2時間という枠に映像トレンドをちりばめてみると…
Bコースは、放送、TV制作、CM、映画、PV、ブライダルなどジャンルを越えて映像制作テクノロジーの現状を短時間で垣間みるコース。大手メーカーブースを中心に、アナログ停波を来年に控えた今年、いま知っておきたい最新情報を網羅。また今後のトレンドとなるであろう、新コンセプトを持った新たな製品群も数多く出品されるので、少し先の世界を知っておくことに重点を置いたコースとなっている。
放送局基準の最新情報をはじめ、ライブストリームなどのIPTV関連製品、テープレス/新フォーマットの最新トレンド、世界標準の先端テクノロジー、DSLRムービーなどの現行トレンド製品群など、このコースを巡ることで、一通りいまの映像制作界がどうなっているか、そしてこれからの方向性が見えてくるだろう。
1 | ローランド (ブース#4601/5104) V-1600HD他 |
| IPTVサイズのソリューションに適した製品を送り出している同社では、今年も多くの新製品が展示される模様。ほぼ全ての入出力を備えた新製品のオールインワン・マルチビデオスイッチャーV-1600HDを始めとして、同社のREAC機器と、他社製品のMADIとの互換性を可能にするコンバータの新製品S-MADI、またマルチカメラのスイッチングを省スペースで可能にする、マルチビューワー/スイッチャーの新製品MVS-15などを中心に、映像/音響/ITなどの垣根を越えた、次世代の映像制作プラットフォームに向けたソリューション機器を展示。 |
2 | ソニー/ソニービジネスソリューション (ブース#6311) PMW-500など |
| やはり押さえておくべき要であるソニー。ソニービジネスソリューションという新体制になってから初の大規模展示となる。効率化とともに品質を落とさないというテーマで、放送局向けの統合ソリューション『メディアバックボーン』などを中心に展開。XDCAMとXDCAM EXが融合した4:2:2 50Mbps対応のメモリーカムコーダーPMW-500などの新製品を展示。さらにHDCAM SRの新たな展開としてファイルベースのSStPによる新展開、また来春以降に登場する35mmアフォーダブルカメラ、2眼式ショルダータイプ3Dカメラなどの業務用カメラ新製品にも注目。 |
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ブラックマジックデザイン
(ブース#6417)
Resolve for Macなど |
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今年になって世界各国の展示会でブース面積を大きく拡大して来た同社。このInterBEEでも大手企業と並ぶ面積で出展。カラーコレクションシステムのDaVinciに続き、スイッチャーメーカーの老舗EchoLab(エコラボ)を買収し製品ラインナップの拡大を図る同社は、早速、自社ブランドとしてのプロダクションスイッチャー『ATEM 2M/Eスイッチャー』『ATEM 1M/Eプロダクションスイッチャー』などを日本初展示予定。その他、各種ミニコンバーターシリーズも製品群を拡大、また従来からの普及製品DeckLink HD Extremeなどのビデオボード製品群も3D対応するなど、随所の進化に目が離せない。さらにビデオハブ、注目のカラーコレクションシステム『Resolve for Mac』など多彩な内容を展開。
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4 | パナソニック (ブース#7210) AG-AF105 |
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注目は9月のIBC2010で正式発表されたマイクロフォーサーズレンズ交換式カメラ『AG-AF100』シリーズ。国内型番はAG-AF105。4/3レンズ以外にマウント変換で多彩なレンズを利用でき、DSLR的な被写界深度を得られることが売りだが、これまでの同社P2カムコーダーで培ってきたバリアブルフレーム(VFR)対応など、メモリー記録式デジタルビデオカメラの利点も多く活かされている。またこのAG-AF100からはVFRも1080/収録に対応、1080フルHDでのバリアブルフレームレート収録を20段階の設定から収録可能。またハンドルやグリップも脱着可能で、様々な撮影現場にフレキシブルに対応できる。その他2眼式コンパクト3Dカメラ『AG-3DA1』や、P2HD、AVCCAMのラインナップなどファイルベースカメラ、スイッチャーなどの豊富なラインナップに注目。
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トムソン・カノープス
(ブース#7415)
EDIUS 6 |
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10月下旬に発売のNLEソフトウエアの新バージョン『EDIUS 6』を中心とした展示。10bit対応コーデックHQXを搭載し、リアルタイム性能の高速化を主軸に、自由なプロジェクト設定、3D/2D対応のレイアウターなど表現の為の新機能や、マルチカム編集モードなどのプロ仕様機能の強化など、108の新機能追加がなされた。また放送局向けの強化バージョン『EDIUS 6 Broadcast』もターンキーシステムなどで展示予定。その他、高画質でアップダウンコンバートを行う新しいコンパクトコンバーター製品群『ADVC Gシリーズ』なども展示。
