取材・文:編集部 撮影:小山田有作

フリーレンタル&体感ツアーやBlackmagic Pocket Cinema Camera 4Kの撮影体験を予定していた

オリンパスは、プロフェッショナルモデルのOM-D E-M1 Mark IIIを2020年2月28日に発売。Mark IIから約3年、待望のリニューアルモデルがCP+会期と同時期に発売とあって、CP+が行われていたならば撮影体験コーナーには長蛇の列ができていたはずだ。他にもE-M5 Mark IIIやM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROなど、今年のオリンパスブースは話題になりそうな新製品展示を多数予定していた。そこで、東京都渋谷区のオリンパス笹塚事業所にて、注目製品の魅力について話を聞いた。

大盛況のオリンパスブース
※写真はCP+2019の様子

まず新型コロナウイルス感染症の影響について。オリンパスプラザ東京とオリンパスプラザ大阪は当初、2020年3月1日から3月19日まで臨時休館としていたが、当面の間、臨時休館期間の延長が発表された。休館にともないサービスステーションでの修理受付業務の停止、写真展およびイベントも中止になるという。

次に、CP+2020オリンパスブースについて。今年の新しい試みとしては、会場外への持ち出しOKの「フリーレンタル」や、スタッフ同行で会場外に出て新製品が体感できる「体感ツアー」を予定していた。

ズーム全域で開放F値が一定なことから動画撮影に人気の12-100mm F4.0

さらに、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kの展示という新しい試みも予定されていた。映像業界ではBlackmagic Pocket Cinema Camera 4Kが人気だが、その組み合わせの交換レンズとしてM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROが人気だ。そこで、CP+のオリンパスブース内でもBlackmagic Designとオリンパス製品を組み合わせた撮影体験を予定していたという。

手ぶれ補正が優秀と話題

また、CP+で公開予定だった写真家やオリンパス開発者によるステージイベントは、YouTubeチャンネル「OLYMPUS LIVE」にて25本の動画を配信中。ライブ配信ではなく、収録編集した動画を公開日を決めて公開するスタイルで配信されている。

公開されたコンテンツの中でも、写真家、斎藤巧一郎氏とオリンパス開発者による「OM-D 徹底解剖 斎藤巧一郎×開発者 クロストーク」が人気だ。CP+2020 Special Stageは、2020年5月31日までの限定配信となる。

4秒の手持ち撮影を実現する手ぶれ補正や5000万画素ハイレゾショット、ライブNDを搭載したE-M1 Mark III

サイズはE-M1 Mark IIとほぼ同じ。軽量コンパクトなボディのE-M1 Mark III

オリンパスのデジタル一眼カメラには、本格一眼システムカメラの「OM-D」シリーズと、スタイリッシュが特徴の「OLYMPUS PEN」シリーズがあり、OM-Dシリーズにはプロフェッショナルモデル「E-M1X」「E-M1 Mark III」、下位モデル「E-M5 Mark III」「E-M10 Mark III」の4機種がラインナップされている。その中でも徹底的に小型軽量、高性能にこだわったE-M1 Mark IIIの展示が今年のもっとも目玉になるはずだった。

新画像処理エンジン「TruePic IX」を搭載し、いろいろな新機能を実現しているのが特徴。「5000万画素手持ちハイレゾショット」は、手持ちの状態で撮像素子を動かしながら16回の撮影画像をもとに5000万画素相当の撮影を実現している。約8000万画素の高解像写真を生成する三脚ハイレゾショットも搭載している。

手ぶれ補正は衝撃的な性能だ。ボディ単体で最大7段、対応レンズと連携した5軸シンクロ手ぶれ補正で最大7.5段という補正性能を実現。シャッタースピード4秒の手持ち撮影でも手ぶれを抑えられるという。

また、複数の画像を合成して疑似的に露光時間を延ばす「ライブND」も目玉機能だ。NDフィルターを使わなくても、ND2(1段分)~ND32(5段分)の5段階のスローシャッター効果を使った表現が可能。フィッシュアイレンズなどのNDフィルターをつけられないレンズでも、ライブNDはすべてのレンズでスローシャッターの表現が楽しめると訴えた。

ライブNDは、雨のシーンや雪のシーンを強調際に有効だろう。また、スナップ写真にライブNDを使えば、まわりの人が流れるイメージ撮影が可能だという。

星空AFもE-M1 Mark IIIで搭載された新機能。星空のフォーカス位置は「無限」ではピントが合わず、無限にしてからマニュアルフォーカスで詳細に合わせるわずらわしい手順が必要だった。星空AFは、その作業をオートフォーカスで行ってくれる機能で、速度優先と精度優先の2つがあり、速度優先では手持ちで星空を撮ることが可能だ。

ダブルスロットで記録媒体はSD、SDHC、SDXCに対応

ビューファインダーは約236万ドット。モニターは3.0型2軸可動式液晶を搭載

小型軽量ボディを実現。防滴性能は保護等級1級(IPX1)を保証

E-M1 Mark IIで高い評価の広くて深い形状のグリップを継承

スタンダードモデルでありながら、上位機種並の機能を持ったE-M5 Mark III

フルサイズミラーレスよりもひと回り以上コンパクトなシステムを実現

E-M5 Mark IIIは、2019年11月22日に発売されたオリンパスの中でも小型、軽量を実現したスタンダードモデル。

防塵防滴を特徴とし、雨中や低温下などの過酷な環境でも撮影が可能。「雨が降ったままでも写真が撮れます」と同社は胸を張る。他社製デジタルカメラと比べて、ボディ、レンズともにパッキンの数が全然違うという。デザインも特徴的で、昔のフィルム時代のOM-1に似ており、右側のライブビューボタンは巻き上げクランクに似ている。

スタンダードなモデルでありながら、5軸手ぶれ補正ユニットを搭載し、最大約5.5段を実現。0.5ピクセル単位でイメージセンサーを動かし、連続で8枚撮影して合成する三脚ハイレゾショットを搭載。E-M1 Mark IIIとほぼ同じような機能をもっている。

ファインダー部分のデルタカットに代表されるOMシステムの伝統的なデザインを継承

グリップを大きくしてホールディング性を向上

約236万ドットのビューファインダーや3.0型2軸可動式液晶を搭載

小型、軽量、高画質を実現したF4通しのズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROは35mm判換算で24-90mm相当となる

光学性能と防塵・防滴性を持つプロ向けの「M.ZUIKO PRO」シリーズとして、小型軽量を実現した高性能・標準ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」が登場した。

一番の特徴は、標準PROレンズでありながら、254gと小型軽量であることだ。F4通しの標準ズームレンズの中で最も最小で、最軽量を実現。手ぶれ補正は搭載されていないが、逆にそこを省くことによって小型軽量を目指したモデルだという。ワイド側で12cm、テレ側で23cmまで寄れる。標準ズームレンズでありながらも寄れるので、背景や手前のボケもやわらかく表現が可能。また、M.ZUIKO PROは防塵防滴仕様を実現しているシリーズだが、12-45mm F4.0 PROも防塵防滴とのことだ。

取材・文:編集部 撮影:小山田有作


Vol.06 [再現CP+2020] Vol.08