4K映像をLANケーブル1本で最大70mまで延長出力できる。また、USB Type-Cポートから電力を供給できるため、送信機側にACアダプタが不要で取り回しがしやすくなっている。会議室、学校、病院など、長距離映像配線が必要な場所に最適だとう。
USB Type-C映像出力を、LANケーブル1本で長距離延長し、HDMI信号で映像出力することができる。送信機はUSB Type-Cポートからの電源供給で動作するため、接続が簡単ですっきりとした設置が可能である。DisplayPort Alternate Mode対応のUSB Type-Cポートを持つパソコンなどで使用できる。
最大4K/120Hz解像度に対応し、4K/120Hzの場合は最大30mまで、4K/60Hzの場合は最大70mまで延長できる。
最大70mまで延長できるので、会議室、学校、病院など幅広く使用できる。
映像出力用のUSB Type-Cポートから電力供給ができるので、送信機側にACアダプタが必要ない。接続が簡単ですっきりとした設置が可能だ。
受信機は、テレビのUSBポートから電源を取って動作する。
HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)対応なので著作権保護されたコンテンツも出力できる。ディスプレイ、出力機器もHDCPに対応している必要がある。
送信機のUSB Type-Cケーブルはナイロンメッシュケーブルで、折り曲げ等の負荷による断線を防ぐ。
]]>ZHIYUN ミニバーンドアは「ZHIYUN ミニレンズリフレクター ZYマウント EX1H34」にマグネットで取り付け可能な4枚羽の小型のバーンドアだ。4枚の羽根の角度を調節し光の形と方向を調整することで、シチュエーションにあわせた光を作ることが可能だ。
光を特定の範囲に集中させることでスポットライト効果や立体感の強調、クリエイティブな光の演出に使用される撮影アクセサリーのスヌート。ポートレートや商品撮影、その他撮影用の照明のアクセントとして活用される。10枚の専用ゴボが付属し、ライティングにさらなる演出が可能になる。
ZHIYUN ミニレンズリフレクターはMOLUS Xシリーズのための専用設計である。先進的な光学技術を用いることで、従来のフレネルレンズに見られる光のムラやホットスポットを排除し、中心部の明るさを大幅に向上させる。
ミニレンズリフレクターは、MOLUS Xシリーズのためだけに専用設計されており、特殊な光学プリズムやレンズを複数組み合わせて設計されている。広がる光を集光することで中心部を3,110luxから最大12,600luxにする。
スクエアバッテリーLシリーズは、小型大容量のVマウント型バッテリーだ。用途に合わせて「BP-M98L」=98Wh、「BP-M150L」=148Wh、「BP-M200L」=198Whの3種をラインアップしている。Vマウントの他、D-TAP コネクターおよびUSB-A コネクターを装備。またバッテリーの状態を表示したLCDディスプレイを装備している。
NP-F型バッテリーのDF-248Cは、給電と充電が可能なUSB-Cを搭載した。専用の充電器からの充電と汎用の充電器でも使用可能である。
BP-M98L | BP-M150L | BP-M200L | DF-248C | |
仕様 | Vマウント | NP-F 互換 | ||
容量 | 98Wh | 148Wh | 198Wh | 56Wh |
電圧 | 14.8V | 7.2V | ||
電流(最大) | 8A | 10A | 12A | 6A(最大36W) |
端子 | D-TAP×2、USB-A(5V/2A) | USB-C×1 | ||
サイズ | 117×92×54mm | 117×92×64mm | 117×92×79mm | 71×38×70mm |
重量 | 650g | 790g | 1000g | 315g |
アップデート内容は以下の通り。
高橋智也:照明
株式会社電通クリエイティブピクチャーズ
2007年 日本工学院八王子専門学校卒業後、株式会社ピクト(現 電通クリエイティブピクチャーズ)に入社
2018年 照明技師として活動開始
――現在メインとなる業種を教えてください
CM、Webがメインになりますが、映画やMVもお話があればやらせていただいております。
――映像業界を目指した理由や経緯を教えてください
最初は映画のエンドロールに名前を載せたいと思い、映像業界を志しましたが、今では様々な映像を作れるCMやWebが楽しいです。
――映像制作に関する知識はどうやって身に着けましたか?
専門学校でも教わりましたが、殆どは現場で教わりました。
――映像業界で働くことの面白さや魅力、逆に苦労することを教えてください
面白さ・魅力:映像業界で働くことの面白さや魅力はやっぱり、作ったものをいろんな人に観てもらえることだと思います。
苦労する点:睡眠時間や、食事の時間が不規則になりがちなので体調管理に苦労します。
――ご自身の業務に欠かせない、またはよく使う機材や愛用品などを教えてください
Aputure LS600c Proは値段の割に汎用性が高く殆どの現場で使っています。あと、Broncolor 575が好きです。
――映像制作の中で注目しているジャンルとその理由を教えて下さい
縦型動画
最近は縦型動画の割合が増えてきているから。
映画「アパレル・デザイナー」
]]>360°カメラとクラウドサービスを組み合わせることで、撮影から・共有・管理までの一連のワークフローの効率化を図り、ビジネスシーンにおけるスムーズな運用の提供を目指す。 新製品「RICOH360 THETA A1」の発売に伴い、ブランド名は従来の「RICOH THETA」から「RICOH360 THETA」へ変更される。
2013年の初代RICOH THETAの発売以来、コンシューマー向け360°カメラの草分けとして、およそ12年の歴史を誇るTHETAシリーズ。
2022年からは、ビジネス用途に注力し、ハードウェアとソフトウェアの連携を図った統合型のサービス「RICOH360」の開発を進めてきた。
近年、THETAを商業利用しているユーザーの50%以上は、建設・不動産業者が占めており、中でも遠隔現場、2024年問題、ICT活用の努力義務などの課題に直面する建設業界からの問い合わせが増加している。
THETAであれば、1ショットで360°を記録できるから、現場で何度も撮影する手間を省き、撮りこぼしを防ぐことが可能だ。また、360°の画像や動画を共有することで、現場に行かなくても現況が伝わりやすいというメリットがある。すなわち、時間やコストの削減につながるという訳だ。
建設業における活用シーンとしては、営業から設計、工事、設備管理等の役割の中で、現地調査、工事進捗管理、点検・記録、教育、広報等の様々な業務での活用が挙げられる。
RICOH360 THETA A1は、ビジネスの現場からの課題やフィードバックを反映させながら、業務用途における実用性、安定性、操作性の向上を目標に開発がおこなわれており、クラウドサービスと連携した一体型のモデルとして提供される。ターゲット業種である建設・土木業界の厳しい環境でも、問題なく利用できるように、従来のTHETAと比較して処理スピード・堅牢性・RICOH360との連携性を強化している。
RICOH360 THETA A1はカメラ単体の販売はおこなわれず、RICOH360やアクセサリーとのパッケージでの販売のみとなる。発売は、2025年8月上旬の予定。
粉塵や小雨の環境下でも安心して使用できるIP64の防塵・防滴性能を搭載。30〜40℃の高温の環境下でも長時間の撮影と安定したライブストリーミングをおこなうことが可能になっている(ライブストリーミング機能は、2025年内に「RICOH Remote Field」として日本国内のみで提供予定)。
三脚の頻繁な着脱にも耐える堅牢な金属製三脚ネジ穴の実装など、現場で求められる耐久性・効率性・操作性に配慮した機能を搭載している。
RICOH360 THETA A1は、建設現場等におけるスピーディな運用が想定されており、起動や撮影時のレスポンスが大幅に向上している。
暗所や屋内等の環境においては、照度に応じた自動ノイズリダクションが搭載されており、撮影経験の少ない現場スタッフや作業員でも、高品質な360°画像を簡単に撮影することができる。自動ノイズリダクション機能は、撮影設定がAutoに設定され、三脚等でカメラを固定して撮影した場合に、静止画撮影時は照度に応じて、動画撮影時は照度に関係なく起動する。
スリープ状態時には、無線LANを通じて画像や動画を「RICOH360クラウド」へ自動アップロードできる機能が搭載されており、撮影から共有までのワークフローの効率化に寄与する。 1日の工事完了後などに、業務記録として活用することはもとより、監理技術者が遠隔で作業状況をチェックすることもできるので、施工ミスの早期発見や是正指示を迅速におこなうことが可能となる。
RICOH360 THETA A1の特徴を、整理すると次の通りである。
RICOH360 ビジネスパッケージでは、撮影から画像・動画の活用までをシームレスに管理するアプリケーション、さらには、機材レンタルやサポートまでをパッケージにした業務向けの一貫したソリューションが提供される。
解像度やノイズ、色補正など画質改善のためのAI画像補正やプライバシー保護のためのAI人ぼかしなど、それぞれの業務に適した画像補正機能を備えることで、実用性の高い画像データの運用を可能にしている。
社内外の関係者との安全かつスムーズな画像共有のシステムについても順次対応予定である。また、問い合わせ対応やカメラ故障時のサポートにも専用窓口を設ける。
RICOH360 ビジネスパッケージの具体的な提供内容としては、360°の撮影・編集・確認・共有・端末管理を簡単におこなえる100GBまでのクラウド対応アプリケーションである「RICOH360 App / RICOH360(Web版)」、THETAおよびアクセサリーの物損保証付きレンタルとサポート体制ということになる。
なお、これらのサービスの価格に関しては、ユーザーの業務環境や規模、必要機能に応じて、最適な構成を提案できるように、個別に見積もりされる模様だ。
リコーは、「RICOH360 THETA A1は今後も、ビジネス現場や本部部門から寄せられる多様なニーズや課題に対応するパッケージ対応機種として、継続的に提供してまいります。 これからも、360°画像・映像を活用した業界横断型プラットフォームを通じて、デバイス、ソフトウェア、クラウドサービスの連携を一層強化し、撮影からデータ活用までのワークフロー全体の効率化を図ることで、より優れたユーザー体験の実現を目指します。」としている。
寺田 宗徳:シネマトグラファー
株式会社電通クリエイティブピクチャーズ
1998年 ピクト(現 電通クリエイティブピクチャーズ)に入社
2008年 シネマトグラファー活動開始
――現在メインとなる業種を教えてください
CM、Webがメインでグラフィック撮影もこなしています。水中撮影、インカメラVFX、スクリーンプロセスなどの撮影も得意としています。
――映像業界を目指した理由や経緯を教えてください
元々グラフィックから始めたのですがムービーの現場を拝見する機会があり興味が湧きお手伝いをしているうちにムービーを目指すようになりました。
――映像制作に関する知識はどうやって身に着けましたか?
ピクトに入った当時はグラフィックの知識しかなかったので先輩方に現場と機材室と飲み屋で多くのことを教えていただきました。
――映像業界で働くことの面白さや魅力、逆に苦労することを教えてください
面白さ・魅力:毎回多くのスタッフとコミュニケーションを取りながら一つの目標に向かっていくこと。
常に最新の機材に触れられること。
苦労する点:現場で苦労を感じることはほぼないです。
苦労=楽しい!
――ご自身の業務に欠かせない、またはよく使う機材や愛用品などを教えてください
キヤノンR5 Mark II:グラフィック撮影+ムービー撮影、スクリーンプロセスの背景素材などの撮影に良く使用しています。
水中カメラ:水中撮影得意で、どんなカメラも沈めることが可能です。
――制作に使用している撮影機材や編集ソフトは何ですか?
カメラはARRI、キヤノン、ソニー、RED、GoPro、作品にあった機材であれば何でも使用します。
――映像制作の中で注目しているジャンルとその理由を教えて下さい
AI技術/インカメラVFX/バーチャルプロダクション
AI企画、AIで背景作成など現場利用することが増えてきているので今後も期待します。インカメラVFXはCM撮影などで経験あり、今後も活用していきます。
同イベントでは、プロの写真家である森脇章彦氏の指導のもと、撮影のコツや現場でのテクニックも学べるセミナーや、藤沢駅から江ノ電に乗って鎌倉まで向かい、沿線の風景や海辺などを背景に、モデル撮影を楽しむことができる。電車とモデル、砂浜とモデルなど、普段なかなか撮れないシチュエーションでの撮影が体験できる。
カメラレンズは、中国の実力派メーカー「SIRUI」の協賛により、SIRUIの新しいAFポートレートレンズやAFアナモルフィックレンズを実際に試すことができる。
また、同イベントに参加した人には、パンダスタジオで使用できるレンズレンタルの半額クーポンや、SIRUI製品をお買い得に購入できるプレゼント配布も予定している。
SIRUI は中国の光学ブランドで、高品質かつ手頃な価格のアナモルフィックレンズや大口径オートフォーカスレンズを提供している。軽量コンパクト設計と優れた光学性能が特徴で、映像・写真の両用途に対応。マイクロフォーサーズ規格にも対応し、世界中のユーザーから高い評価を受けている。
今回のイベントは SIRUI 単独協賛のイベントとなり、SIRUIのレンズは全て試すことが可能。
他にもさまざまなレンズを試すことができる。
細谷映麻理:ディレクター/企画
東北新社/OND°
多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業後、二番工房に入社。
PM職を経たのち、東北新社 企画演出部 OND°に転籍。
2021年にディレクターデビュー
――現在メインとなる業種を教えてください
CM、Web CM、MVなどの演出。企画もやります。
――映像業界を目指した理由や経緯を教えてください
小さい頃からお菓子のパッケージやポスターのデザイン、MVやCMなど、グラフィックや広告物が好きだったのと、ダンスをやっていたからか音と画がシンクロする気持ちよさも好きだったため映像を志しました。
――映像制作に関する知識はどうやって身に着けましたか?
