米Microsoftは、米Comcast株式の保有1億5093万5575株すべてを手放したことが、米証券取引委員会(SEC)への提出書類で明らかとなった。 同社は現地時間1月16日付けで、保有していたComcast株がゼロになったことをSECに報告している。Microsoft 社の持ち数は1億5093万5575株(Class A)だった。これはComcastの全株式の7.26%に当たる。

始まりは、Microsoftが1997年にComcastに10億ドルを出資したことからだった。Comcastはその後、2002年に米AT&Tのブロードバンド事業AT&T Broadbandを買収し、米国最大規模のケーブルTV事業者へと拡大した。

Microsoftは1997年にComcastに10億ドルを投資した。当時、Microsoft社はケーブル市場のセット・トップ・ボックスに関して事業独占的シェアを試みていた時期だ。Comcastは2002年に米AT&Tのブロードバンド事業AT&T Broadbandを買収し、米国最大規模のケーブルTV事業者となっている。その後、Comcastはワシントン州のみではあるが、MicrosoftのデジタルTV向けプラットフォームやソフトウエアを採用していた。しかし、これも2007年5月には完全に取りやめている。

同社は、Microsoft Mediaroom Internet Protocol television (IPTV) プラットフォームを立ち上げた当事者だ。しかし、2004年11月には、Gemstar-TV Guide社と共同で開発したGuideWorksに切り替えている。最近では、この分野におけるMicrosoftの大手顧客はAT&Tのみ。またラテンアメリカのケーブル市場でわずかな顧客がある程度だ。

Microsoftが「大規模なレイオフを計画している」との報道がでていることもあり、同社の今回の売却が、昨今の経済状況に対処するためのコスト削減の一環だとみている。 Comcastの株は昨日14.02ドルに8.6%安で引けたが、Microsoft側は18.48ドルと6.2%下がっていた。