今回、テストレポートをすることになったのは、ソニーが1月に発売したばかりの肩乗せ型HDVカムコーダーHVR-HD1000Jだ。第一印象は「とにかく操作が簡単!」しかも、肩乗せ型なので「長時間の撮影が楽!!」ということだ。肩乗せ型であるHVR-HD1000Jは、ハンディ型に比べて重量はかなり増えてしまったのかと思ったのだが、重量は3.2kgしかない。通常の業務用ENG機であれば、5〜7kgあるのが普通なので、この重量は驚異的な軽さと言えるだろう。

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LCDモニターの利点は、細かい部分を確認できる快適さだ。

LCDモニターの利点は、細かい部分を確認できる快適さだ。

さて、実際の操作性だが、ソニー製の民生HDVカメラを使用した事があれは、簡単に操作出来るのではないだろうか。メニュー構造もほぼ一緒に近いので、混乱することも少ないと思う。VF(ビューファインダー)の表示は、民生機とあまり変わらない仕様になっているので、比較的見易い作りになっている。肩乗せならではの大型のVFになっていることと、昨春に発売した業務用HDVカムコーダーHVR-S270Jに近い形のLCDモニターがあることが、大きな違いだ。VF内の小さい映像ではなく、LCDモニターで細かい部分を確認できる便利さは、HVR-S270Jを使用した事がある人には分かってもらえるはずだ。

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HVR-HD1000Jは肩乗せ型にしたことで、筐体には物理的サイズに余裕がある。通常のコンポジット出力+アンバランスオーディオ(RCAステレオ)や、Sビデオ、アナログコンポーネント、iLINK、HDMI出力、USB端子など、出入力系端子はホントに豊富に揃っている。民生機であれば特殊なケーブルを必要とする場合も多いが、PCや民生デッキを接続するために使用するケーブルをそのまま使用できる。リモートコネクタも、SONY標準のLANC端子であり、手持ちのリモコンを使用することができた。個人的には、音声入力にキャノン(バランス)入力端子を採用して欲しかった。一応、ガンマイクが付いているのだが、ステレオミニジャック方式であり、これでは業務用途で使用するのは厳しい。最低限、この2ch音声入力であっても、左右それぞれに割り振りができるようになっていれば、使い勝手ももっと良くなっていたと思えるだけに残念だ。

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レンズは、カールツァイスの10倍バリオゾナーT*レンズだ。

レンズは、カールツァイスの10倍バリオゾナーT*レンズだ。

レンズは、カールツァイスのバリオゾナーT*レンズを内蔵する。焦点距離は5.4〜54mm(35mm換算で40〜400mm、16:9)。このレンズ部分にはコントロールリングが存在するのだが、マルチファンクションリングとなってしまっている。つまり、フォーカス用やズーム用といった機能固定のリングではないのだ。フォーカス、ズーム、AEシフトなど6項目の中から1つをメニュー操作で割り当てて使用する。もちろんマニュアル/オートの選択もできるので、通常はリング機能にズーム(マニュアル)を割り当て、その他の機能をオートにしておくと便利かもしれない。欲を言ってしまえば、このカメラコントロールリングも1本ではなく、2本にして欲しかった。ズーム+フォーカス、ズーム+IRISと、2つの機能を有効に使えたのになぁと思う。

小型民生機で満足できなくなった肩乗せ用途に適した入門機

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使用バッテリーはインフォリチウムLシリーズ。ハンディ型HDVカムコーダーと共通だ。

使用バッテリーはインフォリチウムLシリーズ。ハンディ型HDVカムコーダーと共通だ。

HVR-HD1000Jの総評としては、「どうしても肩乗せのスタイルが欲しい!」とか、「業務用のサブカメラで安い肩乗せが欲しい」などの要望にぴったりの機種となりそうだ。民生機の小型HDVカメラレコーダーを、肩乗せ型にした機種という感じだからだ。HC3やHC9といったハンディカムを業務用途に使用している人にとっては、肩乗せ型カムコーダーの入門カメラとして使えるだろう。使用できるバッテリーも、今までのハンディ型カムコーダーHVR-Z7Jなどと共通のインフォリチウムLシリーズバッテリー「NP-F970」などを使用できる。バッテリーが共用できて、オープン価格の本体が実売で17万円前後。これまで使っていたハンディ型だけでなく、やはり肩乗せ型も使いたいシーンがあるという人にとっては、コストパフォーマンスに優れた機種となりそうだ。

操作性は、あくまで民生機のフルオートをベースにした感じで、その延長でマニュアル操作ができるというレベル。普段、業務用や放送用のカムコーダーを使用して、マニュアル操作を多用したい人にとっては不満の残るモノだ。肩乗せにするメリットを考えて、少しでもいいから機能を民生機から上乗せしてくれれば、必要最低限の業務機としてさらに良いものになったのになぁと思う。実売価格を考えると、なかなか要望には答えられないとは思うが、惜しいよなぁ。

船迫誠(ファンタビット)

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業界で話題の商品を実際に使ってみてどう感じたかを、各方面の様々な方々にレポートしていただきました。