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令和最初のInterBEEが開催!
[InterBEE 2019]会場出口インタビュー
快晴の中始まったInterBEE2019。午後からは時折小雨がぱらつくこともあったものの国内外から14,255名の入場者があった。
初日はソニーがプレス発表を行うのが半ば恒例となっており、今年はマルチフォーマットスタジオカメラHDC-5000や、XDCAMメモリーカムコーダーFX9のほか、XDCAMショルダーカムコーダーPXW-Z750といったカメラが新製品として発表された。
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ソニーのHDR対応8K4Kカメララインナップ。ソニーは局向けのIP化に積極的でIP Liveプロダクションシステムを推進しており、毎年導入が進んでおり現在36システムとなっている
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ソニーのIP Liveプロダクション導入事例
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ライブエレメントオーケストレーターによる放送設備の一括制御&統合監視
こうしたIP化の流れはもちろん海外でも活発でGVGでもライブ中継の現場と局内設備をIPにより接続し、現場に持ち込む機材と人員を最小限にすることで制作効率を大幅にアップすることが可能なリモートプロダクションシステムやEnd to EndのVideo over IPによる制作ソリューションなどに力を入れた出展となっていた。
また放送システムの中核ともいえる放送マスターのIP化がNECや東芝から提案されており、放送マスターにはAI技術などが採用され従来のハードウェア中心からクラウドの利用などより進化している。
奈良テレビ放送の4K/HD対応フルIP中継車は内部を自由に見学できるようになっており、IPになっても従来の中継車と同様な運用が可能。国内初のIPライブ伝送技術を活用した4K/HD対応オールIP中継車となっており、HD系統にもNMIを採用することで、SDIルーティングスイッチャーのない映像システムを実現したほか音声もIPを採用しているという。
IP化は撮影段階から送出までトータルで構築することで最大限の効率化が可能ということもあり、日本でも徐々にそうした方向に向かっている。
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統合型設定・管理・監視システムGV Orbit。SDI、ハイブリッド、または純粋なIPであるかどうかに関係なく、ブロードキャストメディアネットワークの動的なオーケストレーションに対応
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マルチチャンネルIPトランシーバーIQMIX40と、新製品のIPスイッチGV FabricおよびIP SDIゲートウェイIQUCP25
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NECのIP、ファイルベース対応型マスターシステム。素材の入稿管理からCMバンクシステムのほか、送出などを統合管理
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パナソニックライブIPソリューション。撮影・制作・送出をIPで結び、複数のカメラやサードパーティー製との連携をさせながら、その内容を大型スクリーンに投影が可能
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InterBEEに出展する約20社の企業とAIMS (Alliance for IP Media Solutions)などの協力により、IP実機を実際につないで稼働させる「IP実機接続デモ」の接続図
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奈良テレビ放送の4K/HD対応フルIP中継車を設置
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奈良テレビ放送のフルIP中継車内部
こうしたIP化にともない放送業界にもクラウド化が進みつつある。素材や編集のほかクラウド活用の送出マスターなども出現しており、様々な提案がなされている。AWS(Amazon Web Services)ではメディアワークロードのコンテンツ制作・管理・配信にフォーカスし、クラウドメディアの到来に先駆けてAWSのサービスや関連ソリューションなどを紹介。日本マイクロソフトも特別講演にて放送業界における Azure と AI の活用実例を紹介していた。
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AWSブースではコンテンツ制作&ポストプロダクション、コンテンツ&ワークフロー管理、コンテンツ配信&送出、機械学習&データ分析の4カテゴリーにおいて、17のテクニカルおよびソリューションパートナー社と、クラウドメディアソリューションを紹介
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Azure Media ServicesでのIP動画配信や企画・制作中から、放送・配信後の分析に至るまでのAIの技術の利用の可能性などを提案
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