NAB 2026の放送用レンズ分野において最大の注目を集めたのは、キヤノンの「CN30×40」である。広角40mmから望遠1200mmまでを1本でカバーする30倍ズームは、放送用レンズの限界を打破する画期的な製品といえる。

一方で、会場ではそれに勝るとも劣らぬ関心を集めるレンズがLAOWAから登場していた。同社ブースでは、新開発の「Ultima 25-180mm T3.8 FF」と「Ultima 25-600mm T4 S35」の実機が展示されていた。

LAOWAは2024年にシネマおよび放送用レンズシリーズ「Ultima」を立ち上げ、第1弾として「Ultima 25-180mm T4 S35」を投入している。今回の展示は、その流れを受けたラインナップ拡充となる。中でも「Ultima 25-600mm T4 S35」は、スーパー35mm専用である点を踏まえても、極めて高い関心を集める仕様である。

デモ機はPLマウント仕様で、24倍の光学ズームに対応する。35mm判換算で約37.5〜900mm相当の画角を実現し、この望遠性能を維持しながら筐体サイズを抑えている点は特筆に値する。さらにズーム全域でT4を維持する設計により、露出変動のない安定した運用が可能である。

ブースでは富士フイルムの「FUJIFILM X-S20」に装着した状態で展示されていた。PLマウントからXマウントへの変換アダプターを介して運用されており、実際に24倍ズームの操作感を確認できた。モニター越しの映像からも高倍率ズームの効果は明確であり、スポーツ中継やドキュメンタリーなど、やり直しのきかない現場において大きな戦力となることが想像できる。

レンズはPLマウント仕様だが、マウントアダプターを介して富士フイルムXマウントに変換され、カメラボディの「X-S20」に装着されていた
最もワイド(広角)側のイメージ。テレ(望遠)端までズームした際には、赤枠で示した範囲が拡大表示される
最もテレ側に設定した際のモニターの様子

もう一方の「Ultima 25-180mm T3.8 FF」は、Blackmagic Designの「URSA Broadcast G2」に装着して展示されていた。こちらはフルフレーム対応の放送用途を想定したモデルである。ズーム全域でT3.8の一定露出を維持する設計が採用されている。

デモ機にはMovcam製のオプションサーボグリップが装着されており、操作性にも配慮されていた。スポーツや野生動物の撮影、ライブイベントなど、機動力が求められる現場で高い有効性を発揮するレンズである。