Blackmagic Designによると、2022ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック・アワードの収録にBlackmagic URSA Broadcast G2カメラが使用されたという。カリフォルニアとネバダに拠点を置く制作会社であるHollywood Motion Picture Experience(HMPE)が、同式典の生中継およびTwitterでのライブ配信を行うための4Kと12Gのワークフローを提供し、URSA Broadcastおよびその他のBlackmagic Design機器を用いて収録が行われた。

ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック・アワードは、音楽業界のトップアーティスト、プロデューサー、エグゼクティブの功績を讃えて贈られる賞で、今年は、オリヴィア・ロドリゴ、ギャビー・バレット、フィービー・ブリジャーズ、ドージャ・キャット、ボニー・レイット、H.E.R.などが受賞した。

2022年の式典は、Liquid Arts Mediaのオーナーであるティム・オーウェンズ氏とRedrock Entertainmentの制作統括責任者であるジェニファー・ハーシュ氏がエグゼクティブ・プロデューサーを務めた。両氏の依頼を受け、HMPEが4Kと12Gワークフローの専門知識を提供した。

HMPEのCEOであるトッド・フィッシャー氏は次のようにコメントしている。

フィッシャー氏:弊社の中継車の特徴は、Ultra HDおよびシネマレンズ、さらにBlackmagic Designの12Gワークフローを中心に構築されている点です。この式典は極めて大掛かりでした。59.94のUltra HDをフル12Gで放送したからです。授賞式の生放送では初めてとも言えるのではないでしょうか。

HMPEは、6台のBlackmagic URSA Broadcast G2と2台のBlackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2デジタルフィルムカメラを会場内にBlackmagic Camera Fiber Converterを使用して設置した。フィードはファイバーで中継車に送信され、カメラのスイッチングとCCUコントロールには、Blackmagic Studio Fiber Converter、ATEM Constellation 8Kライブプロダクションスイッチャー、ATEM 4 M/E Advanced Panel、ATEM Camera Control Panel、Smart Videohub 12G 40×40ルーターが使用された。すべてのカメラフィードは、複数のHyperDeck Studio 4K Pro放送デッキを使用して個別収録された。

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フィッシャー氏:中継車をカメラ中心に構築し、光ファイバーのワークフローとCCUに対応させました。CCUの隣にDaVinci Resolve Mini Panelも配置したのでカラーグレーディングも実行できました。ティムはカメラのルックと使用するレンズを重要視していたのですが、Blackmagic Designのカメラのおかげで、その両方の期待に応えることができました。

以前に映像作家をしていたので、映像が重要なことは深く理解しています。多くのカメラに良いセンサーが搭載されていますが、最も考慮すべきは、最終的な映像がどのように見えるか、イメージに対してどれくらいのコントロールが適用できるか、という点だと思います。

そういった面で、カメラにDaVinci Resolveのテクノロジーが統合されていることは大きなセールスポイントでした。LUTを作成し、カメラに設定して、そこからカラーグレーディングの微調整ができるのには、非常に助けられています。

Blackmagic URSA Broadcast G2の交換可能なレンズマウントも、今回のワークフローにおいて欠かせない要素だったと同氏は語る。

フィッシャー氏:DaVinci Resolve Mini PanelハイエンドのPLマウントのシネマレンズを一部のカメラに使用しました。中継車での作業だったので、Redrock Microの考案したモーター、コントローラー、ケーブル・ソリューションを用いることで、PLレンズを装着した固定カメラすべてのアイリスを調整できました。このソリューションでは、人気のモーター駆動に対応していないレンズに新しい命を吹き込むことができます。

弊社ではハイエンドのHDおよびUltra HDのB4レンズも多数所有しているのですが、多くのカメラはイメージを自動的にセンタークロップしてしまい、HDレンズではビネットが生じてしまいます。

しかし、Blackmagic URSA Broadcast G2には4KのB4マウントが搭載されているので、それは問題ではなくなりました。レンズが対応できるか、見た目を改善するためにイメージのクロッピングが必要かを心配する必要なく、Blackmagic URSA Broadcast G2とレンズは上手く機能してくれ、検出できるロスは生じませんでした。

あらゆるハイエンドのB4レンズをシームレスに使用でき、私を含め、こういったレンズのエンドユーザーにとっては非常に価値の高いカメラだと思います。映画、中継車、スタジオでの撮影に使用していますが、いずれの環境においてもBlackmagic Designのカメラは毎回その真価を証明してくれます。

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