映像業界最大規模の放送機器展、2009 NAB Showが開幕!

制作ワークフローの効率的な運用方法を見出せるか – 迷いのない選択を見つけることができるのだろうか?

2009 NAB Show(全米放送機器展、主催・全米放送事業者協会(National Association of Broadcasters)が、18日(現地時間)から米ラスベガスで今年も始まった。昨年後半からの世界同時不況の影響を受けて、出展規模を縮小したり出展を取り止める会社もあり、日本からの広報・マーケティングの担当者の出張も少なくなっているようだ。日本からのツアー客も、例年に比べてかなり減っているとの話も聞いている。

こうした状況下、NABの報告によると昨年よりも出展社数は増えているとの姿勢を崩していない。しかし、今年からカンファレンスデーの開催を昨年の7日間を取りやめ、例年通り6日間に戻したことからみても、例年のような出展規模となってはいないはずだ。もし、例年以上に出展があるとするならば、1小間~数小間の小規模ブースが増えているということになりそうだ。

実際、本日のプレス発表を行うOmneon Video Networks社、Grass Valley社など例年ナイトクラブを貸切り、大きなイベントを行うのだが、今年はこじんまりとした会場で開催された。

さて、20日から始まるエキシビションは、数年振りに会場内の様子が大きく変わるだろう。現在のラスベガス・コンベンションセンターのサウスホールが竣工してサンズEXPOセンターの第2会場を使用しなくなって以来初めて、大幅なブース位置の入れ替えが行われている。継続的に参加している人にとっては、ブース位置を把握するまで多少違和感をおぼえるかもしれない。革新は痛みと新しい発見をもたらしてくれる。初めての、そして常連参加者にも記念すべきNABとなるだろうと確信する。

出展規模やツアー参加者数に見るまでもなく、今年のテーマだが、「制作効率化」にフォーカスされるだろう。クオリティを維持しながらも制作時間の短縮を図ることだけでも、ワークフローの改善はなされていく。昨年、専用ハードウェアやGPUコンピューティングを使用することで、AVCHDなどのエンコード処理の改善が行われ始めた。CPUのマルチコア化、クロックアップによる速度改善は、新しいPCへのリプレイスを考えなければならないが、専用ハードウェアやGPUコンピューティングの活用は、既存のPCに追加できる可能性もある。その場合は、本体のリプレイスによる各種ソフトウェアの再インストールに時間をとられることもなく、処理能力は大幅に改善が可能になる。

不況の時が苦しいのはメーカーもユーザーも同じ。ただ手をこまねくのでない。肥大化した部分が取り除かれ、こういう正直な空気感だからこそ、地味ではあるが確実にワークフローを改善できる製品にスポットライトが当たるだろう。今年は、小さいブースながら、確実に光る原石を見つけてみたいと思う。

プレス発表

Grass Valley 緑の巨人「It’s Gotta Be A Grass!」

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Glass Valleyは4月18日、ラスベガス市内のEncoreホテルでプレスカンファレンスを開催した。昨年は親会社のThomsonブランドでの出展でとなったが、今年に入ってThomsonはGrass Valley部門を売却に踏み切った。今回のNABでは、Grass Valleyとして出展している。プレスカンファレンスで配布されたリーフレットには、「It’s Gotta Be A Grass!」と銘打たれている。これは、Thomsonの赤いカラーではなく、Grass Valleyのコーポレートカラーであり、緑色に戻ることを意味している。「It’s Gotta Be A Grass!」とは、いつわらざるを得ない本音だろう。製品の発表以上に伝えたいことなのかもしれない。

Grass Valley K2ワークグループサーバがFinal Cut Studioの統合環境を実現

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Grass Valleyは、K2ワークグループサーバとAppleのFinal Cut Studioとのインテグレーションを発表した。これまで、QuantelやAutodeskが、Final Cut Proとの連携を強化してきたが、Grass Valleyも連携強化に踏み切った。K2のクリップやサブクリップ用のQuickTimeのリファレンスファイルをサポートし、アップルのXsanを使用してファイバーチャネルやiSCSIを通じてK2と接続できるようにする。Final Cut Proでは、K2クリップをK2ストレージから、転送やトランスコードをすることなく、ダイレクトに扱って編集をすることも可能になる。

Omneon Video Networks 新製品Omneon MediaDeck GXを発表

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Omneon Video Networksは、メディアサーバの新製品Omneon MediaDeck GXを発表した。2chのDVEやトランジション効果、ライブやキー/フィルに対応したDSKや、ロゴ・アニメーションや番組予告などの静止画/アニメーション再生が可能な、グラフィック・オンエア統合型製品となっている。メディアストレージ、システム管理、ギガビットイーサネット接続、SD/HDの映像入出力モジュールと専用ブランディングモジュールを2Uラックサイズで実現した。専用ブランディングモジュールは、3chのSD/HD入力、1chのキー入力、デュアルチャンネル構成で2chのプログラムとプレビューが可能。Omneonは、これまでの放送用システムで培った技術を使用して、より広い市場で活用できる業務用システムにも力を入れ始めたと言える。