Adobeブースレポート
2年ぶりのメジャーリリースとなるCS6 における制作ツールとして、Premiere Pro CS6、After Effects CS6、Audition CS6、Encore CS6、Media Encoder CS6、Prelude CS6、SpeedGrade CS6といったビデオオーディオソフトが新しくなった。完全な64bit対応をうたうCS6は随所にブラッシュアップがおこなわれ、モニターパネルやマスターオーディオメーターパネル、プロジェクトパネル、マーカー、トリミング機能など新しいユーザーインターフェースの試みがなされている。また、XML, AAF, や OMFフォーマットのサポートの強化によりFinal Cut ProやAvidのソフトウェアとの相互運用性の向上やEncoreにおけるDVDやBlu-ray Discオーサリング機能強化、Adobe SpeedGrade(別売)による強力なカラーグレーディングワークフロー、Adobe Prelude(別売)との統合といったところが新たなソフトウェア上のアップグレードされた部分と言えそうだ。
ハード的な対応としては、AMD Radeon HD 6750MやRadeon HD 6770MグラフィックカードのサポートおよびNVIDIA Maximus デュアルGPU構成のサポートであろう。これにより、NVIDIA Maximusを搭載したワークステーションは、NVIDIA QuadroGPUのTesla並列処理能力の恩恵を受けることで驚異的パフォーマンス向上につながり、Ultra キーヤーや3Wayカラーコレクターやその他多くのエフェクトが高速化されるという。
ファイルベースでの作業が当たり前になりI/O系の必要性が低くなったとはいえ、キャプチャーはともかく出力関係の必要性は逆に高まっていると思う。Adobeは、新たにMercury Transmitにより、AJA, Black Magic Design, Bluefish444, Matrox, や MOTUといった I/O ハードウェアにMercury Transmitを対応させることで、更なる再生パフォーマンスの向上を図っている。アプリケーションとこうしたハードウエアとのインターフェースを最適化とある意味標準化が図られたようである。
さて、従来からAdebeは新たなファイルフォーマットへの対応に積極的で今回もARRI AlexaやRED DigitalのSCARLET-X、EPICのほかキヤノンのEOS C300をネイティブにサポートする。ARRI AlexaではHD(1920×1080p)と2K(2880×1680)、ARRIRAWファイルのサポートが、REDではSCARLET-XやEPICの5K解像度を含むRED R3DとRMDをネイティブでサポート。ソニーは、F65の映像素材をPremierePro CS6に取り込み、編集を可能とする再生ソフトウェア(DeBayer)を製品化し、F65RAW素材の高画質でのネイティブ編集や低解像度映像の編集を行えるようにする。さらに、XDCAMのメタデータワークフローXMPilot(エックスエムパイロット)を用意。撮影時のタイトルやコメント等の素材に対するテキスト情報以外に、プロキシAVデータという低解像度の映像・音声ファイルを映像収録時に生成するものでAdobe PreludeCS6の一機能として搭載。
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正式リリースに先立ちAdobe CS6 Production Premiumのパブリックデモを実施した
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MOTUブースなどサードパーティブースでCS6 Readyのロゴが掲げられていた
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