米RED Digital Cinema社(RED社)は、4Kハイエンド・デジタルビデオカメラのRED ONEから製品ラインアップを拡大、5Kと3Kのビデオカメラ、そしてドライブとレンズシリーズをNAB2008にて発表した。レンズ以外の製品は全て2009年にリリースする予定で今回発表されたスペックについても最終出荷のものではない。
RED社は、Oakleyの創業者Jim Jannardが立ち上げた企業で、2年前に「35ミリフィルムのクオリティとDVカメラの利便性」を両立するという4Kフォーマット対応のハイエンド・デジタルビデオカメラRED ONEで業界に新しい風を吹き込んだ。
RED ONEは、本体質量は約4kg、流線型パッケージで、35mm PL レンズマウントで世界の最高品質の光学ズームレンズからストレージやモニタを装着できるモジュール式システムを採用したカメラシステム。
RED ONEは4K Native REDCODEと呼ばれる独自超高解像度フォーマットで4520 X 2540ピクセルのRAWを収録。主に映画向きで、720Pや1080Pでの撮影もでき、Appleと提携し、Final Cut Proと連携してシームレスにProRes422でも編集が可能だ。
新製品だが、5K対応のカメラは、EPICと呼ばれる本体質量は約3.5kg、フルフレームS35mmの新MYSTERIUMX センサーがプリ装備され、FPSは最大100まで、100Mbp/sまでのビットレートを持つ。価格は$30,000と言われている。
3K対応のカムコーダは、SCARLETと呼ばれ、2 / 3-inch MYSTERIUMXセンサーがプリ装備され、FPS は 最大120まで、100Mbp/sまでのREDCODE RAW HDビデオフォーマットに対応する。
コンテンツはデュアルコンパクトフラッシュ・カードで記録できる。価格は$3,000と言われている。そのほかに、新しいドライブとレンズも発表された。ドライブは4Kまで対応するRED RAYというオプチカル・ドライブ。4Kまでなので EPICの5K帯域には対応できないが、一般のHDフォーマットとR3D RAWフォーマットのコンテンツをRED DiskとRED Expressメディアから取り込むことができる。
新しいMYSTERIUMX Super 35mm シネサイズ・レンズシリーズ18-85MM T2.9 ZOOMから300MM T2.9までの7種類。そしてフェーズ2では、15MM T2.8と18MM T1.9をリリースすることも予告している。
Apple社に限らず、今回のNAB2008では、AJA社のキャプチャカードやNVIDIA社のグラフィックエンジン、Assimilate社のDIシステム、独自フォーマットのフレームサイズに対応するデジタルシネマ制作支援企業は増えてきている。