文化庁は、2009年2月3日に公表した著作権法施行令の改正案に、Blu-ray ディスクに対する私的録画補償金の賦課を盛り込んだ。電子政府のWebサイトで全文を公表しており、3月4日まで一般からの意見(パブリックコメント)を募集している。
私的録画補償金は、著作権法30条第2項に規定された制度に基づいて、家庭内における、デジタル機器を用いた無劣化の私的複製を認める代わりに、著作権者に支払われる補償金のこと。製品価格に上乗せする形で徴収し、その私的録音録画補償金は、メーカーから映像関連の権利者15団体に配分されている。現在の年間の総額は30億円前後。この私的録音補償金管理協会又は私的録画補償金管理協会から、日本音楽著作権協会(JASRAC)、日本芸能実演家団体協議会、日本レコード協会、私的録画著作権者協議会を通じて著作権者等に支払われる。
従来の対象機器、媒体は、DVD±R、DVD±RW、DVD-RAMのうち「録画用」のものと、D-VHS、DVCR(デジタル・カセット・レコーダー)、MVDISC(マルチメディア・ビデオ・ディスク)だった。文部科学大臣と経済産業大臣による2008年6月の協議で、デジタル放送の複製ルールを「コピーワンス」から「ダビング10」へ緩和することを決めた際、BDへの補償金賦課を併せて行うことを申し合わせていた。その後、両省と電子情報技術産業協会(JEITA)などが詳細を協議していた。今回の著作権法施行令の改正により、BD(BDレコーダーと、BDのブランクディスクのうち録画用のもの)への補償金賦課が正式に始まる。この改正案は、4月1日施行の予定。
また並行して文化審議会では私的録音録画補償金の抜本見直しが行われている。iPodに代表される「ハードディスク内蔵型録音機器」や、パソコン内蔵・外付けのハードディスクドライブなどを補償の対象とするべきかなど、権利者団体が制度の拡大を要求している一方で、制度の趣旨・運用についての疑問が呈されており、著作権法改正をめぐる重大な争点の一つとなっている。