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かつての賑わいが戻ってきた!会場は新天地!

Cine Gear Expo 2024が開催された。映画関係者には外せないイベントであるがここ最近はパンデミックのために開催場所や規模も縮小され寂しいものがあった。しかしながら今年はスタジオ開催が復活し、各社も新製品を投入してきた。

まずは、キヤノン「EOS C400」シネマカメラ投入。6Kセンサー、Cinema RAW Lightを内蔵収録可能なEOS C400には注目だ。

またパナソニックは、LUMIX GH7を発表。ARRI LogC3(別売)を搭載しARRIカメラとのカラーマッチングが可能になった。さらにこのマイクロフォーサーズカメラはProRes RAW HQと32bitフロート録音も実装している。

展示会合わせでは珍しく多くの新製品が会場に並んでいるという。今回は実際に現地に日米拠点で活躍する撮影監督石坂拓郎氏にレポートしてもらった。

会場がWarner Brothersスタジオへ!

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今年のCine Gearは、会場がWarner Brothersスタジオとなった。バックロットとスタジオを使用しての規模もかつての大きなイベントに戻り、良い雰囲気が漂うスペースとなっていた。

場所は、ここしばらくLAコンベンション会場ではあったが、これまでの定番の地パラマウントからワーナーブラザーズのスタジオに移った。ワーナーでの開催らしくバッドマンやバットモービルなどの装飾も見られ、さらにはビールトラックも賑やかしに出展し、雰囲気を盛り上げていた。

コロナ、ストライキと大変な局面を乗り越えた後の2024年の開催となり、まだその後遺症というべき状態だ。仕事もあまり多くない中、みんなが集う場所としても良い場になっていると感じられた。映像ビジネスの変化が感じられる中、仲間との再会を喜ぶ様子も多く見られた。

今年は、キヤノン、ソニー、パナソニック、ARRI、REDとメジャーのカメラメーカーも復帰し、雰囲気を盛り上げていた。特にキヤノンは、EOS C400という名前からは、想像できないほど高いスペックでのカメラを手頃な価格で打ち出してきた。3つのベース感度、6K、4K、ハイフレームレート記録、内蔵RAW記録、バッテリーはキヤノンバッテリーも使用可能で、オートフォーカスまでも実装されている。ブースで説明を聞きながら、これが入門機だったら、上級機はどうなるのだろうと考えさせられる。

気になるシネマレンズあれこれ

他に目立ったのは、やはり中国のレンズメーカーもだが、アメリカでのリハウズやオリジナルレンズを作るレンタルハウスまで出展されていた。

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ロサンゼルスのローカルのレンタルハウス、Lensworksは、オリジナルのアナモフィックを作り出して、T1.8のワイドオープンまで使える。アナモフィックなのだがしっかりと至近距離も短い。まだ正式発表でないそうだが、正式なレンタル開始が待ち遠しい。

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このレンタルハウスは、他にも様々なフィルターやLEDでフィルターを照らす特殊な装置も開発している。

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アナモフィックレンズと言えば、もう一つ気になった商品があった。Blazerから登場した「REMUS X1.5 anamorphic T2.0」。

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このレンズは、とにかく軽く小さく、それでいてしっかりとしたアナモフィックレンズになっている。DJI Ronin 4Dにつけてもカウンターウウェイトを必要としないという。とても軽量だが、しっかりと作られている印象に仕上がっている。

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その他にもZERØ OPTIKも新しいリハウスレンズだけではなく、オリジナルのレンズとして発表していた。設計が難しかったレンズももっと気軽にリハウズやオールドレンズを使って、設計し直したレンズが登場してきている。もうどのオールドレンズを元に作られたかも明かさずに、「こんなレンズができました」という形で発表されているのも新しい。

Camera Assistant電動カート

Make Your Cart Goというカメラアシスタントカートを電動化した会社も出展していた。手元で前進/後退を選べ、ロックブレーキがついている。モータ、電池、コントローラーいずれも小型になっていて、使い勝手は良さそうだ。

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照明の進化に驚くばかり

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ライトに関しては、全体的に大型の面積の広いLEDライト(8×8、12×12、20×20など)とボックスタイプのARRI SkyPanel Xのような形のものが増えている。流行りは、全体的に同じ方向に向いていて、大きなソフトライトが多く、ハードなフォーカスができるライトはそこまで増えていない印象だ。

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もう一つ大きな動きは、LEDウォール撮影の場合に適したシステムとライティングが増えてきた。Kino FloとREDが一緒に行っていたGhostFrameのシステム展示は、まさに新しい技術と言えるものだった。

1枚のLEDウォールと1台のカメラで、昼と夜の映像と昼と夜のライトを同時に収録するというのが展示用の目的だが、GhostFrameが可能だということがはっきり分かる展示でもあった。

つまり、この技術を使うと、LED撮影で念の為に背景をグリーンにしたものを同時に撮影ができて、LED撮影でも後で、CGに切り替えて背景をもっと質の良いものに置き換えることも可能になる。

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新しい技術のライト、カメラ、双方のテクノロジーの融合が見られ始めている。LEDライトとLEDスクリーンの技術も色表現の違いの問題を解決するべく、今融合に向かって動きを見せている。様々な技術と機材が組み合わさって表現の道具となっていく先が楽しみだが、その過程で技術に振り回されないように、あくまで表現の道具として有効かどうかを見極める力もより必要な時代だ。

変わりゆく展示会

展示会に出展する必要がないと、最近よく耳にする。オンラインで発表をすれば良いのでは?という考え方である。しかしながらやはり実際に機材を手に取り実際に見るという経験には叶わない。パンデミックで失われた、現実世界での物理的な接触が戻って来たことを感じたCine Gearだったことは言うまでもない。

手にとって、目で見るという事で、説明がなくてもかなりの部分が理解はでき、製品だけでなく、これからの撮影がどういう形になっていくかも想像する事ができる貴重な機会だと改めて感じた。