイティブ形式であるIPVファイルに対応し、JPG、HEIC、PNG、CLIP、BMP、WEBP、TIFFなどとあわせて、作品を直感的に整理・管理できる。「Wacom Canvas」と「Wacom Shelf」を「ibisPaint X」に最適化し、シームレスな制作ワークフローを実現している。
世界中で5億回以上ダウンロードされている「ibisPaint」は、デジタルアートアプリとしてグローバルに高い認知度を誇る。
「Wacom MovinkPad 11」には本アップデートで「ibisPaint X」が追加され、「Wacom MovinkPad Pro 14」ではGoogle Playから「ibisPaint X」、「Wacom Canvas」、「Wacom Shelf」を更新することで利用できる。
ワコム クリエイティブエクスペリエンスユニット シニアバイスプレジデントの矢野幸治氏は、次のようにコメントしている。
矢野氏:ibisPaintとの連携により、Wacom MovinkPadシリーズは、これまで以上に多様なクリエイティブ体験を可能にします。ワコムのクリエイティブエコシステムが世界中の活気あるアートコミュニティとつながることで、より多くの方に新しい表現の場と可能性を提供できると考えています。
今回のアップデートでは、新規・既存のすべての「Wacom MovinkPad」ユーザーを対象に、「アイビスペイント プレミアム会員」機能を180日間無償で利用できる特典も追加された。
これにより、広告非表示やクラウドストレージ容量の20GB拡張、ベクターツール、限定素材、キャンバス紙質、限定フォント、高度なフィルター(トーンカーブやグラデーションマップなど)へのアクセスが可能となり、「アイビスペイント」の魅力をすぐに体験できる。
株式会社アイビス モバイル事業部 営業・サポート課課長・井上結加氏は次のようにコメントしている。
井上氏:このたび、Wacom MovinkPadシリーズにibisPaintが対応したことで、ユーザーの皆さまにこれまで以上に自由で直感的な創作環境を提供できるようになりました。どこにいても、思いついた瞬間に描ける。その自由さが、表現の世界をさらに広げられると信じています。また私達はクリエイターの皆様のお力になれることを大変嬉しく思います。
デジタルアートに初めて挑戦する方から、スタイルやワークフローに合わせて使いこなす経験豊富なイラストレーターまで、誰もが自分らしく創作できるポータブルなオールインワン端末であるWacom MovinkPadシリーズ。今回のアップデートは、「描くことが好き」なすべての方を応援したいというワコムの想いを体現しているという。
]]>360 Reality Audioは、オブジェクトベースのソニーの360立体音響技術を使った音体験だ。ボーカルや楽器、効果音や人の声など、音一つひとつに位置情報をつけ、球状の空間に配置することで、アーティストやクリエイターが意図する、没入感のある立体的な音場を体感できる。
Kakao Entertainment社は、マルチレーベルシステムを基盤に音楽IPの企画・制作・音源・アルバム流通事業を推進しており、代表的な音楽ストリーミングサービス「Melon」や、グローバルKカルチャーファンプラットフォーム「Berriz」など、エンターテインメントIPを活用した多様なサービスを提供している。
今回のパートナーシップの第1弾プロジェクトとして、2025年12月20日(土)午後5時よりソウル・コチョクスカイドームで開催される「第17回Melon Music Awards(MMA2025)」のスペシャルステージにて、360 Reality Audioを活用する。オンラインで配信されるスペシャルステージでは、まるで会場に入り込んだかのような、没入感のある立体的な音場体験を楽しめる。
ソニーとKakao Entertainment社は、それぞれ次のようにコメントしている。
ソニー:世界中のK-POPファンがソニーの360 Reality Audioを通じて、より立体的で没入感の高い体験ができることを期待しています。
Kakao Entertainment:MMA2025を皮切りに、ソニーの革新的技術を活用してグローバルなシナジーを生み出す多様な協業案を模索していきます。
