Blackmagic Design導入事例:映画「キングスマン:ファースト・エージェント」の場合

Blackmagic Designによると、20世紀スタジオの映画「キングスマン」シリーズ最新作「キングスマン:ファースト・エージェント」のデジタルインターミディエイト(DI)ワークフローに、DaVinci Resolveが使用されたという。

ベン・デイヴィス撮影監督が撮影し同作は、Marv Studiosが制作、マシュー・ヴォーン氏が監督を務め、第一次世界大戦を背景に、世界初の秘密諜報機関、「キングスマン」の誕生秘話を描いている。

同作のアクションのシーケンスは、セカンドユニット監督のブラッドリー・アラン氏によって撮影された。 デイヴィス撮影監督はあらゆる種類の小型カメラをテストし、Blackmagic Pocket Cinema Camera 6KとBlackmagic Micro Studio Camera 4Kを採用したという。

Blackmagic Design導入事例:映画「キングスマン:ファースト・エージェント」の場合

デイヴィス撮影監督は、Blackmagic Micro Studio Camera 4KをBlackmagic Video Assist 4Kと共に、 Ronin Sジンバルに取り付け、フォーカス合わせにはArri WCU-4ワイヤレス・レンズコントロールシステムを使用した。

デイヴィス氏:私にとって一番重要なのはサイズでした。このように軽量で多目的のカメラは、大型カメラでは不可能な場所にも設置できるため、今日の撮影方法を大きく変えました。このサイズのカメラは、小型のスタビライザーリグに取り付けることができ、撮影の方法が大きく変わります。

Goldcrest Postのシニアカラリスト、アダム・グラスマン氏は、ダニエル・トムリンソン氏と共に、DIと最終的なグレーディングを指揮し、オンライン編集を完成させたという。

グラスマン氏: キングスマンシリーズの前2作は、非常に色鮮やかで大胆かつ艶のあるルックでしたが、今作は題材が題材だけに、デイヴィス撮影監督は、繊細で彩度の低いルックと雰囲気を採用して、より陰鬱なルックにしたいと考えていました。

2人は、元々映画「スリー・ビルボード」用に作成した基本的なフィルムエミュレーションLUTを、メインの撮影に使用した。 このLUTは、Goldcrestの社内カラーマネージメント・システムを使用して、撮影セットからポスプロへと送られた。

Blackmagic Design導入事例:映画「キングスマン:ファースト・エージェント」の場合

編集では、第一次世界大戦の塹壕を描いた部分は、物語の暗い雰囲気に合うように彩度を落としてクールなルックに仕上げた。 グラスマン氏は、プライマリーおよびロググレーディング、HSLキーヤー、ロトシェイプなどのDaVinci Resolveツールを使用。

映画の冒頭の10分は、ボーア戦争中の、南アフリカの草原でのフラッシュバックシーンになっている。

グラスマン氏:この部分は、埃っぽい黄色味のあるルックになっており、緑豊かなイギリスの田園のシーンと区別していますが、田園のシーンに溶け込んで行きます。

ラスプーチンが登場するロシア王宮の宴席という、キャンドルライトを使った大掛かりなシーンでは、グラスマン氏はグレーディングを洗練させることで、シーンの豪華さを引き立てた。

グラスマン氏:その際、彩度 vs 輝度のカーブとHSLキーヤーを使用し、金箔や金の装飾品を選択してそれらの彩度を上げました。

最終的なデリバラブルにはDolby Vision Domestic and Theatrical HDRおよびSDR REC.709が含まれる。

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