逆算してみる。先輩の背中を見る。自分でやってみる。すごい人と一緒に作る。
――映像業界で働くことの面白さや魅力、逆に苦労することを教えてください
面白さ・魅力:「これはいいアイデアだ!」と閃いた時や、それをクリエイティブやスタッフが「いいね!」と言ってくれた時、その映像がオンエアされて世間の評判が良かった時に「うっっっっれしー!」となります。
苦労する点:理不尽なお戻しが来た時に絶望すること。
――ご自身の業務に欠かせない、またはよく使う機材や愛用品などを教えてください
iPadで使用するProcreateはコンテを描く時に使います。
アイデア出しは紙にバーッと描く方が頭の中が整理されて好きです。
この全7話のテレビシリーズは、メキシコの制作会社であるFilmadoraにより制作され、メキシコのポストプロダクション専門会社のThe Hubの協力のもと、リバス氏がグレーディングを行った。同シリーズは、ダイアナ・ボビオとミシェル・ロドリゲスが演じる友人のバネッサとマリルーが経済的に苦戦し、貧困から抜け出すためにねずみ講を思いつく様子を描いている。
14年に及ぶDaVinci Resolve Studioの使用経験を誇るリバス氏によると、このプロジェクトに惹かれた理由の一つは、色彩がストーリー展開において極めて重要な役割を果たしたことだという。
リバス氏:プロジェクトで作業する場合、希望のルックに関する指示が与えられ、それ以外にいろいろと試す機会がないことがあります。本作は違いました。以前よりもルックの構築に関わることができ、創造性をより発揮できました。
リバス氏:撮影が始まる前に、撮影監督のアルベルト・アナヤ、DITのマイク・アギラー、色彩の専門家であるエステバン・ロブレスと話し合いを持ち、本作で求める力強くあると同時に荒々しくないルックを決め、光沢感と鮮やかな質感で、女性らしいエネルギーをスクリーンに表現するLUTを作成しました。
どういった感情に柔らかいパステル調のトーンを使用するかを決め、通常それらのトーンから想像されるものだけでなく、主人公の特定の感情において、表現力豊かで、落ち着いた雰囲気を醸し出したいと考えました。そこで、パステルトーンにおける別の意味や感覚を見出す作業を行いました。
同氏は、複数の重要なシーンのグレーディングにおいてDaVinci Resolve Studioのツールセットを大いに活用したという。すべて室内で撮影されたあるエピソードでは、朝から翌日の夜明けまでの時間の経過を表現する必要があった。同氏は次のように説明する。
リバス氏:バネッサとマリルーはねずみ講をやり遂げることを誓うために、ある種の儀式を行っていたので、時間の経過を自然に描き出すことが重要でした。Resolveのカラーワーパーには助けられました。シーンごとにカラーを調整して、太陽の変化や登場人物の影を表現できました。
タイムラインで各シーンをきちんと整理しておくことで、反映させたい時間帯に応じて、明るくしたり暗くしたりするために、何を調整する必要があるかを把握できました。
もう一つの重要なシーンは、二人が夜に警官に逮捕されるシーンだった。
リバス氏:このシーンにおいてはパトカーのライトの点滅により、色の一貫性を保つのが難しくなりました。特に登場人物の顔に反射している部分は大変でした。これには、2つのパスだけでカラーを調整できるNeon Suppression LMTを使用して対応しました。
また、同氏はDaVinci Resolve StudioのFusionページを使用して、必要に応じてグラフィックやロゴをシーンに組み込んだという。
リバス氏:様々なツールがひとつのプラットフォームに統合されていることは非常に便利です。作業を行うためにソフトウェア間を行き来する必要はありませんでした。すべてが同じ場所にあって使いやすく、生産性がさらに向上しました。
同氏は効率を常に重要視しているという。
リバス氏:締め切りを守り、品質を損なうことなくチームと可能な限り効率的に連携することは私にとって常に重要です。
DaVinci Resolveのツールはすべて使いやすく直感的なので、大いに助けられました。ある時点で、シーンのグレーディングを終えて編集チームの作業に追いついたのを覚えています。グレーディングを一旦止めて、これまで作業してきたすべてをダブルチェックし、希望通りのルックになっているか確認することにしました。
今後の作業にDaVinci Resolve Studioを使用することを楽しみにしています。フリーランサーとして、現場でチームと効率的に作業できることは非常に重要です。デイリーから最終的なルックにおける作業まで、ワークフローの生産性を高めるツールを使用することで、大きな満足感が得られます。極めて効率的に作業できるため、合意した期限内に可能な限り優れた結果を生み出し、チームとコミュニケーションを取り、全員と足並みを揃えることができます。
君塚紀貴:エディター
オムニバス・ジャパン
1991年生まれ。3年制の映像専門学校を卒業後にオムニバス・ジャパンへ入社。
――現在メインとなる業種を教えてください
CM。
――映像業界を目指した理由や経緯を教えてください
2005年「ペン回し」の魅力に取り憑かれまして。ネット上で全国のペンスピナーとコラボレーションビデオを作成する中で、映像編集の楽しさを覚えたのがきっかけです。
「FLASH黄金時代」が終焉を迎える頃、出たばかりのYouTubeに広告なんてありませんでした。PCにかじりつく中で影響を受けたモノは多く、独特な感性がつくられた上流だと思います。そこでAfter EffectsやFinal Cut Proを知り、映像専門学校に入学。
専門学生1年目にInter BEE 2010を見学。Autodeskのフィニッシングツール「Smoke For Mac」に衝撃を受け、同じくAutodesk「Flame」を扱うオンラインエディターに辿り着きました。
影響受けたモノ…マツダ「Zoom-Zoom」/VAIO PCG-X505/JapEn 1st/cranky BMS/日常(あらゐけいいち)。
――映像制作に関する知識はどうやって身に着けましたか?
映像の専門学校で仲間と必死に映像をつくっていました。卒業後オムニバス・ジャパンに入社し、先輩方から学ばせていただきました。セミナーなどに参加し、そこから情報を得ることも好きです。
――映像業界で働くことの面白さや魅力、逆に苦労することを教えてください
面白さ・魅力:様々な人の「拘り」が垣間見れ、面白さを感じます。拘りの違いや組み合わせによって世界線は無数にあり、仕上がる作品の最終結果は異なります。自身が加わることでどう変化するのか。生まれてから世界の何を見て、どう処理してきたのかが試されて、それぞれの生き様は作品に少なからず影響します。いろいろな人の拘りが持ち寄られて素敵な作品が仕上がると幸せです。まぁ、そう上手くはいかない場合もあるとは思います(笑)。
何か素敵だなと感じたり、心動かされたりするモノゴトの背景には、必ず誰かの頑張りや大切にしている拘りがあるのです
苦労する点:オンラインエディターは生活リズムが不規則になりがちかなと。食事や運動のルーティンを保つのは難しいです。
――ご自身の業務に欠かせない、またはよく使う機材や愛用品などを教えてください
数年前からNotionというクラウド型の万能アプリにハマっています。自分好みのデータベースが作れて、タグ管理できる点が素晴らしいです。
――制作に使用している撮影機材や編集ソフトは何ですか?
Autodesk Flame
――映像制作の中で注目しているジャンルとその理由を教えて下さい
AI技術
やはりAIによって、時間と労力が割かれる作業が軽減されることですね。よりクリエイティブな部分に時間を使えたら良いです。
最新の担当作品情報はこちらからご覧ください。
]]>バイリンガルのフランス系アメリカ人サウンドデザイナーのローラン・ジョウベン氏が経営するMigrate Soundは、カリフォルニア州サンタクラリタにあるレコーディング兼オーディオポストプロダクションスタジオだ。ナレーション、会話、グループ、サウンドエフェクト、サウンドデザインおよびミキシング、リモートやロケ先での録音、映像へのミックス(ステレオとサラウンド)、コピーライティング、翻訳、改作などのオーディオ録音を専門としている。1996年以来Fairlightを使用している同氏は、先日スタジオを大幅にアップグレードし、DaVinci Resolve Studioへの移行、Fairlight Desktop Audio EditorおよびFairlight Console Channel Faderの導入を行った。
テレビや配信ネットワークから映画スタジオや広告代理店まで、幅広い顧客を抱える同社が扱うプロジェクトの多くは、FOX、Amazon Prime、Hallmark、Audibleなどに対するラジオCMの制作が伴う。
ジョウベン氏は、次のようにコメントしている。
ジョウベン氏:コメディ、ドラマ、リアリティ番組、エンターテイメントやコンテスト番組、アニメーションなど、様々なジャンルにわたって、年間30~40本のCMを制作しています。
30年近くこの仕事をしているので、私にとってはごく自然なことですが、CMの制作には、優れた直感と、番組の一話全体を30秒に凝縮する能力が求められます。ラジオCMの制作は、高い音質を維持し、ブランディングに関する指示を守りながら、非常に短い時間枠内で、明確で説得力のあるメッセージを伝え、瞬時に注目を集めることが重要です。
メッセージ全体を30秒以内に収めるのは非常に難しい場合があります。ネットワークからはクリエイティブ面に関する指示を受けますが、その中には絶対に短くできないフレーズも含まれています。DaVinci Resolve Studioでは、番組のナレーションやサウンドバイトを時間的に圧縮できるので、大変助けられています。これは瞬時に実行され、極めて高速かつ正確で、新しいクリップを作成する必要はありません。
DaVinci Resolve StudioのAIベースのノイズ除去と音声分離も同氏は気に入っているという。
ジョウベン氏:まるで魔法の杖のようです。テレビ番組からのサウンドバイトには多くのノイズが含まれている場合があります。屋外でのシーンには背景の雑音が含まれています。テレビでは映像があるので問題ありませんが、ラジオでは混乱の原因となります。気が散るノイズを手動で除去することにはかなり熟練していますが、音声分離ツールのおかげで仕事がずっと楽になりました。
こういった技術の進歩が、スタジオのアップグレードを決めた理由だと同氏はコメントしている。
ジョウベン氏:スタジオのアップグレードには少し躊躇していました。オリジナルのFairlightシステムは特に問題なく機能していたので、急いで新しいものを導入する必要はないと考えていました。しかし、自分の事業、あるいはどんな事業にとっても、最新のテクノロジーに精通しておくことは重要であると気づきました。自分のスタジオが、業界における最新の設備、機能、互換性を備えているようにしたいと考え、思い切ってアップグレードしました。
スタジオのアップグレードは投資であるので、経営者として、それによって収益が得られ、翌朝には確実に稼働するという安心感が得られるものである必要があります。作業している部屋で問題があっても、別の部屋に移動できる余裕はありません。スタジオが機能しなくなったら、私の事業も機能しなくなります。私にとって最も重要なのは信頼性とサポートです。その点では、Blackmagic Designには満足しています。
入谷修弘:プロデューサー
シースリーフィルム
2010年シースリーフィルム入社
2016年よりプロデューサー
――現在メインとなる業種を教えてください
CM。
――映像業界を目指した理由や経緯を教えてください
友人の紹介。
――映像制作に関する知識はどうやって身に着けましたか?
日々の業務で学びました。
――映像業界で働くことの面白さや魅力、逆に苦労することを教えてください
面白さ・魅力:面白い映像を楽しんで作れる。ずっと残るものになる。
苦労する点:映像を生み出すための犠牲が多い、時間が不規則。
――ご自身の業務に欠かせない、またはよく使う機材や愛用品などを教えてください
Mac PC
――映像制作の中で注目しているジャンルとその理由を教えて下さい
AI技術/縦型動画/SNS/ドローン撮影/インフルエンサーコンテンツ
これから必ず必要となるし、映像制作には欠かせないものになる。
ブラックミストは、非常に微細な黒い拡散材を光学ガラスで挟み込んだソフトフィルター。ハイライトとシャドウ部のコントラストを抑え、柔らかな描写にしたり、特有の光拡散効果がある。レタッチなしで、撮ったその場で映画のような雰囲気を得られるのが魅力だ。「ブラックミスト No.05 N」は「ブラックミスト No.1 N」の1/2のソフト効果で、05(ゼロゴ)は0.5を意味する。
夜景撮影ではブラックミスト特有の光拡散効果で光源をにじませ、まるで映画のような雰囲気を作り出す。街灯や車のヘッドライト、イルミネーション、室内照明などの光源に効果的。夕方から夜にかけてのスナップやポートレートに最適。夜になるほど効果が強まり、被写体が光に溶け込むようなイメージになる。
逆光での撮影では、ハイライトとシャドウ部のコントラストを弱めつつ、光をふんわりとにじませ、逆光のシーンを一層エモーショナルに演出する。朝夕の低い位置にある太陽の光、木漏れ日、部屋に差し込む光、水面やガラスなどに反射した光などを印象的に表現する。
ブラックミストは風景撮影での雰囲気作りにも活躍するという。例えば木漏れ日の光をにじませ、幻想的な雰囲気にする。露出補正を明るめにすると、光のにじみがより幻想的になる。
ハイライトとシャドウ部のコントラストを抑え、柔らかな描写にする。ブラックミストシリーズの中で効果が中くらいのNo.05は強すぎるコントラストをほんのり柔らかくする。他のソフトフィルターに比べ、画面が白っぽくなりにくいのが特長だ。
ポートレート撮影ではコントラストを弱め、肌の質感をヴェールをかけたように滑らかな印象にする。
※86mm、95mmは薄枠ではない
※仕様は変更になる場合がある
初心者からプロのパフォーマーまで、世界中のDJがステージでパフォーマンスを行うためにPioneer DJおよびAlphaTheta製品を頼りしており、一方Sandiskは信頼性が高く高性能なデジタルストレージソリューションの伝統で知られている。両社は協力して、要求の厳しいプロのDJワークフロー、および強力で耐久性があり信頼性の高いストレージソリューションを通じて大規模な音楽コレクションを頻繁に転送およびアクセスするニーズに対応するとしている。
Pioneer DJおよびAlphaThetaのハードウェア、およびrekordboxソフトウェアとの互換性がテストされ、最適化されたSandisk DJフラッシュドライブは、ユーザーがセットを作成、保存、転送する際に柔軟性と提供する。箱から出してすぐに使用できるようにフォーマットされており、コンテンツ用の信頼できるストレージソリューションを必要とする、外出の多いDJ、プロデューサー、エンジニア、その他の音楽専門家にとって、最適なソリューションだとしている。
AlphaTheta CorporationのCEOである片岡義教氏は、次のようにコメントしている。
片岡氏:Sandiskとのこのコラボレーションは、DJコミュニティに高品質で使いやすい製品を提供するという当社の献身を再確認するものでです。アーティストが速度、品質、または柔軟性の間で選択する必要がないように、当社のDJギアおよびソフトウェアとシームレスに連携するUSBを提供できることを嬉しく思います。
スタジオからセンターステージまで、あらゆる場所で使用できる頑丈で柔軟性の高いコンパクトなメタルデザインを採用。混雑したクラブや屋外フェスティバルのようなさまざまな環境で動作可能な、信頼性の高い高性能な読み取りおよび書き込み速度を音楽のプロフェッショナルにに提供する。
最大1000MB/s2の読み取り速度と900MB/s2の書き込み速度を特徴とするデュアルコネクタデバイスにより、DJはコンピュータからSandisk DJフラッシュドライブにセットを迅速かつ確実に転送できる。USB Type-CとUSB Type-Aの両方のコネクタを備えているため、DJはストレスなくお気に入りのDJギアに接続でき、デバイスの互換性を気にすることなく、仲間と緊密に連携できる。
この製品には、rekordboxのDJ Creative Planの3カ月無料トライアルが付属しており、DJはボーカル位置分析/表示、RMXエフェクト、エディットモードからの曲のエクスポート、ビデオ再生にアクセスできる。
THE NEW CREATORSは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」というソニーのPurpose(存在意義)のもと、ソニーのグループ企業4社が新しい才能を見出し、新たな創作活動を支援していくことで、クリエイターと“感動”の未来を共創していくことを目的として設立された。年齢や経験、撮影機材に制限のないオープン形式で、写真作品の3部門、映像作品の3部門の合計6部門を設け、幅広い作品を募集した。
※五十音順 敬称略
〈作品説明〉
およそ100年前の大分県別府市の風景と現在の別府市を同じ場所で撮影して写真を重ね合わせた。その後、50年前の雨水であった温泉水を使い、柿渋と温泉水を使って色が変化する温泉染めを行った。100年前の人たちが描いた未来、私たちが見る100年前の過去。現在、日本一の温泉地である別府は、温泉の過剰なくみ上げや地熱発電の開発などにより、源泉の温度が低下する事によって温泉が減少している。天からの恵である温泉は、100年後の未来にも残っているのか?