MMA2025は、韓国を代表する音楽プラットフォーム「Melon」のデータ、ユーザー投票、専門家の審査をもとに、アーティストの1年間の成果を世界に発信する、K-POP最大規模の音楽授賞式およびフェスティバルだ。MMAは毎年クリエイティブな企画や演出で圧倒的なステージを披露し、ファンから高い評価を得ているという。
]]>Viltrox AF 9mm F2.8 AIRは、雄大な風景や建築物、Vlog撮影に最適なAPS-C対応の超広角レンズだ。STMステッピングモーターを採用し、正確で静音性に優れたオートフォーカスを実現。顔・瞳検出にも対応し、写真から動画まで幅広く対応。
光学系は11群13枚構成(EDレンズ3枚、非球面2枚、高屈折率3枚)を採用し、歪曲や色収差を効果的に抑制する。F2.8の大口径設計により、暗所でも明るく撮影でき、美しい背景ボケ表現も可能だ。わずか約175gの軽量ボディに収められており、持ち運びも容易。手のひらサイズのコンパクト設計で、いつでもどこでも高画質な超広角撮影を楽しめるとしている。
| 焦点距離 | 9mm(35mm判換算13.5mm相当) |
| 対応撮像画面サイズ | APS-C |
| 対応マウント | Xマウント |
| フォーカスモード | AF(オートフォーカス) |
| フォーカス機構 | インナーフォーカス |
| レンズ構成 | 11群13枚(EDレンズ3枚、非球面レンズ2枚、高屈折率レンズ3枚) |
| 絞り羽根 | 7枚 |
| 絞り範囲 | F2.8-F16 |
| 最短撮影距離 | 0.13m |
| 画角 | 113.8° |
| 最大撮影倍率 | 0.15X |
| フィルター径 | Φ58mm |
| サイズ | Φ65mm×56.7mm |
| 質量 | 約175g |
| 付属品 | レンズキャップ、リアキャップ、フード、収納袋 |
| メーカー保証 | 1年間(自然故障が対象) |
※オートフォーカスの速度や精度は、使用のカメラ本体や撮影条件により異なる場合がある。
また、すべての機能や撮影性能を保証するものではない。
※期間は1月31日(土)までだが、早期終了する場合もある。
ライトスタンドを安定させるために必須なサンドバッグで、クラシックライトスタンド180に合わせてクラシックなデザインだ。作品だけでなく撮影中の雰囲気にもこだわりたいクリエイターにおすすめだという。
最高級のブナ材を使用し、ブラックウォルナット仕上げで作られ、軽量アルミニウムで補強されている。最大180cmまで拡張可能(脚を完全に広げた状態)。任意の高さでしっかりロックする。最大耐荷重は4kgと、多様なプロ用ライトやアクセサリーに対応している。
クラシックサンドバッグは実用性と美観を両立した、現場向けのサンドバッグだ。スタンドのベースフックに吊り下げて重心を低く保つほか、ブームやエクステンションアームのカウンターウェイトとしても活躍。撮影後は中身を捨ててさっと拭くだけでクリーンな状態に戻せる。
クラシックな質感のシリコンレザーを使用し、繊細なシボ感と控えめなサテン艶が、高級ヴィンテージの雰囲気を演出する。高密度ポリエステルの二重構造で、砂や小石を入れても漏れにくい安心設計だ。ロケ地で現地調達した砂利・予備バッテリーなども詰められるため、軽量なまま持ち運び、現地でセットアップすることができる。
| 寸法 | 23.5×15.8cm |
| 本体重量 | 88g(空時) |
| 最大容量 | 約3kg |
| 内容物 | クラシックサンドバッグ(砂は付属しない)、収納ポーチ |
同社は1951年に映画現像所(Photo Chemical Laboratory)として創業し、1970年のソニーグループ入りを経て、フィルムからビデオ、パッケージメディア、そして4K/8K映像へと、時代の変遷に合わせて常に最先端の技術を取り入れてきた歴史を持つ。現在では、ソニーの高精細LED「Crystal LED」を活用したバーチャルプロダクションや、3D音響技術、ボリュメトリックキャプチャなどを駆使し、次世代の映像制作やイマーシブ(没入)体験を提供する「技術と表現の最前線基地」としての役割を担っている。
