前回に続いて会場の各社ブースを紹介して行こう。

ATOMOS

・4K記録対応モニター一体型レコーダー「SHOGUN」
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4K記録対応モニター一体型レコーダー「SHOGUN」。なにも接続していないとモニターのように見える

NABで発表された4K記録対応モニター一体型レコーダーの「SHOGUN」が展示されていた。特徴は、液晶モニターに1920×1080ピクセルの7インチモニターを採用していることと、レコーダーは4KフォーマットでApple ProRes 4KまたはCinema DNG Rawに対応することだ。4K(3840×2160)は、24p、25p、30pで収録でき、1080 60pにも対応予定。1080 60p対応というのは今までのATOMOS製品にはない特徴だ。

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背面には12G-SDI入出力のほかにゲンロックも搭載されている

背面にSDIの入出力、側面にHDMIの入出力端子を備えていて、コンバーターを使用しなくてもSDIからHDMIへ、もしくはHDMIからSDIへ出力することが可能。アナログのオーディオ入力は、従来機種ではピンタイプのライン入力しかなかったが、SHOGUNはXLRの入出力のブレークアウトケーブルが同梱される予定だ。また、今までゲンロックの同期信号の入力もなかったが、こちらもSHOGUNには搭載される予定。価格は未定で、発売は9月以降を予定している。

・液晶を省いた軽量モデル「NINJA STAR」
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ラジコンヘリに搭載できるように小型、軽量に設計されたレコーダー「NINJA STAR」

もう1つの新製品が小型、軽量に設計されたProRes収録可能なレコーダー「NINJA STAR」だ。NINJAからモニターを省いたNINJAの弟分のような存在。GoProを搭載したラジコンヘリでの運用を視野に入れたモデルとのことだ。価格も37,800円と非常にお手ごろだ。ただし、メディアはまだまだ市場で割高感のあるCFastを採用しているので、導入がしやすくなるようにATOMOS自身がオプション品としてCFastの128GBを2,9800円、64GBを19,800円、64GB×2枚とリーダーのセットを38,000円で用意している。

富士フイルム

・デジタル映像制作用色管理システム「IS-mini」
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ソニーF55の4K Log映像に色変換するLUTをIS-miniを4台使って4K60pのカメラから出力される映像を変換してリアルタイムに確認できるデモを行っていた

4月に発表されたデジタル映像制作用色管理システム「IS-mini」のデモが行われていた。IS-miniは、現場でのモニターキャリブレーションも可能というLUTボックスのような製品だ。ブースでは、IS-miniを4台使ってソニーのF55の4K Log映像に色変換するLUTをIS-miniに入れることによってトーンを活かした絵作りを加えたリアルタイム現像を体験できる実機デモが行われていた。

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専用ソフトIS-mini Managerで総数17,000以上の組み合わせのLUTをダウンロード可能

IS-miniの特徴は、LUTのダウンロード機能だ。カラーマネジメントの特殊な知識がなくても、付属ソフトウェア「IS-mini Manager」の指示に従うだけで、誰でも簡単にキャリブレーションを行うことが可能になっている。具体的には、コントロールソフトウェアのIS-mini Managerをインターネットにつなぐと、ハイエンドのシネマカメラからPMW-EX3まで30機種、フィルムルックを含んだ絵作りを再現するためのLUTが総数17,000用意されていて、その中から「カメラの種類」「モード」「色温度」「レンダリング」「フィルムルック」「ガンマ」などのパラメーターから絞り込んでダウンロードすることが可能になっている。ここの中から絵作りを選んで、気に入った中からカラコレして追い込んでいくということが可能だ。

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カラーコレクションはDaVinci形式のLUT Export機能からDaVinciのcubeファイルへ書き出しが可能

カラーコレクションを編集側にもって行きたい場合は、DaVinci形式のLUT Export機能を使ってDaVinciのcubeファイルへ書き出しができるようになっている。収録した素材と書き出したLUTを当てることによって、見ていたものが再現できるようになるというわけだ。IS-miniはオープン価格で13万円から15万円という価格になっている。

・クラウド型ファイル管理・共有サービス「IMAGE WORKS」
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同じ100GBのデータを転送しているところ。右が一般回線を使ったところ。左が多重化を使った回線のスピード。確かに差は確実にでていて、IMAGE WORKSのほうが高速だ

