
Blackmagic Designによると、陕西人文探索映画文化伝承有限公司が制作したドキュメンタリーでBlackmagic URSA Mini Pro 12Kデジタルフィルムカメラが使用されたという。
青海省のチベット高原の身を切るような風の中、チベットカモシカが跳躍する。その張り詰めた筋肉は優雅な弧を描き、ひずめは雪をかすめて飛び、時が止まったかのように太陽の光にきらめく雪片を舞い上げる。秦嶺山脈の森の奥深くでは、トキが飛び立つ。その翼の動きを約10倍のスローモーションで撮影し、羽の一枚一枚の繊細な震えまで捉えた。
これらの息を呑むようなシーンは、陕西人文探索映画文化伝承有限公司が制作したドキュメンタリーで、中国の国営放送局の旗艦チャンネルであるCCTV-1で現在放送されている。
陝西人文探索のゼネラルマネージャーであるチェン・シュー氏は次のように語る。
チェン氏:クリエイターにとって、自然ドキュメンタリーの制作では技術と芸術の両方のスキルが求められますが、Blackmagic URSA Mini Pro 12Kは、その両方において最も信頼できるツールです。
Blackmagic URSA Mini Pro 12Kデジタルフィルムカメラは、高原の寒さ、熱帯の湿気や豪雨といった過酷な条件にも耐え抜き、陕西人文探索のチームは「三江源の魅力」、「野生の故郷」、「世界でも珍しいトキ」、「秦嶺の猿の王」、「竹林の隠者」、「銭江源水路の秘境」、「董寨:中国中部の秘境」、「烏梁素海:渡り鳥の楽園」、「長島:黄海と渤海の動物王国」など、12本以上のCCTVドキュメンタリーの制作に成功した。

自然のはかない美しさを高速でキャプチャー
野生動物は一瞬のうちに動くが、この動きを捉えることがドキュメンタリーの成功を左右することがある。
チェン氏:例えば、国の第一級天然記念物であるオナガキジを撮影する際、オスは求愛中にその見事な尾羽を高周波で振動させることがあります。Blackmagic URSA Mini Pro 12KKを4K 240fpsモードで使用し、2匹のオスが同時に尾を振ってメスに求愛する様子を撮影したのですが、肉眼では捉えられない複雑な尾扇のディテールをスローモーションで捉えることができました。これらの映像は、研究者たちがこのユニークな中国の鳥をより深く理解するのにも役立ちました。
野外では身軽に移動したいので、多様な撮影ニーズを満たす多用途で柔軟な機材が必要になります。
Blackmagic URSA Mini Pro 12Kのセンサーは 12K、8K、4Kをサポートしており、センサー内スケーリングは解像度を切り替える際にフルセンサーフレームを維持できるので、構成の一貫性が保たれます。また、フレームレートを大幅に向上させるウィンドウモードにも対応しています。高フレームレートと低フレームレートの切り替えはシームレスなので、重要な瞬間を逃すことはありません。これは、野生動物のクローズアップを撮影する際に特に役立ちます。動物を驚かせないように、望遠レンズを使って遠くから撮影することがよくあります。
以前、青海省のチベット高原でクチジロジカの求愛バトルを撮影したのですが、その時彼らは通天河の砂州のずっと向こうにいました。800mmレンズだけでは不十分だったため、4Kウィンドウモードを使用することで実質的に3.3倍のクロップを追加し、1.4倍のテレコンバーターと組み合わせて、必要な標準ショット、タイムラプス ショット、スローモーションショットをすべて撮影できました。
また高解像度により、驚異的な視覚体験も実現できたという。
チェン氏:12Kと8Kの映像は、鳥の羽の細かな質感や昆虫の羽の半透明の質感など、複雑なディテールを捉え、ドキュメンタリーの視覚的なインパクトと没入感を大幅に高めてくれます。
高解像度により、ロスレスのクロップやズームが可能になり、ポストプロダクションの柔軟性が向上します。
野外撮影用の設計
野生動物のドキュメンタリー撮影では、過酷な環境に直面することがある。
チェン氏:-30°の高原でも、Blackmagic URSA Mini Pro 12Kは問題なく動作しましたし、40度の高温の中でも、オーバーヒートで使用できなくなることはありませんでした。
このカメラの耐久性もまた非常に印象的だという。
チェン氏:大雨の中での撮影中に、カメラのタイプCポートに水が入り込み、SSDへのデータ書き込みができなくなってしまったことがあったのですが、ティッシュ拭き取って風通しを良くしたところ、正常に動作するようになりました。青海省のチベット高原ではカメラが雪に覆われるのは日常茶飯事です。しかしBlackmagic URSA Mini Pro 12Kは山岳地帯、森林地帯、沿岸部で抜群の性能を発揮し、信頼できるパートナーであることを証明しました。

BLACKMAGIC DESIGNと共に進化
陕西人文探索はドキュメンタリーを制作しているだけでなく、映像テクノロジーの先駆者でもある。陝西省で最初にDaVinci Resolve を標準ワークフローに導入し、その後様々なBlackmagicカメラを採用した企業の1つとして、同社のチームはBlackmagic Design製品に関する深い専門知識を持っているという。
チェン氏:Blackmagic Designはプロ仕様のツールを民主化し、BBCやナショナルジオグラフィックといった大手の組織以外でも利用できるようにすることで、私たちのようなチームに力を与えています。
Blackmagic URSA Mini Pro 12Kのオープンデザインにより、クリエイティブな柔軟性が向上します。また、レンズマウントが交換可能なので、PLからEFに切り替えることができ、明るい条件ではSigma 300-800mmなどの既存のレンズ、暗い場所ではCanon 200-400mm f/4.0など、手持ちのレンズを活用できます。アダプターを使用すると、ビンテージのZeiss、Leica、Nikonのレンズも使用でき、これらのレンズに新たな命を吹き込むことができます。
Blackmagic RAWはまるでカットされていないダイヤモンドのようで、ポストプロダクションの柔軟性に非常に優れています。RAWフォーマットでありながら、ファイルサイズは一般的なフォーマットよりも小容量で、DaVinci Resolveでスムーズに扱えます。
最近、同チームはBlackmagic URSA Cine 12K LF Bodyを購入したという。
チェン氏:ラージフォーマットのハイエンド・シネマカメラであるBlackmagic URSA Cine 12Kは、ダイナミックレンジ、光感度、フレームレートが大幅に向上しています。発表時からこのカメラを追いかけていました。筐体のみのモデルは、撮影監督に多くのオプションを提供してくれます。そして私たちのような長年のBlackmagicユーザーは、手頃な価格で、既存のアクセサリを使用して完全なシステムを構築できます。
ドキュメンタリーを通して生命に捧げる賛辞
雪に覆われた高原から湿地の平原まで、そして鳥から獣まで、陕西人文探索のショットは、視聴者に向けて鮮やかな生態の世界を描き出す。12Kカメラを選択した理由を聞かれて、チェン氏はこう答えた。
チェン氏:人間の目で見える以上の方法で、中国の生態学の詳細を保存することを目的としているからです。各フレームが生命への賛辞であり、未来のための生態学的アーカイブなのです。