そうした技術的蓄積の集大成とも言える本展示では、ソニーの多感覚技術を統合して没入型XR体験を構築している。具体的には、映像・音・触覚・香り・風を連動させた五感で感じるLBEコンテンツとして、「Immersive Shooting」と「VR SoraCruise」を出展。映像や音だけでなく、あらゆる感覚が緻密に連動する、「五感」を根底から揺さぶるような体験を実現していた。
会場に入り、まず最初に体験したのは「Immersive Shooting」だ。これは、Ginza Sony Parkで開催されたエキシビション「TM NETWORK 2025 IP」にて展示された、「シティーハンター」の世界観をモチーフにしたシューティングゲームをベースにしている。
案内されたポジションに立つと、目の前には高精細を誇るソニーのCrystal LEDが鎮座し、足元にはハプティクス(触覚提示技術)を搭載した床が広がっていた。手に持った銃は、ただのプラスチックの塊ではない。Mimicと呼ばれる、内部に可動ウェイトを仕込み、重量感や慣性によるフィードバックをリアルに体感できるハプティックコントローラーだ。
ゲームの内容は、飛来するドローンを次々と撃ち落とすというシンプルなものだが、ソニーPCLが映像・音・触覚・香り・風といった技術を駆使し、LBE体験として拡張することで、その没入感は別次元のものとなっていた。
特に驚かされたのは、武器ごとの「撃ちごたえ」を見事に描き分けるデバイスの表現力だ。スタンダードな単発銃、連射可能なマシンガン、そして一撃が重いバズーカの3種類が用意されており、トリガーを引いた瞬間、それぞれの特性に合わせた衝撃が掌を襲う。マシンガン特有の小刻みな暴れ方に対し、バズーカを放った瞬間のズシリとくる重厚な反動は、明らかに質感が異なっていた。このリアリティの正体は、コントローラー内部に仕込まれた可動式の「重り」による物理的な質量の移動であり、本物の反動のような慣性を生み出していた。
さらに、「風」と「香り」の演出が体験を深める。特殊なドローンを撃ち落とした瞬間、映像内の爆発エフェクトと完全に同期して、鋭い「風」の塊と独特の「匂い」が顔面を直撃する。破壊の衝撃が物理的な空気の揺らぎとなって押し寄せ、嗅覚までもが刺激されるのだ。
また、敵の攻撃を受けた際のリアクションも秀逸だった。足元の「Haptic Floor」が機能し、映像内の出来事が即座に足裏への物理的なフィードバックとして返ってくる。さらに驚いたのは、周囲に敷設された「Active Slate」の存在だ。これは振動だけでなく床自体から「音」を出すことができるデバイスであり、撃ち漏らしたドローンが衝突した際、スピーカーからではなく足元そのものから轟音が響く。自分の身体がその場にあるという実存感を強烈に喚起させるこの「贅沢な構成」こそが、没入感の高さの正体だった。
これら映像、音、床の振動、手元の反動、風、香りといった要素は、Unreal Engine上で「LBE-SDK」というソニー独自の開発キットによって統合制御されている。コンマ1秒のズレもなく完全に同期しているからこそ、違和感のない没入感が生まれるのだと痛感した。
次に体験したのは「VR SoraCruise」だ。これは、大阪・関西万博の「空飛ぶクルマステーション」において日本航空が展開するイマーシブシアター「SoraCruise by Japan Airlines」のコンテンツをVR化したものである。オリジナル版のシアターはソニーPCLが企画・制作・総合プロデュースを担当しており、今回はそれをHaptic Floor、360 Reality Audio(ヘッドホン)、風ハプティクスを組み合わせて再構築している。
この展示が興味深いのは、オリジナル版が巨大空間での「集団体験(30人同時)」であるのに対し、今回はVRヘッドセットを用いた「個人体験」へと落とし込んでいる点だ。広大な空間で共有される感動を、閉じたVR空間内でどこまで再現、あるいは凌駕できるのか。これは単なる移植ではなく、没入体験の質を「集団」から「個」へと変換しようとする野心的な実験と言える。
椅子に座りVRヘッドセットを装着すると、視界は瞬時に「空飛ぶクルマ」のコックピットへと切り替わった。機体が浮上を開始すると、座面のハプティクスが繊細に震え出し、まるで重力から解き放たれたかのような浮遊感が全身を包み込む。
