2011年7月24日、現行の地上アナログテレビジョン放送は電波の送信を停止し、地上波デジタルテレビジョン(地デジ)のみとなる。
総務省は5月7日に全国での地デジの認知度を発表した。アナログ停止については98%(昨年は92%)の人が知っているが10%の人(昨年は35%)がその停止時期を知らないという。地デジ受信機(内蔵TV、DVR、PC、STB)の世帯普及率は60.7%(昨年は43.7%)であった。これから地デジ対応としようとしている世帯(約40%)のおよそ6割が地デジ受信機をアナログ停止時までに購入する予定という。
CATVのデジタルSTB(Set-Top Box)台数(累計)は670万台(2009年3月)(2008年3月は520万台)である。ざっとCATV加入者の3分の1の普及である。
地デジの再送信用ヘッドエンド(OFDMシグナルプロセッサー)への取替や、伝送用中継増幅器、普及型のSTBが望まれる。
従来の同軸ケーブルをそのまま利用する、共同受信設備用サーマルAGC770MHz増幅器が昨年に引き続いて宮崎電線工業によって展示されていた。
アナログTV受信機をそのまま使用して地デジを見るためにデジタルSTB(または地デジTVチューナー)が必要である。たとえばデータ放送受信機能、番組表示機能などはなくとも価格の安い普及型のチューナーが望まれる(マスプロDT620地上波チューナー)。
また、緊急避難的措置としてCATV事業者が地デジをアナログ方式に変換して期限付きで流すことも考えられ、この7月から受注を開始するというメーカーもある。
地デジの不感地帯にはギャップフィラーを設置する
地上波デジタルテレビジョン(地デジ)は反射波による受信障害は解消されるが、建物や地形による遮蔽受信障害は解消されない。こうした局所的受信障害を解決するのがギャップフィラーだ。受信状況のよい場所で電波を受信し、等化・増幅し、局所的不感地帯に再放射またはケーブルで分配するものである。もちろんホームパスト内ならばケーブルテレビに加入していただくことによって受信障害を回避出来ることはいうまでもない。