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[InterBEE 2016]会場出口インタビュー
うす曇りではあるものの北風で寒くもなくまずまずの滑り出しといえよう。InterBEEは毎年この時期に開催されるが、昨年あたりから妙に暖かい。
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すでに4Kの実用に向けた放送はCSやIPTV、ケーブルテレビ局などで開始されており、ビデオカメラやテレビモニターなどもコンシューマー向けの4K対応製品が販売されているので、4KやUHDはすでに特別アドバンテージのあるフレーズではなくなってきている。今のところ、総務省の発表したロードマップでは2018年の実用放送に向けての試行錯誤の段階といえるが、すでにダイナミックレンジや色域、伝送といった面で、現状のHDとは異なる方向性が見えてきている。いわゆるHDRやIP伝送という方向性だが、技術的にクリアしなくてはならない課題が少なからずあるようだ。
4K/8Kは世界に先駆けて日本が主導してきたものだが、2020年のオリンピックを目標に一般に普及させる方向で進めてきたものの目前に迫ってくると海外勢も含めて様々な企業が参入してきた現状がある。それだけ競争が激化したように見えるが、NHKが高品位テレビ(ハイビジョン)を進めて現在のHDに至る過程から比べてみると適材適所で得意分野をもつ企業がうまくすみ分けているようである。4K/8Kを推進しているNHKでは、8Kの先を3Dや仮想現実に目標を定めているようだ。今回InterBEEではそうした製品の出展が目に付くようになってきた。8Kの先には何があるのだろうか。
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4Kは一般の家庭でも視聴できる環境が整ってきつつあるが、8Kは現状こうしたパブリックビューイングで放送を視聴することができる。写真は相撲のライブ中継
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INTER BEE CONNECTED、INTER BEE EXPERIENCE、INTER BEE CREATIVEといった放送や放送機器、コンテンツなどにかかわる専門コーナーが充実してきた。今年は新企画としてINTER BEE IGNITIONが追加され、新展開が期待されるVR(仮想現実)やAR(拡張現実)、ホログラム等の新しい映像表現を紹介するコーナーが新設された
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3DホログラムディスプレイDreamoc POP3。中の商品などを3Dの動画との組み合わせでアイキャッチとして使うというアイデアだが、3Dの動画は抽象的なものから身近なものまで再現可能で、スマホなどで外部からの操作に連動も可能
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GoProとバイノーラル録音用のマイクを組み合わせて収録するリグ。バイノーラル録音はヘッドホンやイヤホンでの視聴に限られるが、非常にリアルな再現が可能
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マルチビジョンのように画面を集合させるような仕組みではすでに8Kオーバーも進んでいる
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複数のプレイヤー・レコーダーを同期させることが可能な計測技術研究所のKRS-8K。原理的にはこの技術で8K以上のものも可能
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計測技術研究所のKRS-8Kのディスプレイは中国のディスプレーメーカーBOEの98型8Kディスプレイ。すでに8Kも日本の独壇場ではなくなってきつつある
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