マイクロフォーサーズのAG-AF105が注目

Evolving Panasonic AVC World〜Professional 3D ideas〜をテーマに3D、P2HD、AVCCAMの3つプロダクトラインを中心に出展を展開するパナソニックだが、新製品としてはマイクロフォーサーズのAG-AF105のほか、すでに発売となった一体型3DカメラAG-3DA1やコンパクトライブスイッチャーAW-HS50などで、大物の新製品は見当たらなかった。

最近のパナソニックの新製品発表のタイミングはNABやIBCといった海外の展示会へ軸足を移しているようで、売れるところへ売れる商品を投入するという商人として至極真っ当な行きかたを踏襲しているように見える。

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一体型二眼式3DカメラレコーダーAG-3DA1。レンズ部分が特殊な形状にもかかわらずマットボックスやワイコンなどの周辺機器が発売されている

3Dはすでに成熟期に入ったといえ、リグを使った撮影スタイルだけでなくもっと小回りの利くAG-3DA1のようなカメラが求められるようになってきている。先鞭をきったカメラだけ合って2眼という今までにない特殊な構造にもかかわらず、対応したワイコンやマットボックスといった実際の撮影に必要な周辺機器の充実が図られている。また、3Dによるマルチカメラ収録やライブスイッチャーとして手ごろなAG-HMX100は3D専用というわけではなく使い回しが利くスイッチャーとしてもっと注目されてもいい製品だと思う。

マイクロフォーサーズ採用のビデオカメラAG-AF105。ZEISSのCompact Primeのほか安価なデジタル一眼用のレンズなど様々なレンズを装着できる

大判センサーを採用したビデオカメラはトレンドともいえるのだが、マイクロフォーサーズ採用のビデオカメラAG-AF105は、ブース裏側のあまり目立たない位置にあった。パナソニックも例年より小ぶりのブースになったことからレイアウト的にこのような配置になったのだろうか。そうは言っても注目されるカメラだけあって順番待ちになっていた。

マイクロフォーサーズを採用していることからすでにレンズアダプターなど市場に出回っているものもあり、装着可能なレンズはかなりの数にのぼる。展示もZEISSのCompact PrimeのほかPLマウントレンズやあおりができるアクセサリーなどバラエティに富んでおり、それらを一つ一つ触っているとあっという間に時間が過ぎてしまうから不思議だ。パナソニックは、こうした周辺機器メーカーとの共同戦略が非常にうまい会社で、PLマウントのレンズまで用意してしまうソニーとは対照的だ。

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3D対応のデジタルAVミキサーAG-HMX100。オーディオミキサーなども一体となっており、往年の名機MX90などの流れを汲むデザインだ

コンパクトライブスイッチャーAW-HS50。リモコンカメラAW-HE50Sとの組み合わせ、HD/SD-SDI入力を4系統とDVI-Dを1系統、簡単なライブスイッチャーとしても使える