ここでも特筆すべきは「風」の存在だ。万博のシアター版にはなかった風の演出が追加されており、上空を滑空する際、頬に当たる風の強弱が映像内の速度と完全にシンクロする。閉鎖されたヘッドセットの中にいながら肌で空気抵抗を感じることで、脳に「いま、空を飛んでいる」という錯覚を植え付ける。
VR体験で懸念される「酔い」についても、本展示においては皆無と言ってよかった。通常、これほど動きのあるVRコンテンツを数分間体験すれば、三半規管と視覚情報のズレからくる「VR酔い」に襲われても不思議ではない。しかし、今回の体験ではそれが皆無だったのだ。
開発担当者によれば、これには明確な理由があるという。一つはコックピットの計器類が常に視界の固定点として機能していること。そしてもう一つは、風や振動といった物理的なフィードバックが視覚情報と合致することで、脳が「移動」を正しく認識するためだ。実際に被験者へのアンケートでも、風や振動がある方が酔いを感じにくいという結果が出ているらしい。演出としての風が、実は生理的な不快感を低減させる機能的な役割も果たしているという事実は、イマーシブデザインの奥深さを物語っている。
コンテンツの細部へのこだわりも没入感を底上げしていた。眼下に広がる大阪の街並みや吉野山の桜はフルCGで制作されており、Apple Vision Pro版では8Kの立体視を実現するなど、その解像度は実写と見紛うほどだった。また、搭乗機体「Archer Midnight」の挙動や、電動モーター特有の静寂さと微細な振動にこだわった音響設計(360 Reality Audio)が、未来のモビリティへの説得力を生み出していた。
今回のショーケースの意図が、単なる技術デモではなく、体験の質の比較実験にある点も興味深い。大阪・関西万博の現場では巨大スクリーンを用いた「集団体験(シアター形式)」が提供されるが、今回はそれを「個人体験(VR)」に置き換えている。担当者によれば、没入感ではVRに分があるものの、家族や友人と感動を共有する「楽しさ」という点ではシアター形式を支持する声も根強いという。
「個」として深く世界に潜るか、「場」として体験を共有するか。ソニーPCLが提示したこの二つのアプローチは、今後のロケーションベース・エンターテインメント(LBE)が向かうべき二つの未来を示唆しているように思えた。風と振動、映像美に包まれたあの5分間は、技術が人間の感覚をどこまで拡張できるのか、その可能性を肌で感じさせる体験だった。
撮影監督のジェームズ・ウェストレイク氏は、1日で8分間の物語を撮影しなければならないことを知りながら、Naked Winesのキッチンセットに足を踏み入れた。PYXIS 12Kデジタルフィルムカメラで撮影することを決めた理由は、本物の料理番組のような雰囲気に、クリスマスのスポットCMのような温かさと輝きを持たせることであった。
丸1日の撮影で、ウェストレイク氏は1台のカメラを手持ちで使用し、調理台の周りを動き回りながらリアルな反応を捉え、キッチンを撮影用のセットではなく作業スペースのような雰囲気に保った。
ウェストレイク氏は次のようにコメントしている。
ウェストレイク氏:まるでクリスマスの朝にキッチンに招待されたかのように、自然なカットにしたいと考えていました。俳優たちは同ブランドのクリスマスボックスから厳選したワインをテイスティングし、自然体で楽しんでいました。過度に様式化するのではなく、リアルな雰囲気にする必要があったので、すべてを手持ちで撮影しました。
キッチンスタジオで撮影したので、ハイエンドのルックを保ちつつ、撮影時の反応エネルギーに対応できる軽量のリグが必要であった。
ウェストレイク氏:1日に10〜11時間、手持ちで撮影しました。PYXIS 12Kは、他の同等のカメラよりもはるかに軽量です。一日中、肩乗せや手持ちで撮影しても問題ありませんでした。
PYXIS 12Kの箱型デザインにより、最大限の柔軟性が実現したという。
ウェストレイク氏:重量が均等に配分されているので、後ろや前が重くなることはありません。このバランスのおかげで、長時間の操作も楽でしたね。

ウェストレイク氏は、5インチのタッチスクリーンディスプレイとフル機能の電子ビューファインダーを搭載したBlackmagic PYXIS EVF Monitor Kitをリグにマウントした。