ブースでは富士フイルムが行うクラウド型ファイル管理・共有サービス「IMAGE WORKS」の紹介も行われていた。市場には高速ファイル転送ソフトウェアの「Aspera」といった製品がリリースされているが、セキュリティが厳しいプロダクションや企業ではポートが開いていないといった問題で使えないということがある。IMAGE WORKSは一般回線を使うので、どんなユーザーでも使用可能というのが特徴だ。また、通信多重化により、最大10倍の高速転送ができるという特徴もある。

アビッド テクノロジー

・「Media Composer | Cloud」や「Media central」に名称変更
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名称を変更して新しくなった「Media central」

お馴染みのISIS、Interplay、Media Composerが展示されていた。アビッドはNABで大幅なバージョンアップを実現した新製品というのを発表しなかったが、ライセンス形態を増やしたり商品名を変更するなど、細かい話題が盛りだくさんだった。

インターネット接続でリアルタイムでの制作を実現する「Interplay Sphere」は、「Media Composer | Cloud」という名称に変更された。また、WebベースのクライアントでGoogle Chrome上でリモート編集をしたりマーカーをつけたりできる「Interplay central」は、「Media central」という名称になった。Media centralに名称が変わってから、コンセプトも少し広がるように変更された。Media centralになってもGoogle Chromeさえあればあらゆる操作ができるというのは変わらないが、Interplayの操作だったり、メディアの管理だったり、メディアのインポートといった役目になり、さらに役割が広がっていく感じだと紹介していた。

・サブスクリプションに対応した「Media Composer | Software」
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Media Composerの名称はMedia Composer | Softwareに変更された

Media Composerの名称も「Media Composer | Software」に変更された。Mojo DXならば「Media Composer | Mojo DX」、Nitris DXは「Media Composer | Nitris DX」に変更となった。Symphonyは、Media Composer 7へのバージョンアップを機にオプション扱いになったが、NewsCutterもMedia Composer | Softwareのリリースを機に単体製品としての販売を終了してMedia Composer | Softwareに追加するオプションに変更された。これでアビッドの編集ブランドはMedia Composerブランドのみになった感じだ。

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Media Composer | Softwareになり、永続、サブスクリプション、フローティングの3つのライセンスタイプに変更された。サブスクリプションライセンスを使えば月間、または年間契約でMedia Composer | Softwareを使うことができる

さらにMedia Composer | Softwareは、サブスクリプションやフローティングライセンスにも対応するようになった。従来と同様で購入する形は「永続ライセンス」と呼ばれるものになり、価格は139,000円だ。Media Composer 7のStandardは103,845円だったが、円安の影響で少し値上がりしたとのことだ。レンタルのようなイメージのサブスクリプションは月間または年間アクセス権を選択できるようになっている。年間を選んだ場合は、1年で64,200円。2年の場合は128,400円で、2年は永久ライセンスの139,000円より若干安い。3年目以降はサブスクリプションのほうが割高になるので、3年使う予定があるならば、永久ライセンスを買ったほうがいいという価格構成となっている。

アドビ システムズ

・ネイティブフォーマットの拡大など多数の機能強化を実現
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Auditionの次期バージョンでは書き出にDolby Digitalが追加される予定だ

アドビのブースでは、Mac ProにAJA Io 4Kと次期バージョンのAdobe Creative Cloudを組み合わせたデモが行われていた。さすがはMac ProとAdobe Creative Cloudとの組み合わせだ。素材は4Kであっても軽快なレスポンスを実現していたのが印象的だった。

ブースの注目は国内初展示となるAdobe Creative Cloudの時期バージョンのデモだ。次期バージョンの第一の特徴はネイティブフォーマットの拡大だ。これまでもパナソニックのP2、ソニーのXDCAM、4KではRED、XAVC、Phantomとさまざまなフォーマットにネイティブに対応してきたが、次期バージョンでは、日本のユーザーから要望の多かったキヤノンのEOS C500から独自に出力されるCinema RAW形式に対応するようになる。これで既存の発売されている主要な4Kカメラへの対応を網羅した形になる。

そのほかの4K関連では、REDのR3DデベイヤーをGPUで高速処理するというのも予定されている。今までR3Dファイルをリアルタイムでデコードやデベイヤーしたいという人はREDの純正オプションのRED ROCKETを選ぶという方法があったが、それ以外の高速処理の選択肢が増えたわけだ。また、今まではNVIDIAのCUDAやAMDのOpenCLに対応してパフォーマンスの強化を実現していたが、インテルのIris ProのGPU高速処理にも対応予定だ。従来からH.264やQuickTimeといった映像制作業界向けの書き出しに幅広く対応していたが、Digital Cinema Initiativesに準拠したDigital Cinema Packageの書き出しに対応できるようになる予定だ。映画館で上映するための規格に準拠するフォーマットがPremiere Proやアドビメディアエンコーダーから直に書き出しするようになるわけだ。このほかにも、今まで5.1チャンネルの音をBlu-rayに出すためにはDolby Digitalに変換する必要があったが、次期バージョンのAuditionでは、Dolby Digitaファイル入出力に対応できるようになった。また、映像制作分野でデファクトスタンダードのHDCAM-SRで採用しているソニーのSStPメディアに対応するようになる予定。

