展示会場内でイスラエルの国旗や企業のロゴマークでひときわ目立っていたのが「イスラエル・ニューメディア」のブースだ。イスラエルの先端技術をもったメーカー24社を日本の企業に紹介することを目的とした展示ブースで、イスラエル輸出国際協力機構の協力でイスラエル大使館が出展したものだ。
イスラエルの24社のいずれかに興味があるなら各企業の代表者と直接話ができたり、出展各社によるプレゼンテーションや会社案内を聞く場が設けられていた。また、展示会の2階のプロセミアムデッキにはB2Bミーティングができる場が設けられており、盛んにイスラエルと日本の企業による打ち合わせが行われていた。
イスラエル・ニューメディアは、今回のInter BEEが初出展。最終日に日本企業の反応や初出展の感想をイスラエル輸出国際協力機構のMichael Admon氏とイスラエル大使館の経済部 経済公使Eitan Kuperstoch氏に聞いてみた。
―まず今回出展された目的をお聞かせください。
Michael Admon氏:2つありまして、1つはイスラエルの技術を日本の大きなメーカーさんにご紹介をすること。もう1つは、一般の消費者を含めた日本の市場に対してイスラエルは技術を持っていることを紹介すること。この2つが大きな目的になります。
―イスラエルの企業の特徴を教えてください。
Michael Admon氏:日本の会社と大きく違うのは、イスラエルの企業は本当に小さくて、小規模な会社ばかりです。たとえば、パナソニックやソニーとかそんな大きな企業はイスラエルにはありません。ただその反面、非常にフレキシビリティがありますので、いち早くお客様のニーズに合わせたものを実現することができます。また、それを支えるイスラエル人の独創性や個性といったものがマッチすることで、新しい産業というのを切り開いてきています。ちなみにここで紹介している企業は創業から5年以内の会社が中心です。
―24社はどういった企業が多いのでしょうか?
Michael Admon氏:ビデオストリーミングやブロードキャスティング関連のマネージメントソフトを作っているところ。IPTVソリューション、データセキュリティなどです。PointGrabは、ハンドジェスチャー認識ソフトウェイで画像を動かす会社です。Playfectはビラオゲームイクセサリーの会社で、Xbox360などにすでに使われています。ブース名に「ニューメディア」という名称ををつけましたが、そういう意味では幅広い会社がきています。
―今回出展されてみて、反応はいかがでしたでしょうか?
Michael Admon氏:大手メーカーさんのいくつかとはセミナーをさせていただきました。そのときに強く感じたのは、かつては日本は自分たちだけで技術をホールドするような形で、外に出さない。または、外の技術を取り入れませんでした。それがマーケットがグローバル化した影響かもしれませんが、外からいろいろない技術を入れて自分たちの製品化を早めようという変化があるように感じました。それがイスラエルの企業にとっても、大きな近道になるというふうにも考えています。
―今回が初めて出展ですが、今後継続を考えていますか?
Michael Admon氏:これを契機に継続していくということが力になります。来年も続けていきたいと思っています。
インタビュー後の雑談の中でも予想以上にB to Bの話の機会が設けられて、日本での展開のきっかけとなるような話もあったことを語っていた。今年の全出展者数824社のうち海外からの出展者数は、昨年を上回る478社。海外の小さい企業がInter BEEを機会に、日本で展開のきっかけの場になることをますます期待したいところだ。
イスラエル輸出国際協力機構の局長Michael Admon氏(左)とイスラエル大使館の経済部 経済公使Eitan Kuperstoch氏(右)