ウェストレイク氏:USB-C接続は電源とビデオの両方を提供し、マウントポイントにより正確な配置が可能でした。また、すべてのカメラ設定を画面から直接コントロールできるため、ローアングルや狭い場所での撮影に便利でした。
Bright Tangerineのショルダープレートとハンドルを使用してリグを最小限に抑え、長時間の撮影で快適性を保つためにEasyrigでサポートしたという。
ウェストレイク氏:私たちは一日中快適に撮影できる軽量のハンドヘルドリグを構築しました。品質を損なうことなく、素早く移動できることが鍵でした。
またウェストレイク氏は、放送およびSNS用に、カメラの12,288×8,040 RGBWセンサーでオープンゲート撮影し、ポストプロダクションで再フレーミングできるよう、8Kのフルフレームイメージをキャプチャーした。
ウェストレイク氏:これは私たちにとって非常に重要でした。カメラを回転させたり、セットアップを重複させることなく、単一のフレームで、縦バージョンと横バージョンの両方を得られました。
Blackmagic RAW収録と16ストップのダイナミックレンジの組み合わせにより、反射の多いキッチンやパーティー照明にも柔軟に対応して色の正確性を実現できたという。
ウェストレイク氏:多くのコンテンツをインスタグラムに使用するとしても、シネマライクなルックである必要があります。PYXIS 12Kはこれを可能にしてくれました。

Blackmagic RAWの効率性とプロキシ収録のおかげで、データ管理は簡単であったという。
ウェストレイク氏:フル8Kの映像を送信しなくても、リモートレビュー用に小さなファイルを生成できます。クライアントが海外にいることが多いCM撮影において、これは大きな利点ですね。
ウェストレイク氏は、PYXIS 12KとDZOFilm VESPID Primesレンズを組み合わせて、明るくモダンなルックを実現した。
ウェストレイク氏:非常にシャープなルックですが、冷たい印象はありません。私はPYXISのLマウントバージョンを選択したのですが、モダンなプライムレンズからビンテージレンズまで、プロジェクトに必要なあらゆるレンズに適応できます。
ウェストレイク氏はこの撮影を振り返り、このプロジェクトはブランドコンテンツの進化する性質を浮き彫りにしたと語る。
ウェストレイク氏:クライアントは、シネマライクな洗練された仕上がりを求めているだけでなく、SNS制作のスピードも期待しています。迅速に制作しつつ、完成度の高いものを提供する必要があります。
このバランスは、画質と同じくらいカメラの使いやすさにも左右されるという。
ウェストレイク氏:誰もが12K解像度について話していますが、私がPYXIS 12Kで気に入っているのは、内部センサーのスケーリングにより、4K、8K、12Kを得られ得るその柔軟性です。プロフェッショナルな感覚がありながら、邪魔にならないカメラです。

強力なモジュール式コンポーネント群で構成されるLiveUのエコシステムは、あらゆる種類のライブ制作の課題に対応するため、様々なワークフローに合わせて構成や再構成が可能だ。ISE 2026では最新の製品であるLU900Q、LiveU Nexus、LiveU Scheduleのデモンストレーションも行われる。
堅牢で低遅延なLRT(LiveU Reliable Transport)プロトコルを基盤とするLiveUのソリューションは、貢献(コントリビューション)から制作、配信にいたるまで、映像制作チェーン全体にわたって効率を高め、ワークフローを短縮するように設計されている。LiveUのソリューションは迅速に導入でき、使いやすく、PAYG(都度払い)、サブスクリプション、レンタルなど、あらゆるビジネスモデルに適合する柔軟な支払い条件を備えている。
ISE 2026では、LiveUのエコシステムがいかに放送局、プロデューサー、コンテンツクリエイターのワークフローを合理化・自動化し、従来の制作の境界を超えてダイナミックなライブ中継を実現するかを提示するとしている。
LiveUのマーケティング担当副社長であるロネン・アートマン氏は、次のようにコメントしている。
