英Quantel社(クォンテル社)は、4月に米ラスベガスで開催される放送機器展NAB 2009への出展をキャンセルすることに決定した。

同社CEOのRay Cross氏によると、この出展取り止めについてはかなりの議論があったという。しかし、最近の景気の落ち込みに伴い出展費用1億円を出資することが難しくなり、今回の決断がなされた。

毎年出展していたメーカーが姿を消すとなると、経営状態の危機とでもとらえがちではある。しかし、「昨年から開催している各地でのハンズオン的なセミナーやユーザー会は非常に反響も高く、今年も引き続き行っていく」とCross氏は説明している。また、大手の顧客のための新しいプロジェクトが重なっていることも理由としている。

クォンテルでは、V4.1以降のバージョンの開発やRED用のワークフロー、Stereo3D、DinoやFinalCutProサーバーとのインテグレーションといった多くのプロジェクトが並行して進んでいる。NABで新製品や最新バージョンを公開することをプライオリティに開発側の予定にプレッシャーを与えず、ユーザー焦点で進めていけることで、反対によい結果に結びつくだろうとしている。

尚、RED Digital Cinema社も既にNAB 2009 出展の取り止めを決めている。反対に昨年出展を取りやめにしたアビッド・テクノロジー社は復活する予定。