ケーブル業者と家電業者が、プラグ・アンド・プレイ規格のTV普及の計画においてお互い一歩近づいた。
米国現地時間27日、ソニーエレクトロニクスと米大手ケーブルオペレーター6社が、セット・トップ・ボックス(STB)がなくても、対話型デジタルコンテンツやHDTVにアクセスできることを標準化し、そのプラットフォームを搭載するデバイスを共同開発することで合意した。これは、全米CATV協会(National Cable & Telecommunications Association:NCTA)が発表したもの。
参稼するのは、Comcast、Time Warner Cable、Cox、Charter、Cablevision、Bright House Networks。これら6社を合わせると、米国内1.05 億世帯(全体の82%以上)にCATVサービスを提供している、という。
ソニーと米大手CATV6社は、プラグ&プレイ規格として米CableLabsのOpenCable仕様Javaベースのtru2way技術を採用する。tru2wayは、次世代双方向TVアプリケーションの新しいブランド名で、双方の対話型のサービスであることが直感的に分かるようにと、従来のOCAP(OpenCable Application Platform)から名称を変更したもの。
CableLabsは、ケーブルテレビのビジネスの発展と規格統一や技術支援を目的に、米国ケーブルテレビ事業関係者によって設立された非営利研究開発機関である。NCTAとConsumer Electronics Association(CEA)では1か月以上前から、この対話型サービスのプラットフォームの統一化について議論していた。
今後ソニーだけでなく、さまざまな家電メーカーや情報技術メーカーが提供する対応製品を普及させていく計画。事実、ソニーが最初のメーカーではない。TimeWarner Cableに関与しているマーケットの40%が既にtru2wayに何かしら対応している。
今年のCESにおいて、パナソニックとComcastは、tru2way技術を搭載したポータブルDVR ‘AnyPlay’を発表しており、来年頭に正式的にリリースする予定。米国最大のケーブルオペレーターであるComcastでは、2008年末から本格的にサービスを開始するとしている。
プラグ&プレイ規格では、双方向CableCardがハードウェアインターフェースとなり、tru2wayをミドルウェアとしてサービスを展開していく。これらを搭載したテレビといったデバイスがあれば、HDDへの番組記録やVOD、番組ガイドといった双方型サービスがSTBを通さなくても可能となる。