NABではカバーしないオーディオ&ビジュアル専門展示会

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会場はNABと同じくLVCCでの開催。ただしノースホールとセントラルホールの2つのホールのみ

infoCommは、主にディスプレイやサイネージ、プロジェクターなどのイベント系オーディオビジュアル機材+コンテンツ制作関係などの専門総合展示会だ。アメリカ東海岸のフロリダ州オーランド(ちょうど開催期間直後に銃乱射事件があったが!)と、ラスベガスを毎年交互に開催しており、今年はラスベガスでの開催となった。会場は、4月のNABの会場と同じくラスベガスコンベンションセンター(LVCC)。ただし、展示会の開催規模はNABの1/4程度といった感じで、ノースホールとセントラルホールの2ヵ所のみの展示だ。展示会は6月8日~10日の3日間で、その前の4日間は、200クラス以上のカンファレンスやセミナーやラボと呼ばれる研究会や勉強会などが盛んに行われていた。

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InfoCommのメインスポンサーでもあるSAMSUNGはショップディスプレイ街中のサイネージを中心に最も大きなブースを展示

展示出展のカテゴライズとしては、オーディオ、デジタルサイネージ、ユニファイド・コミュニケーション&コラボレーション(テレビ&ウェブビデオ会議等)、ライブイベント、ビデオおよび映像、コントロールシステム&ソフトウェア、電子システム(セキュリティカメラ等)、アクセサリーとなっており、来場参加者のうち7、8割がこうしたシステムを構築するシステムエンジニアやシステムインテグレーターなどの、IT系技術者もしくはイベント関係などのコーディネーター、テクニカルスタッフやラインプロデューサーなどが占めるという。一般人向けのイベントではなく、あくまでそうした技術関係者向けのイベントのため、専門的な勉強会やセミナーなども数多く開催されていた。今回は映像制作後の送出、上映、サイネージなどいつもとは違うスタンスのレポートをお送りする。

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ブラックマジックデザインも大きなブースで出展。今回はオール同社機材で構成した小型中継車を展示

「infoComm16」と題された今年の展示会は、約1,000社の出展(新規出展は112社)、38,833名の登録来場者数を数えているが、これでも一時期より減ったようだ。過去、中国資本等のLEDプロジェクターなどが世界的に流行った頃は、出展社も来場者もそれらのムーブメントに乗った形でかなりの隆盛を極めたようだが、ここ数年はその流れも落ち着きこの分野を牽引しているSAMSUNG、LGなどの韓国企業や、日本のソニーやキヤノン、パナソニック、エプソン、カシオ、日立、東芝などの電気系メーカー各社、そしてNABでもおなじみのブラックマジックデザイン、Matrox、AJA、ATOMOSなどの映像系主要メーカーも軒を連ねている。

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今年の話題の中心はなんといってもソニーのCLEDIS。これまでのLEDとは一線を画す高精細で高輝度な画質に来場客の誰もがくぎ付けに

今年の目玉はなんといっても、ソニーがこのinfoCommで世界初披露した、新たに開発した微細なLED素子を敷き詰めて画面表面のブラックが占める割合を99%以上に高め、高精細高画質を実現した新型ディスプレイシステム「CLEDIS(クレディス)」。144枚のユニットを継ぎ目なく張り合わせて8K×2K(横9.7m×縦2.7m)の大型パネルの美しさ、高精細さに会場でも大きな話題を呼んだ(詳細記事はVol.2へ)。

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超高感度のキヤノンME20F-SHの兄弟機種で、スーパー35mmセンサー仕様のME200S-SH(日本未発売)が、CN-E18-80mm T4.4 L IS KAS Sとともに監視用カメラ仕様で出品

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キヤノンも4Kレーザープロジェクターを参考出品

そのほか、キヤノンが4Kプロジェクターの参考出品と、日本未発売の高感度マルチパーパスカメラ「ME200S-SH」を最新のEFシネマレンズのコンパクトサーボレンズ「CN-E 18-80m L IS KAS S」との組み合わせで展示。ME200S-SHは、ISO400万を超える超高感度カメラとしてすでに多くの放送局などにも納入されているME20F-SHの下位機種にあたり、20Fが35mmフルサイズセンサー搭載なのに対して、200SはフルHD収録(最高60pまで)ながら、スーパー35mm/APS-Cサイズセンサーを搭載、感度もISO204800までと標準的なカメラになっており、筐体は20Fと同寸の102×116×113mmのキューブ型。EFマウント(ロックタイプ)でデュアルピクセルCMOS AFやCanon Logも搭載している。価格も米ドルで$5,999(約625,000円)とお手頃な値段なのだが、どういうわけか日本国内だけが発表・発売が無く、検討中とのこと。

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ランプ式プロジェクターと違うレーザープロジェクターの利点は機材自体の傾きが変えられること。パナソニックブースではプロジェクター自体を360°回転させるデモが行われていた

プロジェクター市場では世界でNo.1の市場(約35%程度)を持つパナソニックは、最新のコンパクト4Kレーザープロジェクター「PT-RQ32KU」を披露。最大27,000lmの明るさを実現し、解像度も5120×3200と広域対応。

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LGの薄型両面表示のハイブリッドパネル、デュアルビューフラットOLED

また、LGが厚さわずか8.94mm、55インチサイズの表裏両面OLEDディスプレイ「Dual View Flat OLED」を発表するなど、最新のディスプレイ関係の展示に多くの注目が集まった。またNABでは解体してしまったサウンド/オーディオ関連が、このinfoCommではイベント向け、ステージ向けなどの分野で比較的大きな面積の展示が成されている。さらにはここでもドローンとVRに関心が高いようで、専用コーナーが各所に設けられていた。2017年度のinfoComm17は、2017年6月10日~16日にフロリダ州オーランドのthe Orange County Convention Centerで開催予定だ。

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カシオのブースでは、Lampfree(=レーザー)とともにMade in JAPANを大きくアピールして製品展示を展開

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照明機材コーナーでも照明とLEDパネルのハイブリッドな機材を展示。AYRTON Digital LightingのDREAMPANEL TWINはライティング面とLED表示パネル面のハイブリッドパネルが回転するユニーク仕様の照明機材

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InfoCommでもドローンとVR系の展示が盛んに行われていた

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プロジェクターでは大きな市場を持つCHRISTIEは、上からのレーザーによるプロジェクションマッピングでアイスホッケーのコートを再現。スタッフも全員自分の名前が入ったユニフォームを着用し、ブース全体がホッケーの試合会場になっているなど、演出も凝っていた

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オーディオ関係はワイヤレスで盛り上がっているという。ゼンハイザーの最新ワイヤレスコンパクトスピーカーは、持ち運び用の専用ケースがバッテリーチャージャーにもなるというオシャレな仕様


txt:石川幸宏 / 猪川知紀(編集部) 構成:編集部


[InfoComm2016] Vol.02