見えてくる今年のトレンドとは?

本日より千葉市の幕張メッセでInter BEE 2009が開幕した。昨年まで、数年にわたってブース増床を続けてきたInter BEEだが、今年は4~8ホールの5ホール分(1,391小間)と、昨年にくらべ2ホール分も縮小してしまった。しかし、出展者数は過去最多816社(前記小間数とも電子情報技術産業協会調べ)となり、小粒ながらもピリリと辛い展示会となった。

ここ数年の参加傾向として、初日の午前は、まばらで、午後に参加者が増えだし、その参加者の動向を見ながら2日目から3日目午後にかけてピークを迎えるという状況であった。ところが、今年は、初日午前中の段階で数多くの参加者が訪れ、展示会場内の寂しい感じは全くない。それどころか、通路に人が溢れるほどの盛況振りであった。本日18日の来場者数は、10,332人(国外397人)。昨年は11687人(国外342人)だった(共に事務局調べ)。

合言葉は、ステレオスコピック3D

地上デジタル完全移行まで1年半余りという段階になり、地上デジタル移行への視察という段階は終息し、移行後の制作環境と市場性に興味が移って来ていると感じられた。特に今年は、NAB Showでも注目を集めたステレオスコピック3D制作の波が、Inter BEEに一気に押し寄せた。ソニーが、ブースを2分するような奥行きのある巨大なメインステージで、3Dライブ収録、3Dライブスイッチングなどデモを行ったほか、国際会議場の会議室で小型化した4KデジタルシネマプロジェクターSRX-320に3Dプロジェクションレンズユニットを取り付けた状態でデモを行なった。視差調整用のステレオイメージプロセッサーを参考出展していた。

ソニーに限らず、パナソニックがAVC ULTRAをうたうカメラレコーダーやP2デッキなどを展示したほか、池上通信機もマルチパーパスカメラを使用した3D収録を展示した。RED ONEを扱う西華産業でも4種類の3Dリグを出展、アスクが収録サポート製品のQTAKE HDをデモするなど、ステレオスコピック3D制作ワークフロー確立のための取り組みが加速し始めたことをうかがわせた。なお注目のEPICやSCARLETのお披露目は先送りされたが、12月か1月に大がかりなイベントが予定されているという。

気になる各社の動きは?

ファイルベース収録に関しても着実に進化してきている。キヤノンは、EOS MOVIEコーナーを設け、デジタル一眼レフカメラの動画収録を設けたが、ブース正面で、開発中のファイルベースカムコーダーのモックアップを展示していた。ソニーも、ついにAVCHDカムコーダーのラインアップ強化に踏み切った。メモリースティックPROとSSD(ソリッドステートドライブ)を使用してAVCHD記録を行なうNXCAMを参考出展。ブライダルやコーポレートといった業務用途小型ハンディカメラ市場でのファイルベース化が進展してきた。

テープベースカメラを運用してきたカメラマンにとって、ファイルベース収録は駆動音がないことやメディアエラーの発生といった不安要素などから、なかなかファイルベース収録に踏み切れない状況が続いてきた。NXCAMでは、メモリースティックPROとオプションのSSDへの同時記録を採用することから、メディアに対する不安はかなり軽減されそうな状況になって来た。今後は、カメラ本体2枚同時記録がトレンドとなっていくかもしれない。

メディアブースエリアにPRONEWSブース!

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PRONEWSは、昨年に誕生してちょうど一周年を迎えました。今年からは、Inter BEEメディアパートナーして、出版社エリアにブースを出展しております。皆様のお越しをお待ちしております!

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編集部

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PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートを中心にお届けします。