去る3月26日~29日、東京ビッグサイトで写真機器の総合展示会フォトイメージングエキスポ2009(以下PIE2009)が開催された。国内外から150社以上が出展、4万人以上が来場する国内最大級の写真関連機器の一大イベントだ。
カメラメーカーがこの時期に合わせて新製品を発表するなど、写真関係者の関心の高いイベントとなっている。
デジタル一眼レフカメラにおいては、各社挙って動画撮影機能を持たせ、その関心はビデオユーザーにも広がっている。 特に今回のPIE2009では、パナソニック、ソニー、キヤノンと大手メーカーが相次いでフルHD1920×1080の動画撮影を可能にしたモデルを投入している。
Panasonic
マイクロフォーサーズシステム採用でコンパクトなデジタル一眼レフカメラDMC-GH1を展示。
1920×1080 60i(センサー出力24コマ/秒) AVCHD 17Mbps(FHDモード時)での撮影が可能。動画撮影時のAFに対応したLUMIX G VARIO HDレンズが同梱するKITモデルもある。レンズにはハイビジョン撮影向けに設計されたHDのロゴが光る。
また会場には、マイクロフォーサーズ対応レンズが一同に展示。 対応レンズの少なさが気になるマイクロフォーサーズ規格だが、通常のフォーサーズマウントのレンズやライカRレンズが使用できるマウントアダプターも参考展示されていた。
Canon
発表したばかりのEOS Kiss X3を展示。 こちらも1980×1080のフルHDの動画撮影が可能だ。
会場には実際にEOS Kiss X3で撮影されたHD動画が上映されていた。 おなじ1920×1080の撮影でもその動画形式は様々でEOS Kiss X3はQuickTimeフォーマットで撮影される。 残念ながらフレームレートが20fpsとなっており、そのままフルHD動画をビデオ編集に組み込むには無理がある。1280×720の解像度ならば30fpsの撮影が可能だ。
SONY
こちらはデジタル一眼レフではないが、1920×1080の動画撮影が可能なDSC-HX1。
同社のHDVカムコーダーでおなじみのExmor CMOSを初めて採用。レンズもHVR-Z5JでなじみのGレンズが搭載されている。
また同社のデジタル一眼レフカメラ αシリーズ用のレンズが参考出品されていた。
また2階建てに構成された同社のブースでは、70-400mm F4-5.6 G SSMなどの望遠レンズをα900にマウント。
撮影画像はα900とHDMI接続された有機ELモニターで確認できる。
ここまで、カメラ本体の話ばかりで正直ビデオ撮影の皆さんにはつまらない話も多かっただろう。 しかし、撮影周辺機材では、ビデオでも活用できるアクセサリが多く潜んでいるのだ。
LPL
単三電池4本で駆動するLEDビデオライト VL-300を展示。 付属の色温度変換フィルターで7,300Kから5,000Kへの色温度変更が可能。
1,300lx @50cmの照度をもつ。(色温度変換時は1,000lx @50cm)
また、LEDライトが装着されている吸盤は、バキュームボールヘッド VH-105。 カメラ装着部に1/4″ネジを備えているので、豆カムHDの搭載など幅広い利用用途が考えられる。
その他低価格でホームユースにも最適なスタンドセットの蛍光灯ライト HL-10KB、HL-10Kも展示されていた。
Kenko,Tokina,SLIK
どんな場所にでもカメラの取り付けが可能なユニークなフレキシブル三脚gorillapodが展示されていた。
小型カメラ用のものから、HDVカムコーダーにも対応するモデルまで幅広くラインナップ。
Nikon
ヘッドセットビューワーとでも呼ぶべきだろうか、まるでインカムのようなスタイルのこの製品は「UP」と呼ばれる同社のモバイル機器だ。
ヘッドホンを装着すると、アイカップがちょうど右目のあたりにくるようになっている。アイカップの視野角ダイヤルを調節すれば、まるでビューファーを覗いているような状態になる。 本体に動画プレーヤーが内蔵されているので、そのまま動画プレーヤーとして利用することも可能だが、外部AV入力に対応したモデルもあるので、スイッチング収録での利用や、デジタル一眼レフのライブビューをモニターするのも面白いかもしれない。
Bogen Imaging
Manfrottoの新製品、701HDV,755XBKの展示のほか、701HDVヘッドをツインポールの三脚で利用できる60mmボール対応三脚547Bなどを展示。
一方Gitzoでは、1970年代のGitzo三脚を展示。その隣に新発売の復刻モデルGK1380VQRを展示。1970年代のデザインに最新の技術を融合させたモデルだ。
PIE2009は昨日、好評の内に閉幕となったが、ビデオユーザーにとっても見逃せないイベントといえるだろう。