Cambridge Animation Systemsのサイト
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2Dアニメーション制作ソフトウェアToon Boom Studioなどを開発しているカナダのToon Boom Animation(加モントリオール)は1月9日、アニメーション制作ソリューションAnimoの開発で知られるアイルランドのCambridge Animation Systems(アイルランド・ダブリン)を、同社の持つすべての知的所有権とAnimo製品ラインを含め買収したと発表した。今回、Cambridge Animation Systemsを買収したことでToon Boom Animationは、メディア、エンターテイメント、教育分野での展開を強化するとともに、ヨーロッパとアジアにおける、世界的なアニメプロジェクトの主要な技術パートナーとしての地位を強化していく考え。
Toon Boom Animationは、2Dカートゥーンアニメーション分野で広く利用されているToonBoomシリーズを提供してきた。Toon Boomシリーズは2Dベクターアニメーション制作ツールとして、旧マクロメディア(現アドビ システムズ)のFlashアニメーション書き出しを初期バージョンからサポートすることでプロユーザーを増やし、北米においてはテレビ番組やハリウッド映画などでも活用されてきた。日本においては残念ながら、アニメ制作は分業制が採られていたのと同時に、これまでFlashアニメーションはWeb用との印象が強かったため、業務用スタンダードツールとして普及するほどには至らなかった。
今回、Toon Boom Animationが買収したCambridge Animation Systemsは、デジタルセルアニメ制作工程をソフトウェアで再現するAnimoを開発してきた。Animoは、スキャン、ペイント、3DCG、合成・エフェクトというアニメ制作ワークフローに沿って、工程を管理しながら制作を進めることができるソフトウェアだ。日本のアニメーション制作市場では、セルシスが日本アニメ制作ワークフローに合わせたアニメーション制作ツールRETAS SUDIOを開発している。このRETAS STUDIOとAnimoの2つが、アニメーション制作ワークフロー構築に欠かせないスタンダードソフトウェアという位置づけになっている。
Toon Boom AnimationのツールにAnimoが加わることで、Flashアニメーション制作においても、セルアニメ制作ワークフローに沿った工程管理が可能になる。ToonBoom Animationが、北米市場以外でもソリューション展開に本腰を入れ始めたようだ。