ラスベガスらしい快晴となった2日目、NYダウがハイテク株とエネルギー関連株を中心に市場最高値を更新し、それを受けてかハイテク企業の出展が多いNAB会場も活況を呈している。昨日はタクシー関係のデモがノースホール近くであり、展示会が終了する夕方ごろノースホールからのタクシー発着が制限されてしまい、帰路を急ぐ人たちは徒歩または近くのホテルまで歩くことを余儀なくされるというハプニングがあった。景気が回復基調とはいえ、まだまだ業種によってはその恩恵にあずかれない人たちもたくさんいるようである。

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ノースホール近くの交差点にはプラカードや横断幕を携えたデモ隊が。数台のパトカーが来てデモ隊が必要以上に広がらないようにしていたが、ニューヨークなどと異なり警官もこうした群衆を相手にするのは慣れていない様子だった。

カメラ開発国日本が見せる底力

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昨年は8K収録のためNABへの出展は控えたNHKだが、今年はオリンピックなどで撮影した最新の8Kの映像を上映していた

カメラメーカーの多くは日本の企業の製品が多く、ワールドワイドでみてもソニーやパナソニック、池上や日立といったメーカーが放送用のカメラのほとんどのシェアもにぎっている。カメラ開発国日本では総務省がNHKが進めているスーパーハイビジョンの試験放送を前倒しするなど4Kやその上の8Kまでも早々にコマを進めようとしている。

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ソニーのXAVCフォーマット。XAVC を拡張したLong GOP方式のXAVC Sにより映像制作から視聴における、業務用途からコンスーマー用途までトータルにカバーする

すでに4Kは実用段階に入ったといえる状況で記録フォーマットや伝送方法などある程度収束する方向に向かっている。元々4Kはデジタルシネマが発祥なので、JPEG2000やシネオン連番ファイルなどGOPのない記録が中心だったが、H.264をはじめとしてソニーからはXAVC、パナソニックはAVC-ULTRAといったビデオフォーマットがでることで一区切りがついたという印象だ。

NBA2013_day02DSC_0441.jpg パナソニックはAJ-PX5000GのほかハンドヘルドタイプのAVC-ULTRA対応のカメラを出展

インターフェースに関してはHDで利用されていたHDMIやDVI、HD-SDIを複数利用するという方法により既存のハードで比較的安価に4K対応とすることができ、HDとの共有も可能なことからよく利用されている。スイッチャーなどではHD4チャンネルを同期させ4K1チャンネルとすることで、簡単にHD/4K対応にすることができる。とはいえ4本のケーブルは取り回しや長さを合わせるなど面倒なことも多く、アナログのコンポーネントがそうであったように一般的に普及させるには1本のケーブルで済むようにならないと難しい。ブラックマジックデザインは6G-SDIに対応した製品をまとめて出展し、話題になっていた。

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ブラックマジックデザインはBlackmagic Audio MonitorのほかATEM Production Studio 4K、DeckLink Mini Recorder、DaVinci Resolve 10など6G-SDIに対応した製品をまとめて出展

アベカスMira。4本の3Gb/sBNCケーブルをセットにして4K出力に対応。4Kメディアファイルのインポート/エキスポート、再生などが可能

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