アニメーション作品の企画から制作まで扱うプロダクションProduction I.G(プロダクション・アイジー)は昨年度、加Maximum Throughput 社製(Max-T)の高性能ネットワークストレージSledgehammer HD!O システムを導入、一般公開予定の劇場アニメーション作品やテレビアニメーション作品制作のデイリープレビューとして使用しているという。
今回導入したシステムの構成は、フルHDまでのリアルタイムビデオI/Oに対応、2TBストレージを標準搭載し、Max-Tのメディアマネージメント&トランスファーアプリケーションMAXmedia及びXstonerがバンドルされている。これは、3年前のSledgehammer NASヘッドNAMSに続き2システム目。
NAMSは、同社で初めて素材から最終出力まで全てフルHDサイズ以上で作業を行なったテレビシリーズ「精霊の守り人」の制作用として採用され、現在全社用のレンダーファイルサーバーとして使われているという。
同社では、劇場作アニメーション2本を同時期に並行・連続して制作することになったため、諸条件を満たすディスクレコーダーを探していた。それには、24pが正確に再生できること、TIFF及びTarga連番ファイル、そしてプロジェクトの作品の1600 x 900という特殊なサイズが取り扱えること、そして再レンダリングすることなくフルHDサイズの再生が可能なことが必須条件だった。以上をフルで対応できると判断され、採用されたのがSledgehammer HD!Oだ。
更にSledgehammer HD!Oでは、TIFFやTargaなどの圧縮フォーマットの再生、1600 x 900のような特殊サイズのファイルもフルHDにリアルタイムでアップコンバートして出力できるため、効率的に作業が行える。
同社では、1話30分の作品で300カット前後、総数30,000を超えるフレーム全てをスキャンしデータ化し、色付け、背景との合成などをデータベースで行う。出来上がったカットは順次Sledgehammer HD!Oシステムに送られ、Javaベースのメディア管理「MAXmedia」のタイムラインを使ってデイリープレビューが行われている。
プロダクション・アイジーでは、「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」、「イノセンス」、「新世紀エヴァンゲリオン シト新生」 、テレビシリーズ「BLOOD+」、「REIDEEN」など、国内外から高い評価を得るアニメーション作品を数多く手掛けている。