〈審査員講評〉
ドキュメンタリー部門
作品名:親愛なる声へ
作者名:河合 ひかる
〈作品説明〉
私は日本語しか、話すことが出来ない。一方で、私の家族は中国語しか話すことが出来ない。言葉は通じずとも私は祖父のあたたかい眼差しと声が大好きだった。彼が危篤だと聞いてからは、中国語の単語帳を書き写し、音読したり彼への手紙を中国語で書いたりしていた。単語帳に載っているのは、未知の言語であるはずが、読んでいるうちに祖父の声によって発音で再生され、懐かしさが込み上げた。単語は家族と過ごした記憶だった。彼への手紙と単語帳の内容が交差してしまった。
〈審査員講評〉
すべての受賞作品・受賞者は公式サイトで公開している。
写真作品、映像作品のグランプリには賞金と副賞を進呈する。副賞にはソニー製品や機材・撮影活動のサポートに加えて、ソニーマーケティング、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、ソニー・ミュージックレーベルズ、ソニーPCLから、各社ならではの“特別な体験”を用意している。
ソニーは、このアワードを通し出会ったクリエイターを継続的にサポートし、ともに新たな創造に挑戦していくとしている。
第2回「THE NEW CREATORS」の開催が決定した。応募の詳細は随時、公式ページ・SNSにて案内する。
「THE NEW CREATORS」は、表現を通して人と人がつながり、共に"感動"の可能性を探る対話の場でありたいと考えているという。次回もまた、多様な表現、多様な視点が交差するこの場から、新しいつながりと価値が生まれていくことを願いながら、私たち自身も進化を重ねていくとしている。
プロ写真家・森脇章彦氏の指導によるモデル撮影で、未知のレンズとの出会いを体験できる。参加者にはパンダスタジオレンタルでのレンズのレンタルに使用できる半額クーポン、SIRUI製品をお買い得に購入できるクーポンをプレゼントする。
日程 | 2025年6月7日(土) |
開催時間 | 午前の部10:30~12:00 SIRUIレンズのタッチアンドトライ。好きなレンズを自由に体験できる。 ※午前の部はモデル撮影はないが、スタッフは自由に撮影できる。午後の撮影会は、午前中参加の方優先でレンズを選ぶことができる。 午後の部13:00~15:30 森脇章彦先生の指導によるモデル撮影 (終了後、軽く懇談会も予定している) |
開催場所 | パンダスタジオ浜町7F 〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町2-62-6 (都営新宿線浜町駅から徒歩3分) |
定員 | 最大20名 |
講師 | 森脇章彦先生 |
モデル | 清水伶美さん |
参加費用 | 無料 |
申し込み | 専用フォームから申し込む |
用意するもの | 自分のカメラ(ミラーレス一眼に限る)、バッテリー、記録メディア |
参加特典 | レンズのレンタルがすべて半額クーポン SIRUI購入時値引きクーポン SIRUIノベルティ |
主催 | パンダスタジオレンタル、プロ機材ドットコム |
協賛 | SIRUI JAPAN株式会社 |
SIRUIは中国の光学ブランドで、高品質かつ手頃な価格のアナモルフィックレンズや大口径オートフォーカスレンズを提供している。軽量コンパクト設計と優れた光学性能が特徴で、映像・写真の両用途に対応。マイクロフォーサーズ規格にも対応している。
今回のイベントはSIRUI単独協賛のイベントで、SIRUIのレンズは全て試すことができる。
宮脇崇誌:照明
株式会社電通クリエイティブピクチャーズ
2008年 ピクト(現 電通クリエイティブピクチャーズ)入社
――現在メインとなる業種を教えてください
CM、Web。
――映像業界を目指した理由や経緯を教えてください
面白そうだから。
――映像制作に関する知識はどうやって身に着けましたか?
会社で先輩から教わりました。
――映像業界で働くことの面白さや魅力、逆に苦労することを教えてください
面白さ・魅力:照明が綺麗に作れた時。
苦労する点:時間と予算との戦い。
――ご自身の業務に欠かせない、またはよく使う機材や愛用品などを教えてください
家電、家電照明
――制作に使用している撮影機材や編集ソフトは何ですか?
ARRI、Aputure、GODOX
従来、ハイハットを使用しても三脚ヘッドの高さにより、極端なローアングル撮影には限界があった。また、地面に直接機材を置くと安定性に課題が生じることがあった。同社はこれらの課題を解決すべく、長年ローアングルアダプターの開発に取り組んできたが、この度、雲台なしで滑らかなティルト操作を実現し、左右のパン操作も可能な「TF-Cradle Plate」を開発した。
同製品は、本体と角度固定用のクサビにマグネットを内蔵しており、容易に着脱可能。さらに、接地面が凹凸であっても安定した撮影ができるよう、B5サイズ程度の専用ボードも付属する。このボードは、本体とクサビを繋ぐ紐も取り付けられており、紛失防止にも配慮されている。
コードバッグの製品はすべて、撮影現場のスタッフやクリエイターが扱いやすく、そして馴染みやすい機能性に加え、デザインを重視したつくりになっているという。
コードバッグの「ブリック」は、映像制作や写真撮影を職業とする人向けの、必要な機材を整理整頓して収納できるようにするポーチだ。コードタブ(別売り)を入れられるクリアな窓のほか、パッチ(別売り)を貼り付けられるベルクロを備えている。タブやパッチを活用することで、より機材をスマートに整理し、現場でのワークフローをスムーズにする。
表面には視認性の高いメッシュラミネート素材を採用し、ポーチの中身がすぐに判別できる。耐久性のある900DナイロンとTPU メッシュラミネート素材、また頑丈なYKK製ジッパーを採用し、過酷な環境にも耐える。
ブリックは、撮影現場でも移動中でもシーンを問わず、機材を効率的かつ安全に保管し、必要なときにはすぐ使用できるよう整理できるアイテムである。
長方形サイズの「フルブリック」と、半分サイズの「ハーフブリック」の2サイズ展開。
フル ブリック | ハーフ ブリック | |
カラー | グラファイト | |
サイズ | H13×W25×D6cm | H13×W12×D6cm |
重量 | 296g | 166g |
グリッドリッド キャリーオンは、キャリーオンサイズのハードケースの蓋の裏側に取り付け、未使用のスペースも活用して、より機材を効率的に整理・収納できるようにするアイテムである。
レーザーカットされたモールパターンを使用し、パルス/モールシステムに対応。表面はベルクロになっており、コードバッグのポーチ「フューズドミニ」やパッチなどを貼り付けられる。さらに、コードバッグの「マグロックモール」を取り付けることで「コードポーチ」シリーズはもちろん、必要なギアをセットアップでき、機材収納をより拡張できる。ほか、フックなどの取り付けも可能だ。
多くのハードケースに対応し、耐久性の高いナイロンループ素材を採用している。また、グリッドリッドは-40℃までの環境に耐えうるように設計されている。
[互換性あり]
サイズ | H27.4×W50.7cm |
重量 | 705g |
マグロック モール(2個入)は、コードバッグの機材収納システムをより効率化・快適にカスタマイズできるバックルである。モールシステムにバックルを挟み込むことで、さまざまなアイテムを取り付けられるようになる。
コードポーチの裏側に装着し、モールシステムやグリッドリッド キャリーオンへポーチを取り付けられるようになる。ほかにも「パルスモールアダプター」に装備されているバックルをマグロックモールへ置き換えられる。
特許取得済みの磁気ロック機構を採用し、迅速で確実な装着が可能である。移動中や作業時でも状況に応じて柔軟に取り外しができる。さらに、素材には耐久性に優れた強化されたポリアミドを採用。水平の方向で最大10kgまでの耐荷重を持つ。
過度な力が加わった際に破損することなく自動的に外れる。また、-40℃の極寒環境にも対応し、フィールドでの高い信頼性を誇るという。サイズはH5.6×W3.1×2.2cmで、ブラックとグリーンの2色展開。
そのほか、「コードポーチ」(別売り)をハンズフリーで快適に持ち運ぶための、現場で活躍するプロフェッショナル向けのスリングストラップ「コードスリングライト」と、コードポーチをモールシステムやグリッドリッド キャリーオンへ取り付けられるバンド「モール エラスティック ストラップ(2個入)」も同時発売する。
パナソニックから新たなフルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S1II」、「S1IIE」の2機種が発表された。これは、先行して販売されたLUMIX S1RIIに続き、待望のフラッグシップラインナップ更新であり、「S1」ネーミングがLUMIXフルサイズシリーズのフラッグシップを意味する中で、各モデルが異なる強みを持っている。
今回レビューするLUMIX S1IIは、このシリーズにおける「多様な動画表現と高速スチル性能の両立」に焦点を当てたバランスモデルとして位置づけられている。初代Sシリーズの信頼性や操作性を継承しつつ、最新技術を惜しみなく投入した本モデルが、クリエイターに何をもたらすのか、筆者の触れた感想を書き留めていこうと思う。
S1II の核心には、新開発の約2410万画素部分積層型CMOSイメージセンサーがある。このセンサーは、画素領域の上下に高速処理回路を積層することで、高画質と高速性能の両立を実現している。
また、LUMIX Sシリーズ(フルサイズセンサーカメラ)で初めて「ダイナミックレンジブースト」が搭載された。イメージセンサーの「低ISO回路」(飽和優先)と「高ISO回路」(低ノイズ優先)の画像を合成することで、LUMIX史上最大となる15ストップの広いダイナミックレンジを実現した。これにより、屋内の間接光と屋外の太陽光が混在するような明暗差の大きなシーンでも、白トビや黒つぶれを抑え、階調豊かな動画を記録できるようになった。
ただし、ダイナミックレンジブースト使用時はローリングシャッター歪みが増加するので注意が必要だ。
静止画撮影において、新型部分積層型センサーにおいてもLUMIXらしく美しい写真を量産してくれる。S1RIIの4430万画素のセンサーと比較したくなるところだが、2410万画素の本センサーにおいても解像感のある写真を撮ることが可能だ。
連射性能においても、驚異的な高速連写性能を誇る。電子シャッター使用時、速度優先(12bit)でAFC/AFS 70コマ/秒、画質優先(14bit)でも60コマ/秒の連写を行うことができる。これは S1RIIの40コマ/秒(12bit)やS1IIEの30コマ/秒と比較しても高速であり、動きの速い被写体を捉える上で非常に強力な武器となるだろう。SHモードやH+モードではブラックアウトフリーでフレーミング確認できる点も押さえておきたい。
S1IIは、多様な動画表現に応える機能を豊富に搭載している。6K30P/5.1K60P 10bitのセンサー全域記録に対応。そして待望の4K120P 10bit撮影が可能となった。LUMIX S1RIIと比較してもAFの有用性が確認でき、滑らかなスローモーション表現がフルサイズで手軽に実現できるようになった点はこのカメラの最大の進化点と言っても過言ではないだろう。
ただし、4K120P撮影時には1.24倍のクロップが発生し、認識AFが動作しないという制約が発生する。
USB-SSD記録に対応し、高ビットレート動画の長時間録画や効率的なワークフローをサポートしている。別売の「DMW-XLR2」アダプターを使用すれば、32bitフロートでの音声収録も可能となる。
ワークフロー全体をサポートするCapture One、LUMIX Flow、LUMIX Labといったアプリ連携に加え、LUMIXとして初めてBluetooth経由のタイムコード同期に対応した点も見逃せない。
AI技術を搭載したリアルタイム認識AFは、人物認識精度が大幅に向上し、瞳、顔、体などをより正確に捉えれるようになった。新しい認識モードとして追加されたアーバンスポーツモードでは、ダンスやスケートボードなどの激しい動きでも被写体を粘り強く認識できるようになった。ただ周りに人が多い環境下の場合、後ろを歩く人にフォーカスが引っ張られる事象なども確認できており、今後のアップデートに期待したいと思う。
手ブレ補正も5軸8.0段のB.I.S.と5軸7.0段のDual I.S. 2に対応した。S1RIIに引き続き「クロップレス」モードにも対応。画角を犠牲にすることなく、電子手ブレ補正を効かせられるのはLUMIXの強みだと考えている。
4K 120p撮影時でも手ブレ補正が有効な点は、動画クリエイターにとって非常に強い味方になってくれるポイントだと思う。
ボディは初代Sシリーズから大幅な小型軽量化を実現し、質量は約800gとなっている。それでいて「S1」のネーミングにふさわしい、ボタンやダイヤルのクリック感など、物としての高い質感と信頼感を感じることができる。
モニターは、写真・動画撮影の両方で使いやすいチルトフリーアングルモニターを搭載。縦横両方のチルトに加え、フリーアングルでの撮影にも対応し、HDMIやUSBケーブルとの干渉もないよう考慮された構造は高く評価したい。
レンズ交換時のセンサーへのホコリ付着を防ぐため、電源OFF時にシャッター閉幕機能を搭載。筆者もS1RIIで同機能を使っているが、今のところセンサーへのゴミの付着はおきていない。以前の記事でも書いたが、LUMIXが何らかの理由でスーパーソニックウェーブフィルタを搭載できなくなったことへのLUMIXなりの回答だと私は受け止めているが、現在のところ良好だと感じている。
S1IIは、その性能特性から、高速で動く被写体を追いたい写真家や、広いダイナミックレンジや高フレームレートを活用して多様な映像表現に挑戦したい動画クリエイターに最適なモデルと言えると思う。
風景、ポートレート、アーバンスポーツなど一般のカメラマンから、MV、企業PVなど、仕事としてカメラを使う人にも使える「対応力に優れたモデル」として評価できる。静止画も動画も妥協なく、高レベルで両立させたいハイブリッドシューターにとって、手に取りたくなる一台となることだろう。
本レビューを読んでくださる多くの方が一番知りたい項目は、先行して販売された「S1RII」との比較であろう。
筆者がこの記事を書いている最中にも、SNSでは「S1II」「S1RII」どちらを買うかを迷っている人の書き込みを多く見た。短時間ではあるが、両機種を使い比べた筆者の感想を書きしたためておく。
S1RIIの特徴は何といっても4430万画素の高画素センサーから得られる解像度の高さだ。写真を撮っても隅々まで繊細に描写された写真は、カメラの腕が上がったのかと思わせてくれるような美しい写真を撮らせてくれる。動画においても8K30pで撮影でき、これまで見慣れてきた6Kの映像を凌駕する繊細さがとって見える。
高画素モデルの弱点とされる暗所性能においても、S1RIIにおいては心配することはない。これまで筆者が使っていたS5IIと同等以上の暗所性能を備え、暗部におけるノイズなどの発生を抑えている。
完璧なS1RIIにおいても弱点はある。それはバッテリーのもちと、発熱量の多さだ。筆者の感覚ではセンサーや画像処理エンジンが発する熱量がS1IIと比較してもかなり多いと感じる。