アートマン氏:今日のデジタルファーストの環境において、ライブスポーツ、速報ニュース、文化的イベント、企業制作はすべて、舞台裏へのアクセスやリアルタイムの視聴者エンゲージメントと並列しています。この変化がより豊かなマルチプラットフォーム・ストーリーテリングのための新たな創造的機会を生み出し続ける中、LiveUの柔軟で俊敏なツールセットは、プロAVや放送メディアのチームに対し、これら深層にあるコンテンツを確実かつコスト効率よく、大規模にキャプチャ、管理、配信する力を与えます。
2025年第3四半期に発売されたLiveUのLU900Qは、フィールドコントリビューションにおける新たな基準を打ち立てた。ネイティブなLiveU IQ(LIQ)、高度なeSIM技術、最新の5Gアンテナ設定を搭載したLU900Qは、最も困難な場所からでも確実な伝送を保証する。スマートなマルチツールとして機能するLU900Qは、多様な制作ニーズをサポートするように設計されており、SDI、HDMI、IP制作機材とシームレスに統合できる。
現代のデジタル制作要件をサポートするために構築されたLiveU Nexusは、強力なクラウドネイティブ・ゲートウェイであり、あらゆるIP/SDIストリームの取り込み、変換、ルーティング、出力を数秒で行う。
LiveU Nexusを使用すると、ユーザーはZoom、YouTube、その他のソーシャルメディア、または任意のウェブソースからライブコンテンツを即座に取り込むことができる。Nexusにより、チームはデジタルインフラと従来の放送インフラをつなぐ合理化されたブリッジを手に入れることができるとしている。
プロデューサーは、集中型のスケジューリングおよびリソース自動化ツールであるLiveU Scheduleを使用して、ライブオペレーションを制御できる。単一の伝送を計画する場合でも、複数のイベントを調整する場合でも、LiveU Scheduleを使用すればプロセスを簡素化でき、よりスマートなリソース管理を提供しながら、時間とコストを節約できる。
規制要件を超えるコンプライアンスの限界を押し広げるActus Digitalのインテリジェントメディアモニタリングプラットフォーム「Actus X」は、コンプライアンスロギングを向上させる。統合されたプラットフォームを提供し、SDI、IP、SMPTE-2110、HLS、ASI、SRT、RTMP、Zixi、MPEG-Dashなど、あらゆる放送またはIP入力をサポートするという。
Actus Xは、継続的なQAモニタリング、リアルタイムアラート、無制限のレイアウトが可能なブラウザベースのマルチビューアを提供し、音声、ビデオ、メタデータの問題に対する完璧な可視性と迅速な検出を保証する。
技術的なモニタリングを超えて、Actus Xは高度なAI機能を統合し、あらゆるフィードとフォーマットにわたってAI駆動のコンテンツ分析を提供する。チームは発話された単語を即座に検索し、ライブキーワードアラートを受信し、あらゆる番組やニュースセグメントから自動要約、ハイライト、要点を生成できる。内蔵された高度なクリッピングツールは、VOD、ソーシャルメディア、デジタルプラットフォーム、内部ワークフロー向けの再利用を合理化し、時間を節約し、効率を向上させる。
Actus Digitalは、インテリジェントメディアモニタリングにおける画期的な進歩を紹介し、LiveUからの戦略的投資とリソースが、放送コンプライアンスおよびモニタリングソリューションにおいて前例のない革新をいかに推進しているかを実証するとしている。
今回の展示会は、同社にとってAVインテグレーション市場への正式参入を示す重要な節目となるという。会場では、レンタルや放送、バーチャルプロダクション分野での実績あるソリューションに加え、固定設備向けに拡大された新たなポートフォリオが披露される予定だ。
2026年2月3日から6日までバルセロナで開催されるISEは、業界をリードする革新者やソリューションプロバイダーが一堂に会し、AVインテグレーション、ライブイベント、バーチャルプロダクションの未来が現実となる世界的な舞台としての役割を果たす。
ROE Visual EuropeのCEOであるロエロフ・ボウマン氏は、次のようにコメントしている。
ボウマン氏:世界で最も先進的なAVソリューションのための重要なプラットフォームであるISEバルセロナに戻ることができ、興奮しています。ここは、私たちの最新のイノベーションを、AVの未来を形作る人々と結びつけるための理想的な環境です。今年私たちが持ち込むソリューションは、映像技術がどこまで進化できるかを示すと同時に、新たな業界標準を確立することへの私たちのコミットメントを示すものでもあります。
