電気部品の展示会から発展したCEATEC
CEATECはアジア最大級のエレクトロニクス総合展示会となっており、幕張メッセの1~8ホールをフルに使用した大規模なイベントだ。ホールはキーテクノロジーステージ、ライフ&ソサエティステージ、スマートモビリティイノベーションの3つのステージに大まかに分かれているが、CEATECのルーツが電気部品の展示会から発展したこともあり、半導体や各種ディバイスを扱ったキーテクノロジーステージでの出展社が最も多い。
最近では産業の空洞化が顕著になり、以前は産業の米とも言われていた半導体も特定用途向けの機能ICやメモリーなど海外勢に押され気味とはいえ、センサーや実装部品、バッテリーやコンデンサーなどの最先端のディバイスやこうしたディバイスを組み合わせたアッセンブリーなど競争力のある分野も少なくない。
もちろん、こうしたディバイスなどは実際に製品となって初めてその価値が一般に認知されるわけで、パーツメーカーもディバイスとしての特徴だけでなく具体的に製品化したときのイメージをよりわかりやすくするために工夫している。
今年のCEATECでは、Smart Innovation―豊かな暮らしと社会の創造をテーマとしてネットワーク技術がつなげる豊かな暮らしや社会を提案する「ライフ&ソサエティステージ」、世界最先端の電子部品やディバイスが集結する「キーテクノロジステージ」にステージ名称を変更して開催することで、世の中のスマート化への動きを反映した展示としている。
多治見無線電機
多治見無線電機のコネクター。業務用機器や測定機器など信頼性や耐久性が要求される用途でよく使われている
※【お詫び】記事初出時、出展者様名を誤って掲載しておりました。お詫びして訂正させて頂きます。
マックエイト
マックエイトのプリント基板用端子。半導体など機能部品に目が行きがちだがこうした地味な部品も電子機器には有用なパーツだ
タムラ製作所
真空管アンプ用のトランス。国内ではとっくに製造中止になった真空管だがハイエンドのオーディオの世界ではいまだ現役だ
テクトロニクス
スペアナ統合オシロスコープMDO4000シリーズ。ロジックアナライザーの機能なども持っている最先端の測定機器
スペシャルヘルスケアプラザ
健康・医療機器やそれら機器と連携したサービスを紹介するコンティニュア・ヘルス・アライアンスが企画の特設コーナー
SHARP
シャープといえば液晶ディスプレーや太陽電池の分野で世界をリードしてきたが、こうした主力製品の不振により一時は海外からの買収の話もあったほど。CEATECではやはり液晶や太陽電池の技術や製品に関心が集まっていた
台湾企業協会ブース
台湾企業が集まった協会のブース。かつては日本も良いものを安く大量に製造することで国際的に認知されていたが、最近ではこうしたアジアの国々にその場を奪われつつある。今後日本は良品安価大量生産から脱皮してどのような方向に行くのだろうか。今回のCEATECはそうした節目にあたるような気がする。