・マスクやトラックなどがPremiere Pro上で作業がしやすくなった
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「4点の長方形マスクの作成」や「楕円形マスクの作成」

ネイティブ対応のほかにもさまざまな機能強化が行われている。Premiere Proにエフェクトをかけるマスクやトラックの機能が搭載され、特に国内のテレビ番組などでは顔や車のナンバープレートといった部分にモザイクをかけたり、ぼかしを入れたりというケースがよくあり、その作業が従来よりも短時間で行うことができるようになる予定だ。

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「4点の長方形マスクの作成」を選択。自由な形でマスクを作ることが可能だ

今までのPremiere Proでこのようなことをしたい場合は、調整用のビデオレイヤーを作ってビデオの上にレイヤーに重ねて、重なっている側のレイヤーにモザイクやぼかしエフェクトを適用し、4点ガベージマットを使用してモザイクを切り抜く。モザイクの対象が動く場合はキーフレームを打つなどして対応しなければいけなく、かなりの手数が必要だった。

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次期バージョンではマスクパスの一列が新しく追加された。この「選択したマスクを再生方向にトラック」を使ってPremiere Pro上でトラッキングをすることが可能だ

次期バージョンのPremiere Proで同じことをする場合は、まず1つのレイヤーに対してモザイクを適用。Premiere Proには新しくエフェクトコントロールのパネルに「4点の長方形マスクの作成」や「楕円形マスクの作成」などがエフェクトごとにマスクの機能が新しく搭載され、こちらでマスクを制作する。また、マスクは、「マスクの境界のぼかし」や「マスクの拡張」といったなじませるパラメーターの機能も新しく追加されているほか、マスクパスの右側に「選択したマスクを再生方向にトラック」といったトラキングの機能も搭載され、マスクで囲まれた範囲を自動的に認識して追随追してくれる。これらの機能を使えば、従来バージョンより手数を減らしてPremiere Pro上だけでクオリティの高いぼかしやモザイクが制作することが可能になる予定だ。

・After Effectsのテキスト素材をPremiere Pro上で編集できる「ライブテキストテンプレート」
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画面は開発途中のバージョンで一部まだ文字化けをしているところがある。ライブテキストテンプレートを行う場合は、After Effectsで素材を作る際にコンポジション設定のチェックボックスをオンにする。これでPremiere Pro上からテキストの編集が可能になる

もう1つの機能強化が、After Effectsで作ったテキストアニメーションをPremiere Pro上で修正できるライブテキストテンプレートだ。従来は、After Effectsで作った素材の中のテキストを打ち変えたい場合は、いちいちAfter Effectsに戻らなければならなかった。しかし、次期バージョンでは、ライブテキストテンプレートというAfter Effectsと連携する機能を使うことにより、After Effectsのテキストレイヤーの情報をPremiere Proのエフェクトコントロールパネルで直接修正が可能になる予定だ。

EIZO

・待望のColorEdgeシリーズ対応4Kモニターがお目見え
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ColorEdgeシリーズ待望の4Kモニターだ

注目は開発中のColorEdgeシリーズの4Kモニターだ。NABで初めて公開されたもので、After NABの展示が国内初展示とのことだ。4Kシネマプレーヤー「REDRAY」につなげて、REDRAYの4Kコンテンツをそのまま流すかたちでデモが行われていた。EIZOにはDuraVision FDH3601という4Kのモニターがリリースされていたが、カテゴリが産業用モニターで価格は約200万円だった。新しく発表されたモニターはクリエイター向けブランドのColorEdgeシリーズでリリース予定だ。リリース次期は未定で、「今年度内には」とのことだった。

ローランド

・新しくフリーラン機能が追加された「VC-1-DL」
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VC-1-DLにフリーラン&フリーズ機能が搭載される

