昨年まではニコンシステムがブースを出して画質評価ツールなどを出展していたが、今年はニコンイメージングジャパンが動画機能を搭載したデジタル一眼を出展した。カメラグランプリで大賞を受賞したD800やデジタル一眼のフラッグシップモデルD4といったDムービー動画対応のデジタル一眼や各種交換レンズといった製品のほか、こうしたカメラで撮影されたコンテンツの紹介やセミナーなどで、基本的にはNABの出展を日本風にアレンジしたような印象だ。いち早くデジタル一眼にHD動画撮影機能を搭載したのはニコンのD90であったが、記録フォーマットや圧縮コーデックなどで、その後発売されたキヤノンほうが有名になってしまったようだ。ビデオ用のレンズもハイビジョン創世記には手掛けており、ENG用のレンズも発売していたが、事業部自体が消滅してしまい、ビデオ業界へのアプローチに一から出直している現状は、どこか遠慮がちな気もする。

D4およびD800のセンサーサイズは35.9×24.0mmのニコンFXフォーマットを採用。デジタル一眼用に開発されているDXのレンズでは、FXのイメージサイズをカバーできないためセンサーをAPS-C範囲で撮像できるDXモードを搭載している。さらにD4では1920×1080の範囲で撮影できるHDのモードを搭載している。こうしたモードを搭載することで、レンズの互換性を高めたともいえるが、偽色の面でも有利である。D800とD800Eが異なる特性のローパスフィルターを搭載しているのもこのあたりの問題解決の一つといえる。

ちなみにInterBEE会期中の11月14日、同社はDムービーの魅力を作品を通してアピールするサイトD-MOVIE CREATIVE LABを公開。デジタル一眼による動画撮影を積極的にアピールし始めている。

D800&D4

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1920×1080/30pのフルHDに対応した動画収録が可能なD800。D800には光学ローパスフィルターの特性が異なるD800Eという姉妹機もある

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同社のフラッグシップモデルD4。D4にはセンサー範囲をフルに使うFXとAPS-C 範囲のDX、1920×1080のHDという3つのモードが用意されている

ワークフローの展開

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HDMIコネクターを装備しており、外部レコーダーを接続することで非圧縮動画の収録も可能。会場ではAJA KiProと組み合わせてデモ撮影をしていた

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その場で撮影した動画をEDIUSで編集するデモ。グラスバレーのSTORM MOBILEでHDMI経由のキャプチャー。1920×1080 4:2:2の非圧縮データーをEDIUS 6で編集という一連のワークフローを紹介

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乃木坂46の4thシングル映像コンテンツ予告編やD-MOVIE CREATIVE LABサイトで公開されているKuba、眠れる森の美女などの上映や制作ワークフローの解説、トークショーなどが行われた