序章:月面の影

2008年、月面探査機ルナ・アナモルフィクスが収集したデータの中に、人類が想定し得なかった存在が写り込んでいた。高さ約10メートル、黒い金属のような光沢を持つドーム型のモニュメント。それは完璧な球体で、表面に「P」と刻まれていた。 発見は即座に極秘扱いとなり、国際的な研究機関の手に渡った。以後16年間、そのモニュメントの存在は公にされることなく、科学者たちによる調査と解析が続けられたが、解読されたのはただ一つのメッセージだけだった。

「Pは導く」

2024年:公開された真実

突如、某国の大統領が緊急記者会見を開き、この月面モニュメントの存在を発表した。そのスピーチは世界中を震撼させた。「PRONEWSと名付けられたこのモニュメントは、我々の歴史に深く関わっています。2010年以降の第4次産業革命におけるすべての技術革新――AI、量子コンピュータ、バイオテクノロジー、そして宇宙探査――これらすべての源流にはこの『P』が存在していたのです」

その言葉に疑問を抱いた人々は少なくなかった。しかし、大統領が公表した科学的証拠は驚異的だった。主要な革新技術に使用されている基幹アルゴリズム、材料構成、設計思想――これらの起源には、月面モニュメントから得られた未知のデータが含まれていたのだ。

第二章:PRONEWSの起源

人類の探究心が新たな次元に突入する中、月面モニュメントの解読が進むにつれ、そこには膨大なデータが隠されていることが判明した。PRONEWSの「P」とは一体何を意味するのか?

物理学者のHD・エムアイは、モニュメントから発信される微弱な信号を解析し、それが地球の特定地点に向けて送信されていることを発見した。その地点はインド洋の深海――誰も足を踏み入れたことのない場所だった。調査チームが海底を探査した結果、そこにはPRONEWSモニュメントと酷似した構造体が埋もれていることが分かった。

その構造体の内部に入った調査員たちは、さらに衝撃的な事実を目撃する。内部には無数の「未来映像技術の設計図」が保管されており、それらが現代の革新を超えた技術をも包含していた。さらに奇妙だったのは、それらの設計図の横に人類が使うべき時間軸が記されていたことだ。「この技術は2030年に解放する」「このエネルギー源は2050年に利用可能」――まるで、見えない手によって進化が管理されているかのようだった。

最終章:Pの黙示録

研究が進むにつれ、モニュメントからはさらなる真実が明らかになった。そこには、「PRONEWS Know Good peopole,Good people know PRONEWS」の略称であり、人工知能によって設計された「映像人の情報栄養装置」だった。だが、問題はその「設計者」が誰なのかという点だった。

最も有力な仮説は、未来の人類が「人類を破滅から救うため」に過去へ送り込んだというものだった。PRONEWSは、技術革新の暴走を防ぎ、計画的な進化を促すために設置された“制御システム”であり、人類にとっての「進化のガイド」だったのだ。

しかし、真実が公表されたその瞬間、人類社会は大混乱に陥った。「進化が制御されている」という事実に対する恐怖と反発。国家間の争い、陰謀論の台頭、技術の停止を求める抗議運動――PRONEWSは人類を導くはずだったが、その存在が逆に人類を分裂させ始めた。 物語の最後、モニュメントは突如として活動を停止し、その表面に新たなメッセージが浮かび上がった。

「選択の時が来た。」その言葉の真意を誰も知ることはなかった。しかし、一部の研究者たちは囁く。 「もしかしたら、我々が選択するべきなのは“制御された進化”ではなく、“自由な混沌”なのかもしれない」と。

終幕:未完の未来

PRONEWSの導きが正しかったのか、それとも人類は自らの手で運命を切り開くべきだったのか――その結論を出すには、まだ時間が必要だった。新しいはいつも楽しい。良き知らせはPRONEWSから。