注目は、ディレイとフレームシンクロナイザーの「VC-1-DL」にフリーラン機能が追加されたことだ。従来は、SDIの信号が切れてしまったら当然アウトされる信号も切れてしまうが、フリーラン機能を搭載することにより、最後の信号をずっと出し続けるというものだ。例えば、カメラで中継とかの最中にケーブルが抜けてしまったら画面は真っ黒になってしまうが、フリーラン機能を搭載したVC-1-DLならば絵はフリーズした状態で止まるようになる。もし、このような事故が起きてしまったらスイッチャーが切り替えるまでのタイミングを稼げるというわけだ。待望の目玉機能の追加だが本体価格は変更なしで、現行ユーザーはアップデータで機能を追加することができる。

・ステージユニット「S-2416」
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アナログ24イン/16アウト、デジタルAES/EBU8イン/8アウトのトータル32イン/24アウトを備えるステージユニット「S-2416」

新製品の展示で注目だったのがステージユニットの「S-2416」だ。コンサートやイベント会場の音響をデジタル化する際のオーディオのデジタル伝送ボックスだ。Ethernetのケーブルを使ってオーディオの音が伝送できるローランド独自の音声伝送技術「REAC」というものがあるが、そのユニットの新製品だ。特徴はアナログが24入力の16出力だ。24個のマイクなどを設置して送ることができるというわけだ。音質的なところが向上したり、リダンダントに対応しているなどの特徴がある。リダンダントは、ローランドのデジタルミキサーとの間を2本のケーブルで設置できるというもので、もし1本のケーブルが断線しても切り替わるようになっている。しかも、切り替えの際のノイズもわからないような仕組みにもなっている。

ローランドは、6月11日と6月12日にVORT秋葉原ビルで新製品内覧会を行う予定だ。そこで、ラスベガスで開催される「InfoComm 2014」で発表する新製品を国内初公開するという。イベントから学校、会議室まで幅広いシーンで活躍するソリューションモデルが発表されるとのことだ。興味がある方は申し込んでみてはいかがだろうか。

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REACポートを2基搭載して二重化している

RAID

・4K番組制作支援ワークフロー「MASAMUNE」
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画像変換機能とデータ管理機能を融合させた4K番組制作支援ワークフロー「MASAMUNE」

MASAMUNEというNHKエンタープライズが開発してすでに運用されているデータベースソフトにColorFront社の「TransKoder」を搭載した4K制作支援システムが展示されていた。4K撮影素材からHDへの高速な変換と、HD素材による編集データの活用による高速な2K→4Kへのタイムライン変換を実現するというシステムだ。変換したHDはFinal Cutなどで編集して、MASAMUNEに読み込ませると4Kでも同じコンテンツを書き出すことができることできるというワークフローのシステムだ。トランスコーダー部分の特徴は、変換の速度が高速ということだ。

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データ管理の部分ではメタ情報や撮影情報、色、編集などの情報を記録し、管理できる。画面は表示された素材のメタデータ

現場では素材の容量は20TB、30TBにもなるが、MASAMUNEは4KからHDへの変換を実時間の半分ぐらいで変換できる。データマネージメントシステムの特徴は、撮った素材の管理とオフラインから戻ってきたXMLファイルをすべて管理できる。変換エンジンに送るためのハブステーションのようなものだ。アーカイブの部分はサムネールで管理できて、素材量が膨大になったときに、アーカイブにキーワードを入れておくことで、瞬時にファイルをピックアップするようにできるようになっている。

・フィールドモニター「SmallHD」シリーズ
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DP7-PROのHigh Brightモデル。高輝度液晶タイプだ

RAIDのブースでは、フィールドモニターで話題の「SmallHD」シリーズの展示が行われていた。Small HDは今まで国内の販売代理店はなかったが、RAIDがこれから取り扱いを開始するとのことでブースに展示されていた。SmallHDの中でも個性的なのは「DP7-PRO High Bright」だ。とにかく明るく1500 nitsを実現している。炎天下でもフードなしで、確認することができるというのが特徴だ。「DP7-PRO OLED」も個性的で、マスモニと同じぐらいの色相を実現しており、小型ながらマスモニ並みの性能を実現している。現場で色を合わせるといったことに最適なモデルだ。

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DP7-PROのOLEDモデル。こちらは有機ELモニターだ

・FREEFLYのMoVIシリーズ
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重量が増えたMoVI M15。MoVI M10からのアップデートも可能だ

FREEFLYのMoVI M15が展示されていた。今までのMoVI M10は約4.5kgまでだったが、約6.9kgまで対応するようになった。今まで重量の関係で対応できなかったカメラやレンズの組み合わせがあったが、F5やF55といったものでも対応しやすくなった。バッテリーを2個に増やすなど、重量が増えても今まで以上に安定した動きで使うことができる。

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リング状のグリップを採用したMoVI Ring。MoVIの取り扱いが簡単になるのが特徴だ

