去る6月3、4日の両日、東京都港区港南のキヤノンSタワーにおいてキヤノン プロフェッショナルムービー体感会2010が開催された。このイベントは、6月下旬に発売となるビデオカメラXF300/XF305や動画対応のデジタル一眼EOSシリーズ、放送業務用の各種レンズなどを一同に集めて実際に操作・体験できるもので、カメラサポートや編集ソリューションなどを扱う各協力会社の出展やスペシャルセミナーなどワークフロー全体を俯瞰できるものとして開催された。
こうしたイベントはとかく自社の製品中心で周辺機器メーカーの製品は添え物程度の展示になることが多いが、収録から編集までのワークフローをどう構築するかは、業務用ユーザーにとっては非常に重要な関心ごとということもあり、今回のイベントでは発売前のXF300/XF305だけでなく、周辺機器メーカーや編集ソリューションを紹介するブースさらにはセミナー会場まで多くの来場者でにぎわっていた。
会場を入ってすぐのところには、XF300/XF305のほか、デジタル一眼EOS-1D Mark IV/EOS 5D Mark II/EOS 7D/EOS Kiss X4、放送業務用レンズHJ15e×8.5B KRSE-Vなどが撮影ブース周囲にずらりと並んでいたほか、XF300/XF305によるクロマキー効果を実演するコーナーがあり、朋栄のスイッチャー花火シリーズを中心としたバーチャルスタジオシステムVRCAMによる合成の実演が行われていた。
撮影コーナーでは、XF300/XF305やデジタル一眼EOSシリーズのほか放送業務用レンズを装着したカメラなどを展示 XF300/XF305によるクロマキーの実演 朋栄のバーチャルスタジオシステムVRCAMによる合成の実演その奥右側にはセミナー会場があり、アビッドテクノロジーMrdia Composerの最新バージョンAvid Media Composer ver5による、リアルタイム編集機能の紹介のほかアップルジャパンによるEOS MOVIE Plugin-E1 for Final Cut Proを使用したシームレスに取り込みと高品質なカーラーグレーディングやFinal Cut Studioとの連携、トムソン・カノープスのEDIUS Pro 5によるリアルタイム編集の紹介、テレビ番組制作におけるEOS MOVIEの活用事例の紹介などが行われた。
セミナー会場はいつも満席の状態で、立ち見の姿も見られたにぎわう周辺機器メーカー各社の展示
会場左側には各社周辺機器メーカーのブースが並んでおり、一眼レフカメラで動画撮影を行うための各種カメラサポート、EOSの.movデータやXF300/XF305の編集ソリューションなどが各社のブースで展開された。カメラサポート関係はEOSデジタル一眼をシネスタイルで使うためのマットボックスやフォローフォーカス、ステディカムといった周辺機器の出展が多かったが、3D撮影用のプレートやリモコン、ビュアーなどもあり、これを見るとEOSでどんな撮影もこなせそうに見えてしまうのは、出展各社の展示のうまさだろうか。
EOS用ファインダールーペ(KPI) KiPro用のカメラマウントシステム(フォノン) EOS用カメラサポート。マットボックスやフォローフォーカスを装着(フォノン) REDROCK MICROのカメラサポートシステム(ライトアップ) EOSによる3D撮影システム(Studio PON) 小型カメラ用ステディカムSTEADICAM MERLIN(銀一) Zacutoカメラサポートシステム(ノビテック)XF300/XF305やEOSシリーズは本体だけで動画を収録することが可能だが、SDIやHDMIなどの出力を利用して別フォーマットでも収録することもできる。また、こうした出力を使ったキャプチャーなど、スタンドアローンとしての利用以外のソリューションや各種システムに接続する時に必要なコンバーターなど様々なシステムが紹介された。
AJA KiProによる収録システム(アスク) |
EDIUS Pro 5によるリアルタイム編集システム(トムソン・カノープス) |
MXO2シリーズによる編集システム(オービット・ミューズテクス) |
DeckLink HD Extreme 3Dよる編集システム(ブラックマジックデザイン) |
マルチフォーマット・ビデオスイッチャーV-1600HDによるライブスイッチシステム(ローランド) |
ディスプレーに装着して使用する3Dアダプターと3D視聴システム(Studio PON) |
Final Cut Pro、Premiere Pro CS3 とCS4に対応したリアルタイム3D編集ソフ トウェアキットcineform neo 3D(Studio PON) | SONNETマルチメディアリーダーライターQio(三信電気) |