特にビットレートの高いモードで長時間連続撮影をしていると、ボディ全体が40℃を超えて熱くなる。8K30Pなど撮影モードによっては30分程度で熱停止を起こしてしまう場合もある。S1RIIにおいては、高画質と熱停止を天秤にかけて選択をして欲しい。逆に業務などで熱停止を絶対に起こしたくない、そんな方はS1IIやS1IIEを選択する方がいいだろう。
S1IIにおいて「S1RII」より勝っている点で言えばスチルの連射性能と、動画4K120PでのAF性能だ。特に後者の性能差は著しく、S1RIIで撮影した場合明らかにコントラストAFで動作していたのに対し、S1IIにおいては像面位相差AFとして動作しているように感じた。AFの合焦速度はS1IIの方が圧倒的に早くストレスなく使用できると思われる。
どちらを選ぶかの結論としては、両機を使い比べてもらうのが最も確実と言えるだろう。そこまでしなければこの両機の実力は計り知れないというのが筆者の結論だ。私の場合は「S1RII」を使い続ける選択をした。熱停止してしまうような状況下での業務も受け持つが、S1RIIでしか得られない高精細さを手放すのは惜しい。4K120Pでの撮影ではMFを使用して対応していこうと思う。
熱対策については、筆者のXをフォローしていただければ、筆者が行っている熱対策の最新情報を読んでもらえると思う。気になる方は是非そちらも追っていただきたい。
ちなみに「S1II」「S1RII」の両機を同時に使用される場合、ホワイトバランスの違いに注意してほしい。S1IIでは「AI AWB」が採用されており、オートでホワイトバランスをとった場合、両機の色見は明らかに違って見える。見比べてみた場合、S1IIのホワイトバランスの方が記憶色に近い印象ではあった。
S1IIのAI-AWB機能は、カメラ内RAW現像時にWBに「AI AWB」を選択した場合にのみJPEG/HEIFの現像結果に反映される機能である。通常の写真/動画撮影におけるAWBについては、両機種ともに同等のチューニングが施されているとしている。
しかしながら、24-105mm F4レンズを装着したS1IIとS1RIIで同時撮影を行った際、色の差異が確認された。この差異の原因は不明であるが、S1IIが試作機であった可能性も考えられる。この色の差異がAI-AWBに起因するものではなかった点を追記させていただく。ちなみにAI-AWBは同一画面内に日向と日影、白熱灯と自然光がある場合などエリアごとにWBを調整する機能となる(2025.06.03追記)。
LUMIX S1IIは、新開発センサーによる高画質と高速性能を基盤に、15ストップのダイナミックレンジブースト、最大70コマ/秒の連写、4K120P撮影、進化したAI認識AF、強力な手ブレ補正など、最新技術を多数搭載した意欲作だ。
S1シリーズの信頼性を引き継ぎつつ、特に動画性能と高速連写において、S1RIIやS1IIEとは異なる、S1II独自の強みを確立している。
一部、AFの挙動やダイナミックレンジブースト使用時の注意点など、使いこなしに工夫が必要な面もあるが、それを補ってあまりある「対応力」と「表現の幅広さ」が魅力な一台だ。まさに、現代の多様な撮影ニーズに応える、シリーズの中核を担うモデルの登場と言えるだろう。
あきあかね
1977年生まれ。本業の傍ら2020年よりYouTubeにて映像作品や製品レビュー等を発信している。
近年では副業として企業VP制作や自治体からの依頼で映像制作や配信業務を請け負うサラリーマン映像作家として活動中。
MOLUS X100RGB/X100RGB PROは、プロフェッショナルな映像制作を支援するポータブルLED照明機器だ。従来機種「MOLUS X100」と変わらぬ小型・軽量ボディでRGBカラーに対応。100Wの高出力による多彩なライティング表現を可能にする。
X100RGBには新しいアクセサリとしてミニレンズリフレクターが付属する。中心にポリカーボネート製のフレネルレンズを搭載。先進的な光学技術により、光のムラやホットスポットを発生させることなく、中心部の照度を大幅に向上させるという。
また、同製品はアメリカで活躍するネイチャーフォト・ビデオグラファーの「Cam Mackey」氏とのコラボレーションモデルで、筐体ベースカラーをモスグリーン、本体背面をレザー調にするなど、自然味あふれる独特のデザインとなっている。
X100RGBは、新たなLED配列とミックス照明技術の採用により、RGBカラーでも最大85Wの出力を実現する新設計のライトビーズ構成となっている。フルカラーでもキーライト級の明るさを発揮する。
※RGBモードでは最大85Wの出力になる。
ZHIYUN社独自の冷却システム「DynaVort Cooling System」を搭載。適切な温度管理の下、高い静音性と効率的な放熱を実現している。
インダストリアルなデザインだった「X100」から、アメリカの写真家・映像作家Cam Macky氏のアイデアを取り入れたデザインへと変更。筐体ベースカラーをモスグリーン、本体背面をレザー調にするなど、自然味あふれる独特の製品へと昇華させることができたとしている。
付属のミニレンズリフレクターは、MOLUS Xシリーズのために専用設計されたアクセサリだ。先進的な光学技術を用いることで、従来のフレネルレンズに見られる光のムラやホットスポットを極力排除し、中心部の照度を大幅に向上させることができる。
X100RGBはリフレクターなしで3110luxだが、ミニレンズリフレクターを装着することで最大12,600luxとなり、300Wのプロ用シネマライトに匹敵する明るさを実現するという。レンズ部素材はポリカーボネートを採用している。
Xシリーズに共通する高出力のグリップバッテリーは「X100RGB」でも採用されており、100Wフルパワー時で最大34分間の稼働が可能だ。給電方式はUSB-PDかACアダプターのどちらかから選ぶことができる。
※USB-PDで給電する場合、ライトの出力W数は供給側の電力に依存する。USB-PDに対応する最小W数は18W
X100RGBの発売に合わせて、より多様なライティング表現を可能にする専用アクセサリを発売する。
光の方向や角度をコントロールできる4枚羽根タイプのバーンドアだ。ミニレンズリフレクターの前面にマグネットで装着する。
光を特定の範囲に集中させるスポットライト効果や、被写体の立体感の強調、クリエイティブな光の演出に使用されるスヌート。10枚の専用ゴボが付属する。
ポリカーボネート製のレンズにより照度を大幅に向上させることができるアクセサリ。X100やX60/X60 RGBにも使用できる。
今回のレビューで紹介するのは、NANLITEのフルカラーRGBライト「FC-120C」だ。NANLITE公式ストアの価格は税込59,400円。
NANLITE FC-120Cをレビュー対象として選定した理由は以下の3点である。
まず、筆者はこれまで数多くのNANLITE製品を使用してきており、そのコストパフォーマンスと光量に対する高い信頼を抱いている。この実績が、FC-120Cを選定する上での大きな要因となった。
次に、現在運用しているZHIYUN MOLUS X100と同様に、FC-120Cが小型軽量でありながら145Wの高出力を実現している点が挙げられる。筆者が求める「最小限のサイズと重量で最大限のパワー」という要件に合致したため、本機を選定するにいたった。
最後に、RGBWテクノロジーによるフルカラーライティング機能が、選定の決め手となった。多様な色彩表現の可能性を秘めており、この点が筆者の探求心を刺激したためである。
今回レビューするFC-120Cの「FCシリーズ」は、NANLITEの製品群においてコンパクトさと高機能性を両立させたラインナップである。NANLITEには優れた性能でバッテリー駆動に対応した「Forza」シリーズ、基本AC駆動中心でストパフォーマンスに優れた「FS」シリーズがあるのに対し、筆者はFCシリーズは高機能と色表現の豊かさに焦点を当てたシリーズだと思っている。
そのFCシリーズには60、120、300、500モデルが存在し、今回紹介するFC-120シリーズにはバイカラーの「FC-120B」と、フルカラーの「FC-120C」が用意される。FC-120Bが価格と明るさを両立する一方、FC-120Cはフルカラーライティングにより、単なる明るさ以上の雰囲気創造や特殊効果演出を可能にする。その汎用性の高さから、あらゆる撮影現場での活躍が期待される。
手元に届いたFC-120Cは、堅牢なスチロール製キャリングケースに収められていた。ケース内には、灯体本体、リフレクター(装着可能)、専用電源アダプターとケーブル、ボーエンズマウントアダプター、そしてマニュアルがきちんと収納されている。
国内代理店VANLINKSが「手のひらサイズ」と紹介するFC-120Cのサイズは誇張ではない。ライト本体の重量は1.13kgと軽量で、カバンに入れてどこへでも持ち運べる。その軽さゆえに、スタンドへのセットも楽々で、セットアップ時間を短くできる。この重量であればブームアームとの組み合わせも容易なため、機動性を重視するクリエイターにとって理想的な選択肢となるだろう。
FC-120Cの基本的なスペックは高い。1mの距離からでも12,850lux(リフレクター装着時)という明るさを実現。演色性はCRI平均95、TLCI平均94と非常に優れ、被写体の色を忠実に再現する。色温度は2700Kから7500Kの広範囲で調整可能であり、±150のグリーン/マゼンタ調整にも対応し、様々な環境光に合わせられる。
外観は、ハニカム構造による効率的な放熱を促す天板、アンブレラ取り付け用の穴といった機能的なスタイルを採用。背面には液晶コントロール窓、各種ボタン、USBポートが配置される。
操作画面はシンプルで、「CCTモード」は明るさ、色温度、グリーン/マゼンタ補正の項目が並ぶ。ダイヤル操作で値を調整し、押し込むことでスキップやオン/オフが可能だ。中央左のMODEボタンでモードチェンジ(CCT、HSI、RGBW、EFFECTモード)が可能であり、右のMENUボタンから詳細設定を行える。
実際にFC-120Cを体験すると、単に被写体を照らすだけでなく、演出にその真価を発揮することが強く感じられた。SF的な空間、レトロな雰囲気、特定のブランドカラーの再現など、創造的で多彩な色の表現において、これほど頼りになるツールはない。
Effectモードの例その1
Effectモードの例その2
FC-120Cという名称ながら、その最大出力は145Wを誇る。フルカラーLED照明はバイカラーに比べ白色光の演色性や明るさが劣ると言われることがあるが、筆者の製品撮影の用途ではFC-120Cの使用で気になることはなかった。
LEDライトの選択肢は100W、300W、500W、1200W、2400Wと幅広いが、FC-120Cの光量が劣っていると思わない。昼間の屋外撮影でも十分な補助光として活用できる。筆者の主要な照明用途である製品撮影やネイチャー系では100Wクラスで昼間の補助が可能であり、ハンドリングを考慮すると「大は小を兼ねる」という原則は必ずしも当てはまらないと断言する。
FC-120Cは、ACアダプター、Vマウントバッテリー(BT-BG-XLR4II別途必要)、PD給電の3方式に対応する多彩な電源オプションを持つ。
付属のACアダプター運用が主だが、日中のアーケードなど、日陰での撮影が多い現場では外部バッテリーが不可欠となる。PDへの対応は、従来のVマウントバッテリーに加えて活用範囲を拡大させるものだ。
USB-C充電器は、PD30W以上の出力で30%の性能を発揮し、PD140W出力に対応する製品では100%の性能を引き出す。140W対応バッテリーが2万円を下回る価格で市場に登場している現状を鑑みると、この技術は撮影現場における電源確保の制約を軽減し、撮影環境の自由度を向上させるものと評価できる。
FC-120Cの照明本体は、BowensマウントではなくNANLITE専用のFMマウントを採用している。これにより、NANLITE純正FMマウントアクセサリーを直接使用でき、ボタン操作とわずかな回転で着脱が可能だ。標準で付属するBowensアダプターを用いれば、市場に流通する多様なBowensマウント対応ソフトボックスの利用も可能となる。
本製品の操作設定は、本体に加え、別売りのリモコン、2.4G、DMX/RDM操作に対応している。また、「NANLINK 2.0」アプリを介した操作も可能である。NANLINK 2.0アプリと本体のBluetoothリンクは直感的に実行でき、アプリからは本体で設定可能なすべての操作が行える。
多くの撮影デバイスがアプリに対応している現状において、アプリの完成度は概ね高い水準にある。しかし、撮影現場ではスマートフォンが連絡ツールとして使用されることが多く、複数のデバイスでアプリ操作が競合する状況は課題となる場合がある。
NANLITE FC-120Cは、現代の映像制作や写真撮影の現場が求めるあらゆる要素を凝縮したLEDライトといえるだろう。
FC-120Cの実機検証において特筆すべきは、その静粛性である。ファンを「FULLスピード」設定にしても、発生するノイズはごくわずかであり、筐体の過度な発熱も確認されなかった。この特性は、ライトを手に持って照射するような状況下でも、使用者への負担が少なく、安心して運用できることを示唆している。
本機の安全性と際立った軽量性の組み合わせは、よりダイナミックなライティングの実現に寄与する。具体的には、ライトスタンドへの固定に加えて、ブームアームへの装着や、撮影者自身がライトを保持しながら動き回る運用形態も可能となる。これは、従来の重量があり発熱量の多い照明機材では困難であった運用方法であり、撮影における自由度を大幅に向上させるものと考えられる。
これらの特性から、FC-120Cはクリエイターの表現の可能性を拡大するLEDライトとなり得るだろう。
伊丹迅|プロフィール
人と空の撮影作品について単純な美やテクニックを超越した空撮美学・撮影美学・映像美学を提唱、主宰する写真・映像作家、ドローングラファー。正体は悪魔音楽集団のヴォーカリスト、デーモン獄長。
室田晋:ディレクター
AOI Pro.
東京工業大学を2留年の末卒業、2017年入社。2018~2021年までマレーシアDirectors Think Tankに出向。
――現在メインとなる業種を教えてください
CM、Web。
――映像業界を目指した理由や経緯を教えてください
大学留年中に友人たちと自主映画を作ったことが楽しくて、それを仕事にしたいと感じたことがきっかけです。
――映像制作に関する知識はどうやって身に着けましたか?
友人から教わったり、YouTubeを見たりして勉強しました。
――映像業界で働くことの面白さや魅力、逆に苦労することを教えてください
面白さ・魅力:さまざまな専門分野のプロフェッショナルの方々と一緒に仕事ができること。それぞれのパフォーマンスに毎度感動できること。
苦労する点:夢中で仕事をしていると、いつの間にか恋人や友人たちが離れていきます。
――ご自身の業務に欠かせない、またはよく使う機材や愛用品などを教えてください
Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K Proを愛用しています。気になったロケ地でアングルを切ってみたり、オーディションで実際に撮影する際に愛用しています。
また、Apple Music、Spotify、Filmarksなどのアプリを大事にしています。気になった音楽や映画をランダムに流したり眺めたりしながら、作品のムード作りのヒントにするようにしています。
――制作に使用している撮影機材や編集ソフトは何ですか?
Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K Pro、Adobe Premiere Pro
――映像制作の中で注目しているジャンルとその理由を教えて下さい
VR/AR
VR技術を使った撮影手法に興味があります。ライオンキング(2019)など。
IDXは新たにプロ仕様のポータブル電源「PowerBase」というカテゴリーを設け、製品展開していく。IDXのPowerBaseが従来のポータブル電源とは一線を画す製品の代名詞となるよう、次世代の技術を集結させてお客様に価値を提供していくとしている。GUARDIANはその第一弾の製品だ。
PowerBaseは、新たな技術を集結させお客様により多くの価値を提供するIDXのポータブル電源の名称。各国の安全規格の取得はもちろんのこと、そこで定められている要求事項よりも厳しい、IDX独自の安全基準を満たしているという。
製品名:2000Wh半固体ポータブル電源「GUARDIAN」
型番:SSP-2000
容量:2008.8Wh(32.4V/ 62Ah)
サイズ・質量:216×258×355mm 約16.8kg
AC出力:6口 100V(50/60Hz)最大2000W
DC出力:4×USB-A、2×USB-C、2×DC5521、1×シガーソケット
LEDライト:背面に搭載3段階表示
GUARDIANは半固体電池×GaN(窒化ガリウム)半導体を採用することにより以下を実現している。
4月に行われたNABにて「BEST OF SHOW 2025 -tvtech-」を獲得、各種映像機器の機能をソフトウェア化し、必要機能を自由に構造化したパイプラインとして利用できる機能統合型ライブ制作ソリューションFOR-A IMPULSEを展示する。
Media over IP関連では、効率的なリソースシェアを実現するHi-RDS(階層型RDS)環境の実演のほか、ブロードキャストコントローラーも展示し、Media over IP環境を強力にサポートするソリューションを紹介する。
また、NABで初披露し、5月にドバイで開催されたCABSATにて「Best In Video Production Award」を受賞した新ビデオスイッチャーHVS-Q12を国内初公開する。さらにスペインAlfalite社製のLEDパネルを使用したXRソリューションの展示を行う。
主な出展製品は以下の通り。
幅広い朋栄製品の機能をソフトウェア化して共有プラットフォームに集約し、柔軟なシステム構築と運用を実現するソフトウェアベースの機能統合型ライブ制作ソリューションである。ソフトウェア化した機能はNodeと定義され、これらのNodeを繋ぎ合わせることで、処理パイプラインを構築し、柔軟かつ自由度の高いシステム構築と運用を実現する。
導入時は必要最低限のNodeで構築し、拡張が必要になった際には期間限定でNodeを追加、不要になれば縮小するなど、スケーラビリティの高い運用が可能。その時々の運用や必要性に応じて機器/機能/人的リソースを効率的に活用できるため、手間と時間を削減し、高いコストパフォーマンスを実現する。
また、バックアップやメンテナンスに必要な機材を一本化することで、技術者の負担軽減にも貢献。直感的に操作できるFOR-A IMPULSEシステムは、高度な専門知識がなくても運用可能である。ライセンス管理やサービスサポートなど、安定した運用を支えるサポート体制も想定。またNTTスマートコネクト株式会社様のNTTデータセンターやクラウド環境を活用したFOR-A IMPULSEと各種MoIP機器との連携を展示する。
NMOS RDSソフトウェア SOM-200RDS、RDSフィルタリングAPIオプション SOM-20RDS Plusを使用して、Hi-RDS(階層型RDS)環境を活用したリソースシェアのデモを行う。Hi-RDSをより視覚的に管理可能なRDSフィルタリングAPI管理ソフトウェア SOM-20RDS MGRを活用し、より使いやすいHi-RDS環境を構築できる。
ブースでは、ソニー、LAWO、Matrox、Riedel Communicationsのブロードキャストコントローラーが管理するローカルRDSに各種MoIP機器を共通機器リソースとして割り当てるデモを実施するほか、1台の機器リソースを論理的に分割して複数のアイランドで利用できることを実演する。
展示製品: NMOS RDSソフトウェア SOM-200RDS、RDSフィルタリングAPIオプション SOM-20RDS Plus、RDSフィルタリングAPI管理ソフトウェア SOM-20RDS MGR
ブロードキャストコントローラー SOM-200BCを展示。視覚的に分かりやすく直感的な操作が可能なGUIを搭載し、朋栄のRDSソフトウェア SOM-200RDSを参照しながら、MoIP機器を統合制御監視することが可能。
IP対応マルチチャンネルプロセッサー FA-1616、IP対応マルチビューワー MV-3240IP、IP入出力対応マルチチャンネルビデオサーバー MBP-1100VS-IP、キャラクタージェネレーター VWS-1100、クラウドコンソール ceacaa、キャラクタージェネレーター EzV on ceacaa、NDI/SDIコンバーター NVP-100
12G-SDI、NDI、Danteオーディオ対応の新ビデオスイッチャー HVS-Q12を国内初公開する。
HDで60入力32出力(HDMI2系統を含む)まで拡張可能、イベントメモリーやシーケンス、マクロ、ユーザーボタン、外部制御用GPIなど、これまでのHANABIシリーズで定評ある機能を継承しつつ、HDR/SDR変換やアップ/ダウンコンバーター、内蔵マルチビューワーなどの機能拡張にも対応する。
さらに、Web-GUIは、これまでのHVSシリーズを継承しながら操作性を改善するとともにデザインを刷新。より直感的な操作が可能になっている。
このほか、各種イベントなどで活用可能なルーティングスイッチャー/オールインワンライブシステムの運用実績を参考にしたシステム展示や、ビデオや音声、静止画をポン出しできるイベントプレイヤーを展示。また高品質な映像伝送や高速なファイル転送を可能にするDejero社最新製品や日本テレビ様との共同開発による直感的オンデバイスAIソリューションも展示する。
展示製品:ビデオスイッチャー HVS-Q12、ルーティングスイッチャー/オールインワンライブシステム MFR-3100EX、イベントプレイヤー IEP-500R(IBE)、小型モバイルトランスミッター Dejero EnGo3s(Dejero)、直感的オンデバイスAIソリューション codename:AiDi
スペインのAlfalite社LEDパネルを設置しXR演出のデモンストレーションを行うほか、グリーンバックとIMU(慣性計測ユニット)搭載ステレオカメラを使用したコストパフォーマンスに優れるバーチャルスタジオのデモンストレーションを行う。
XR演出は、専用トラッキングマーカーをランダムに貼り付けるだけで高精度なトラッキングを実現するStarTracker Maxと番組制作で定評のあるBrainstorm Infinity Setを活用。バーチャルスタジオにはリアルタイムカメラトラッキングシステム LinkBox2とKOALA、Unreal Engineに対応したバーチャルスタジオ/リアルタイムCGシステム VRCAM-NX2を活用して実演する。
また、Alfalite社のLEDパネル、UHD Finepixを活用した、メイコー様製ビデオウォールコントローラーも実演。さらにVRCAM-Liteとパナソニック様製Video Mixerとの連携によるグリーンバック不要のバーチャル演出も実演する。
展示製品:カメラトラッキングシステム StarTracker Max(Mo-Sys Engineering)、ローコストカメラトラッキングシステム LinkBox2(VGI)、KOALA、アドバンストバーチャルシステム Infinity Set(Brainstorm)、バーチャルスタジオ/リアルタイムCGシステム VRCAM-NX2、VRCAM-Lite
稲村忠憲:CGディレクター
オムニバス・ジャパン
CGアニメーター・デジタルアーティスト歴16年
2006年 株式会社GONZO 3DCG部 入社
2009年 株式会社グラフィニカ 入社
2012年 株式会社オムニバス・ジャパン 入社
レギュラー出演番組「CG奇譚〜転生したクリエイターの物語」
――現在メインとなる業種を教えてください
映画、配信、CM、アニメ、PV。
――映像業界を目指した理由や経緯を教えてください
「楽して稼ぎたい」学生の頃は漠然とそのように思っていました。大人になり「私程度の者に楽な仕事というのはない」という事実に気づきました。
子供の頃から映画、アニメ、CMなど映像作品が好きで、自主制作作品を作っていたため「どうせなら苦しくても楽しく思える仕事をしたい。いや、そういう仕事しか私はできない」と覚悟を決めて映像業界を目指しました。
映像業界に入るにあたり、多くの優秀なクリエイターや仲間たちに出会えて今の私があります。とても幸運でした。
――映像制作に関する知識はどうやって身に着けましたか?
初めは大学の講義などがきっかけでしたが、講義では技術的なことは具体的に教わらなかったため、基本は独学でした。映像制作の技術的知識は書籍やインターネットで学びました。その後、映像業界に入り、アニメーション技術など経験からしか学べないようなことを師にあたる人から多く学びました。
――映像業界で働くことの面白さや魅力、逆に苦労することを教えてください
面白さ・魅力:映像という同じ志を持った仲間たちと一緒に、大規模な作品制作を行えることが何よりも楽しい。そして、その作品を世の中に送り出し、多くの人たちに観てもらえることが何よりも嬉しい。苦しさや辛さを乗り越えて一つの作品を完成させるという喜びは、他では味わえない最高の魅力といえる。
苦労する点:「1日が24時間、1年が365日では足りないな」と思ってしまうこと。多くの作品に関わりたいと思いながらも、物理的にも時間的にも一人でできることには限界があり、何かを諦めなければいけない瞬間があること。
――ご自身の業務に欠かせない、またはよく使う機材や愛用品などを教えてください
PC周辺機器ではありますが、Razer社のDeathAdder V3 Proというマウスを愛用しています。
1日のほとんどの時間をこのマウスを握って過ごしていますが、手に馴染み反応もよく重宝しています。
――制作に使用している撮影機材や編集ソフトは何ですか?
――映像制作の中で注目しているジャンルとその理由を教えて下さい
AI技術/インカメラVFX/バーチャルプロダクション/VR/AR/ライブ配信
老後はVRの世界で生き、ヘッドマウントを付けたまま老衰したいため。
最新の担当作品情報はこちらからご覧ください。
]]>EOS RTは、同じ年に発売された「EOS 630 QD」をベースとしている。倍率0.8倍・視野率94%のファインダーや最高速度1/2000 秒とするフォーカルプレーンシャッター、6分割評価測光、オートブラケティング機能の搭載など当然ながら同一で、当時のミドルクラスの35mmAF一眼レフとして申し分のないスペックを誇る。もちろんボディのシェイプやサイズもほぼ同じだ。ただし、販売価格は大きく異なり、EOS 630 QDがボディ単体8万5,000円であるのに対し、EOS RTは11万5,000円としていた。つまり、差額3万円分がペリクルミラーとそれに関わるコストと考えてよいだろう。複雑な機構を持つクイックリターンミラーよりも、ミラーボックス内に固定して使用するペリクルミラーのほうが高価であるのはちょっと興味深い。
そしてこのカメラの特筆すべきポイントがシャッターボタンを半押し状態から全押しし露光完了までの、いわゆるレリーズタイムラグの短さだ。メインスイッチをRT(リアルタイム撮影)モードに設定すると、メーカー公表値で0.0008秒を実現。この数値は驚くべきもので、クイックリターンミラーを搭載する通常のフィルム一眼レフの場合、フラグシップモデルで0.05秒前後と言われているので圧倒的な速さである。極論するとシャッターを切った瞬間、露光は完了していると述べても過言ではない。ちなみにカメラ銘である"RT"とはReal Time、つまり"同時"のことを指すと言われ、このレリーズタイムラグの短さを表している。シャッターチャンスを一瞬でも見逃せない被写体の撮影などでは、このモードは威力を発揮する。
余談となるが、冒頭で記したペリクルミラーを過去採用したカメラのなかに報道専用とするF-1 High Speed Motor CameraとNew F-1 High Speed Motor Drive Cameraがある。前者の発売はミュンヘンオリンピック開催の年、後者はロサンゼルスオリンピック開催の年となることからもわかるとおりレリーズタイムラグの短いほうが有利なスポーツ撮影での使用を前提としたものだ。また、EOS RTのカスタム機能のなかには、RTモード設定時にレリーズタイムラグを当時のキヤノンのフラグシップモデル「New F-1」と同じにするモードが備わっている。これはあまりにも短いレリーズタイムラグのため却ってシャッタータイミングの掴みづらいNew F-1ユーザー、つまりプロや報道カメラマンのために設けられたモードであり、本モデルがそのような環境で使用されることを考慮した機能と思われる。
そのようなRTモードであるが、デメリットがないわけではない。このモードではまずAFモードはONE SHOTいわゆるシングルAFに固定され、AI SERVOいわゆるコンティニュアスAFで撮影を行うことはできない。そのため、動き回る被写体を追うことは難しい。またシャッター半押しを行うとピントと同時に露出も固定されてしまうので、被写体の明るさの急な変化にも対応できない。さらに設定した絞り値まで絞り込まれるため、絞り値が大きいとファインダーは当然暗くなってしまうのである。被写体や撮影意図によっては思ったような撮り方が難しいこともありそうだ。だったらRTモードの使用を諦め通常撮影用のAモードに期待がかかるのだが、このモードでのレリーズタイムラグはベースとなったEOS 630 QDとほとんど変わらないと言われており、ペリクルミラーであることの意義が薄れてしまうのである。もっともファインダー像がブラックアウトしないこと、ミラーアップによるショックや音がないことはやはり大きなメリットであることには違いはないが。
RTモードに設定しシャッターボタンを押したときのミラーボックス内の様子。シャッターボタンの半押しを行うと、ペリクルミラー背面にある遮光用シャッターおよびAFセンサー用のミラーがミラーボックス底部に収納。シャッターボタンを全押しすると同時にシャッターが切れ露光を行う。もちろんペリクルミラーは動くことはない
ハーフミラーによりフィルム側とファインダー側に光を分散させるため、フィルムに当たる光量が気になるが、1/3EVの減光であることもこのカメラの知っておきたい部分。ISO100のフィルムを装填した場合、ISO64での撮影となる。単体の露出計やオート機能に連動しないストロボを使用するときなど留意が必要だ。また、露光時はファインダーアイピース側から入る光にも注意したい。その光がフィルムを感光させてしまうことがあるからだ。そのため、純正のストラップ肩当てには、ファインダーから目を離して撮影する際に使用するファインダーカバーを備える。なお、残念ながらアイピースシャッターは本モデルには搭載されていない。ハーフミラーに付着したホコリにも気をつけておきたいところ。ホコリの大きさによっては、デジタルカメラのイメージセンサーに付着したホコリ同様写り込んでしまうからである。
現在のEOS RTの中古カメラ市場でのボディ単体の価格は5,000円から1万円ほど。これは20年ほど前から相場的に大きく変わっておらず、今回の写真撮影に用いた実機もやはり20年ほど前に大阪写真会館内にあるカメラショップにて5,000円で購入したと記憶している。中古カメラショップで出会う機会も比較的多く、この時代のEOSの持病であるシャッターダンパの加水分解によるシャッター幕の汚れを除けば、元気に動いている個体も多い。ハーフミラーを用いた類い稀なフィルム一眼レフとして、またキヤノンの持つ卓越した技術の一端を知るうえで、同社のファンは持っておいて損のないカメラであるように思える。
大浦タケシ|プロフィール
宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、雑誌カメラマン、デザイン企画会社を経てフォトグラファーとして独立。以後、カメラ誌をはじめとする紙媒体やWeb媒体、商業印刷物、セミナーなど多方面で活動を行う。
公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員。
一般社団法人日本自然科学写真協会(SSP)会員。
BARROT Technologyは、自動車向けを中心としたBLE(Bluetooth Low Energy)およびWi-Fiモジュールを主力製品とするメーカーだ。Bluetoothチップを自社開発している点が大きな特徴で、モジュール化を自社で行っている。
同社が5月28日から30日まで東京ビックサイトで開催された「ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2025」に出展した。今回は、BARROT社のLily氏、そのパートナー企業であるCaliburの下河原取締役社長、王剣鋒代表取締役それぞれにお話を伺った。
――BARROTはどのような無線製品・ソリューションに特化しており、主にどの産業分野をターゲットとしていますか?
