米Verizonの光ファイバーによるテレビ放送サービス「FiOS TV」では、この7月から新しくハイ・デフィニッション(HD)で25チャンネル分の番組を始めることを発表した。 25チャンネルには、ライフタイム、アニマル・プラネット、TLC、サイエンス・チャンネルやスミソニアン・チャンネルのほか、新しくプレミアム映画チャンネルとして5チャンネル分がラインアップされている。 このニュースはVerizon社のメディア・リレーション兼副社長のEric Rabe氏が同社のブログで打ち明けたもの。公には現地5日に発表する意向、と伝えられている。事実、同社は昨年度、150チャンネル分のHD番組を2008年度中にサービスを始めると公約していたが、公約達成にはほど遠い。 しかし、Rabe氏はブログ上で今年度末までには他社に勝るチャンネル数のHD番組を提供できるようになる、と語っている。また、近々、MLBやNBAリーグパス、NHLセンターアイスの観戦無料チケットを提供するプロモーションも開始する予定。 また、Verizonは現地時間5日、米携帯電話サービス米Alltelの買収についても発表している。Alltelは、昨年5月に投資会社TPG CapitalとGS Capital Partners(GSCP)に買収されており、今回の買収取引は、VerizonがAlltelの全株式を、両投資会社から合計約59億ドルで買収する形で行われる。 Alltelは米国34州でサービスを提供しており、約1300万人以上の顧客を保持している。今回の買収によりVerizonは、年間売り上げ527億ドル(2007年ベース)、顧客数8000万人の米国トップの携帯キャリアとなる。 同社は昨年夏に、MediaFOLをプラットフォームとして採用した、「V CAST Mobile TV」という携帯でのテレビ配信サービスも開始している。更にこの春に実施された、無線周波数帯(700MHz帯)競売ではCブロックの落札者として挙がっている。同社の今後の次世代テレビサービス戦略は多様化しながらも更に拡大する模様だ。