エーディテクノ

・4K2K、1080p60対応HDMI信号を長距離伝送可能なエクステンダー「HD-06HE」
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HD-06HEを使えば安価に入手可能なLANケーブルでHDMIの延長が可能。設置場所のレイアウトに合わせて配線できるところが魅力だ

新製品で目立っていたのは、送信機と受信機の間をカテゴリ6/5eのLANケーブル1本で接続して4KやHDのHDMI信号を延長できるユニット「HD-06HE」だ。4Kは30pで30mまでで、フルHDは60pで60mまで転送できる。LANケーブルの取り回しのよさや、HDMIケーブルとHDMI信号増幅器の組み合わせでの長距離伝送と比較してもより安価に導入が可能とのことだ。また、SDIだと4Kを出すのに4本のケーブルが必要になるが、HD-06HEであれば1本で出せるところも長所とアピールしていた。

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デルの23.8インチ4Kモニター「UP2414Q」で延長した絵のクオリティも確認できるようになっていた。右下のOSDには確かに「解像度2160p」と表示されていた

・アップ/ダウン/クロス対応マルチコンバーター「X_MC」
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コンパクトなアップ/ダウン/クロス対応マルチコンバーター「X_MC」

小型のコンバーターなどを取り扱っているデジタルフォーキャスト社製の新製品が展示されていた。その中でも注目はAfter NABの開催初日と同じ5月22日に発売を開始したばかりのアップ/ダウン/クロス対応マルチコンバーター「X_MC」だ。SDI(3G/HD/SD)、HDMI、アナログ、VGAの各入出力端子を搭載。さまざまな設定をOSDメニューを使ってコントロールできるのも特徴だ。持ち運びがしやすいサイズなので、現場とかで不意に画面が映らないといったときにX_MCが1台あるとどんなときでも対応できるといった使い方が考えられるだろう。

テクノハウス

・7.7インチOLEDモニター/4K RAWレコーダー「Odyssey7Q」
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Odyssey7QとソニーのFS700を組み合わせて展示が行われていた

Convergent Designの7.7インチOLEDモニターとSSDでの4K RAW収録を可能にするポータブルシネマレコーダー「Odyssey7Q」が展示されていた。Odyssey7Qは今年3月に配布されたファームウェアのアップデートで機能の強化が行われた。その中でも特に目玉はApple ProRes422(HQ)の収録に対応したことだ。1920×1080 30fpsまで対応が可能。

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Pixel Zoom機能のズームエリアを指定できるようになった。画面はピーキングが設定された状態

このほかにもPixel Zoom機能という機能が新しく搭載されて、以前の拡大機能は単純にモニターの中心を拡大するだけだったが、いろいろなところにフレームをドラッグさせてズームをさせたい場所に移動することができるようになった。さらに、4つのSDI入力をすればそれぞれ表示できる4分割モニタリングも可能だ。メーカーによると、7月をめどにそのモニタリングをされた状態から収録もできるようになるとのことだ。

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ウェーブフォームを表示した状態

・BrightEye NXT430/NXT410
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コンパクトなボディが特徴のNXT410

Ensemble Designsのルーターも展示されていた。特徴はビデオとオーディオを無瞬断で切り替えが可能というところだ。例えば、ライブ会場でAカメからDカメまで4台のカメラがあり、それらをルーターにつなぐ。ステージには歌手の人がいて、背景の大型モニターに映し出したいというときに、通常のルーターならば異なるソースを切り替えた瞬間にモニターが黒くなるということがある。しかし、NXT430やNXT410では無瞬断によりそのような問題に悩まされることなく切り替えを行うことが可能だ。また、分配器としても利用が可能で、インから入力されたものを多数の出力に分配することができる。フロントパネルのLCDディスプレイで現在のルーターソースのビデオをリアルタイムで確認することも可能だ。

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こちらはNXT430の背面。7つのBNC I/Oポートは入出力を自在に設定が可能だ

総括

今年のAfter NAB Show TOKYOも盛況だったが、気になる点もいくつかあった。After NABの展示スペースは非常に限られている。NABとAfter NABの展示の差にギャップを感じる出展社があった。また、規模の都合などでなかなか難しいとは思うが、ソニーやパナソニックといった国内を代表するメーカーの展示もAfter NABで見てみたいものだ。とはいっても、After NABは国内の映像業界の新しい刺激的な場として定着しつつあると思う。来年以降も映像業界をどんどん盛り上げるような開催を期待したい。

txt:和田学 構成:編集部


Vol.07 [After Beat NAB Show 2014] Vol.01