3日目が終了した。よい意味でも悪い意味でも今回はいろいろと気づきの多いNAB showだった。本日暫定ではあるが、NAB Show主催者の全米放送事業者協会から、今年の参加人数の速報値が発表された。登録入場者数83,842人(うち外国人登録者23,232人)。これは、2000年以降の10年間で最少の人数だ。しかし、外国人登録者に目を向けてみると、意外な事実も浮かび上がってくる。確かに外国人も減ってはいるのだが、2000年以降では7番目だ。外国人の注目度は大きくは変化していないようだ。

日本からの参加者に目を向けると、各社NABツアーの参加人数も例年の半分以下、1/5になったところもあると聞く。おそらく、日本人参加者だけで千数百人以上も減ってしまっているのではないだろうか。それほど、会場内で日本人マーケティング担当者や広報担当者に会う機会も少なく、日本人の来場者とすれ違う機会も少なかった。今回の人数に、日本人参加者減少分をざっくり1,000人と見積もって加えたとしても、全体の過去最低は動かない。しかし、外国人登録者では過去5番目に浮上する。これは、必要以上に日本市場が冷え込み過ぎているということを表してはいるのではないだろうか。

全体から考えてみてもアメリカ内の参加者数は、肥大しすぎたものが、経済、情報など様々な要素によりそぎ落とされ、スケールメリットに合う適切な数ではないかと思われる。必要な情報は、開催以前に多くは告知される。必然的に情報のみ知りたい参加者はそれだけでも良いのかもしれない。

NABは、展示会の参加が中心となるが、元来展示会は、セッションがメインで、それに付随するように展示会もある。600以上のセッションには興味深いものも多く、魅力的だ。翻訳サービスがほとんどないので、言葉が障害となる海外からの参加者は、足が伸びないのかもしれない。PRONEWSではその状況を伝えるべく、今回はセッションレポートにも少し触れているので参考にしてもらいたい。

出展者が出ないところに来場者は訪れない。来場者が来ないところに出展者は出て行かない。このニワトリとタマゴの方程式を、もう一度考え直す時期に来ているようだ。

しかし、やみくもに右肩上がりに人数が増えることが良しとされるわけではない。煩雑な情報がネットワークにより整理され、参加者が気軽に参加できる環境が整うことや、リアルの場に参加しないと得がたいものもあるのは事実である。副次的な情報よりもやはり自分の目で見て経験することが一番である事は言うまでもないが。

NAB Show入場者数(カッコ内は外国人登録者)…※速報値
2000年 115,293人(26,658人)
2001年 113,363人(29,632人)
2002年 92,356人(22,487人)
2003年 88,020人(18,942人)
2004年 97,544人(22,320人)
2005年 104,427人(23,401人)
2006年 105,046人(25,537人)
2007年 111,028人(27,000人以上)
2008年 105,259人(28,310人)
2009年 83,842人(23,232人)