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txt岡英史 構成:編集部
搬入DAY
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毎年前日はド晴天な会場
7月の予定は毎年恒例の九州放送機器展からスタートする。良く聞かれるのは「NABにも行ってるのになぜ九州まで?」と言う質問だが、それは単純に美味しいものを食べたいから…では無く、上半期に発表された製品が実際に形になったり動いていたりしている可能性が多いからだ。Webで十分と言う声も聞こえてくるがやはりガジェット好きとすれば本物を見たいと言うのが一番の理由だろう。
そしてもう一つの理由として、九州は早めの予約なら意外と交通費等の予算が安い。しかも会場の目の前に宿泊所があるので、そこを押さえれば毎日の通いが楽なのも良い。VVol.00では、開催前日の各ブースにて、今回の目玉的製品を個人的にピックアップしてみたので紹介したい。
Sony
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NABで発表された2種類の4KハンドヘルドカメラPXW-Z280と190の展示を中心としてブース全面を作っていた。共にNAB時よりファームも上がりより製品としてブラッシュアップされている。またその裏側にはオーディオ関係の展示がある。新型の小型ワイヤレス受信機の防水デモも面白いがその横の参考出品でスマホを使ったインカムシステムが面白い。
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Canon
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九州初展示は単焦点レンズのCN-E20mm T1.5 L Fと、ファームアップされたC700の展示がメイン。CN-E20mm T1.5 L Fは他のレンズとサイズ感は全く同じなので側面の数字でしか違いが分からないが、今までちょっとワイドが足らなかったCN-Eシリーズがこれで一般的な焦点距離が全部揃ったと言って良いだろう。
Panasonic
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ファームアップしたAU-EVA1がブースの前面を陣取っていた。NABでもCine GearもVARICAMよりもEVA1が前に出ているのが面白い。もちろんNABで発表された新コーデックであるProResRAWの搭載というのがやはり大きい。コストパフォーマンスも良く上位機種のバリカムシリーズとの連携も良いのが一番の特長だろう。
ローランド
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新型スイッチャーV-60HDは九州初お目見えだが、同時にTOMOKA製の外部フェーダーがやっと対応となりそのデモを行っていた。これはマルチトラック録音が特長のV-60HDが今までPCソフトから調整を行っていたSDI/HDMIの音声部分をフェーダーに割り与える事が可能になった。ダイレクトに音声を触れるのは非常に運用が楽になるはず。
IDX
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新型バッテリーの展示を中心としたいつもの展示だが、今回はメディアのバックアップ専用のキャプチャBOXの展示があった。値段と機能の違いで数種類あるが基本的にはメディアの中身をバックアップ(コピー)するためだけのシンプルなもの。とはいえSDカード8枚を順次コピーしてくれるこのキャプチャBOXは、特に高解像度で収録するVRのシステムにとって必須と言っても良いかも?
ヴァイテックイメージング(Manfrotto)
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銀一
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今年は台風の影響ですべての展示物が揃わず当日の午前中まで最終的な設営ができないと言うアクシデントの中、9.Solutions製の製品に文字入れのサービスが出来るようになった。データを出せば個人の名前はもちろん会社名等に対応して貰えるとのこと。当日は電動スタビライザーを組み込んだM-1 Voltの展示もあるのでスタビライザー好きには是非体験して貰いたい。
平和精機工業
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今回は久しぶりに大きなハードの展示がされていた。すでに製造販売はされていたが某放送局の特注品だったため、中々見ることが出来なかったが、今回やっと販売の目処がたったミニペデシアルの展示に目に止まった。横のHFMPと比べるとそのサイズ感がよく分かる。これならミニスタジオでも十分運用可能な大きさだ。
PROTECH
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このメーカーの特長は現場の感覚に非常に近いことだ。もっと簡単に表現すると現役のカメラマンである同社の社長が「自分が使いたいから」作った、という製品が多いのがその理由だ。今回は10入力可能な4Kスイッチャーが展示会初お目見えの機材。無駄なものが一切排除されたその筐体はOPミスを防ぐ。またARRIカメラとの親和性が高いのが特長だ。
総評
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やはりよく見ると新製品が結構展示されていた。会場も1日でまわりきれる規模でメーカー側の人間とも距離が短く保てるのもQBEEの特徴の一つ。製品の良い悪いはSNS等でいくら言ってもメーカーには届かない物だが、こういう機会に直接自身の使った環境での良い点・悪い点を伝えればそれは確実に次の機材に反映される事も十分にある。
Webだけで情報なら十分!と思ってる方、それは間違いだ。是非大型の展示会には足を運んで実際に見て貰いたい。意外な側面が見えたりするものだ。本日はいよいよ初日の開催、楽しみにしたい。
txt岡英史 構成:編集部
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