Lily氏:
BARROTは、Bluetoothを中心とした近距離無線通信技術に特化したソリューションプロバイダーです。
特にBluetooth ClassicおよびBLEにおけるチップセットとソフトウェアスタックの提供に強みを持ち、幅広い用途に対応した製品ラインナップを展開しています。
主なターゲット分野は、車載(Automotive)、ウェアラブルデバイス、スマートホーム、医療機器、および産業用IoTなどであり、各分野におけるニーズに対応した高性能かつ低消費電力な通信ソリューションを提供しています。
――BARROTはBluetooth SIGのアソシエイトメンバーとして仕様策定にも貢献していますが、研究開発や特許をどのように活用し、Bluetooth技術のイノベーションを牽引しているのでしょうか?また、日本の自動車・IoT市場で成功を収めているプロジェクトについて教えてください。
下河原氏:
BARROTは、Bluetooth SIGのアソシエイトメンバーとして、Bluetoothの最新仕様策定に積極的に参加し、数多くの技術提案や貢献を行ってきました。特に通信安定性の向上や省電力化、マルチデバイス接続の最適化といった分野で多くの特許を保有しており、これらの技術を製品開発に直接反映しています。
日本市場においては、我々Caliburをはじめとする現地パートナーとの連携を通じて、自動車向けハンズフリーシステムや車載HMI機器とのBluetooth接続、IoTデバイスの通信モジュール化といったプロジェクトに参画し、日本の厳しい品質要求にも対応した製品を提供しています。
――日本の自動車・IoT市場でのプロジェクトやパートナーシップについて教えてください。また、BARROTは日本の市場におけるローカライズサポートをどのように提供していますか?
王氏:
日本市場においては、我々Caliburをはじめとする技術パートナーと連携し、日本のユーザー向けに通信規格の適合性確認やEMC試験対応、ファームウェアのカスタマイズなど、ローカルニーズに即した支援を行っています。
また、BARROTは日本語対応の技術資料やサンプルコードを整備し、現地での開発支援・トラブルシューティングにも対応可能な体制を整えています。加えて、定期的に開催される展示会や技術セミナーを通じて、日本企業との信頼関係の構築に努めています。
これにより、国内自動車メーカーやIoT機器メーカーとの共同開発が進み、Bluetooth搭載製品の国内市場へのスムーズな展開を実現しています。
カメラグランプリは、1984年から続く歴史あるアワードであり、国内の写真・カメラ専門誌やウェブ媒体の担当者で構成されるカメラ記者クラブが主催している。毎年4月1日から翌年3月31日までに国内で新発売されたスチルカメラ、レンズ、カメラ機材の中から、各賞に値する製品が厳正に選出される。贈呈式前のメインスクリーンには、ニコン F4、キヤノン EOS5、キヤノン EOS-1Vなど、過去の受賞製品が投影で紹介され、本アワードの権威とカメラ業界の変遷が再認識された。
今年の受賞製品は以下の通りである。
表彰式では、各受賞製品の開発を牽引した企業の代表者が登壇し、製品への思いと今後の展望を語った。
キヤノン株式会社の加藤学氏は、約10年ぶりの主要賞受賞に対する社内の喜びと感慨を表明した。2018年のEOS Rシステム立ち上げ以来、ユーザーが「EOS R1」の登場を待ち望んでいたことに触れ、満を持してこの大賞を獲得した製品を発表できたことへの深い思いを語った。
同氏は、キヤノンが1971年の「F-1」以来、「1」と名のつく製品には一切の妥協を許さないという信念のもと、画質、AF性能、信頼性、耐久性を追求してきたことを強調した。
加藤氏は、2024年のパリ2024夏季オリンピックでの試作機に関するエピソードを紹介し、過酷な環境下でのトラブルに開発者が迅速に対応した経験が、製品の信頼性向上につながったことを強調した。
EOS R1には最新のエンジンやAI技術が活用されているが、従来の「1」シリーズの操作感を継承しており、プロフェッショナルが道具として違和感なく使える製品に仕上がったと手応えを述べた。キヤノンは今後も、写真・映像を愛する人々に最も寄り添った道具を作り続ける目標を掲げた。
ソニー株式会社の岸政典氏は、Eマウントシステム初のF2通し標準ズームレンズである「FE 28-70mm F2 GM」の受賞について語った。このレンズは、単なるズームレンズではなく、焦点距離を変えられる単焦点レンズを目指して開発され、F2の大口径でありながら小型軽量化を追求したと説明した。
岸氏は、小型軽量化と高性能・高信頼性の両立には、2016年のGマスターレンズブランド立ち上げ以来9年間にわたる、非球面レンズ加工技術、アクチュエーター、制御、生産技術など、あらゆる周辺技術の進化が不可欠であったと述べた。これらの技術融合が、これまでの光学設計では実現不可能だった新たなレンズを生み出す環境を整えたという。このレンズはこれらの取り組みの集大成であり、開発者にとっても喜ばしい受賞であったと述べ、今後も技術革新を続け、新たな撮影体験を提供することでイメージング業界の発展に貢献していく姿勢を示した。
ソニー株式会社の金井真実氏は、FE 28-70mm F2 GMレンズの開発における技術的側面を補足した。F2通しという高性能の実現には、光学設計、レンズエレメント、アクチュエーター、製造技術、機構設計といった全ての技術進化が不可欠であったと説明した。特に、ズーム時のレンズの繰り出し量を小さくすることに注力し、操作性、重心移動、レンズ全体の軽量化に貢献したという。
光学設計で最もこだわった点の一つは、ボケの質感であると金井氏は述べた。高解像度は当然の要求だが、カタログでは表現しにくい感動的なボケの表現に力を入れたという。F2の明るさも相まって、被写体を引き立たせるだけでなく、写真の大部分を占めるボケの質感が作品全体に与える影響は非常に大きいと考え、ボケと解像度の高いバランスの実現に苦心したと語った。設計だけでなく、製造段階での再現性にもこだわり、一本一本のレンズを繊細に調整する工程を導入することで、設計通りの高い品質を実現していると説明した。
金井氏は、このレンズが従来のズームレンズの想像を超える描写を提供できると確信しており、ユーザーからのフィードバックを元に、今後も期待を超えるレンズを提供し続けたいと述べた。
キヤノン株式会社の佐藤洋一氏は、「あなたが選ぶベストカメラ賞」を「EOS R5 Mark II」が受賞したことに対し、関係者を代表して感謝の意を述べた。EOS Rシリーズの開発者として、前回のEOS R5に続き、今回のMark IIでも受賞できたことに深い思いがあると語った。
EOS R5の開発がコロナ禍で行われ、カメラの将来に不安を抱いた時期もあったという。しかし、EOS R5の受賞を機に良い方向に進み、次の機種(EOS R5 Mark II)も必ず良いものにしようという強い思いで開発を進めたとのことだ。
EOS R5 Mark IIは、EOS Rシリーズの中でも特別な位置づけの「5」を冠する機種であり、写真・映像文化への貢献を強く意識していると説明された。アマチュアユーザーが静止画も動画も満足に使えるカメラを、納得できる価格で提供するというコンセプトのもと開発された。
Mark IIへの進化にあたっては、視線入力の搭載や、静止画カメラでありながら動画撮影時間の延長を目指すなど、多くの議論が重ねられた。アクセサリーとしてのファンユニット採用など、従来の良さを残しつつも、新たな挑戦を盛り込んだ点が今回の高い評価につながったと分析された。佐藤氏は、今後も写真・映像を愛する人々に最も寄り添った道具を作り続けることを目標に、新しいカメラの開発に邁進していくと述べた。
キヤノン株式会社の中下大輔氏は、「RF70-200mm F2.8 L IS USM」がベストレンズ賞を受賞したことに対し、関係者一同を代表してお礼を述べた。
2018年に立ち上がったRFレンズシステムは、現在までに50本以上のレンズを投入し、撮影領域の拡大を目指して新商品の開発に尽力しているという。開発されたレンズは、一本一本に思いが込められ、ユーザーに届けられてきた。特に、今回受賞したRF70-200mm F2.8 L IS USMは、プロのフォトグラファーだけでなく幅広いユーザーから好評を得ており、それが今回の受賞につながったと考えている。
開発担当者は、RFレンズの歴史に触れ、過去のレンズ設計の経験から、ユーザーに寄り添ってレンズ開発を行うことの重要性と難しさを語った。そして、RシステムやRFレンズを愛用するユーザーの姿を見るたびに、より一層努力しようという熱い思いがこみ上げてくると述べた。今回の受賞にあたり、「歴代のRF70-200mm F2.8の中で最高傑作」という声が寄せられたことに対し、開発に携わる者としてこれ以上の幸せはないと感謝の意を表明した。
RF70-200mm F2.8 L IS USMは、EFレンズ時代(1995年)から続く70-200mm F2.8レンズの系譜を受け継ぎ、優れた描写性能はもちろんのこと、手ブレ補正機能の強化や小型軽量化といった進化を遂げてきた。RF版の70-200mm F2.8は、「静止画・動画ハイブリッド望遠ズームレンズ」をコンセプトに、プロの求めるクオリティに応えるべく商品化された。キヤノンのレンズブランド「EOS」の哲学である「快適高画質」を開発のベースに置き、パワーズームアダプターへの対応、インナーズームによる堅牢性、エクステンダー対応といった機能に加え、ズーミング操作時のピント変動を抑えるため、オートフォーカス性能を大幅に進化させた。このオートフォーカスの進化は、光学系と電気制御系の連携により、開発の初期段階からチーム全体で取り組んだ成果であるという。
キヤノンは今後もユーザーに寄り添い、期待を超える製品を提供できるよう技術を磨き、映像文化の発展に貢献していきたいと語った。そして、今後ともキヤノン製品への支持と、映像業界に携わるすべての人々との切磋琢磨を呼びかけ、感謝の言葉でスピーチを締めくくった。
ニコン「Z50II」が「カメラ記者クラブ・技術賞」を受賞し、株式会社ニコンの八木成樹氏が登壇した。八木氏は、選考委員、専門誌記者、ユーザー、そして他社関係者へ感謝の意を述べた。
八木氏の説明によると、ニコンZ50IIは「撮る楽しさ」と「持つ楽しさ」という感覚的要素に加え、上位機種の優れた機能性を兼ね備えたモデルとして開発された。Z9から始まるシステムを小型ボディに凝縮することで、カメラ初心者が複雑な設定に悩むことなく、安心して撮影に集中できるよう設計されているという。
これらのモデルには、フォトグラファーやクリエイターの表現を支援し、作品制作を可能にする「ピクチャーコントロール」機能をはじめ、多様な機能が搭載されているとのことだ。また、近年高まる本格的な動画撮影ニーズに応えるため、動画性能も充実させており、クリエイターの創造性を刺激し、初心者から幅広いユーザーまで「撮る楽しみ」を感じられる機能が盛り込まれていると述べた。
開発チームは、Z50IIを手にしたユーザーが、シャッターを切ることで理想の表現を実現する感動を味わい、このカメラが常に持ち歩ける存在となることを願っているとした。Z50IIは、発表直後から大きな反響を呼んでおり、今回の受賞によってその魅力が改めて評価されたという認識を示した。スマートフォンでの撮影が主流となる現代において、被写体と向き合い、ファインダーを通してシャッターを切るという写真撮影本来の体験を、Z50IIを通じてより多くの人々に提供する意向である。
ニコンの新しいエントリーモデルとして、カメラ初心者から表現の幅を広げたいユーザーまで、幅広い層に推奨される製品と位置付けられている。ニコンは今後も、幅広いユーザーの期待に応える製品展開を進め、カメラ業界全体の活性化に貢献していく姿勢を示し、話を締めくくった。
リコーイメージング株式会社の濟木一伸氏が登壇し、PENTAX 17が受賞した「カメラグランプリ2025 カメラ記者クラブ・企画賞」について語った。濟木氏は元々経営・マーケティング畑の出身であり、開発に関する知見は少なかったものの、今回のプロジェクトでは大きな成功を収めたと述べた。
濟木氏によると、このフィルムカメラプロジェクトは2022年の暮れに発表。リコーイメージングは21年間フィルムカメラを製造していなかったため、技術の喪失や、現代のユーザーが新しいフィルムカメラに何を期待するのかという検証が不足している状態でのスタートであったという。しかし、発表後、ユーザーや業界関係者から予想を超える大きな期待の声が寄せられ、製品化への強い使命感に駆られたとのことだ。
開発においては、社内の技術者だけでは対応しきれない状況であったと濟木氏は説明した。古い設計図もない中で、OB(経験者)の協力を得たり、調達が困難な部品については社内の工場で自作したりと、多くの困難を乗り越えて完成にいたったと語られた。
発売後は、フィルムという特性上、フィルムメーカー、現像液メーカー、廃液処理業者など、関連業界全体からの応援も得て、大きな話題を呼んだという。特に、若い世代が「古くて新しいもの」としてこのフィルムカメラを受け入れ、積極的に情報を発信したことに喜びを感じていると述べた。
濟木氏は、今後もデジタルだけでなく、関連産業全体を巻き込みながら、映像業界の発展に貢献していきたいという意欲を示した。濟木氏のスピーチは、多くの困難を乗り越え、関係者やユーザーの期待に応える形で成功を収めたフィルムカメラプロジェクトへの感謝と、今後の映像業界への貢献に向けた強い決意が伝わる内容であった。
七工匠 7Artisans 9mm F5.6 ASPHは、フルサイズセンサー対応のマニュアルフォーカス単焦点レンズである。最大132°の超広角により、風景や建築物の撮影に最適である。歪みを抑えた高い描写力で、雄大な自然風景から精緻な建築物まで、被写体をダイナミックかつ鮮明に描写する。
9mmの超広角レンズにより、最大132°の圧倒的視野角を実現した。極めて広い画角ながら歪みを効果的に抑制し、海辺や山岳風景、歴史的建造物から現代建築物まで、多様な被写体を自然なバランスでダイナミックに描写する。
5枚羽根の絞りにより、点光源から美しい10本の光芒を描き出す。逆光風景や夜景、イルミネーションを幻想的に演出し、印象的な写真表現が可能である。さらに、非球面レンズ2枚、EDレンズ2枚、高屈折レンズ3枚を含む11群16枚のレンズ構成により、色収差や歪みを効果的に補正する。超広角ながらも、隅々までクリアで繊細な描写を実現する。
被写体にわずか20cmまで近づける広角レンズは、迫力ある遠近感と臨場感のある表現を可能にするという。狭い室内やテーブルフォトでも自在に構図を取ることができ、主題と背景を一枚の写真に自然に収めた印象的な描写を実現する。
クリック式の絞りリングにより、絞り値を直感的に設定できる。フォーカスリングは滑らかに回転し、スムーズなピント合わせが行える。直感的かつ快適な操作性を発揮する。
別売の専用リアNDフィルターを使用することで撮影表現のバリエーションを手軽に広げることができる。光量を抑え、シャッタースピードを遅くすることで、被写体の動きを滑らかに描写できる。広角9mmならではのダイナミックな構図に、動きを加えた印象的な表現が可能だという。
対応マウント | ソニーE、ニコンZ、キヤノンRF、L(ライカ / パナソニック / シグマ) |
対応撮像画面サイズ | 35mmフルサイズ |
焦点距離 | 9mm |
