キヤノンブースでは、CINEMA EOS SYSTEMを大きく取り上げていたほか、従来からの放送機器やデジタルビデオカメラ、デジタル一眼レフカメラなどの新製品を中心に出展。開発中の4Kディスプレイなどの最新の機材も展示した。カメラやレンズを実際に手にとって体験できるハンズオンコーナーやCINEMA EOS SYSTEMで撮影された映像の視聴のほか、毎年立ち見が出るほど大勢の参加者があるセミナーは正面に移り、広いスペースを占めていた。今年はブースの面積も最大級の広さになり、CINEMA EOS SYSTEMを始めとした同社の光学機器への力の入れようが感じられる展示であった。今回の新製品としてはCINEMA EOS SYSTEMのフラッグシップモデルといえるC500とエントリーモデルのC100のほか、ラインナップが充実したCINEMA EOS SYSTEMのPLマウントレンズやENG用ズームレンズ、リモコン雲台カメラなどがある。

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CINEMA EOS SYSTEM C100。上位機種のC300と同等のセンサーが搭載されており、記録フォーマットや外観形状が若干異なっている。ただ、光学系がC300と同等なので、外部レコーダーを接続して使用することが前提の場合はリーズナブルな選択となりうる。マウントはEFマウントモデルのみで、PLマウントモデルは用意されていない。

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CINEMA EOS SYSTEM C500は本格的なデジタルシネマを意識して設計されており外部レコーダーを接続することで4K記録が可能なほか、PLマウントモデルも用意されている。CodexのOnboard S Recorderとの組み合わせではJPEG2000や非圧縮で4K収録が可能だ。

豊富なレンズ群もキヤノン魅力の一つ

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EFシネマズームレンズ4機種と単焦点レンズ3機種が発売になり、充実したラインナップとなった。スチールカメラ用のレンズも60種類以上あり、あらゆる撮影シーンに対応出来る。ズームレンズはPLマウントタイプも用意されている。こうしたレンズの資産はある意味CINEMA EOS SYSTEMの中核をなすものともいえ、こうした展示会では常に目立つ場所にディスプレーされている。

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2/3型HDTVカメラ用ショートズームHJ17e×6.2B。広角端焦点距離6.2mm、非球面レンズなどの採用により画面の歪みや諸収差を抑制したほか、操作性を重視したドライブユニットを搭載。最至近撮影距離の短縮により、近距離での撮影にもより柔軟に対応可能。

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CINEMA EOS SYSTEM ズームレンズ30-105mmT2.8L5。4Kカメラ対応の光学設計、11枚絞り羽根の採用などにより、高い光学性能と柔らかく美しいボケ味を表現することが可能。

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NAB Show 2012で試作品として初出展された開発中の4Kディスプレイ。発表当時2012年内の製品化を目指しているとアナウンスされていることから、製品版が発表されるのも間近といえそうだ。

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フルHDカメラが搭載されたパン/ティルトヘッドBU-42H。非圧縮のHD-SDIおよびSD-SDI出力(販売会社設定)の選択が可能なほか、HD-SDI信号とSDアナログコンポジット信号(VBS)の同時出力が可能。一般電話回線や専用線を用いることで、雲台のパンやチルト、レンズのズームやフォーカスなどをリモート制御することができる。

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映画、テレビ、CMで活躍されるクリエーターを招いてのCINEMA EOS SYSTEMの新製品紹介、活用ガイド、撮影作品の紹介セミナー。