ROE Visualは、テクノロジーを魔法に変える火花を生み出すことを掲げている。そのLEDソリューションは単なるピクセルの表示にとどまらず、つながりを可能にし、ストーリーテリングに火をつけ、見る者に感情的なインパクトを生み出すことを目指したものだ。
ISE 2026では、スタンド3C500での一連の没入型ショーケースを通じてこれらの原則が具現化され、来場者は企業環境、ライブイベント、教育、放送、バーチャルプロダクション向けのLEDソリューションを探索できる。
来場者は、ROE Visualの次世代透明LEDプラットフォームであるVanish AIRの没入型デモンストレーションを体験できる。
ボウマン氏:Vanish AIRによって、私たちは軽量な透明性を新たなレベルへと引き上げます。その明るさ、視覚的な鮮明さ、そして多用途性は、ツアー、イベント、固定設備に携わるデザイナーに新たな創造の可能性をもたらします。
ROE Visualの放送ステージでは毎日のデモンストレーションが行われ、世界中の放送スタジオやバーチャルプロダクション環境で信頼されている色精度、性能の安定性、ワークフローが紹介される。
ROE Visualはまた、DenaliおよびCoralシリーズを含む、専用のAVインテグレーションポートフォリオを発表する。固定設備向けに特別に設計されたこれらのソリューションは、洗練された画質と堅牢な構造、そして設置者に優しい機構を兼ね備えている。
固定設備担当グローバルプロダクトディレクターのクリスチャン・ツィムニー氏は、次のようにコメントしている。
ツィムニー氏:Denali、Meru、Coralによって、私たちはROE VisualのエンジニアリングDNAをAVインテグレーション市場に持ち込みます。インテグレーターは信頼性、一貫性、設置の容易さを求めており、私たちはそれらの品質を細部にいたるまで組み込みました。今回の展示会は、AVインテグレーションコミュニティをサポートするという長期的なコミットメントの始まりとなるものです。
ブースの中心にあるROE Visualのホスピタリティエリアは、ミーティングや会話、そして業界の仲間との再会のためのスペースを提供している。国際的なROE Visualチームは、イベント、放送、映画、企業スペース、常設展示などの今後のプロジェクトを、同社のLEDソリューションがいかにサポートできるかを案内する予定だ。
それぞれのアップデート内容は以下の通りだ。
今回のメジャーアップデートで、ATEM Constellation HD、4K、8Kの全モデルにバスマッピングおよびソースの置き換え機能を追加した。これにより、様々な役割やプロダクションに応じてボタンのレイアウトをカスタマイズしたり、使用頻度の高いソースをグループ分けすることでメニューの操作を少なくし、ワークフローを高速化できる。
ソースの置き換え機能では、単一のボタンで複数の内部バスを一度にコントロールできるので、ライブプロダクション中のフィル&キーの合成のセットアップや、マルチバスの選択が簡単になる。
また、ATEM Constellationの全モデルに、ダウンストリームキーに基づいてタリーをオーバーライドする機能が追加されたことで、よりクリアで正確なタリーフィードバックが実現するほか、すべてのSDI出力でタイムコードを無効化する機能により、レコーダー、ディスプレイ、ダウンストリームデバイスへクリーンなフィードを送信可能である。
さらに、ATEM Constellation HDモデルに、Rec.2020カラースペースおよびHDRオーバーライドのサポートが追加され、広色域のソースを扱う際の色再現が向上した。これらのモデルにはHDRオーバーライドも追加され、HDソースの処理方法を制御できるようになるので、正確なモニタリングとトーンマッピング、一貫性のある画質を実現できる。
加えて、ATEM Camera Control PanelおよびATEM Advanced Panelの全モデルでATEM 4 M/E Constellation 4K Plusのサポートを改善した。
