250704_100YEARS-OF-LEICA_top

ライカは2025年、写真愛好家のコミュニティとともに「ライカI」誕生100周年のセレブレーションを世界中で展開している。

ドバイ、ミラノ、ニューヨークといった国際都市で開催されたイベントに続き、先週、本社を構えるドイツ・ウェッツラーにて記念イベントを実施。政財界、写真界などからの約800名超のゲストを世界各国より迎え、新製品の発表、写真展やトークイベント、歴史的に希少なカメラが出品されるオークションなど、多彩なプログラムが展開された。

今からちょうど100年前に誕生した画期的な小型カメラ「ライカI」へのオマージュとして、ウェッツラーの都市名が刻印された特別限定モデル「ライカM11 100 Years of Leica "WETZLAR GERMANY"」が100台限定で販売された。

「ライカD-LUX 8」「ライカ ゾフォート2」「ライカ トリノビット 10×40」など100周年を記念する限定特別モデルが登場。特に注目のアイテムとなるのが、2本のレンズをセットにした限定100セットの「ライカM11-D "100 YEARS OF LEICA"」だ。

250704_100YEARS-OF-LEICA_01

また、記念イベントにあわせて3つの写真展も幕を開けた。エルンスト・ライツ・ミュージアムでは、1960年代からアメリカを代表する写真家の一人として活躍してきたジョエル・マイロウィッツの大規模な回顧展「The Pleasure of Seeing」を開催。

250704_100YEARS-OF-LEICA_02
250704_100YEARS-OF-LEICA_03

ライカギャラリー・ウェッツラーでは、フランス人ジャーナリストで写真家のエドゥアール・エリアスの写真展「Eyewitness」を開催。エリアスは、世界各地で起きている社会的・人道的危機を自身の目で伝えることを使命とする若手フォトジャーナリストの一人だ。さらに同ギャラリーでは「These Are the Days」と題して、ミュージシャン ジェイミー・カラムが自身の愛用するライカで捉えたパーソナルな視点の写真を展示する。

250704_100YEARS-OF-LEICA_04
250704_100YEARS-OF-LEICA_05

さらに、周年記念祝典のハイライトのひとつとなるのが、映画監督ライナー・ホルツェマーによる100周年記念特別ドキュメンタリー映画「Leica, A Century of Vision」だ。2025年内の正式公開に先立ち特別プレミア上映が行われた。映画の軸となるのは、世界的に著名な写真家たちとその創作活動、そして写真界におけるライカの重要性だ。スティーブ・マッカリー、ジョエル・マイロウィッツ、先頃逝去したセバスチャン・サルガドなど往年の名匠だけでなく、JR、サラ・M・リー、ドミニク・ナーなどの若手写真家も登場。自身の仕事について、各々熱い語りを聞かせてくれる。

また、100周年記念写真集「100 Leica Stories」が発表された。本書は、アイコニックな写真、個人的な体験、知られざる逸話、技術的なマイルストーンなど、1世紀の軌跡にまつわる100篇の物語を収めた一冊だ。

第46回ライツ・フォトグラフィカ・オークションでは、祝賀イベントの最後を飾るにふさわしい非常に希少なアイテムとして、1923年に製造された「Leica 0-Series No. 112」が出品された。Leica 0-Series No. 112は、現存する数少ない「ライカ I」のプロトタイプのひとつだ。この特別なカメラは、720万ユーロ(落札手数料を含む)という価格で落札された。

250704_100YEARS-OF-LEICA_06

ライカカメラ社主で監査役会会長を務めるアンドレアス・カウフマン氏は、次のようにコメントしている。

アンドレアス氏:ライカはこの100年間、イノベーションの力、職人の技、そしてエンジニアリングの技術を通じて写真技術の向上と芸術としてのフォトグラフィーの確立に大きく貢献してきました。

その眼差しは常に本質的なもの、すなわち写真に対する情熱に向けられています。だからこそ、100年にわたり続くカメラ製造の歩みを、パートナー企業やメディア関係者、政界の人々、そして写真家たちと共に祝うことは、きわめて自然なことだと感じています。

そして何より、この文化を日々支えている2,400名にのぼるライカ社員に心から感謝します。彼らの卓越した手仕事と革新への情熱が、まさに"ライカらしさ"をかたちづくっているのです。

ライカギャラリー・インターナショナル代表兼アートディレクターのカリン・レーン=カウフマン氏は次のようにコメントしている。

カリン氏:今から100年前、ライカはドキュメンタリー写真と芸術写真の新たな道を切り拓き、写真表現にかつてない多様性と可能性をもたらしました。しかしそれ以上に、ライカのカメラは、私たちの"世界の見方"そのものを永遠に変えたのです。ライカは単なる撮影機材ではありません。それは情熱と革新、そして感動に満ちた一瞬を永遠に残そうとする尽きることのない探求心の象徴です。

私たちは現在、世界28か所のライカギャラリーをはじめ、95年の歴史を誇るライカアカデミー、著名なエルンスト・ライツ・ミュージアム、ライカ・オスカー・バルナックアワード、そして「Leica Fotografie International(LFI)」誌を通じて、写真文化の発展に貢献し続けています。

ライカカメラ社CEOのマティアス・ハーシュ氏は次のようにコメントしている。

ハーシュ氏:カメラ部門とスポーツオプティクス部門は、ライカの企業としての成功を支える二大基盤です。写真やスポーツオプティクスを中心に、スマートフォン、ホームシネマ、眼鏡レンズ、腕時計といった革新的な製品や事業領域を通じて、私たちはライカの物語を未来へとつないでいきます。