レンズ構成 | 11群16枚(ASPH非球面レンズ2枚、EDレンズ2枚、高屈折レンズ3枚) |
フォーカス | MF(マニュアルフォーカス) |
絞り | F5.6-F22 |
絞り羽根 | 5枚 |
最短撮影距離 | 0.2m |
フィルター | 装着不可(専用リアフィルターのみ装着可能) |
サイズ(マウント部除く) | 約Φ70×82mm ※マウントにより異なる |
質量 | 約467g ※マウントにより異なる |
付属品 | 前後キャップ |
七工匠 7Artisans リアフィルターは、9mm F5.6 ASPH用のND(減光)リアフィルターである。滝や渓流、雲の動きなど、流れを滑らかに表現したいシーンなどで効果を発揮するという。また、逆光下の撮影や日中の白飛びを抑えつつ、背景のボケを活かした撮影にも適している。フィルターの側面および上部にローレット加工を施し、指がかかりやすく、スムーズな着脱が可能である。
入射光量を1/64(6段分)に減光するフィルターである。人物や水の自然な動きの表現に適している。曇天や日陰でも使いやすく、NDフィルターを初めて使う方にもおすすめだという。
入射光量を1/1000(10段分)に減光するフィルターである。晴天時の日中でも本格的な長時間露光が可能で、水面や雲の動きを幻想的に表現したり、街中で人の流れを消すような特殊効果を活かした撮影に適していると。
第2回のお題は、フォクトレンダーのNOKTON classic 35mm F1.4 II SCをチョイスしてみました。
自分も第1世代のNOKTON classic 35mmのマルチコート版をかつて所有しており、付けっ放しの常用レンズとして、とにかくなんでもこれで撮っていた時期がありました。当時は写真で使っていましたが、動画では果たしてどのような描写を見せてくれるでしょうか。
NOKTON classic 35mm F1.4 II SCは「classic」の名前が示す通り、伝統的な対称形のレンズ構成をあえて採用し、レンズ本来の描写や味わいが欲しいユーザーに向けた作りになっています。異常分散ガラスが1枚使用されていますが非球面などは使用せず、AFもないためレンズ構成はシンプルで非常にコンパクト。価格も抑えられていることで初心者が最初に手を出すマニュアルレンズとしても手を出しやすい一本。
このレンズのクラシックな設計がもたらす「味」は初心者ベテラン関係なく「エモい写真」が撮りたいユーザーにとってお勧めできるものになっています。
さて、動画、それも一応プロ向けの動画としてこのレンズを使って撮影する前に、まずはこのレンズのデザインとそれに伴って発生する、ある問題について触れる必要があります。それは今回このレンズをチョイスした大きな理由の一つとも言えるのですが、このレンズが「小さすぎる」ということです。そこで今回は企画の一環として、いくつかの追加パーツを使って「動画仕様」に簡易的に改修してみました。スチルレンズを映画仕様に改修することを「Cinemod」と言ったりします。
改修にあたっては動画でこのレンズを使う際に問題になる点である「露出のコントロール」と「フォーカスのコントロール」この2点をポイントに、動画にとっての「使いやすさ」について考察してみたいと思います。
これは写真と違って動画では基本的にシャタースピードを1/50など一定に保つ必要があり、その状況で絞りを開けた画作りをするためにはNDフィルターが必須となります。様々な焦点距離のレンズを使い分ける現場では基本的にはNDフィルターは1種類のサイズで揃えておくのが一般的で、そのためにはレンズの前径を統一する必要があります。
私は異なるレンズの前径を統一するのに、スイスの「CORDVISION」というメーカーのシネフロントリングを愛用しています。外径80mmでクリップオンマットボックスに対応させることができ、内径も77mmのねじ込み式フィルターに対応しています。今回、NOKTONの前径43mmは対応する製品がなくて小さすぎたため、43-52mm中間リングで52mmに一度拡張し、その後52mm対応のシネフロントリングを取り付けました。
ちなみにマットボックスを取り付ける場合は、カメラ下部にロッドを設置してロッド経由で取り付けるのが確実です。スチルレンズはレンズ自体に重量物を取り付けるような構造になっていないため、マットボックスの重みでレンズが垂れ下がって光軸が歪んだり、最悪の場合、レンズを破損する恐れがあるからです。
動画をスチルと違って難しくさせている要素の一つがフォーカスワークではないでしょうか。このレンズのようにマニュアルフォーカスレンズで浅い被写界深度を使いこなすには、それなりの経験とセンス、それにメカのサポートが必要となります。NOKTONのフォーカスリングはスチルで使うにはねっとりとした操作感が非常に官能的ですが、指先で操作するので不必要な揺れが起こる可能性があります。動画でスムーズにフォーカスワークをするためにはギアを介して回転を外部に伝える方が確実です。
NOKTONは直径が小さすぎて、外部からネジで締め込むタイプのフォーカスギアは一番小さいサイズのものでも届きません。たまたま転がっていた硬質ゴム製のフォーカスギアを切り刻んでスペーサーを作成し、ギアを取り付けることができました。
こうしてみると、レンズがどこにあるのかわからないような改造になってしまいましたが、こういった改造も動画でレンズを運用する醍醐味と言えるのではないでしょうか。ちなみにこの状態で絞りを操作しようとしても指がほとんど届きません。開放のままほとんどのテスト撮影をこなしました。
それではチャートを撮影して描写をチェックしてみましょう。
カメラは前回と同様に、Blackmagic DesignのCinema Camera 6Kをオープンゲートで使用。露出計、カラーメーターを使用して基準を作成しています。チャートまでの距離は3ft(約90cm強)に設定しています。
興味深いことに、F2.8、5.6と絞り込んでいくと最初は収差が消えてスッキリした描写になりますが、2.8以降は実は絞り込んでもほとんど描写に変化がないように見えます。シングルコート由来のコントラストの低さは絞り込んで改善するものではなさそうです。線の細さを開放と見比べてもあまり変化はなく、いわゆる「絞ることで描写の変化を楽しむ」オールドレンズというよりは「開放か、それ以外か」みたいな使い方が向いているかもしれません。
フレアをチェックするために光源をカメラ方向に向けてみました。
オレンジというかアンバーの強烈なフレアはさすがシングルコート。画面内だけではなく画面外に光源があっても印象的なフレアを出すことができます。
興味深いのは開放だけではなく、F2.8やF4でも十分に大きなフレアが入る点。絞りによらずフレアが入る(逆光に弱い)という特性をうまく使いこなすことが求められます。
今回、女優の結木千尋さんに協力していただき、人物のテスト撮影を行いました。撮影日の天候が思わしくなく、別の日に晴天時のテストも行っています。
屋外で撮影することで、彩度が低く、緑はイエロー系に転びがち。黒は閉まりづらいなど、シングルコート由来の癖を感じることができます。しかしながら、開放では収差もありつつ6Kでも十分に解像しており、基本性能の高さがわかります。また周辺減光の強さもわかりやすく出ています。
続いて、人物モデル撮影。
35mmなので、大きな玉ボケというよりは背景との分離でボケが活きるのですが、条件によっては玉ボケを活かした画作りもできます。過剰補正方向のいわゆるバブルボケで、周辺でボケが流れるなど癖を使いこなすことが求められます。
また、開放でバストアップくらいのサイズで人物撮影をしてみると収差がちょうど肌のキメにマッチして美肌効果を出してくれます。人物撮影であれば積極的に開放を使うというのはアリだと思いました。
最短撮影距離はライカMマウントに準じた70cm。撮影においてはややしんどい場合があるため、焦点工房のヘリコイド付きマウントアダプターを使用して近距離で撮影してみました。収差がやや増してよりドリーミーな空気感になったと思います。
5-6フィート(約1.5-1.8メートル)以上の距離を取ると、ボケも柔らかくなり、扱いやすくなります。
アンダーな条件です。NOKTONという名前ではありますが、現代のレンズに比べて暗部にとりわけ強いか?というと、まあ難しいかもしれません。しかし周辺のボケ方も面白く、使う楽しさはあると思いました。
現行製品でありながらクラシックの名を冠するNOKTON classic35mmF1.4II SCは、往年の対称設計のレンズ構成でも現代基準で研磨・組み付けが行われたらしっかりとした優秀なレンズになる、という一つの例なのかもしれません。
開放ではハロや周辺減光がエモ味を出し、また絞っても大胆に入るフレアや歪曲収差と、ユーザーがクラシックなレンズに求める味が全て入っている「美味しい」レンズという面を持ちながら、解像度の高い繊細な描写性も持つという、隠しきれない素性の良さもあります。最初は癖の強さに目が入って戸惑いますが、潜在的なポテンシャルに気づくことができたら楽しく付き合っていけるレンズだと思います。
難点があるとすれば、このシリーズが35mmの1本しかないということで、これで動画作品を仕立てていくには同じ描写特性で標準域や望遠域などのバリエーションも欲しくなるところでしょう。
また、本体のコンパクトさは写真撮影としては非常に便利な反面、動画撮影にゴリゴリに投入しようとすると様々な困難が立ちはだかるということもわかりました。こういったCinemodの作業は手探りで自分だけのレンズに仕上げていく楽しさもあります。もちろん本体だけでサクッと取ることもできますから、普段写真で使っている方も時々モードを「動画」に切り替えて、動きの中で刻々と変化するフレアや収差を味わってみるのも悪くないのではないでしょうか。
もちろん、ただ取り付けただけでも撮影に全く支障はないわけです。
長い間、フォーカルプレンシャッターの最高速は1/2000秒止まりであった。多くの一眼レフやレンジファインダーカメラでは1/1000秒が最高速で、1/2000秒を備えたフラッグシップ機がときどき登場するという構図だったのである。キヤノンでいえば1960年のR2000、1971年のF-1、ニコンでは同じく1971年のF2、そして前回紹介したF3などがその例である。そんな形で20年以上の間1/2000秒の壁を破ることができなかったのだが、それを打破し、ふたたびより高速を追い求めるきっかけを作ったのがニコンFM2である。
1970年代の終わりごろ、米国のスポーツ誌「スポーツイラストレイテッド」のカメラマンがニコンを訪ねて「なんとか一眼レフのストロボ同調速度を1/500秒まで上げてくれないか」との要望を伝えてきた。なんでもバスケットボールの競技場の照明が明るくなり、そのため1/125秒の同調速度ではシュート時の動きを止めることができないということだ。技術的に難しいと一度は断ったが、そのカメラマンにとって切実な問題で、例え画面の上下をカットすることになってもよい、せめて1/250秒まで高速にすることはできないかというようなやり取りが続き、ストロボ同調速度の速いシャッターの開発がスタートすることになった。そう、当初の目的は実は最高速の向上ではなく、ストロボ同調速度を速くすることだったのである。
ストロボ同調速度を上げるには、シャッター幕の幕速を上げる必要がある。シャッター幕はスプリングで駆動するので、一つの方法としてはそのスプリングを強くすればよいのだが、あまり強くするとその力でシャッターの基板が歪んだりするので限界がある。もう一つの方法がシャッター幕の質量を小さくすることだ。その点ではシャッター幕と一緒に幕を巻き取るためのドラムが動くドラム型フォーカルプレンシャッターは不利だ。そこでスクエア型フォーカルプレンシャッターの幕を構成する羽根を軽量化することを考えた。
薄い板状に加工でき、かつ軽くて丈夫な材料として当初はアルミベースの軽合金が用いられたが、これをチタンにすれば軽量化できる。そして、これをさらに軽くするためにケミカルエッチングを施して薄くした。全体を薄くすると強度がもたないので、格子状に周囲より厚いところを残しておくところがミソである。ちょうど和室で使われる障子のようなものだ。障子では桟(さん)の部分で強度を確保し、薄い障子紙の部分で目隠しの機能をもたせているわけだが、それと同様の原理である。格子の形状は六角形を半分に切って並べたようなものでちょうど蜂の巣を連想するため、「ハニカムパターン」と呼ばれた。
こうしてそれまでの1/2000秒の壁を破った高速フォーカルプレンシャッターが完成し、まずは1982年のニコンFM2に搭載された。ただ、目標であったストロボ同調速度1/250秒は達成できず、1/200秒となった。くだんのスポーツ誌の記者は、1/250秒実現のために画面の上下が少々カットされても良いということだったが、一般ユーザー向けのカメラとしてはそのような仕様は受け入れられない。結局ストロボ同調速度は1/200秒までとなり、シャッターダイヤルに「X200」のポジションを設けることになった。
それでも20年以上も長きにわたって立ちはだかっていた最高速1/2000秒の壁がやぶられたのである。ニコンFM2の登場は驚きと賞賛をもって迎えられた。
新開発のシャッター以外はおおむねニコンFMのものをそのまま流用しているが、部分的に変更した箇所もけっこう存在する。
仕様上の大きな違いの一つは、ファインダースクリーンが交換可能になった点だろう。これはニコンFEの項でも述べたが、レンズを外してマウント側から交換する形式を採用した。交換スクリーンはK型(スプリットマイクロマット)、B型(全面マット)、E型(格子線入り)の3種類が用意された。
ファインダー接眼部にストロボ用のレディライトが設けられたのも主要な変更点の一つだ。専用のストロボを装着したときにファインダー内でレディライトが確認できるという機能はニコンF2に組み込まれていたが、ニコンFEからはこれを中級機にも組み込んでおり、ニコンFM2にも適用したわけだ。そのための接点がホットシューに追加された。ただ電子制御シャッターではないのでストロボ同調速度に自動的に設定する機能は使えず、同調速度よりも速いシャッター速度に設定するとレディライトが点滅して警告する形式にとどまっている。
シャッターボタンは径が大きいものになり、押しやすくなったが、ケーブルレリーズはテーパーねじのもの専用になり、かぶせ式のものは使えなくなった。その他外観上では右手側前面に"FM2"のロゴが加わったり、セルフタイマーレバーの形状が変更されたりというところがFMとの差異である。
内部機構では、シャッターダイヤルとシャッターユニットとの連携がFMの糸と滑車からオーソドックスなベベルギア(傘歯車)を用いたものになり、露出計回路の実装もニコンFEと同様にペンタの屋根にFPCを配置したものになった。
ニコンFM2で最高速1/4000秒、ストロボ同調速度1/200秒を達成した後も高速化のための開発は進み、1984年のニコンNewFM2ではストロボ同調速度1/250秒を達成した。これはシャッター羽根の新しい材料の開発によるところが大きい。より軽くて強く、また低コストの材料を求めて様々な試みがなされている。このNewFM2でも当初はハニカムパターンのチタン製だったが、途中から軽合金性に変更されている。
ニコンNewFM2は、かなり長い間製造されたが、その一つの理由がマニュアル露出の露出計連動機だったということにあるだろう。写真学校などで絞りやシャッター速度などの概念を教えるのには、自動露出搭載のカメラより、各要素の役割を考えながら設定する露出計連動機の方が好都合だったのだ。