]]>Imagineer SystemsのCEO、ジョン=ポール・スミス氏は次のようにコメントしている。
スミス氏:Mocha Proユーザーからは、新搭載のAI搭載マスキング機能とカメラソルバーを高く評価する一方で、より高度なショットでの活用を希望する声が寄せられていました。2026年リリース版では、髪の毛のロトスコープや激しいモーションブラー下でのトラッキングといった複雑な作業を支援する一連の精緻化ツールを開発しました。
従来通り、多くのQoL改善も追加しました。特に新機能Curve Editorでは、AdjustTrackの効果を初めてインタラクティブに可視化できるようになりました。
新たな「Matte Refine ML」ワークフローにより、Mocha ProのダイナミックなAIマスキングツールセットがさらに強化された。このツールセットには「Object Brush ML」「Matte Assist ML」「Face ML」も含まれる。
Matte Refine MLは、細かな毛髪、ソフトなぼかし、高速なモーションブラーなど、従来は手間のかかる詳細部分のマスキングを自動で最適化するという。複数のレイヤーを簡単にグループ化し、単一のマットに統合できるため、レンダリング時間を短縮し、レンダリング作業におけるマット制御を容易にする。
Matte Assist MLと新機能Matte Refine MLの組み合わせにより、自動マスクと自動調整を連携させることで、ロトスコープ、合成、クリーンアップ作業をさらに迅速かつ効率的なワークフローで実現可能としている。
3Dトラッキングショットを担当するアーティストは、Mocha Proの新たな「Refine Solve」ツールでクリーンアップを高速化できる。簡素化され柔軟なワークフローにより、ユーザーは不良フレームの修正や問題箇所の平滑化を、ソルブ全体をやり直すことなく行える。不安定な3D特徴や不要な要素を素早く削除し、シーンの安定性を維持できるため、3D統合の基盤精度が向上。高度なクリーンアップや仕上げが必要なショットでは、解決後のRefine SolveデータをSynthEyesへ直接エクスポート可能だ。
「Curve Editor」を使用すると、アーティストはトラック、ロト、カメラソルブにおける潜在的な問題を可視化し、カーブ上で直接値を調整して現実により近づけることができるという。特に、遮蔽や画面外移動によりトラックが突然ずれた領域で有用だとしている。
Curve Editorはコア部分を完全に再構築し、新しいインターフェースを採用。アニメーション用Dope Sheetとの連携も強化された。さらに3Dカメラカーブデータの編集機能を導入し、問題箇所を滑らかに補正することで、よりクリーンな結果を実現する。アーティストは新搭載のグラフパネルでDope SheetとCurve Editorを切り替え、表示されているパラメータ値を簡単に調整できる。
さらに、2026年リリース版はVFXリファレンスプラットフォーム2025規格に準拠し、プロフェッショナルパイプライン間の潜在的な非互換性を最小限に抑えるという。同アップデートではQt 6.5.4(PySide 6対応)、Python 3.11、OpenEXR 3.4.5、Alembic 1.8.8、FBX 2020.3.7をサポートする。詳細は製品ページをご参照のこと。
Mocha Proは、プラグインおよびスタンドアロンアプリケーションで、月額/年額サブスクリプション、アップグレード&サポートプラン、永続ライセンスが用意されている。ホストアプリケーションのサポート対象には、Adobe After Effects、Adobe Premiere Pro、Avid Media Composer、Foundry Nuke、Blackmagic Fusion、Autodesk Flame、VEGAS Proが含まれる。サブスクリプションの価格は月額48ドルまたは年額325ドルから。詳細は価格表をご参照のこと。
Mocha ProまたはBoris FX Suiteの有効なサブスクリプション、またはMocha Proのアップグレード&サポートプランに加入のユーザーは、2026年製品リリースを無償アップデートとして利用可能。Mocha Proの詳細については、こちらをご参照のこと。