超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム(URCF)と独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は、世界初の立体ハイビジョンIP伝送の実証実験に成功したと発表した。 URCFは、現在のデジタルハイビジョン基盤の家庭への浸透とシステムの低価格化に伴い、高画質の立体映像の家庭への普及を実現化すべく、伝送システムの研究開発に取り組んできた。 実証実験では、2チャンネルのHDV規格のハイビジョン映像を完全同期して伝送することができた。 同期した2台のHDVカメラで撮影された立体映像のストリームは、今回FAシステムエンジニアリング株式会社が開発した2チャンネル伝送装置「HVR-CUBE」にIEEE1394経由で取り込まれてIP化され、NICTが運用・管理する研究開発テストベッドネットワーク「JGN2plus」回線を経由し、受信ポイントまで伝送された。 これまで課題とされていたネットワーク上の同期およびエラー補正特性の格段の改善に成功した、という。また、今回の実証実験に合わせて株式会社NHKメディアテクノロジー製では、2ストリームの映像を画質劣化なくXPOL 3Dテレビに表示できる超小型の2チャンネル映像合成装置の開発も行われた。 今回の成功は、競技場やイベント会場から劇場や展示会場等に高画質な立体映像を家庭へ次世代伝送インフラ(NGN)を使って配信する実用化に一歩近づいたことになる。 なお、本日(6月4日)に開催されるURCF定期総会では、NICTけいはんな研究所と会場となる大手町サンケイプラザとを、「JGN2plus」で接続し、本技術の実証実験を一般公開する。