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6 | キヤノン/キヤノンマーケティングジャパン (ブース#8411) EOS 5D markⅡ |
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主要展示となる放送用、業務用レンズでは、昨年技術展示されて話題を呼んだ、世界初の防振機能付きHDポータブルズームレンズ HJ15e×8.5Bが製品版として初出展。またワイヤレスレンズコントロールボックスWB-10T/WB-10Rなども展示予定。またDSLRムービーの火付け役EOS 5D markⅡを筆頭に、EOS MOVIE関連を強化し、新製品60Dを中心とした展示を展開。さらにビデオカメラ製品では、この春に発表されたMPEG2 4:2:2 50Mbpsで収録可能な『XF305/300』や新製品なども出展予定。 |
| いよいよAJA Video Systems社の新製品『KiPro mini』が日本初登場。KiProの機能そのままに、頑丈なエアクラフトアルミ製で筐体を小型化しカメラ等への取り付けを容易に。CFカード2スロットを装備し、コンパクトフラッシュを使用しての10bit 4:2:2 フル解像度のApple ProRes 422収録が可能。ライン/マイクレベルを選択可能なスイッチを持つ2ch.バランスドXLRオーディオ端子を搭載、SDI、HDMI経由で8ch.のエンベデッドデジタルオーディオ対応。その他の新製品では、2系統の3G-SDI入力を様々な方式の3Dフォーマットに結合し、HDMI 1.4aやSDI入力を持つ3DモニターやプロジェクターシステムでS3Dプレビューするための新しいコンバータ「Hi5-3D」も展示予定。 |
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テクノロジー・ジョイント
(ブース#8504)
cinedeckEXTREME |
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ASSIMILATE社のクリエイティブポストプロダクションのための統合されたリアルタイムかつ解像度に依存しない DI ワークフローソリューション、SCRATCH を取り扱う同社。今回はRED ONEカメラ素材のリアルタイムインジェストやコンフォーム、デリバリー、出力で必要となるツールを全て網羅した新製品、ROCKET FUEL バンドルを発表。安価でNvidia Quadro FX3800 SDIボードとREDのRED Rocket カード、ASSIMILATEのSCRATCH CINE 4K ポストワークフローがバンドルされる。またこの夏より取り扱いを開始した、カメラからインジェスト録画・カメラモニタリング・プレビューできるポータブル型デュアルリンク入力仕様のディスクレコーダーCinedeck EXTREMEも展示予定。2K、非圧縮HD、3D映像入出力、HD-SDI/SDI/HDMI入出力に対応。また最新バージョンではAppleのProRes422、Avidの DNxHDコーデックをサポート。 |
9 | ナックイメージテクノロジー (ブース#8207) ALEXA PLUS |
| 4月に発表され、世界の映画界から注目を浴びるARRIのファイルベース・デジタルシネマカメラ『ALEXA』は、早くもバージョンアップ版の『ALEXA PLUS』を発表。収録メディアにソニーS×Sカード、記録方式はARRI RAWとProRes422という、新たなコンセプトのデジタルシネマカメラとして世界から注目され、現在来春3月までバックオーダー待ちという人気ぶりだ。『ALEXA Plus』は、標準感度800、感度設定160〜1600、さらに新機能として、WiFi経由でのカメラ設定が可能になりケーブルなしの運用ができる。iPad/iPhoneからの設定も可能になった。
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10 | IPTV・モバイルTVクロスメディアゾーン (ブース#7001〜8103)
IPTV/モバイルTV
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| 全面地デジ化以降の映像メディアコンテンツの重要なデリバリー手段となるIPTV、モバイルTVなどの新たなメディアテクノロジーを一挙に展示。放送と通信が融和していくであろう、地デジ時代の新たな映像文化創造と、次世代映像テクノロジーの訴求への足がかりとなる技術展示に期待したい。また次世代の映像コンテンツ制作をどう考えるかのヒントも探求したいコーナーだ。
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