また、ニコンNewFM2はいくつかのバリエーションがあることでも知られている。ニコンF3のときと同様にチタンを外装に用いたNewFM2/Tが1993年に発売されており、さらに雑誌「ラピタ」とのコラボレーションで前面に「LAPITA」と彫刻したモデル、台湾向けに犬やドラゴンを彫刻したモデルなどが知られており、マニアやコレクターの標的となっている。
豊田堅二|プロフィール
1947年東京生まれ。30年余(株)ニコンに勤務し一眼レフの設計や電子画像関連の業務に従事した。その後日本大学芸術学部写真学科の非常勤講師として2021年まで教壇に立つ。現在の役職は日本写真学会 フェロー・監事、日本オプトメカトロニクス協会 協力委員、日本カメラ博物館「日本の歴史的カメラ」審査員。著書は「とよけん先生のカメラメカニズム講座(日本カメラ社)」、「ニコンファミリーの従姉妹たち(朝日ソノラマ)」など多数。
Vizrt社のTriCasterシリーズは、長年にわたり放送・映像制作業界において高い信頼を得てきた、オールインワン型のライブプロダクションシステムだ。このたびアスクが取り扱いを開始する「TriCaster Vizion」および「TriCaster Mini S」は、制作規模や用途に応じて選べる柔軟かつ高性能な映像制作ソリューションである。
この新製品は、テレビ局や大規模なライブ配信スタジオにおけるプロフェッショナル仕様の映像制作はもちろんのこと、大学や専門学校など教育機関でのメディア実習用設備としても最適だとしている。また、企業イベントやIR情報を配信するための社内スタジオ構築にも活用できる。さらに、地方自治体や教育現場での遠隔配信・収録システムの構築、モバイル中継車やポータブルスタジオの設営といった用途にも対応する。
両モデルは、NDIによるIPベースの柔軟な映像入出力を可能にし、オンプレミス環境とクラウドサービスをシームレスに連携。リモートプロダクションや分散型ワークフローにも柔軟に対応することで、現代の多様な制作現場のニーズに応えるという。
韓国・ソウルでは、都市のあらゆる場所にLEDディスプレイが張り巡らされていると言っていい。とりわけCOEXモールやカンナム周辺では、地下鉄構内の壁面、ビルの外壁にいたるまで、視界の多くをLEDが占拠している。この現象は単なる流行ではなく、国家戦略と助成政策によって意図的に推進されてきたものである。
韓国政府は、LEDディスプレイ導入費用の最大50%を補助する制度を設けている。これにより、企業や自治体は大幅なコスト削減の恩恵を受け、LEDの導入が加速度的に進行した。特に「自由表示区域(サイネージ特区)」に指定されたCOEX周辺や北昌洞では、LEDが都市設計の中核的要素となっている。また、カンナムの「メディアポール」は第3世代へとさらに進化し、都市インフラの一部として定着している。
興味深いのは、これらのLEDが「韓国国内企業」の製品とされつつも、実際にはその多くが中国製であるという点だ。韓国企業は中国製パネルを輸入し、国内で最終組立を行うことで政府助成の条件を満たす。この仕組みにより、韓国LED市場が急成長を遂げている。
日本でもLEDディスプレイの需要は今後、街頭メディアやエンタメ領域を中心に高まることが予想される。ただし、韓国のような大胆な公的支援が実現するかは未知数だ。民間主導が前提となる中、都市計画との連携や、品質とコストのバランス、輸入部材の扱い方など、複合的な戦略構築が求められる。
現在、ディスプレイの分水嶺はおおよそ5〜60インチ。従来はLCDが使われていた駅や商業施設の柱巻き広告も、次々とLED化されている。柱全面を覆う大型LEDは、視認性・演出力ともに向上し、その存在感を強めている。これは日本のJR新宿駅や秋葉原駅でも同様の傾向が見られる。
たとえば100インチクラスの表示では、LCD9面での構成をまだ見かけることがあるが、LEDと比較するとベゼルが気になって仕方がない。LCDとLEDの価格差が縮まりゆく中で、適材適所での利用が着実に進んでいくだろう。
ここからは、今回の訪問で特に印象に残った4つの事例を以下に紹介しておく。それぞれに独自の課題や可能性があり、日本でも検討すべきヒントがある。
地下鉄通路に設置された歩行帯の矢印サインが、混雑状況に応じて動的に変化する仕組みになっていた。通勤ラッシュ時に、センシングによって制御されていると見られ、まるで高速道路の可変情報板のような運用。これはシンプルだが「センシングサイネージ」の好例といえる。
250mmや500mm角のLEDユニットを使ったディスプレイに、あえて一部のパネルを未設置のまま「穴」を作っている例が見られた。光と抜けの対比を使ったデザイン的手法とも解釈でき、未活用部分を意図的に演出に活かす柔軟性を感じた。
センイル広告とは韓国発祥の推し活文化で、ファンが推しのタレントの誕生日などにお祝い広告を出稿することだ。広告費はファンクラブやクラウドファンディングで集められることが多い。日本よりも広告費が安いので実現できている部分もある。
ただし、一部にはセンイル広告に擬態したマーケティングという事例もゼロではないようだ。日本でも事例があるのだが、その規模感がまるで違う。正確な統計データはないようだが、少なくとも5億円以上の市場規模である。深圳でもかなり目立ったセンイル広告が日本で根付くかどうかは、まだわからない。
観光案内用のタッチパネル式サイネージが歩道に設置されていたが、何台かがバイクに"駐車"されていた。これは物理的な筐体デザインや配置、周辺との関係性に「ここに停めてはいけない」という空気感を作れていない証左。コンテンツや意匠設計を含めたUX全体の再考が必要だ。
夜、ホテルの窓から見下ろした街を、LEDで全身ラッピングされたバスが3台連なって走っていった。電動バスをベースにした広告専用車両と思われる。以前日本でも検討されたが、当時はコストと蓄電池容量や重量の問題で実現にはいたらなかった。しかし、今や技術・インフラともに実用域に達しつつある。
LEDディスプレイは単なる映像表示機器ではなく、都市の魅力やブランドを構成する"第二の皮膚"とも言うべき存在になりつつある。ソウルの事例は、日本がこれからどのようにLEDと都市を結びつけていくかの参考資料として、多くの示唆を与えてくれる。
今年1月に訪問したときの記事はこちら。
YASHICA FX-Dは、古典的なフィルム写真の芸術と、現代のデジタル技術の利便性および柔軟性を融合させた革新的なデジタルカメラシリーズである。象徴的なYASHICA FX-3からインスピレーションを得たFX-Dシリーズは、ノスタルジックなフィルムの美学をデジタル写真にもたらし、フィルムスタイルの撮影と最先端のデジタル機能の両方を、洗練された多用途な一台のカメラで提供する。
多様なユーザー層に新たな撮影体験を提供する。例えば、旅行愛好家にとっては、旅先での思い出を鮮明なデジタル画像と温かみのあるフィルム調の両方で記録できる。また、ストリートフォトグラファーには、デジタルとフィルムモードをシームレスに移行できることで、ペースの速い都市の瞬間を捉えることを可能にする。
InstagramやYouTube、TikTokといったプラットフォームで独自の個性を発揮したいコンテンツクリエイターやインフルエンサーにとっても、最適な選択肢だとしている。さらに、家族の集まりや結婚式といったイベントでは、生き生きとしたデジタル記録と、ノスタルジックな雰囲気を持つフィルム調の写真の両方で残すことができる。
ハイブリッド撮影では、デジタル写真撮影とフィルムシミュレーションをシームレスに切り替え、ヴィンテージな美学を実現する。
本格的なフィルムシミュレーションとして、以下の6つを装備している。
フィルム巻き上げレバーは各ショットで「フィルムを巻き上げる」喜びを体験し、本物のアナログ感を提供する。Wi-FiとBluetoothに対応し、YASHICAアプリを介した即時の写真共有とリモートコントロールが可能だ。
USB-C充電を採用しており、使い捨て電池不要の、持続可能で手間のかからない充電を実現している。
何百枚もの画像を撮影して後で修正するのではなく、写真家が撮影前に速度を落とし、より観察し、熟考するよう促すことで、考え方の転換を促す。これにより、媒体との関係が深まり、技術的スキルと創造的ビジョンのより強固な基盤が構築されるとしている。
YASHICA FX-Dは、環境への配慮も大きな特徴として掲げている。使い捨てフィルムロールが不要となり、フィルム廃棄物の削減に貢献する。これは経済的なメリットだけでなく、従来のフィルム現像に不可欠だった有毒な化学物質の使用を完全に回避することで、水質や土壌汚染のリスクを大幅に低減する。このカメラを長期間使用すると、フィルム材料の繰り返しの製造と処理に関連する排出量が相殺されることになる。
イメージセンサー センサーモデル | ソニー IMX 458 |
有効解像度 | 13MP |
LCDディスプレイ サイズ | 2.8インチ 4:3比率 |
解像度 | 640x480 |
タッチスクリーン | 非搭載 |
輝度調整 | 高/中(デフォルト)/低 |
スクリーンセーバー時間設定 | オフ/1分/2分/3分 |
画面回転角度 | 0-180° |
レンズタイプ | 3倍光学ズームレンズ |
焦点距離 | 3.45mm~10.50mm(35mmフルフレーム換算:25mm~76mm) |
固定焦点距離 | 25mm、35mm、50mm、75mm(フルフレーム換算) |
絞り | F 1.6~2.8 |
フォーカス範囲 | ワイド:0.5m~∞、テレ:1m~∞ |
ズーム 光学ズーム | 3倍 |
デジタルズーム | 4倍 |
画像 写真比率 | 4:3/16:9 |
写真フォーマット | JPEG |
解像度 | 26M/13M(デフォルト)/8M |
動画フォーマット | MP4/H.264 |
動画解像度 | 4K(3840×2160):30fps 2.7K(2688×1512):60fps/30fps 1080P(1920×1080):120fps/60fps(デフォルト)/30fps 720P(1080×720):120fps/60fps/30fps |
イメージセンサー センサーサイズ | 1/1.56インチ |
センサータイプ | CMOS |
有効画素数 | 50MP(8192×6144) |
LCDディスプレイ サイズ | 2.8インチ 4:3比率 |
解像度 | 640×480 |
タッチスクリーン | 非搭載 |
輝度調整 | 高/標準/低 |
スクリーンセーバー時間設定 | オフ/1分/2分/3分 |
画面回転角度 | 0-180° |
レンズ オートフォーカス | 内蔵 |
焦点距離 | 5.68mm(フルフレーム換算:24mm) |
絞り | F1.8 |
レンズ径 | 49mm |
ズーム デジタルズーム | 2.5倍(クロップは適用不可) |
クロップモード | 24mm(50MP)/35mm(24MP)/50mm(12MP)/60mm(8MP) 撮影用4焦点距離(フルフレーム換算) |
O.I.S 光学式手ブレ補正 | 搭載 |
DAG HDR | 搭載 |
画像 アスペクト比 | 4:3/16:9 |
写真解像度 | 50MP(デフォルト)/24MP/12MP(ピクセルビニング) |
動画フォーマット | MPEG4 AVC/H.264(MOV) |
動画解像度 | 4K(30fps)/2.7K(60fps)(30fps)/1080P(120fps)(デフォルト 60fps)(30fps)/720P(120fps)(60fps)(30fps) |
今回のアップデートにより、Stem Splitterや、Flashback Captureなどの新機能が強化され、ヒップホップやエレクトロニックミュージックの制作を新たなレベルへと引き上げるとしている。
革新的なStem Splitter機能は、さらに優れた音の忠実度を実現するほか、ギターとピアノをステムに分離できる。Flashback Captureを使うと、感動的なパフォーマンスを録音し忘れた場合でも、それを取得して復元可能だ。また、Dancefloor Rushなどのエネルギッシュな新しいサウンドパックにより、ビートメーカーは新たなループやキットを使って、次のトラックを盛り上げることができる。
アップデートされたStem Splitterでは、古い録音やデモからより詳細な部分を抽出できるほか、ギターとピアノのステムへの対応が加わる。プロデューサーはプリセットを使って、アカペラ、楽器、ボーカルと楽器など、一般的なステムのバリエーションを簡単に選択できる。さらに、新しいサブミックス機能により、例えばボーカルを削除して楽器のトラックを作成したり、カスタムのリミックスのためにドラムとベースを抜き出したりと、オーディオの好きな部分だけを簡単に書き出すことができる。
Flashback Captureを使うと、アーティストは心に残るパフォーマンスを録音し忘れた場合でも、それを取り戻すことができる。ユーザーはキーコマンドまたはカスタムのコントロールバーボタンを使って、MIDIやオーディオのパフォーマンスをすぐに復元できる。サイクルモードを有効にすると、ミュージシャンは複数のテイクを即興で行うことができ、Flashback Captureがそれぞれのパスをテイクフォルダに自動でまとめる。
Logic Proに音楽制作を強化する新しいサウンドパックが加わる。MacとiPadのための最新のサウンドパックであるDancefloor Rushは、エキスパートが手がけたドラムアンドベースサウンドの世界を特徴とし、400を超えるダイナミックなループや力強いドラムキット、カスタムのLive Loopsグリッドを備える。
また、今回のアップデートでは、MacのためのLogic Proに2つの新しいサウンドパック、Magnetic ImperfectionsとTosin Abasiも導入される。Magnetic Imperfectionsは、アナログテープの加工されていない荒削りな特徴を捉えた独自の質感をもたらし、一方Tosin Abasiサウンドパックは、ブティックアンプやユニークなエフェクト、独特のピッキングテクニック、そしてこのアーティストの特徴的なリフにより、プログレッシブメタルのギターの魅力を発揮する。
Learn MIDIがiPadで利用可能になり、ユーザーはコントロールを自分で管理できるようになる。MIDIデバイスの好きなノブやフェーダー、ボタンを簡単に割り当てて、プラグイン、音源、その他のLogic Pro内の自動化可能なパラメータをコントロールできる。Learn MIDIの直感的なインターフェイスとリアルタイムの視覚的フィードバックにより、ユーザーはすばやくカスタムの割り当てを作成したり、利用可能なコントロールを確認することができ、制作フローが途切れることがない。
Apple Intelligenceによる作文ツールが、ノートパッドに組み込まれる。ユーザーが文をより表現豊かにしたい時や書き直しの手助けが必要な時、さらには曲の歌詞などを直接その場で共同作業したい時、さらに柔軟に、自在に文章を作成できるようになるという。
新しい検索および選択の機能を使って規模の大きなプロジェクトを管理することができ、トラック名やトラック番号でトラックを簡単に見つけて選択が可能だ。
主なアップデートの内容は以下の通り。