InterBEEにおける今年のソニーのテーマは、ワークフロー×クォリティで、XDCAMラインナップによるファイルベースワークフローソリューションの加速、SRなどによるハイクォリティコンテンツ制作の追及、3D制作ソリューションの進化・拡大を総合的に図るとしている。
「PMW-F3」シリーズ
ソニーのブースで注目を浴びていたのがデジタルシネマカムコーダーの「PMW-F3」シリーズだ。16:9で35mm相当の”Exmor”と呼ばれるCMOSイメージセンサーを搭載し、映画用35mmフィルムカメラレンズ用で主流のマウントであるPLマウントレンズに対応。被界深度が非常に浅い絵を撮れる。記録フォーマットは従来のXDCAM EXシリーズと共通なので、後の編集などは従来のEXシリーズと同じワークフローで実現できる。レンズマウントはPLマウントに対応。各社から発売されている一般的なPLマウントレンズにも対応する。本体のみの「PMW-F3L」と35mm、50mm、85mmの単焦点レンズが付属する「PMW-F3K」が発売される。
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付属レンズの35mm F2 |
付属レンズの85mm F2 |
EマウントのNXCAM参考出展
注目は、InterBEE初日の17日に発表されたNXCAM HDカムコーダーがある。このカメラは、スーパー35mmサイズのCMOSイメージセンサーを採用しており、レンズマウントはEマウントとなっている。1080/60p/30p/24p記録に対応、マウントはEマウントという情報以外なにもなく、発売と価格だけは決まっている。VG10はデジタル一眼をビデオカメラスタイルにしたイメージだが、VG10を業務用のビデオカメラとしてブラッシュアップしたカメラといえそうだ。
まだコンセプトイメージとしてのモックアップの状態で、型番もなく商品化は2011年上半期としているが、記録フォーマットはAVCHD、60万円前後の価格で発売を予定している。イメージ的にはVG10を業務用にブラッシュしたような感じだ。
「MPE-200」&「MPES-2D3D1」
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マルチイメージプロセッサの「MPE-200」と、2D制作された素材を自動的にリアルタイムに3Dへ変換する2D/3Dコンバーターソフトウェア「MPES-2D3D1」を組み合わせて、2Dの画像素材を簡単かつ自動で3Dに変換するデモが行われていた。入力にHDの2Dの信号を入力すれば、デュアルストリームのHD-SDIで3D出力ができる。非常に簡単にほぼ自動的に2Dから3Dに変換することが可能というシステムだ。
ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」ですでに使われている2D-3D変換モードとほぼ同じ技術を使用している。この技術はフォーカスが合っているポイントを手前、フォーカスが合っていないポイントを後ろに持っていくというアルゴリズムに加え、制作用として、被写界深度のパラメータの調節などが可能になっている。
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上の機材が3D映像を2台のカメラで撮影する際に生じる映像のずれを調整するマルチイメージプロセッサ「MPE-200」 |
パラメータ設定用PCで被写界深度の設定などが可能。今後は「MPE-200」上で動作するいくつか新しいソフトウェアを考えていているとのこと |
「XDCAM」プロフェッショナルメディアステーション
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今まではXDCAMのレコーダーはディスクのみやメモリカードのみのモデルだけであった。今回発表された「XDCAM」プロフェッショナルメディアステーションは、新開発のDCHS Professional DiscとSxSメモリーカードスロットの両方扱えるようになったのが特徴だ。
内蔵ストレージとしてハードディスクやSSDを搭載しており、記録しながら追っかけ再生ほか、XDCAM Stationを送出デバイスとしてサーバーライクな運用が可能になった。モデルによってハードディスクは1TBかSSDの500GBを搭載する。
3つのモデルがラインナップされており、下位モデルの「XDS-1000」はDCHS Professional Discドライブを搭載していない。内蔵のハードディスクとSxSメモリカードのみで発売は2011年3月を予定している。ミドルモデルの「XDS-1000」は、内蔵ストレージがハードディスクでDCHS Professional DiscドライブとSxSメモリカード スロットを搭載している。最上位モデルの「XDS-PD2000」は、内蔵ストレージがSSDでDCHS Professional DiscドライブとSxSメモリカード スロッを搭載している。「XDS-PD1000」と「XDS-PD2000」は2011年夏ぐらいの発売を予定している。
その他の展示
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