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会期最大来場者を記録した50回目のInter BEE
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Inter BEE最終日は、30分早く17時までとなっているが快晴に恵まれたせいもあり、終了2時間ほど前の15時になってもこれから入場する人もあり、会場内は通勤電車と見まごうばかりである。1日目、2日目と4K/8Kを中心に映像業界の動向をみてきたが、最終日の3日目はオーディオ製品を中心に業界の動向を探ってみたい。
オーディオは、ラウドネスの普及も一段落つき、A型ワイヤレスの移行くらいしか現状大きな動きはないように見えるが、映像より一足先にデジタル化し、今ではCDクォリティをはるかに超えてしまい非圧縮が当たり前となってくると、唯一残されたアナログ部分であるマイクロホンが問題になってくる。そのニーズは多く、毎年のように新製品が出展されている。
またマイクロホンは、カメラが小型化したりデジタル一眼での映像制作などの変化に応じた新製品もあるが、新素材の採用や使い勝手などを追求した製品も見受けられる。オーディオにはもう一つアナログ的な要素のあるスピーカーがある。InterBEEにはノンリニア編集で使うような物からレコーディングスタジオやMAで使うようなもの、さらにはイベントなどSR用途のものなど様々な用途に向けたスピーカーが集まるところが興味深い。
そんなマイクロホンの新製品としては三研マイクロホンから高音と低音用に2個のマイクカプセルを仕込んだ音楽収録用のCU-51が参考出品されたほか、アツデンからはデジタル一眼レフカメラのアクセサリーシューに取り付けて使用するガンマイクSMX-30が新製品として出品されていた。
サザン音響は測定用を初めとしてダミーヘッドを主に手がけている会社だがバイノーラル録音用ダミーヘッドマイクSAMREC 2700Proが新製品として出品されていた。以前アーヘナコプフのダミーヘッドが出展されていたのを見たことがあるが、最近では録音に使われることが少なくなったせいなのか、見かけなくなっていた。測定用に作られたものが多いがマイクメーカーのNeumannなどが扱っている。
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アツデンデジタル一眼レフカメラ用ショットガンマイクSMX-30。音質を追求した新開発のマイクユニットとショックマウントを採用したほか、3段階の感度切り替え、Lowカット、モノ/ステレオ(90°/120°)切り替え、内蔵バッテリー/プラグインパワー切り替えが可能。バッテリーはCR2032を1個使用
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サザン音響バイノーラル録音用ダミーヘッドマイクSAMREC 2700Pro。HRTF補正ON/OFF機能、ローカット補正ON/OFF機能、IEC国際規格リアルイヤーを搭載
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シグマのマイクロホンアダプターM1。ローカット100/200Hz、入力ゲイン20/30/40/50/60dB、モニター出力ミニジャック、P-48ファンタム電源対応の1chマイクアンプ
通常のスピーカーはヤマハがSR用のNEXO スピーカーシステム STMシリーズやDBRシリーズの新製品を出展していたほか、フォステクスが小型アクティブモニタースピーカー6301Nシリーズ、オタリテックブースではGENELECのSAM シリーズの新ラインナップ、音響特機はEAWのAnyaシステム、ドリームは設備用放送スピーカーTELLER、TOAは指向性可変機能を搭載したコンパクトアレイスピーカーHX-7を参考出品するなど、様々なタイプの製品が出展されている。最近の傾向としては視聴位置でのレベルや周波数特性などをコントロールできるものやDSPを搭載し、指向性を可変できるものなどインテリジェント化している。
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フォステクスアクティブワイヤレススピーカー6301NW (参考出展)。バッテリー電源のほか、音声はWiSA(Wireless Speaker and Audio)によるワイヤレス伝送を採用することで、完全にケーブルレスの運用が可能。ライン入力端子も装備されている
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オタリテックで出展されたGENELECの8351A Smart Active Monitor。中央にあるスピーカーは同軸構造になっており、中高域用。上下のスリットの裏には低域用の楕円形のスピーカーが2個隠れている
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ウエタックスUETAX防水マイクUM-195A/100、防水インカムUMK-1500。いずれも雨の中や悪環境でも使用可能な全天候型防水仕様
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Catch Me送り返しワイヤレスシステム送受信機RD-207/208、送信機に音声を送るベースユニットRD-213。特定小電力C型の322MHz帯を使用し確実に聞き取れる良質な音声を提供
会場出口調査Part3
[InterBEE 2014]会場出口インタビュー
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